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雑学・コラム

2020.08.18

SNSで「ネットワークビジネス」の勧誘が急増中!コロナ禍で大学生を狙う悪徳商法の手口とは?

Kindai Picks編集部

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オリジナル記事
学生ライター
悪徳商法
ビジネス
SNS
詐欺

コロナ禍によるバイト難民大学生をターゲットにした、悪徳ネットワークビジネスが問題になっています。たしかに、怪しいなと思っていても、「簡単に稼げる」というキーワードについ惹かれてしまう人も少なくないのではないでしょうか。そこで今回は、ネットワークビジネスの仕組みや対処法を探るべく、迷惑メール評論家のGO羽鳥さんと経営学部の鞆大輔先生にお話を聞きました。

こんにちは。近畿大学総合社会学部社会マスメディア系専攻3年生の岡島彩乃です。
最近、SNSを使っているとこんな具合に突然知らない人からメッセージがくるんです。


こちらは、私のインスタグラムに届いたDM

そもそも「ビジネス」とか「スキマ時間」といったキーワードしかかかれておらず、それが一体どんな仕事なのかもわからない。しかも、お金はそんな簡単に稼げるとも思えないですよね。

ちなみに私の友達でも同じ経験をしている人がたくさんいるようで。実際に返信してみるとどうなるのか気になるところですが、どんなトラブルに巻き込まれるかわかりません! そこで、多くの悪徳業者とバトルを繰り広げてきた迷惑メール評論家のGO羽鳥さんにインタビューを行いました。


迷惑メール評論家に聞く、危険なビジネスの見抜き方と迷惑メールの対処法。




GO羽鳥(マミヤ狂四郎)

東京都出身。ロケットニュース編集長・漫画家・迷惑メール評論家・100均評論家。漫画もイラスト記事もコラムも書けるオールマイティー型。見た目は完全にアジア人だが、多少のマー語(マサイ語)を操る日本人。趣味は料理で、調理師免許も所持。



頻繁に開かれるパーティーに要注意!


岡島:今日は羽鳥さんに、悪徳商法の特徴や注意点を教えてもらいたいんです。実は最近、私たち大学生をターゲットに、SNSで勧誘をしかけてくる悪徳ネットビジネスマンが増えてきていて。

GO羽鳥:その勧誘をしてくる人たちって「稼げる」という言葉を乱用していたり、「詳細はこちら」といったURLを送ってくるケースが多いんじゃないですか?

岡島:まさにそうです! ちなみに返信するとどうなるんでしょうか?

GO羽鳥:まず、大前提として返信してはいけないです。僕のように特殊な訓練を積んでいる人なら別ですが、まず間違いなく情報を抜かれたり、お金を請求されたりするケースがほとんどなので。

▼GO羽鳥さんが過去に書いた記事
【実録】Facebookで流行中の乗っ取り「このビデオはいつですか?」、最後まで進んでみたらこうなった
【実録】迷惑メールに「ガチの銀行口座」を教えたら、“こういう風に使われる”という事例がこちらです
【実録】死闘74分! 今度こそマジのマジで念願だった「LINE乗っ取り」と戦えた!! ジラしにジラして寝技に持ち込み相手はブチギレ爆発TKO

岡島:怖すぎる……。

GO羽鳥:詳しく説明すると、勧誘や迷惑メールなどには大きく分けて2つのパターンがあるんです。まず1つ目は、URLからウェブサイトに誘導するパターンDMの送り主と話を続けるためにポイントが必要で、それを購入するためにはお金がかかるというシステムです。

岡島:わかりやすい詐欺パターンですね……。

GO羽鳥:そうなんですよ。で、2つ目がセミナーに誘導するパターン。これは、私の同僚が記事執筆のために体を張って調査したんですが、InstagramのDMに届いた稼げる話に乗ったフリをして返信をしたんです。インスタのDMで返事を送ったんですが、話が進んできたタイミングで「セミナーに参加しない?」と、誘われて。

岡島:ふむふむ。

GO羽鳥:実際にセミナーに潜入してみたら、こんなに儲かる的な自慢話が続いて、セミナーが終盤に差しかかるタイミングで「「安定した収入が欲しいなら20万円でノウハウ(情報)を買ってください」と勧められたみたいです。



岡島:それは高すぎですね。今こうやって聞いてみると、怪しいって気づくケースが大半だと思うんですが、知識がない人は騙されてしまいそうです。特に今、コロナでバイトを失った状況にある人は、お金欲しさで付いていってしまうのかなと。

GO羽鳥:そうなんですよね。「もしかしたら稼げるかも!」とか、お金に困っていて「首が回らない」とか、判断能力が下がっている方の心理に付け込んでるっていうのはあると思いますね。

岡島:悪い奴らですね……。羽鳥さんが思う怪しい勧誘者の特徴ってありますか?

GO羽鳥:まずは「儲かるよ」とSNSなんかで発言しまくっている人は怪しいですね。ブランド品の写真を載せていたり、パーティーやBBQを頻繁に行っていたりすると怪しいですよね。普通の会社員やビジネスマンってそんな頻繁にパーティーとかしませんから(笑)



岡島:たしかに、日常生活でパーティーを開くことってなかなかないですよね(笑)。あと、ネットビジネスを謳っているアカウントのプロフィールでは、短縮URLが使われていることが多いなと思いました。

GO羽鳥:全部がそうではないですが、あるあるですね。おそらく、短縮URLを使うのは、元の怪しいURLを隠すために使っているのだと思いますよ。


返信したら増殖する迷惑メール




岡島:他に学生が気を付けておくべきことはありますか?

GO羽鳥:せっかくなので、迷惑メールの話をしましょうか。迷惑メールは、返信してしまうと次々に新しい迷惑メールが届くようになるので、絶対に返信しないでください。

岡島:返信すると、いろんな悪徳業者に自分のメールアドレスが知れ渡ってしまうということですか?

GO羽鳥:そうですね。まず、返信すると「このアドレスは生きてるな」と、悪徳業者にバレてしまうんです。あとは、返信をしなくても、添付されているURLがスイッチになっていることがあって。

岡島:文面にもトラップが存在するんですね……。

GO羽鳥:そうなんですよ。クリックするだけでアドレスの使用が知られてしまうこともあります。更に、クリック先で架空請求に繋げて詐欺を行うパターンなんかもあって。

岡島:怪しいメールには返信しない、そしてURLもクリックしない。これを徹底することを肝に命じます。でも、そもそもメールアドレスってどこから漏れるんでしょうか。

GO羽鳥:多くの人が「〇〇のメルマガに登録したら、迷惑メールが届くようになった」と言うんですが、それは違います。3年前ぐらい前、色んなメルマガに100個のアドレスを登録するという実験をしたのですが、そのメールアドレスには今まで一度も迷惑メールがきていなくて。

岡島:大変な作業ですね。でも、メルマガ登録から漏洩しているわけではないんですね。

GO羽鳥:そうなんですよね。でも、母に携帯を買ってあげた時、何のメルマガにも登録していないのに、迷惑メールがきたんです。なんでかなと考えたときに僕が設定してあげたメールアドレスに問題があったことに気が付いたんですよね。

岡島:と、いうと?

GO羽鳥:「名前_苗字@XXXXX.jp」的なアドレスを作ってあげたんですね。これって、組み合わせさえ合ってしまえば、メールを送信できるアドレスですよね。つまり悪徳業者は、24時間メールアドレスを自動生成して送り続けているのではないかと推測されます。そして、アドレス名が簡単であればあるほど、すぐに推測されてしまうのではないかと。

岡島:ひえー。なんだか怖くなってきました。メールアドレスだけでなく、各サービスに登録しているパスワードも複雑なものにしておこう。

GO羽鳥:どうしても迷惑メールと戦いたいという場合は、戦う用のアドレスを用意しないとダメです。相手がものすごい実力者で、個人情報などを抜き取られる可能性もあるので。遊び半分で返信をしてはいけません。

岡島:SNSにも気を付けた方が良さそうですよね。学生の中には学校名を公表したり、家の近くの写真を投稿したりしている人もいるので。そうして、個人情報をオープンにした上で、悪徳業者に返信をしたり軽い気持ちで挑発すると、逆上される危険性もあるんじゃないかなと。

GO羽鳥:そうですね。無視するのが一番です。とにかく、おいしい話なんてこの世にないですから。「信じるな。返信するな。」ということを忘れないでください。

次に、ネットワークビジネスの仕組みや勧誘への対処法を知るために、経営学部の鞆大輔先生にお話を伺いました。


情報倫理の専門家に聞く、怪しいネットワークビジネスの仕組みや手口とは?




鞆大輔(とも だいすけ)

経営学部経営学科教授
専攻は、情報倫理、アプリケーション構築。ネットでの炎上問題や不正アクセス、個人情報漏洩などの情報倫理問題を利用者視点から研究している。



本当に儲かる話は他人に教えたくないはず


岡島:よろしくお願いします。コロナ禍でバイトを失った大学生が悪徳商法に騙されたという被害をよく聞くようになりました。彼らは「ネットビジネス」と称して近づいてきますが、別物であるネットワークビジネスとインターネットビジネスが曖昧になってしまっている気がします。

鞆先生:まさにその通りで、あえて曖昧にしているんでしょうね。法律で嘘をついてはいけないと決まってますよね。つまり、嘘はつかず相手に勝手に誤解させているための作戦なんですよ。

岡島:悪い奴らだ……。

鞆先生:最初に「ネットワークビジネスです」と誘っても、聞き馴染みがないと怪しく感じますよね。インターネットビジネスはその名の通りインターネットを活用したものを指しますが、ネットワークビジネスは人を媒介とした連鎖販売取引のことを指します。ネズミ講は随分前から法律で禁止されているのですが、一方でMLMは合法の中で踏みとどまっているんです。違法にならないギリギリのラインで攻めているって感じで。

※ネズミ講:実際に商品を取り扱わない連鎖配当組織のことを指す。無限連鎖講の防止に関する法律により罰則付きで禁止されている。

※MLM:マルチレベルマーケティングの略称。実際に商品を取り扱う連鎖販売取引のことを指す。特定商取引法で合法とされている。



岡島:ちゃんとした知識を持っていれば、その中にある悪徳商法に引っかからないと思うんですが、学生はついお金に目が眩んでしまうのでしょうか?

鞆先生:うーん……お金に目が眩むケースはあると思います。でも、一番危ないのが起業を目指しているような上昇志向の高い学生で。彼らは真面目で、いち早く社会に認められたいという承認欲求もある。だから、「ビジネスパートナーを探している」とか、「最先端のビジネスで楽に稼げる」といったキーワードに弱いんです。

岡島:なるほど。「真面目で上昇志向が高い人が騙されてしまう」これは盲点でした。ネットワークビジネスを始めるのに、初期費用がかかるケースもあり、そこが不自然に感じます。

鞆先生:たしかに不自然に感じるかもしれませんが、仮に「事業を始める場合、初期投資がかかるのも当然ですよ。どんな会社も、借金をしたり手形を割ったりしてお金を回していますから」と、言われたらどう感じますか?

岡島:「たしかに」と、思ってしまうかもしれません。

鞆先生:では「コンビニでアルバイトをするときに、時給5000円で働かせてあげる。でも、まずは、10万円の研修を受けてください」こう言われた場合はどうでしょうか。たしかに時給5000円は魅力的ですが、予め10万円なんて普通は払わないですよね。

岡島:そうですね。

鞆先生:会社の社長になって誰かを雇用し、自ら考えたプランや事業を展開する。こういったケースでは、お金がかかるのが定石。しかし、誰かに勧誘されて始めること。つまりは駒として働くはずなのに初期投資があるというのはとてもおかしい。というか、完全に間違っていますよね。

岡島:すごくわかりやすいです。

鞆先生:今例えた2つの例でいうと、怪しくて騙されやすいのは、初めに話した例ですよね。こうやって、限りなくぼやかした言葉を巧みに使うことで、情報商材を販売していくのが手口なんですよね。

岡島:情報商材って、「既に儲かっている」という人から勧められると、自分もそうなりたくて買ってしまうんでしょうね。中身は誰でもわかるような当たり前のことがかれているだけなのに。

鞆先生:ネットワークビジネスの規模にもよりますが、おそらく、勧めている人たちは儲かるんですよ。でも、その商材を買った人が儲かるとは誰も言っていない。

岡島:はあ〜。からくりですね。

鞆先生:大前提として、仮にそれが本当に儲かる情報だとしたら、それを他の人に渡すはずがないですよね。人間のお金に対する欲って飽くなきものですから、1000万円稼いだからそこでストップではなくて、次は一億円欲しくなるものなんですよ。だから、私はもう十分稼いだからノウハウを教えるというのがそもそもありえないんです。ただ買ってくれる人がいると、もっと儲かる。だから勧めている。そう思うようにしてください。

岡島:なるほど……。

鞆先生本当に儲かる話は絶対に他人からやってこないです。自分が探すか、生み出すかしないと儲からないものなんです。

岡島:そうですよね。そんなにおいしい話があるわけないんですけど、引っかかっちゃう人がいるんですよね。


写真は偽装し放題。全くアテにならない




岡島:騙されてしまう理由に、SNS上に投稿されている高級料理やブランド品の写真もあるのかなって。

鞆先生:それは大いにありますね。彼らのやっていることは、どれだけ準備をしても、どれだけ取り繕っても胡散臭さが残るんですよね。だから、完全に信頼してもらうことは不可能なんです。

岡島:なるほど。

鞆先生:なので、彼らは「この話は胡散臭いけど、ひょっとしたら儲かるかもしれない」という、欲を刺激することを第一目的としています。例えば、100万は無理だろうけど、10万は儲かるかもしれないと思わせたら彼らの勝ちなんです。高級料理やブランド品の写真を見て「これって本当なのかな?」と、思った時点で相手の術中にはまっているということです。

岡島:え〜! 私は絶対に騙されないと思っていましたが、「本当かな?」って思ったことが何度かありました。悔しい。

鞆先生:最初から鼻で笑えるといいですけどね(笑)。提示している本人は儲かるんですよ。だって騙される人がいるから。だけどね、その人が儲かるっていうのと、その人のやり方を聞いて儲かるっていうのは全く別次元の話です。欲を刺激することで「自分も」と思わせるのが、彼らの一番巧みなところですね。

岡島:じゃあ胡散臭さはあえて出しているとも取れますね。たしかに、稼げるなら多少怪しくてもやってみようと思う人はいそうです。

鞆先生:ちなみに、ブランド品の写真は今の時代でもインターネットで調べれば簡単にゲットできます。高級車の写真であれば、駐車場に停まっている他人の車の横に立てば、自分のものに見せることだってできる。本人の前に札束があったところで本当に稼いだお金かわからないんです。通帳の口座残高も画像を加工すれば簡単に桁数を増やせますよね。写真は全く信用できないということです。

岡島:たしかに、先生の言う通りですね。他人の高級車の隣に立つって、そんな原始的なことする人いるんですね(笑)

鞆先生:でも、大阪城の前に立ち「これ私の城」と言って信じる人はいないでしょう。彼らは、これなら信じてもらえるっていうギリギリのラインを攻めるのに長けているんですよ。


もし仲のいい友達に勧誘されたら




岡島:実際に自分がお高い店に行っている写真を投稿している人もいますが、彼らが本当に成功しているかのように見せられるのはなぜでしょうか?

鞆先生:信用させるため、欲を刺激するための仕込み、騙すための初期投資だと思えばわかりやすいですね。例えば一度10万円のブランド品を買ったとしても、その写真がきっかけで30万円儲かるんだったら10万円の経費って大きいわけじゃないですよね。ネットワークビジネスとは、そのビジネス自体はお金を生まないんですよ。

岡島:ビジネス自体がお金を生まない……?

鞆先生:ネットワークビジネスは、モノやサービスを作っているわけではないので、そこに価値はないんです。その代わり、多くの人を巻き込み、下からお金を吸い上げることで利益や分配金を得て儲けるという仕組みになっています。つまり、誰かが入ってくれないと下の人はずっと儲からない。結局のところ、ネットワークビジネスは誰かを養分にしないと咲かない花なんですよ。

岡島:末端にいる人は、早く自分も稼ぎたいと思い他人に声をかけ、連鎖していってしまうということですね。

鞆先生:そういうことです。今悪徳商法の主流となっているのが初めに話したMLMです。その器の中に完全に収まっていたら問題ないんですけど、組織の下々の方までいくと、MLMを縛っている法律を知らないので違法な勧誘をやってしまうんです。

岡島:無知が故に引き起こしてしまう犯罪……怖すぎる。

鞆先生目的を教えずに勧誘してはいけない、断られたら二度と声をかけてはいけないと法律で定められているんですがね。末端の人たちは必死が故にそれらを破ってしまっていて。だから悪徳商法と呼ばれているんです。

岡島:なるほど!私の元に届くメッセージは、どれも目的を教えてくれていませんでした。

鞆先生:その時点で通報すれば、一発アウトです。

岡島:なるほど。でも、実際に勧誘に乗る人たちはお金が欲しいから通報しない、と。しかし、実際に仲のいい友達に誘われたとき、どう断ればいいんでしょうか?

鞆先生理由を付けずに「私はやりません」と言うのが100点の回答です。それ以外は0点です。なぜかと言うと「今お金がないから」「忙しいから」などと言ってしまうと、「消費者金融でお金を借りればいい」や、「落ち着くまで待つ」と畳みかけてくるので、断りづらくなるんですよ。だから理由を付けないのが鉄則です。

岡島:それでもしつこく誘われた場合はどうすればいいでしょうか?

鞆先生:「法律に違反していますよ」と言えば終了です。友達だから断りづらいと思うかもしれませんが、その話をあなたに持ってきた時点でその人はあなたの知っている友達ではないです。あなたを人として見ているんじゃなくて、お金として見ているんです。


人間関係をお金に換えても後悔しませんか?




岡島:洗脳されてしまった友達を引き戻すことってできないんですか?

鞆先生:救い出そうと思ってコンタクトを重ねていくと、上の人が出てきて、説得しているつもりが説得されてしまう、ということもあり得る。だから、距離を置いていつか破綻して、目が覚めるのを待つしかないです。そのときに手を差し伸べてあげたらいいんじゃないでしょうか。

岡島:今すぐ何とかしようというのは難しいということですか。

鞆先生:できることとしては、悪徳商法に乗らないようにと周りの子たちに注意喚起することですね。植物は栄養がないと育ちませんよね。それは悪徳商法でも同じ。組織の養分になってしまう子を予め減らすことで、悪い根を早めに枯らすことができるんです。

岡島:周りを固めておくんですね。

鞆先生:今、ネットワークビジネスを謳っている人に自問して欲しいのは、自分だけで完結する話なのか? ということです。他の人を巻き込まないといけない話だったら、それはあまり正しいとは言えません。誰かを誘わないといけない時点で、ビジネスとしてどこかおかしな仕組みになっている可能性が高いです。

岡島:おっしゃる通りですね。

鞆先生:ビジネスは価値を作り出すのが本質ですが、ネットワークビジネスは、人間関係をお金に換えているんです。ネットワークビジネスに友達を誘うと、誘われた子は誘った子より1つ下のレベルになりますよね。対等であったはずの友人との関係に差ができるんです。それを続けた結果、最終的に友達は一切残らず、親兄弟にもそれを持ちかけていたら、家族からも見放される可能性だってありますよね。

岡島:ひとりぼっちになっちゃう。絶対いやだ。

鞆先生:そうです。次に同じことをやろうと思っても、もう声をかけられる人すら残っていない。お金を損するということはもちろんなんですが、関係性を消費してしまうことが一番怖いことだと思います。大切なのは、そのことをわかってやっているかどうかです。「あなたが誘った友達が、5年後も友達でいてくれるようなビジネスですか?」と、尋ねたい。

岡島:大学生活って勉強だけじゃなく、友達と出会って色んなことを一緒に経験するっていうのも醍醐味だと思います。そうやって、今まで築き上げてきた友達との関係性を失ってまでお金が欲しいのか、ということですよね。鞆先生、ありがとうございました。


被害者にも加害者にもならないために


誰でも簡単に稼げるのなら、今頃世界中が億万長者で溢れているはずです。しかし、そんな世の中にはなっていませんよね。お金を得るには価値のあるモノやサービスを作り出す必要がありますが、それは決して容易なことではありません。

見知らぬ勧誘に乗るということは、被害者になるということだけではなく、同時に加害者になるということでもあるのです。軽い気持ちで始めたことが取り返しの付かない結果を招くことだってあります。今一度、大切な家族や友達を思い浮かべてみてください。その大切な人との関係性を守るためにも、「おいしい話」はまず疑い、無視するかはっきり断ることを徹底しましょう。

また、勧誘する側にも、リスクはあります。この手のものは、相手を安心させようとして自分の本名や在籍大学等を明かして活動している人が多いけれど、就活時に名前で検索されて素性が発覚、そこから内定取り消しになるケースも。

万一自分はそんなことをしていないのに、勝手に名前などを使われてしまったりする場合は、同様に大変な被害を被ることがあるので、その場合はTwitter社に通報して削除要請するなどの対応が必要。とにかく詐欺商法には近付かない、関わらないように気をつけてください。


(おわり)


この記事を書いた人



岡島彩乃(おかじま あやの)

近畿大学 総合社会学部 社会マスメディア系専攻3年

株式会社人間でインターンをしながら、女性のためのイベントFika(フィーカ)の代表を務めている。趣味は音楽制作、特技はラップ。アイドルとフライドポテトのオタク。


取材・文:岡島彩乃
イラスト:にしむらみう
編集:人間編集部

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