2025.11.10
マグロ解体完全ガイド|解体手順から解凍方法まで徹底解説

- Kindai Picks編集部
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巨大なマグロを職人が大包丁で切り分ける——その迫力は、まるでライブショーのよう。 市場やイベントで披露される「マグロ解体ショー」は、ただのパフォーマンスではなく、日本の食文化を知る貴重な機会でもあります。 今回、近大マグロを使用して、マグロ解体の手順や部位ごとの特徴、美味しい食べ方から家庭での解凍方法までを徹底解説!近大マグロ解体の動画とあわせてご覧ください。
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人々を惹きつけるマグロの解体ショー
今年、大阪・関西万博で行われた近畿大学創立100周年記念スペシャルイベント「海と大地を耕す」や、卒業生が母校に帰るイベント「近畿大学ホームカミングデー」でも近大マグロの解体ショーが開催されました。
マグロの解体ショーが始まるやいなや、老若男女を問わず大勢の人が集まり、包丁が入るたびに歓声があがり、大盛況!
ところで、マグロってどのような手順でさばくかわかりますか?
解体ショーを見たことがある人でも、マグロの大きさやさばく姿に圧倒され、なかなかじっくりとは見たことがない方も多いのではないでしょうか?
というわけで、今回はマグロの解体の手順やポイントなどを動画でご紹介します!
さばいていただくのは、、、
近畿大学の食堂で長年調理師として務め、 約20年近く近大マグロをさばいている超ベテラン調理師の高田四郎さんです。

今回さばくマグロは・・・
近大マグロ 31kg
マグロ解体の手順
①頭を落とす
まずは頭から落としていきます。 大きいので通常の魚と違うさばき方になります。解体ショーとかで使っているような刀みたいな包丁はなかなかうちでは使わないです。普通の出刃包丁でおろせます。

②ロインの形に切る
背の方から中骨に沿って包丁を入れて三角形の「ロイン」という形に切っていきます。ここで、背骨の位置を正確に把握し、背骨の真上から包丁を入れ背骨と中骨についてる身をうまく外していかないと、骨が割れたり、身に包丁が入ってしまいせっかくのマグロが台無しになってしまうんです。「中落ち」は脂はそんなにはのっていないですが、本来の赤身の味が一番わかるところです。

背骨の真ん中を読むことがマグロ解体の中でも最も難しいポイントです。
近畿大学創立100周年記念スペシャルイベントでの解体ショーの様子
中骨周りについている身が「中落ち」と呼ばれるところです。
どうしても包丁で取りきれない可食部をスプーンを使って綺麗にとっていきます。
ここは赤身で、よくネギトロや中落ち丼という形で売られています!

芯に近い方が赤身です。水温が低いので油で体の周りを覆ってあげないといけないので、どうしても皮目に脂が乗りやすく、お腹の方にも脂が乗ってきます。それが一番美味しいトロ・大トロの部分になります。

③柵取りからそれぞれの用途へ
ロインを四つにわけブロックの状態にして、そこから柵取りし、普段スーパーで売ってるような短柵の形にしていきます。
レアな部位
カマトロ
カマ※の内側のほおにある部分がカマトロです。一般的にいうと「大トロ」ですね。ただ取れる量が少ないので、腹の部分よりも希少価値が高く、高級な部位です。
※カマ:魚のエラの下の部分の肉

マグロにもウロコがある!?
実は、皮の下にウロコがあります。直火で焼くとウロコが飛んでいくんです。鱗を飛ばして、皮のところだけ焼いて食べられたりもします。ただ、なかなか手間なのでほとんどやらないですが、一応食べられる 珍味です。ゼラチン質なのでフグでいう「湯引き」も美味しいですよ。

マグロの選び方・保存方法
新鮮な切り身の見分け方は?
やっぱり色ですね。赤い方がいいです。日にちが経ってくるとちょっとずつ黒ずんでくるので色が大事ですね。近大マグロは基本的に冷凍していないので、そんなに色飛びしないですが、スーパーで売っている冷凍のマグロは解凍の仕方によっては色飛びしてしまいますね。解凍が下手なところだとドリップを出してうまみが抜けてしまい、見た目は綺麗でも食べてみると味が薄くまずいと感じてしまいます。ドリップが出ているかは、切り身の下のシートを見ればわかります。
切り方のコツは?
筋に直角に切る方が舌触りがいいです。 お造りやお刺身など用途によって切り方を変えていて、お造りでは、中トロなど脂が乗っている部分は筋を切り込んで醤油が乗りやすいように工夫しています。

冷蔵・冷凍保存のコツ
マイナス20度以上で瞬間に冷凍しないと、マグロの水の繊維が壊れてしまって、溶かした時にドリップがたくさん出て味が落ちてしまうので、家の冷蔵庫ではあまり冷凍することはお勧めしません。生マグロだと赤身は熟成して逆に美味しくなりますが、逆にトロは脂が回って酸化してしまい、魚臭さが出てきますので注意が必要です。
自宅で解凍するとしたら?
塩水につけた方がうまみは抜けにくいので、ぬるま湯の塩水に冷凍のマグロを入れて、半分表面が少し溶け出してきたら取り出して、キッチンペーパーで巻いたりして解凍させる方法は、大手の寿司チェーンさんなどでもやっていると思います。
マグロ解体って、迫力だけじゃなくて“語れるネタ”もいっぱい。
「マグロって実は鱗あるんだよ?」「カマトロって知ってる?」なんて言えば、飲み会でちょっとドヤれるかも?
ぜひ動画をシェアして、みんなで“サカナのネタ”を肴に盛り上がってみてください!
企画・取材:Kindai Picks編集部
動画撮影・編集:株式会社シープラス
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