2020.08.19
「だし解凍」や「下味冷凍」で料理の手間を軽減!冷凍王子・西川剛史さんの冷凍レシピ
- Kindai Picks編集部
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自炊の幅を広げるのにとても便利な技術……それは冷凍! ヒルナンデスなどのテレビ番組にひっぱりだこ、近畿大学OBで冷凍生活アドバイザーの「冷凍王子」こと西川 剛史さんに、簡単でおいしい冷凍レシピを教わりました!「だし解凍」「下味冷凍」など明日から使えるスゴ技がもりだくさんです。
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Kindai Picks読者のみなさま、神妙な顔で肉を揉みながらこんにちは。ライターのいぬいと申します。
みなさん、自炊してますか?
新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛で、おうち時間を使って自炊をはじめたという人も多いはず。
かくいう僕も、そのひとりです。
いままで自炊といえば「卵かけご飯!」や「納豆ご飯!」だったのが、おうち時間をきっかけに「味噌汁と漬物」「鶏肉と大根を煮たやつ」くらいは自分で用意するようになりました。
しかし、食材の使い回しに慣れていない人や、ひとり暮らしの人は食材を新鮮なまま使い切れなかったりしてロスが出ることも。
そこで、近畿大学出身の「食の巨人」に力を借りることに! 知っていますか?卒業生のなかに、「食品の冷凍」を語らせたら右に出ない人がいることを。
それが僕のとなりで調理を教えてくれている……西川 剛史さんです!!
冷凍生活アドバイザー。ベフロティ株式会社代表。近畿大学農学部食品栄養学科卒。大阪市立大学大学院生活科学研究科修士課程修了。大学在学中から冷凍食品に興味を持ち、冷凍食品会社での勤務や冷凍食品の食品開発に従事し、独立。「冷凍王子」「冷凍生活アドバイザー」といった肩書きで、冷凍食品やホームフリージングなどについて、テレビ出演や、著書・雑誌などの執筆活動、講演活動などおこなっている。
冷凍王子公式HP
彼のニックネームは「冷凍王子」。冷凍食品やホームフリージングの専門家としてテレビにも多数出演する話題の西川さんに、ひとり暮らし・キッチン狭い・料理初心者、三拍子揃ったライターの僕が毎日の自炊で使える冷凍術を教わります。
自炊ビギナーの悩みは、冷凍で解決できる?
王子!今日はよろしくお願いいたします!自炊ビギナー代表として、みんなが困っているであろう、料理に関する悩みを「冷凍」で解決したいと思ってます!
よろしくお願いします。はじめての自炊だと、悩みは尽きないですよね。ちなみにいまの困りごとはなんですか?
はい、いまの僕の悩みは……こちらです!
なるほど、いくつか「冷凍」に頼る以前の問題もある気が……。
うっ、それはおっしゃる通りなんですが……。自分ひとりでは本当に解決策が見つからなくて。料理のレパートリーが多少増えたはいいものの、つくる料理が増えると食材の管理が一気に難しくなってしまって。
ほうほう。
「ナスはいつまでに食べないと」「じゃがいもはもうしばらく置いておけるな」「うわっ、玉ねぎ切らしたと思ってたのにまた買ってきちゃった」とか、もうパニックなんです。キッチンも冷蔵庫も小さいので、できることにも制限があって。
「同じ味を食べ続けないといけない」というのは?
安い野菜があると、それを使ったレシピばっかりになっちゃうんですよね。毎日が大根のお味噌汁とか、毎日が焼きナス……とか。でも冷凍レシピを覚えたら、食材が悪くなる前に、何種類も冷凍料理をつくって保存しておいて、飽きたら別のものが食べられるなと思って! 冷凍レシピで僕に「単調さからの脱出」をさせてください!
ははあ……。いぬいさんは「冷凍」のことをちょっとだけ勘違いしていますね。冷凍って、「食べ物を置いておいても腐らない魔法」だと思っていませんか?
ええっ!確かに、「冷凍=保存術」だと思っていた節はあります……違うんですか?
いいですか、これは覚えて帰りましょう。冷凍は、食べ物を「おいしい状態のままキープする」技術なんですよ。冷凍レシピが正しくつくれるようになれば、「レシピの単調さ」からも「食材管理の下手さ」からも解放されます。
頼もしい! 詳しく教えてください!
調理の前に! 覚えておきたい冷凍テクニック
まず、冷凍レシピ本調理の前に、おいしくつくるためのルールを知ってもらいましょう。これから覚えてもらう冷凍テクニックはこちらです!
こんなにあるんですか!? しかも「新鮮な状態で」はまだわかるんですけど、「空気を抜いて保存する」ってどういうことでしょうか。全部、冷凍に関係あるんですか?
もちろんですよ〜。冷凍は、食材や料理のおいしさを「キープ」するための技術だと伝えましたね。冷凍するジップロックのなかに空気が入ると、食材が酸化してしまう……つまり、食材の状態が冷凍前に比べて変化してしまうんです。
なるほど……!
新鮮な状態で冷凍するのも、できるだけ早く冷やすのも「食材の状態を、冷凍前より悪くしない」ために気をつけるべきことなんですよ。同じサイズ&厚さにカットするのも、食材のなかで凍り方にばらつきがあると、おいしく調理するのが難しくなるからです。
全部、きちんと食材の状態を考えられたコツだったんですね。「下処理をして冷凍する」のは?
これは冷凍を使って「よりおいしく」するための考え方です。僕はこれを「下味冷凍」と呼んでいて、食材に合わせて適切な下ごしらえをすれば、「冷凍した方がおいしい料理」だってつくれると思っています。
冷凍でそんなことまで!?なんだか、狭いキッチンから夢が広がりそうです!
まずは、冷凍レシピに必要不可欠なのが、旭化成の「ジップロック®フリーザーバッグ」。これは名指しで絶対! 冷凍レシピは、これがないと始まりません。
それってなぜでしょう?
いわゆるチャックつきのビニール袋は他社のものもあるんですが、旭化成の「ジップロック®フリーザーバッグ」は冷凍に対応しているんです。耐冷温度はマイナス70度。まずはこれを入手してください。それでは、実際に料理をつくって覚えながら、冷凍のテクニックについて教えていきましょう!
これからお世話になる「ジップロック®フリーザーバッグ」。Mサイズ16枚入りで約200円と、お財布に優しい自炊の神器。
つくってみよう! その1:きゅうりの「解凍するだけ酢の物」
まずは一番簡単なものから。これは冷凍さえきちんとできたら、あとは"解凍するだけで"おいしく食べられますから。
そんな魔法のようなメニューが!
きゅうり、すし酢、塩と材料はとてもシンプル。
・きゅうり……2本
・塩……小さじ1/2
・すし酢……大さじ2
まずは、きゅうりを薄く輪切りにして、塩もみをしていきます。切ったきゅうりをボウルに入れたら、塩小さじ1/2を入れてよく揉んでください。よく水気が出たら、そこに酢を加えます。
揉んで、調味料を入れるだけ……いまのところめちゃくちゃ簡単です。
次に、このきゅうりをフリーザーバッグに移して冷凍します。このときに大事なのが、「水気・汁気も全てフリーザーバッグにいれて凍らせる」こと。
すし酢も全部ですか? どうして?
食材を冷凍するときに大切なのは、「食材が空気に触れないようにする」こと。塩もみした水気やお酢を一緒にフリーザーバッグに入れると、空気がきゅうりに触れないでしょう。
なるほど! 「よく味が染みるように〜」みたいな理由かと思っていました。
食材によっては、そういう理由で調味料と一緒に漬け込むものもあります。それは後ほど出てきますよ。さあ、きゅうりを全部移したら、空気が入らないようにしながらフリーザーバックをぴっちり閉めてください。
板状になるよう意識しながら空気を押し出すと、まんべんなく凍らせることができていいそう。
はい!
冷凍の下ごしらえはここで終わりです。あとは、事前に冷凍しておいたものを解凍して、本調理に入っていきましょう。このときも、ただ自然解凍するのではありません。水を張った大きめのボウルに、冷凍したフリーザーバッグを入れて、水を流し続けたまま解凍します。これを「流水解凍」といいます。
流水解凍……どうして水を流しっぱなしにするのでしょう?
食材は解凍されるとき、常温(10℃〜40℃)でいる時間が長いと、おいしさが失われやすいんです。流水解凍をすると、室温で解凍させる「常温解凍」よりもスピーディーに解凍することができて、おいしさが失われにくいんですよ。
へー!!
食材ごとに解凍の仕方があると伝えましたが、この流水解凍は肉や魚以外にもいろんなものにマッチする方法なので、覚えておくといいですよ。
解凍できたらお皿に盛りつけるだけ。そして完成したのがこちら!
冷たくておいしそ〜!! 解凍しただけなのに、こんなにきちんと「料理感」が出るなんて! 後ほど、試食します!
つくってみよう!その2:「冷凍ピーマンのおかか和え」
次は簡単なうえに、冷凍後の使い道も選べる「冷凍ピーマン」です。今日はめんつゆとかつおぶしで「おかか和え」にしていきましょう。
・ピーマン……3〜4個
・めんつゆ(ストレートタイプ)……適量
・かつおぶし……適量
細めの千切りにしたピーマンをフリーザーバッグに入れ、冷凍させます。こうしておくと、使いたい分だけ取り出していろんなレシピに使えるから便利なんですよ。
おお! 安いからって買ったピーマンも、一気に使い切る必要がない……僕の悩みのひとつ、「同じ料理を大量に食べなきゃ」が解消された!
「使い切らなくていい」食材は、自炊ビギナーの強い味方です。
そして、ここで自炊ビギナーにとっても便利な技を伝授しましょう。冷凍した千切り野菜を、調味料を使って解凍していく…その名も「だし解凍」です!
だし解凍!? って一体……?
冷凍したピーマンの袋を開けて、ここにめんつゆとかつおぶしを放り込みます。
凍ったままでですか!?
そう。このまま10分くらい置いて、室温で解凍していきます。こうすることで、解凍しながらだしを染み込ませることができ、普通に解凍するよりもピーマンの青臭さがマイルドになるんですよ。
野菜の解凍ひとつとってもいろんな方法と工夫がある……冷凍、おもしろ〜!!
完成した「冷凍ピーマンのおかか和え」。だしがしっとりと染み込んでおいしそう。
ひとり暮らしの自炊で諦めがちな、小鉢系レシピがどんどん充実していく……!
つくってみよう!その3:下味つき豚バラ肉の「肉野菜炒め」
次は「肉野菜炒め」をつくっていきます。肉にも先ほどのきゅうりと同様、「下味冷凍」をしていきますよ。
・豚バラ肉……200g
・焼肉のタレ……大さじ2
・もやし……1袋
・ニラ……1把
・ごま油……少々
・塩……適量(味が薄ければ)
3品目もがんばるぞ〜。
フリーザーバッグに用意した豚バラ肉を入れ、焼肉のタレを大さじ2杯入れます。焼肉のタレを肉になじませ、空気が入らないようにぴっちりと閉めたら、下ごしらえ終了です。
えっ、これだけですか!?
これだけです。あとは冷凍庫に入れるとき、まんべんなく凍るようにフリーザーバッグに入った肉を押し広げて、板状にしてから冷凍します。
「布団圧縮袋の要領で、ジッパーを一箇所だけ開けて押し出すとやりやすいですよ」と王子。
こんなにペラペラになります。
さて、凍らせたもので調理をしていきましょう! 肉の場合、本当はより低い温度で味を落とさず解凍できる「氷水解凍」が最適です。今日は時間もないので「流水冷凍」にしていきましょう。
もう肉に味がしっかり染みている状態なんですね。
そうです。これくらいの肉の量であれば流水解凍だと10〜15分くらい、肉が柔らかくなるまで解凍できたら、もやしやニラと一緒に炒めていきます。
ごま油少々をフライパンで熱し、もやし、ニラを先に炒めます。ある程度炒めたら、肉を投入!
もうおいしくなる絵しか浮かびません……!
完成!! おいしそう!! みんなが大好きなやつ〜〜!!
実際につくろう!その4:冷凍豆腐の「豆腐ステーキ」
・豆腐……1丁(約350g)
・片栗粉(小麦粉でも可)……適量
・タレ (しょうゆ…小さじ1、みりん…小さじ1、・酒…小さじ1、・砂糖…小さじ1/2をあらかじめ混ぜておく)
次は「豆腐」を使ったステーキをつくりましょう! さて、この品に関しては、事前に準備をしてもらってきた訳ですが……。
はい! すぐに調理に取りかかれるよう、家で豆腐を冷凍してきました!
アッ!!!
豆腐、パックのまま凍らせたんですか??
えっ! 何かまずかったでしょうか……!
事前にお伝えした6つの冷凍テクニックのひとつ、「同じサイズ&厚ささにカットする」ができていないですよ!このサイズのまま冷凍すると、豆腐の表面と中心との凍り具合が大きく違う。すると調理後の食感にもムラが出てしまうんです。薄くカットしてから冷凍すると、とける時間も早くなるので調理がしやすいというのもある。
ああ、そうか……! さっきからきゅうりや肉を平たく延ばして「まんべんなく冷凍させる」のにこだわっていたのも、調理後の食感のためだったんですね……なんとなくわかったつもりで、理解してませんでした。
でも、大丈夫です。今回はこの凍った豆腐からつくっていきましょう。本来は8等分(横に2分割、縦に4分割)した豆腐をフリーザーバッグに入れて冷凍しておくんですよ。そして、流水解凍した豆腐を手でぎゅっと押さえて、水切りします。
凍った豆腐を……。
ギュッ〜〜〜。ビタビタと水が出てきます。
えっ!? 豆腐をそんなギュッとして大丈夫ですか!?
大丈夫です。この水切りをするために凍らせたんですから。凍る前の状態の豆腐を水切りしようとしても、崩れてぐちゃぐちゃになってしまうでしょう? でも、凍っている状態だと、形が崩れにくいうえに、豆腐がスポンジ状になっていて水分を出しやすいんです。
本当だ! なんだかザラザラしてる……。普段の豆腐とは違う、別の食材になったみたいですね。
その通り。冷凍して水分を抜くことで、新しい豆腐の食感をつくることができるんです。いままでもそうでしたが、この冷凍は特に、"保存ではなく、調理のための冷凍"だと言えますね。
"保存ではなく、調理のための冷凍"……僕は今日、はじめて冷凍の本質を知った気がします。つ、次は? この冷凍豆腐をどう料理しちゃうんですか!?
こんがりした焼き色をつけるため、片栗粉(小麦粉でも可)を表面にまぶして、少量の油で焼いていきます。焼き色がついてきた頃を見計らって、しょうゆやみりんを混ぜたタレをかけて、さらに焼いていきます。
関心してばかりいるうちに、フライパン前を西川さんに明け渡してしまいました。手際……。
西川さん、調理をおまかせしているなか申し訳ないんですが、ちょっと王子について気になることがあって。西川さんってそもそも、どうして冷凍王子になったんですか? なんとなくそういう人として受け入れてましたが、「冷凍王子」って……誰でも思いつく肩書きじゃないですよね??
(豆腐に焼き色をつけながら)そうですね……。もともと食に興味があって、近畿大学農学部の食品栄養学科に入ったんですよ。そこで「食と健康」について勉強するうちに、「本当に忙しい人ほど健康的な食事を取るのは難しいし、食事が悪ければ悲惨な病気にもなりやすい」ってことを学ぶんですよね。その学びが現在の僕をつくっていて。
忙しい人の健康面が心配になったと?
はい。自分自身も学生時代にゼミでの研究活動をしながらアルバイトもして、さらに「食研究会」という部活動にも参加していて、そのうえひとり暮らしだったので家事もして……と忙しく過ごしていた。だからこそ、「手間をかけずに、健康的な食事をとれたらいいのに」と強く思って。生活の悩みを解決する方法のひとつとして「冷凍食品」に惹かれていきましたね。
大学時代からハッキリ「冷凍」というテーマは見えていたんですね…!
タレを回しがけ、焼き目のついた豆腐ステーキ。どんどんおいしそうな見た目に!
(豆腐ステーキの焼き色を確認しながら)というより、「健康のための冷凍食品」ですね。あくまで、自分のテーマは「忙しくて手間をかけられない人も、健康でいてほしい」というところにある。だから、いまでこそ「冷凍王子として、簡単冷凍レシピを伝える」ことが使命みたいになっているけど、手間のかかる料理は「これなら〇〇社の冷凍食品買った方が早いしおいしいし健康的ですよ」って伝えるようにしています。
たどたどしいながら奮闘する、先ほどの僕を見守る王子の慈愛に満ちた表情!
忙しい民のことを本当に真摯に考える王子! そのスタンスを保ち続けるの、格好いいです……じゃあ、卒業後すぐに冷凍食品の道へ?
最初は冷凍食品の生産管理の仕事をして、転職2社目でやりたかった冷凍食品の企画開発の仕事につきました。そこで数年働いた後に、「西川さん」として独立した……という流れですね。いまは外部コンサルとして冷凍食品開発のアドバイザーをしたり、「冷凍生活アドバイザー養成講座」を開講したりしています。
写真:冷凍生活アドバイザー養成講座
最後の一品「豆腐ステーキ」も完成! 風格は完全にステーキ肉のそれ。
簡単なのに美味! 舌で学んだ、冷凍の魅力って?
料理が揃いましたね! 今日は下ごしらえもあったので長く感じましたが、一品一品はすぐに調理できるし、「ひとり暮らしの食卓におかずが3〜4品並ぶこと」も、本当に夢じゃないかも。冷凍食品の魅力のひとつは、「調理時間の短縮」にもあったんですね…!
冷凍テクをふんだんに使った、「冷凍の食卓」が完成!
どうぞ、食べてみてください!
では遠慮なく! 一番手前の肉野菜炒めから……とはいえ、あくまで冷凍肉の炒め物ですからね! 僕だってそこまで期待してる訳では……。
肉うめ〜〜!! この味好き〜〜!!
なんだこの味……使ったのは市販の焼肉のタレなのに、なんかいつもと違う感じがする!
それはタレと一緒に冷凍することで、普通に混ぜ合わせるより食材に味が染み込むんです。さらに水分(タレ)で食材の表面をコーティングし、氷の膜でバリアすることを「グレージング」といい、食材を乾燥や酸化から守ってもくれます。
他の料理もおいしい……。ピーマンは青臭くないし、きゅうりは酢がきいてていい。豆腐ステーキも肉みたいにぎっしりした新しい食感と、食べ慣れたしょうゆ×みりん系のタレの安心感でめっちゃ箸が進みます!! 冷凍してあった食材だなんて忘れそうで、冷凍が「おいしい状態をキープする技術」ってことを実感しますね。
よかったです。それに、今回のレシピには選びませんでしたが、「冷凍することで栄養価がアップする食材」もあるんですよ。キノコなんかは、冷凍することで旨味の素でもある「グアニル酸」が増加し、おいしさも栄養もアップするんです。どうですか、冷凍が「ただの保存技術じゃない」こと、わかってもらえましたか?
「栄養が増える」なんて効果まで!? もう、この舌を持って実感しました! 食材によって冷凍と解凍の工夫が違うなんて、いろいろチャレンジしがいがありますね……!すごく世界が広がりました! これからも自炊に困ったときは、やり方を調べながら「冷凍」を活用してみます!
「食べ物を腐らせないためのものなんでしょ?」くらいにしか考えていなかった「冷凍」のこと。でも、食材選びと冷凍の方法によっては「食材のおいしさをキープする」、さらには、自炊ビギナーでも「新しいおいしさをつくり出す」ことまでできるとわかりました。
西川さんの語る「冷凍食品でもいいから、手間を惜しんでもいいから、健康的なものを食べて」という話は、学生や社会人に限らず、現代社会で忙しない生活を送るすべての人に優しい言葉です。
みなさんもぜひ、それぞれの自炊の悩みを「冷凍」を使って解決してみませんか?もちろん、解決できなくても大丈夫ですよ。健康でいられたらそれで。少しスーパーに足を伸ばして、「冷凍食品を買う」って方法だってあるんですから。
(おわり)
この記事を書いた人
いぬいはやと
Huuuu inc. 所属の編集・ライター。兵庫県宝塚市出身。関西の出版社で、酒場やイベント会場をかけずり回っていました→→→上京して、ローカルを駆け回るインタビュアーを目指します。飲食店のメニューばかり撮り貯めるのが趣味。
撮影:藤原慶
企画・編集:人間編集部
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