2025.12.18
「人間は這い上がっていける」糸井嘉男が野手転向の苦悩に勝ち抜いた先に見つけた答え
- Kindai Picks編集部
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近畿大学経営学部キャリアマネジメント学科4年の神田健斗さんが学生起業家として代表を務める近大発ベンチャー「Enlink」が、2025年11月26日（水）、近畿大学の起業支援の拠点であるKINCUBA Basecampにて、「近畿大学創立100周年応援イベント」を開催しました。イベントでは、近大OBで阪神タイガーススペシャルアンバサダーの糸井嘉男さんによるトークショーが行われ、大学時代を振り返りつつ、現役時代に投手から野手に転向した際の苦悩について語りました。
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糸井嘉男（いといよしお）氏
阪神タイガーススペシャルアンバサダー
平成16年（2004年）商経学部（現 経営学部）商学科卒業
近畿大学卒業後、北海道日本ハムファイターズに入団。2013年にオリックス・バファローズに移籍し、WBCにも出場。2009年からNPB史上初の6年連続「打率3割・20盗塁・ゴールデングラブ賞」を達成し、2014年には自身初の首位打者獲得。2016年）には史上最年長での盗塁王を獲得。2017年に阪神タイガースに移籍し、2022年に現役を引退。2023年より阪神タイガースのスペシャルアンバサダーを務め、現在は野球解説者、YouTuber、タレント活動など多方面で活躍している。
司会 石塚理奈（いしづかりな）氏
フリーアナウンサー
平成28年（2016年）文芸学部卒業
フリーアナウンサーとしてテレビやラジオを中心に活躍。国・自治体・民間企業の公式行事における総合司会を多数務めるほか、2025年大阪・関西万博においても大阪ヘルスケアパビリオン等でのイベント総合司会等も数多く務める。Jリーグ「FC大阪」のクラブアンバサダー兼スタジアムMCとしても活動中。
オープニング
石塚さん
糸井さん、よろしくお願いします。
糸井さん
こんにちは！超人です。（笑）よろしくお願いします。
石塚さん
糸井さん、最近とても大忙しですね。
糸井さん
よく言われるんですけど、なんでなんですかね。
なんならプロ野球やってる方が毎日試合してたし、毎日テレビ出てたような気がするのに、最近「よく出てますね」とか言われるんですけど。
なんならプロ野球やってる方が毎日試合してたし、毎日テレビ出てたような気がするのに、最近「よく出てますね」とか言われるんですけど。
石塚さん
Netflixも出ていらっしゃいますね。
糸井さん
最近はちょっとNetflixの反響がえぐくてね。僕、脱いでるんですよ。笑
石塚さん
体が更に大きくなりました？
糸井さん
大きくなってます！大谷翔平を見てから、俺小さいなと思って。
アリゾナのロッカーで会ったんですけど、僕より７cmくらいでかくて、僕より細いと思ってたのに、全然でかくて、自分が爪楊枝みたいに思えてしまったんです。
それから、人間こうじゃないとあかんなと思って、それから鍛えてます。
けど、最近、（着られる）服がなくなって・・・（笑）
アリゾナのロッカーで会ったんですけど、僕より７cmくらいでかくて、僕より細いと思ってたのに、全然でかくて、自分が爪楊枝みたいに思えてしまったんです。
それから、人間こうじゃないとあかんなと思って、それから鍛えてます。
けど、最近、（着られる）服がなくなって・・・（笑）
当時の近畿大学について
石塚さん
近大に入学した頃のこと覚えてますか？
糸井さん
ありますよ。僕は野球部でスポーツ推薦で入学させてもらったんですけど、そこには高校野球でベスト８以上の人しかいなくて、「うわ、甲子園で見た人や」って。めっちゃ気まずかったです。僕は甲子園も出てないし、すごく田舎の高校出身で、憧れていた人たちと一緒に入学したという印象で、「ここに僕おってえんかな」みたいな。
石塚さん
どこかで気まずさはなくなりました？
糸井さん
入学してすぐ寮生活が始まったので、そこからは毎日裸の付き合いになっていくんで、全部を知り尽くして、息もあってくるんですよね。
石塚さん
当時の近大の印象は？
糸井さん
今はもう受験生も増えてなかなか入れないし、近大の卒業生ってすごく自慢になりますよ。
でも当時は、野球の強さで選んだんですよね。当時もアマチュアの中でも強いチームだったし、卒業後にプロに行けるかというところを考えながらで選びました。
でも当時は、野球の強さで選んだんですよね。当時もアマチュアの中でも強いチームだったし、卒業後にプロに行けるかというところを考えながらで選びました。
石塚さん
よく利用していた施設や食堂の思い出は？
糸井さん
21号館横の食堂に入り浸ってましたね。よく「オムソバ」を食べてました。一応寮でもご飯も出るんですけど、大学でも寮でも食べてましたね。
イベントに参加していた硬式野球部員、相撲部員と西門前で記念撮影学生時代の思い出
石塚さん
学生時代の1番の思い出はなんですか？
糸井さん
やっぱり野球ですよね。プロに入りたいという思いで近大に来たので、本当に野球しかなかったです。
ドラフトにかかった時に西門前で胴上げしてもらったのは今でも懐かしいですし、毎年10月のドラフトの時期になると思い出しますね。
ドラフトにかかった時に西門前で胴上げしてもらったのは今でも懐かしいですし、毎年10月のドラフトの時期になると思い出しますね。
石塚さん
学生時代はどんな1日でしたか？
糸井さん
朝から夕方まで生駒グラウンドで練習して、そこから着替えて、近鉄電車に乗って車掌さんの真似させられて、大学に行くという日々でしたね。笑
石塚さん
野球部の上下関係は厳しかったですか？
糸井さん
大学で初めて寮生活をしたんですが、僕みたいな田舎から出てきた身からすると厳しかったですね。1年生は先輩が使ったお風呂の水しか使えないとか、シャワーが使えないというのが当時あって、それは本当にきつかったですね。
上下関係もやっぱりすごくて、理不尽な呼び出しとか。笑
でもそういうのを乗り越えて、忍耐力がついたと思いますね。
上下関係もやっぱりすごくて、理不尽な呼び出しとか。笑
でもそういうのを乗り越えて、忍耐力がついたと思いますね。
近畿大学を卒業して良かったこと
石塚さん
近大を卒業して良かったことありますか？
糸井さん
皆さんこれから感じると思うんですけど、近大は卒業生のネットワークが本当に強いです。僕も近大卒の人に出会うことが多くて、特に社長さんに出会うことが多くて、近大つながりで今の仕事につながってることもあります。近大を卒業したことを誇りに思えるし自慢できますよね。
石塚さん
もし人生をやり直せるなら、近畿大学を選びますか？
糸井さん
YES！もちろんです！引退した今の方が一番「近大で良かった〜」って思いますね。
近大生へメッセージ
石塚さん
学生に伝えたいことやアドバイスはありますか？
糸井さん
僕はピッチャーとしてドラフト1位で入団したんですけど、やっぱりプロは厳しい世界で、2年目に「使えません」と言われたんです。それで野手に転向したんですけど、あの期間が自分の人生のターニングポイントで、人生で一番努力しましたね。
ゼロからのスタートだったんで、毎日失敗だらけで、毎日乗り越えないといけない壁がたくさんあって。これは無理やと思うんですけど、毎日努力をし続けて、なんとか野手としてプロの世界である程度活躍できました。
野手になった時は絶望の淵だったけど、人間は這い上がっていけるってのを実感しました。
だから迷ったら止まるのではなくまずやる。一歩前に踏み出すこと、チャレンジ精神が人生に必要だなって思いましたね。
失敗してもいい、練習や努力で人間は少しずつ前に進める。だから挑戦する精神は人生に必要だと思います。
ゼロからのスタートだったんで、毎日失敗だらけで、毎日乗り越えないといけない壁がたくさんあって。これは無理やと思うんですけど、毎日努力をし続けて、なんとか野手としてプロの世界である程度活躍できました。
野手になった時は絶望の淵だったけど、人間は這い上がっていけるってのを実感しました。
だから迷ったら止まるのではなくまずやる。一歩前に踏み出すこと、チャレンジ精神が人生に必要だなって思いましたね。
失敗してもいい、練習や努力で人間は少しずつ前に進める。だから挑戦する精神は人生に必要だと思います。
石塚さん
絶望の中で光はありました？
糸井さん
正直ない時もありました。
野手に転向して最初にピッチャーの球をみた時は絶望でしたね、二軍のピッチャーですよ。
どうやって打てばいいかわからないし、タイミングも合わない。５打数１安打、ボテボテのサードゴロがたまたま内野安打になっただけで、あとは三振。バットに当たらないというか、反応できなかったんです。
それでも諦めずに練習していくことで、できるようになっていく。コツコツ努力することが大事だなと思いましたね。プロ野球人生を振り返って思い出すのもその時のことですね。
だから皆さんにも色々とチャレンジして欲しいです。チャレンジして失敗していいんですよ。今もそう思いますね。僕も今引退してからいろんなことにチャレンジして、自分に何ができるか考えてますね。
野手に転向して最初にピッチャーの球をみた時は絶望でしたね、二軍のピッチャーですよ。
どうやって打てばいいかわからないし、タイミングも合わない。５打数１安打、ボテボテのサードゴロがたまたま内野安打になっただけで、あとは三振。バットに当たらないというか、反応できなかったんです。
それでも諦めずに練習していくことで、できるようになっていく。コツコツ努力することが大事だなと思いましたね。プロ野球人生を振り返って思い出すのもその時のことですね。
だから皆さんにも色々とチャレンジして欲しいです。チャレンジして失敗していいんですよ。今もそう思いますね。僕も今引退してからいろんなことにチャレンジして、自分に何ができるか考えてますね。
参加者からの質問
参加者：糸井選手がこれからチャレンジしたいこと、将来、80歳くらいの時にこういう暮らしをしたいなどあれば教えてください。
糸井さん
体を使ったことで色々やりたいなと思ってます。自分の好きなことをやっていきたいですね。
80歳になっても元気でいたいですね。（バーベル）スクワット100kgをやっているような元気な体でいたいです。
80歳になっても元気でいたいですね。（バーベル）スクワット100kgをやっているような元気な体でいたいです。
参加者：来年度の生駒祭に20万人の来場という目標を掲げているのですが、糸井さんが参加していただけるならどんな企画ができますか？
糸井さん
長瀬駅から 近大通りを通って、近大まで3分で走るっていうのはどうですか？笑
オープニングのパレードで僕が走るのもおもしろいかもね。呼んでくれるなら行きますよ。
オープニングのパレードで僕が走るのもおもしろいかもね。呼んでくれるなら行きますよ。
参加者：野球に限らず誰かに何かを教える時に心がけていることは？
糸井さん
いいところを言ってあげることですね。僕自身、野手に転向した時に何してもダメで、コーチも「それちゃうやろ」とか厳しい言葉ばかりで、全然伸びなくて、僕も反発してしまったことがあって。
それでコーチも悩んでしまって、その日に本屋さんに行ったら、ある本に出会ったらしくて。
「子犬の正しい育て方」
それを読んで、次の日からコーチが「それでいいんだ！」とひたすら褒めてくれるようになり、それで一気に成績が伸びましたね。笑
だから悪いところをただ「ダメ」と指摘するより、いいところを見つけて褒めて伸ばす方がいいと思います。
「子犬の正しい育て方」
それを読んで、次の日からコーチが「それでいいんだ！」とひたすら褒めてくれるようになり、それで一気に成績が伸びましたね。笑
だから悪いところをただ「ダメ」と指摘するより、いいところを見つけて褒めて伸ばす方がいいと思います。
参加者：新しいことを挑戦する時に大切にしていることは？
糸井さん
自分がやってて楽しい、というのは大事にしている。やりたくないことでもいかに楽しくできるか、楽しむ努力も大事。
やりたくないこともやってうちに楽しくなってたり興味を持つこともあるから、チャレンジをして楽しむ努力をすることが大事だと思いますね。
やりたくないこともやってうちに楽しくなってたり興味を持つこともあるから、チャレンジをして楽しむ努力をすることが大事だと思いますね。
石塚さん
糸井さん、ありがとうございました。
【近畿大学発ベンチャー起業支援プログラム「KINCUBA」】
近畿大学が全学をあげて取り組んでいる起業支援プログラムで、令和6年（2024年）4月には、目標より1年10カ月早く近畿大学発ベンチャー企業100社を達成し、令和7年（2025年）11月現在、195社が登録されています。医学から芸術まで網羅する多様な研究分野や、59万人を超える卒業生ネットワーク、モノづくりのまち東大阪市・八尾市の地域特性、最先端のDX技術など、総合大学としての強みを生かして学生や研究者の起業を支援します。起業をめざすために必要な学びやマッチングのサポート、各分野のメンターによる相談受付、キャンパスを活用した実証実験など、起業マインドの醸成から法人設立・事業展開まで一貫した支援を行っています。なお、「KINCUBA（キンキュバ）」とは、"KINDAI"と"INCUBATION"を組み合わせた造語です。
KINCUBA Basecamp
近畿大学が全学をあげて取り組んでいる起業支援プログラムで、令和6年（2024年）4月には、目標より1年10カ月早く近畿大学発ベンチャー企業100社を達成し、令和7年（2025年）11月現在、195社が登録されています。医学から芸術まで網羅する多様な研究分野や、59万人を超える卒業生ネットワーク、モノづくりのまち東大阪市・八尾市の地域特性、最先端のDX技術など、総合大学としての強みを生かして学生や研究者の起業を支援します。起業をめざすために必要な学びやマッチングのサポート、各分野のメンターによる相談受付、キャンパスを活用した実証実験など、起業マインドの醸成から法人設立・事業展開まで一貫した支援を行っています。なお、「KINCUBA（キンキュバ）」とは、"KINDAI"と"INCUBATION"を組み合わせた造語です。
KINCUBA Basecamp
取材・執筆：Kindai Picks編集部
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