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2016.02.19

1週間で患者数205万人!もしかしたらその症状「隠れインフル」かも!?

Kindai Picks編集部

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インフルエンザ

国立感染症研究所の発表によると、2月第2週のインフルエンザ患者数はおよそ205万人。全都道府県で患者数が増加しており、46都道府県で警報レベルを超えています。そんな中、懸念されているのが「隠れインフル」 インフルエンザなのにインフルエンザだと診断されない、そのワケは?

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PROFILE
吉田耕一郎(医学部医学科)
専門:感染症、深在性真菌症、院内感染対策
感染症の診断と治療、特に真菌による感染症を研究。抗菌薬耐性菌対策など、院内感染対策についても実践。


インフルエンザの流行がピークを迎えている。そこで、前回の<発症前に「タミフル」服用も。インフルエンザ最前線2016 >に引き続き、今回は隠れインフルエンザについて、近畿大学医学部附属病院の吉田耕一郎先生にお話を聞いてきた。


検査反応がなくても、インフルエンザになっていることはある。


Q. 隠れインフルエンザとは何でしょうか?

A. 本当はインフルエンザにかかっているのに、高熱が出ない、もしくは検査でインフルエンザであるという判定が出ない状態のことを「隠れインフルエンザ」もしくは「隠れインフル」と呼んでいるようですね。もちろんこれは、正式な医学用語ではありません。


Q. なぜ高熱が出なかったり検査に引っかからなかったりするのでしょうか?

A. 高齢者は体の免疫反応が弱いため、高熱が出にくい傾向にあります。また、B型インフルエンザは、A型インフルエンザよりも発熱などの症状が軽いため、患者さん自身がインフルエンザだと気付かないこともあるようです。検査については、発症から12時間以内ですと反応が出ないことがありますし、検査キットによっても感度が異なります。


検査は大事。しかし絶対ではない。


Q. そもそも、インフルエンザはどのように検査するのでしょうか?

A. 細長い綿棒のようなもので鼻の中の粘液を採取し、あらかじめインフルエンザウイルスに反応する物質(抗体)が塗ってあるキットに垂らします。もしインフルエンザウイルスが検出されると、抗体が反応して色が出るというわけです。これは「免疫クロマトグラフィー法」と呼ばれる方法で、すぐに結果が出ますし目で見て判定できるため、広く使われています。

Q. どのくらいの精度で判定できるのですか?

A. およそ95%の精度でインフルエンザの判定ができます。ただし、先程お伝えしました通り、発症から12時間以内ですと、正しい検査結果が出ないことがあります。

Q. 検査で陽性の判定が出なければ、インフルエンザではないということになってしまうのでしょうか?

A. いえ、検査で引っかからなかった場合でも、発症時期や症状からインフルエンザである可能性が高く、他の発熱性疾患が考えにくい場合は、インフルエンザであると臨床的に診断することはあります。


自己判断は禁物。流行を抑えるためには大切なこととは?


Q. 隠れインフルから身を守るには、どうすれば良いでしょうか?

A. やはり基本の手洗いとマスクが重要ですね。うがいに関してはインフルエンザウイルスに接触した直後に行えば一定の効果が期待できるかもしれません。念のためしておいた方が良いでしょう。人混みをできるだけ避けること、食生活や睡眠にも気を配り体力を低下させないことも大切です。もちろん、適切な時期にワクチンを接種しておくことが最も重要です。

Q. 検査を受けても反応が出なかった時は、薬は処方されないのでしょうか?

A. そんなことはありません。検査で反応が出なくても、インフルエンザ流行期にインフルエンザだと思われる症状が出ている場合には、薬を処方することはあります。細かい判断は医師によって多少異なりますので、主治医にご相談ください。

Q. 検査反応がなくてもインフルエンザだと思わる症状がある場合には、どのようなことに気をつければ良いでしょうか?

A. とにかく安静にして、保温・水分補給・栄養補給を心掛けましょう。他の人にうつさないように注意が必要です。家族と接する際やクリニックを受診する際には、マスクを着用することが大切です。

Q. 仕事や学校は、いつから復帰できますか?

A. 通常はインフルエンザになると、発症後5日間、もしくは解熱後2日間は仕事や学校を休む必要があるとされています。ただし、検査反応が出なかった場合は判断が分かれますので、主治医とよく相談してください。ウイルスを拡散しないためにも、自己判断で復帰するのは避けましょう。

Q. 他にインフルエンザに関して何か気を付けた方が良いことがあれば、教えてください。

A. マスクの着用は、インフルエンザに感染することを予防するだけでなく、自分が感染源となってウイルスを拡散してしまうことを防ぐことにも繋がります。インフルエンザに感染すると、発熱前の状態でも(発熱1日前から)自分が感染源になってしまうことがありますので、インフルエンザの流行時期はマスクをして、みんなで流行を抑えることが大切です。


一言で「インフルエンザ」と言っても、その症状の程度は様々で、検査ではわからないこともあるということが明らかになった。普段からマスクを装着し、少しでも疑いがあるなら、すぐに医師に相談することが、流行を食い止めることに繋がる。現在ピークを向かえているインフルエンザ。みんなで少しずつ気を付けて、早めに収束させるようにしたい。


<→「発症前に「タミフル」服用も。インフルエンザ最前線2018」に進む>
<→「所要時間わずか30秒!専門家が勧める新型インフルエンザ予防法」に進む>

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