2021.08.06
アイドルカフェから納棺師まで!大学生の「特殊バイト経験」を聞いてみた
- Kindai Picks編集部
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待ちに待った夏休み! 大学生のみなさん、夏休み中のアルバイトはもう決まりましたか? まだ迷っている方、これからアルバイトを探される方に朗報です! 今回は特殊なアルバイト経験のある学生さんに、ほかのバイトでは経験できないエピソードを聞いてみました!
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こんにちは、ライターの店長と申します。
紛らわしい名前ですみません、高校時代に「コンビニで店長をやってそう」と言われてからこの名前で活動しています。
大学生のみなさん、アルバイトしてますか? 僕は学生時代には5年間、コンビニではなく地元の学習塾でアルバイトをしていました(4年制の大学でしたが留年したので、計算自体は合っています)。
しかし、世の中には「治験」「覆面調査」「万引きGメン」など、あまりメジャーではない特殊なアルバイトも数多く存在するらしいです。
今回は、実際に特殊なアルバイトの経験がある学生さんに
どこで存在を知ったの?
どんなことをする仕事なの?
ぶっちゃけ儲かるの!?
など、根掘り葉掘り聞いてみたいと思います!
調査するにあたり、大学生293名を対象にアンケートを取りました。
インタビューへ入る前に、アンケートの結果を確認してみましょう。
最近の大学生はどんなアルバイトしてるの??
大学生のアルバイト事情アンケート
回答者:大学生293人(男性136人/女性144人/性別未回答13人)今までどんなアルバイトをしたことがありますか?(複数回答可)
上位20職種がこちら。アルバイト経験として最も多いのは「飲食店店員」、次いで「塾講師」「イベントスタッフ」という結果となりました。そのほかでもカフェやスーパーなど接客業が人気なようです。
周りの人がやっていないような、珍しいアルバイトをしたことがありますか?
「珍しいアルバイトをしたことがあるか?」という質問については、約20%の人が「はい」と回答。
ドアマン、巫女、軌道工(線路の保守や検査)、細胞を培養する研究員、選挙のウグイス嬢、YouTuber、農家のお手伝い、高校野球選手権大会の運営スタッフなど、さまざまなアルバイト経験をご回答いただきました。
今回はそのなかから4人の学生さんに、実際どんな仕事をしているのか、詳しくお話を聞いてみました。
男装に憧れて、コンセプトカフェでアイドルに
バイト:コンセプトカフェ
時給:1,000円+歩合制
シフト:1日4時間、週2~3日
店長:コンセプトカフェというと、メイドカフェや執事カフェみたいな感じでしょうか?
まきさん:ちょっと違って、 私はアイドルカフェで1年ちょっと働いていました。料理やドリンクを提供するのは同じですが、それに加えてステージ上で歌ったり踊ったりするのが特徴ですね。
店長:カフェ店員のアルバイトはよく聞きますが、アイドルカフェって珍しいですね! どういうきっかけで働こうと思ったんですか?
まきさん:実は中学生の頃から友達に誘われて、男装カフェに通ってたんです(笑)。その頃から、大学生になったら自分も働きたいな〜って思ってました。
店長:そんなに前から!
まきさん:けど、通っていた男装カフェは20歳以上しか働けなくて。たまたま未成年でも働けるアイドルカフェを見つけたので、そこにしたって感じです。
店長:少し突っ込んだ話になりますが、歩合制って具体的にどんな感じなんでしょうか?
まきさん:お客さんからチェキや歌のリクエストをもらったり、自分が考案したメニューを注文してもらったりしたら上乗せがあるってシステムでしたね。これは応援してくれるお客さんがいないと厳しくて……。私自身はアイドルらしいタイプじゃなかったんですけど、昭和の歌謡曲や椎名林檎が好きだったので、そのあたりを歌ってご年配の方や曲が好きなお客さんに応援してもらってました。
店長:個性を活かした戦略があったんですね……! ほかにアルバイトをして楽しかったことや、身についたスキルなどはありますか?
まきさん:普通の飲食店と比べてテーマパーク感というか、お客さんを楽しませる要素は強かったと思います! 私自身、歌うのも可愛い女の子も大好きなので、その点でも良い職場ではありました。 あと、働いてみて人と話すことは得意になった気がします。いろんなお客さんがいらっしゃるので「どうすれば気に入ってもらえるだろう?」「もっと話したいと思ってもらえるだろう?」ってよく考えるようになりました。
店長:最後の質問ですが、どんな人がコンセプトカフェで働くのに向いていると思いますか?
まきさん:まず、歌うことや可愛い服を着るのが好きな人はオススメです! お客さんに褒められたり、自分の好きなものに囲まれたりするのはお金じゃ買えない満足感があると思います。
店長:素敵!
まきさん:あと「自分を変えたい!」って人にもオススメしたいです。コンセプトカフェは普段とは違う「新しい自分」になって接客できるので、自分に自信がない人にもチャレンジして欲しいです。大変なこともありますが、その分すっごく楽しいですよ!
銀行でアプリの説明をして時給1,600円
バイト:銀行内でのアプリ説明
時給:1,600円
シフト:1日8時間、週5日
店長:いきなりですが「銀行内でのアプリ説明」って何するんですか!? そもそも、どんなアプリの説明を……?
浦郷さん:振り込みや住所変更など、通常はATMや銀行窓口で行う作業がスマートフォンでもできる銀行公式アプリを扱っていました。 銀行のフロアで看板を持って、興味を持っていただいたお客様にその場でご説明する、という内容でしたね。
店長:は~、なるほど! たしかにそういう作業がスマホでできると楽そうですね。 客層はどんな人が多かったですか?
浦郷さん:やはりスマホ自体にあまり馴染みのない、ご年配の方が中心でしたね。その場でインストールをお手伝いすると、喜んでいただけて嬉しかったです!
店長:「来たお客さんに説明する」が基本のお仕事だと思うんですが、仕事のやりがいという点ではいかがでしたか?
浦郷さん:大学のなかだけでは知れない、専門的な世界に触れられたのはとても有意義でしたね。銀行だと行員の方とお話ができたり、自分でも実際にアプリを使い始めてみたり。NISA(少額投資非課税制度)の話を聞いて、早速始めてみたりしました。
店長:その歳でNISAを!? 僕なんて30歳すぎで、いまだにNISAがなんなのかよく分かってないのに……すごいなぁ。そういえば浦郷さんはこのアルバイトを、春休みの間に短期でされていたんですよね。
浦郷さん:そうですね、短期のアルバイトを転々とするのが自分のスタイルでして。大学に入ってからこれまでに、18個くらい短期バイトを経験しました!
店長:じゅ、じゅ、じゅ、18!!??
浦郷さん:近畿大学内でも通学証明書発行や試験監督、センター試験の補助など色々やりましたね。実は今日も、これから新しい短期バイトの初出勤なんです! ワクチン接種会場のスタッフをしてきます。
店長:これから19個目の短期アルバイトに行くんですね……頑張ってください! 最後に、これからアルバイトを探される学生さんにアドバイスをお願いします!
浦郷さん:複数の求人サイトに登録しておくと、より幅広い業種のアルバイトに出会いやすくなりますよ! また、どうしても早く働きたい場合は、企業に直接問い合わせてみるのも一つの手だと思います。楽しそうだと思ったものはぜひ挑戦してみてください!
家庭環境に問題を抱えた子どもの居場所を作る
バイト:貧困家庭の子どもの学習支援員
時給:1,500円
シフト:1日3時間、週2日
店長:早速ですが、貧困家庭の子どもの学習支援アルバイトはいつ頃から始められたんですか?
般若さん:去年の夏から始めたので、今でちょうど1年ぐらいになります。それまでは学部のカリキュラムでアメリカに留学していました。
店長:どんな経緯でお知りになったんですか?
般若さん:留学前に学習塾や学童保育でアルバイトをしていて、その時の繋がりで現在の職場を紹介してもらいました。市の委託でアルバイトを募集していて、小学生から高校生まで在籍しています。自分は今、3〜4人の生徒を担当しています。
店長:年齢も幅広いんですね。ということは、勉強を教えるというよりもコミュニケーションの場を作る、みたいな側面が大きいんでしょうか。
般若さん:まさにその通りです。生徒によっては学校に通えていなかったり、家庭環境の問題で家では勉強できなかったりする子もいるので。そんな子たちに、まずは「居場所」を作ってあげることを大切にしています。
店長:家や学校以外に落ち着ける場所があるのは、子どもにとっても嬉しいでしょうね。
般若さん:もちろん、大変なことも多いですけどね……! なかには感情を上手く伝えられずに暴れてしまう子もいたりするので、どう接してあげるべきかは毎回とても悩みます。育ってきた環境がそうさせているだけで、子ども自身は悪くないんですよね。
店長:アルバイトをするなかで、般若さんが大事にしている教育方針ってありますか?
般若さん:集中するのが苦手な子が多いので、「5分だけ頑張ってみよう」というのをよく伝えています。ほかにも、家であまり睡眠がとれていない子は寝ちゃっても起こさない、とか。生徒が自分からやる気になるまで、なるべく強制はしないようにしています。
店長:優しい先生だ……。
般若さん:甘やかしすぎたり、不公平にならない程度にですけどね(笑)学校だけではどうしても生徒一人ひとりに寄り添うことが難しいと思うので、こういった学習支援の場は個人的にとても大切だと思っています。
店長:これからも生徒たちの癒しになる、素敵な先生であり続けてくださいね!
故人と遺族を思い、人生の最期に向き合う仕事
バイト:湯灌(ゆかん)師、納棺師
時給:1,500円
シフト:1日3~6時間、不定期
店長:湯灌師や納棺師のアルバイトをされていたとのことですが、具体的にはどんなことをするお仕事なのでしょうか?
りほさん:亡くなられた方のご遺体を、ご遺族の前で洗って清めるのが湯灌師の仕事です。清めたあと、ご遺族には一旦退席いただいて、その間にお洋服の着替えやお化粧を行います。そしてご遺族と改めて対面して、納棺の儀を行う……というのは納棺師の仕事になります。ご遺族の前で行う見せる仕事と、見せない仕事の両方があるというイメージですね。
店長:大変そうですけど、意義のある大切なお仕事ですよね。なんとなく専門的なイメージがあったので、アルバイトの方がしていたというのは少し意外です!
りほさん:高校時代にも葬儀会場スタッフのアルバイトをしていたんですけど、あれもアルバイトの人が多かったです。もちろん会社や会場にもよると思いますが。
店長:そうなの!? 初めて知ることだらけだ……。シフトはどんな感じだったんでしょうか? そもそも、シフトという概念があるかも気になるところです。
りほさん:おっしゃる通りシフトは結構不安定で、季節によってバラつきがあったり、急に休みになったりすることも多かったですね。それでも、大まかに休みの目処は立っていました。大体の葬儀屋は「友引」が休みで、出棺ができないんです。なので、その前日にお通夜もできない。そこから逆算すると……というように、友引を基準にしてザックリとしたシフトのイメージはありましたね。
店長:ああ~なるほど! 六曜の友引がポイントになるのかぁ、目から鱗です。大変なお仕事だったとは思いますが、こんな人が向いているというポイントはありますか?
りほさん:ご遺体と対峙する仕事なので、やってみないと分からないという部分は正直あると思います。強いて言えば礼儀正しくて、気持ちの切り替えができる人ですかね。マナーに厳しい業界ですし、宗教ごとにしきたりがある場合もあるので、そこに対応できる人が良いですね。あと、どうしてもメンタルに負荷がかかる仕事ではあるので、しっかりオンとオフを切り替えられる人の方が長続きすると思います。ネガティブっぽい言い方になっちゃいましたが、香典の包み方や焼香のやり方など、葬儀や宗教の知識も身に付くので役に立つことも多いですよ!
店長:お葬式のマナーって、大人でも知らずに困ることが多いですもんね! お仕事の内容を具体的に聞いて、たしかに辛いことも多いけど、大切な仕事だなぁと改めて感じました。ご遺体を丁寧に綺麗にしてくれると、ご遺族も本当に嬉しいでしょうね。
りほさん:あと最近は「音楽葬」といって、音楽を流して故人を偲ぶ形式も増えています。お葬式の暗いイメージも少しずつ変わってきていると思うので、同年代で葬儀業界に少しでも興味を持ってくれる人が増えると嬉しいです。
その職業ならではのスキルやおもしろエピソードも
今回インタビューした4人以外にも、アルバイトに関するエピソードや身に付けたスキルについて、たくさんの学生さんから回答いただいた中には、こんなエピソードも。
・スーパー銭湯店員(4年 女性)
お風呂のpH濃度を測らないといけないのですが、アルバイトを経て、色を見ただけで度数が分かるようになりました。あと、お湯に手をつけただけで大体の温度が分かります。
・細胞を培養する研究員(3年 女性)
薬匙のないラボだったので、粉末試料を一振りでぴったり0.01g出せるようになりました。
・たこ焼き屋店員(3年 男性)
たこ焼きを焼いていたら外国人に動画を撮られて、YouTubeにアップされてました。
・プログラミング教室講師(3年 女性)
愛想良く対応しすぎたせいか、生徒の子どもにプロポーズされました。
・唐揚げ屋の店員(3年 男性)
閉店20分ぐらい前に電話がかかってきて、弁当の予約を僕が承りました。さあ、そろそろ閉店しようかという時、警察官がひとり入ってきて「えっ! 何かしたっけ?」とビビっていたら、そのご予約のお客様でした。警察官さんもなんか気まずそうに「驚かせてすみません」的な苦笑いでお会計を済まされました。
まとめ
それぞれのお仕事ならではの楽しさや大変さについて、活き活きと話す学生さんを見て「僕も学生時代に、もっと色々アルバイトすれば良かった〜!」と羨ましくなっちゃいました。これから夏休みを迎える学生のみなさんも、アルバイトで新しい経験をしてみてはいかがでしょうか?
この記事を書いた人
店長
会社員兼WEBライター。学生時代に大喜利にどハマりし、貴重な20代をほぼ全て大喜利に捧げてしまう。犬派で、好きな犬は柴犬(大きくても小さくても、痩せていても太っていても、お利口でもそうでなくても可愛いから)。
企画・編集:人間編集部
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