2016.12.21
今、スマホで読んでいるあなたも危ない!?若者を襲う「スマホ老眼」とは。
- Kindai Picks編集部
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寝ても覚めても、手を伸ばせばそこにスマートフォン。スマホ普及拡大にともない、長時間の利用により20代でも老眼のような症状が出る「スマホ老眼」が現代病として問題になりつつあります。
その原因と予防法について、近畿大学医学部の下村嘉一先生に伺いました。
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【PROFILE】
下村 嘉一(しもむら よしかず)
近畿大学医学部教授/医学博士
専門:眼感染症、角膜疾患、角膜移植、眼科レーザ学
難治性角膜疾患を研究テーマとする。特に単純ヘルペスウイルスの潜伏感染と再活性化および合併症を起こさない新しい角膜移植の開発を行う。
現代の若者を襲う「スマホ老眼」って?
最近耳にすることが増えた「スマホ老眼」とは、どんなものなんでしょうか?
老眼は通常40歳代から起こりますが、最近20~30歳代の方が『近くが見え辛い』と訴えることが多くなっています。そのような方に限ってスマホを長時間使用されており、この症状が俗に「スマホ老眼」と言われています。医学的な正式名称ではありません。また近くを見ている時間が長いと目が疲れるとも言われます。
一般的な老眼との違いは?
老眼は人にもよりますが、これは生理的なものです。近くが見え辛い老眼症状が20歳代から始まるのは、スマホが主な原因と考えられる現代病で、かつてはなかったことで驚きです。
少しのつもりが、ついだらだらと見続けてしまうスマホ。こんな感じで「気付いたら1時間経っていた!」なんてこともよくあります。
このような姿勢でのスマホ使用はよくないですね。目とスマホの距離が安定しないため目への負担が大きく、スマホ老眼の原因となります。
この方はいわゆるスマホ老眼でしょうか?かなり画面が見辛そうです。
スマホ老眼か老眼かという判断は難しいですが、見辛さを感じている時点で眼科受診されるのがよいでしょう。遠近両用や老眼鏡など、今の自分に適切な眼鏡を作成することで、症状の悪化を防げます。
加齢による老眼はある程度仕方ない気もしますが、若いのにスマホの影響で老眼になるのは避けたいです…。
スマホ老眼と通常の老眼、症状は同様ですが、そもそも原因が違います。
スマホ老眼は予防や症状の軽減ができますので、まずはその仕組みからみてみましょう。
遠方近方を見る時に働く調節機能が破綻することで、スマホ老眼の症状は起こります。
調節機能を説明しましょう。近くを見るとき、輪状繊維が収縮して毛様小体が緊張を失って弛緩します。それで水晶体がその弾力で前方に膨隆して厚みを増して、屈折力を高めて近くの物体に焦点を合わます(図)。この調節機能が長時間に渡るスマホ使用で壊れるのです。
なりやすいのは、こんな人。
どんな人が発症するのでしょうか?
スマホを長時間使用している人であれば20歳代からでも起こりますし、実際そのような方が増えています。スマホ以外に長時間のパソコン使用なども原因の一つに挙げられます。
スマホとパソコン、どちらも手離せません…。どちらの方がより目に良い、悪いはありますか?
短時間であれば問題ありませんが、長時間になるとどちらも目によくありません。同じ使用時間で比較すると、距離と手と腕の動きからスマホの方が目に悪いと思います。
では、スマホとポータブルゲーム機では…?
科学的データはありませんが、ゲーム機の方が使用時間が長かったり、目の動きが一様でなく、より目にとって負担が大きいと考えられます。
現代人の誰もがなりうる、スマホ老眼から目を守る。
予防法はありますか?
とにかくスマホの使用時間を短くすることです。具体的には1日3時間程度までではないでしょうか。1時間使用すれば10分休憩することをお薦めします。食事による予防法はありません。
子どものゲームじゃあるまいし…と思ってしまいますが、時間制限は有効なんですね。では、スマホを使用する際の姿勢や、環境は?
目とスマホの距離は30cm程度が望ましく、上記の方は理想的と言えるでしょう。
最近、社会問題になっている歩きスマホは、画面や姿勢が安定せず、最も悪いのでやめるべきです。さらに寝転がってスマホを見たり、暗所や電車等の車内で操作するのも良くありません。
歩きスマホ!多くの人がして問題になっていますが、スマホ老眼のリスクもあるのですね。
もし、スマホ老眼かな?と思われる症状に気付いた時は、どうしたらよいですか?
眼科の受診をおすすめします。
スマホもパソコンも、現代人の生活には欠かせないものになりつつありますが、理想的な姿勢で使用することで、その弊害は大きく軽減できます。健康を害さないよう、うまくつきあっていくよう心がけましょう。
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