「養殖魚の価値の転換」という目標を掲げ、2013年に大阪・梅田と東京・銀座にオープンした養殖魚専門レストラン「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所」。2020年には東京駅構内のグランスタ東京に「近畿大学水産研究所 はなれ」を出店し、養殖魚の価値向上に貢献してきました。

技術の向上により、「安全・安心・美味しい」と胸を張って言えるところまでレベルが向上した養殖魚。近畿大学水産研究所では、「近大マグロ」だけでなく、日本における真鯛の養殖の火付け役となった「近大マダイ」、異なる種同士で交配し良い部分を遺伝させた交雑種の「クエタマ」や「ブリヒラ」など、近畿大学が誇る様々な養殖魚を提供しています。

また、学生が考案したメニューや制作した食器などを使用することで、近畿大学の建学の精神である「実学教育」を実践する場所としても活用してきました。 今回は、梅田のグランフロント大阪にある大阪店の仕込みに密着。近大産の珍しい養殖魚を職人が捌き、調理する様子をご覧ください。


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動画内に出てくる近畿大学水産研究所自慢の養殖魚と料理を一部ご紹介します。

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近大マグロ

2002年に誕生した、世界初のクロマグロの完全養殖※に成功した「近大マグロ」。1970年から研究を開始し、32年の歳月をかけた近畿大学水産研究所の研究成果です。「海のダイヤ」とも言われる天然のクロマグロに比べても引けを取らない味わいを実現しています。
※完全養殖とは、人工ふ化した稚魚を成魚に育て、その成魚が産んだ卵をもとに再び人工ふ化を行うこと。天然資源に頼らずに、養殖場だけでマグロを育てて出荷しています。

脳天・ほほ肉・目玉・カマ・尾の身といった希少部位、皮の裏についた脂身、血あいも煮込みに使用するなど、余すことなく使用しています。

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近大マグロのおすすめメニュー

近大マグロ三昧重（税込3,200円）

近大マグロの赤身・中トロ・大トロの3種を贅沢に使用したランチメニュー。小鉢も近大マグロ使用。


近大マグロレアカツ（税込1,500円）※グランフロント大阪店の価格です

お刺身で食べれるほど新鮮な近大マグロをレアカツにすることで、衣のサクサク感とジューシーな食感をお楽しみいただけます。

クエタマ

一般市場での流通量が極めて少ない幻の高級魚「クエ」と絶滅危惧種「タマカイ」の良さを併せ持つ交雑種「クエタマ」。

近畿大学水産研究所がクエの人工ふ化・飼育に成功したのが1988年。一方で、クエは成長が遅いことから養殖期間が長くなることが課題でした。そこで、同じハタ科で成長が早い「タマカイ」と交配させ、「クエ」の淡白で上品な味わいを残しつつ、成長を大幅に早くすることに成功しました。

クエと同様に鍋料理が一番のおすすめですが、唐揚げや西京焼きなどどんな料理にも合う万能な魚です。

クエタマのおすすめメニュー

クエタマ鍋コース（税込8,000円〜）

ゼラチン質がたっぷり含まれた皮やアラが絶品。鍋を食べた後は、濃厚な出汁で雑炊も。他にも、前菜やお造り、クエタマの唐揚げや椀物など、クエタマを中心に近畿大学産の養殖魚が堪能できるコースです。


近大クエタマ西京焼き（税込1,400円）※グランフロント大阪店の価格です

脂がしっかりと乗りながらも上品な味わいのクエタマを、甘みと深みのある西京みそに漬け込み香ばしく焼き上げました。

ブリヒラ

ブリの雌とヒラマサの雄の交配によって生まれた近畿大学オリジナルの魚種「ブリヒラ」。脂の多いブリに、色持ちが良く弾力性に富むヒラマサ、両種の良さを併せ持つ交雑魚です。近畿大学水産研究所では、1968年に世界で初めてブリの種苗生産に成功し、1970年に「ブリヒラ」を開発しました。

ブリヒラのおすすめメニュー

近大お刺身御膳（税込2,700円）

近大マグロやブリヒラをはじめ、各地の養殖場から冷凍することなく新鮮な状態で届く5種のお刺身（その日の入荷状況で変わります）。近畿大学産の新鮮な養殖魚を幅広く堪能できる御膳です。


近大ブリヒラ大根ステーキ（税込1,300円）※グランフロント大阪店の価格です

脂がのったブリヒラと豪快に輪切りにした大根にしっかりと出汁を含ませ、和歌山県産の山椒香味油と醤油で甘辛く味付けしたボリュームある逸品です。





取材・文：トミモトリエ
動画撮影・編集：TOBARU FUMIYUKI
企画・編集：人間編集部