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2019.04.26

「三代目J SOUL BROTHERSに、僕はなる」 ~PERFECT HUMAN誕生秘話~

Kindai Picks編集部

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入学式
スピーチ
中田敦彦
目標
オリジナル記事

お笑い芸人オリエンタルラジオの中田敦彦さんが、近畿大学工学部(広島キャンパス)で「令和元年度入学生入学式」に出演しました。新たなスタートを切った大学生へ、中田さんからこれまでの経験を踏まえた非常に熱いメッセージが送られました。

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皆さんありがとうございます、中田敦彦です。

よろしくお願いします。

先ほどまでの会との温度差がエグすぎるというね。

急なテンションの変わり方でね、皆さん戸惑っていると思うんですけれども、ここからお楽しみブロックですからね。

先ほどまでは非常に礼節と知性を重んじた会でしたけれども、ここからはカジュアルに楽しんでいただければ結構ですから、このブロックでも厳かさを引っ張ると単純に私が傷つきます。

(会場)笑



そうです、声をあげて笑っていただきたい。

時として「えー」とか、「おー」とか、「それどうなんだー」とか言っていただいて構いませんので、是非、カジュアルに聞いていただければと思います。

僕はですね、これから20分ほどですね、元気になる話をします。

非常に勇気の出る話をします。

というのがですね、私は別にね、今映像の力によって、天才であるとか完璧であるとか加工されているだけで、非常に普通の男です。

その男がですね、すったもんだあってこうやって大舞台で皆さんにお話をできるようになるんだということがですね、皆さんに伝われば。

あ、じゃあ俺でも、いや私でも、10年後くらいに、いや5年後くらいにここに立っているんだと、挨拶する側に回るぞという希望が湧いてくると言うお話でございます。

是非、聴いていただければと思います。

中田敦彦です。よろしくお願いします。

夢を叶えるって何なんだろうなぁと僕の中で思ったところ、
「夢、やりたいことをまず言う」
「言って誰かに助けてもらう」
そして、「あきらめない」
という非常にシンプルなことが、夢を叶える全てなんだなぁ、と僕は思っているんですよね。

ただ、口で言うのは簡単なんですけれども、この3つ全部難しいです。

何故かというとやりたいことを言うのって結構恥ずかしいんですよね。

馬鹿にされるから。

やりたいことって、「え、お前が?」とか「できると思っているの?」とかがセットで来るので、いつも緊張感があるんですよね。

さらに、「みんなに助けてもらう」これもなかなかできないんですよね。

自分1人で叶えたいって思っちゃうんで、どっちかって言うと、周りの力借りるのちょっと怖いなっていう時があるよね。

その上で、「あきらめない」。

これは難しいんですよ。絶対にあきらめたい。

すごい凹むから、壁にぶつかると。

何でかって言うと、「PERFECT HUMAN」っていう楽曲、あれもね、「中田は策略家だから狙って当てたんでしょ」みたいなこと言う人がいるんですけど、そうじゃないんですよ。

めちゃくちゃ紆余曲折あって、あそこにたどり着いたというものなので、まさに今の3つなんですよね。

1個目「夢を言う」、これなんですけども、僕は何で「PERFECT HUMAN」みたいな事やりたいと思ったかっていうと、芸人だからお笑いのネタ作りたいなっていう延長でやっていたんじゃないんですよ。

タレントとしてやって、ネタとかやってバラエティーとか出てだいぶもうなんとなく皆さんになじまれてるし、若干飽きられているみたいなところがあるわけですよ。

その上で「何か一発やりたいな」って思った時に僕が見たのはお笑い芸人さんのネタじゃないんですよ。

三代目J SOUL BROTHERSの「R.Y.U.S.E.I.」。

あれを見てやりたいって思ったんですよ。

で、「俺は三代目J SOUL BROTHERSになる」ってそう思ったんです。



さぁ皆さん問題です。

「三代目J SOUL BROTHERSになりたい」って言えますか?

スゲェ恥ずかしいですよ。

「お前が?」ってまず言われますから。

で、「無理だよ」ってまた言われますから。

で、三代目J SOUL BROTHERSの「R.Y.U.S.E.I.」を見て、「俺はこれやりたいんだよねー」って言ってる中学生とか小学生って何万人といたでしょ?

で、それを一生懸命やったのが、この僕なんです。

弟がダンサーなんですけど、
「ちょっとごめんな、久々に電話してごめんね」と。

「あのーダンス頑張ってるー?兄だよー」とお話をして。

「思いついたんだけれども、三代目J SOUL BROTHERSになりたいんです」僕、言いました。

で、「ダンサーを集めてください」と。

それで「ダンサーを集めてくれたら我々オリラジが歌いますんで、そしたらもう三代目J SOUL BROTHERSじゃありませんか?」と言ったんですね。

自分でも何を言ってるかわかんないことはわかっています。

僕ら武勇伝で歌ネタみたいなこと言われているから、それの最上級って歌なんじゃない?って思ってやり始めた。

それで弟も説得して、一生懸命何とか三代目J SOUL BROTHERSになるからといって、楽曲を作ってもらって始めたんですよ。

一曲目じゃないんですよ、「PERFECT HUMAN」って。

知っていました?
「PERFECT HUMAN」が一曲目じゃないことを知っていた人手あげてください。

何人かはいない?何人もいない?じゃあ逆に聞いてみようか。

「PERFECT HUMAN」が一曲目だと思っていた人?

下ろしてください。全員ですね。

(会場)笑



一曲目だと思っていたでしょう?違うんです。

五曲出しているんですよ。

五曲ボツになっているんですよ。

ボツっていうか、全然滑っているっていうことですよね。

どういう作戦だったかというと、まず1発目何をしたかというと、

そんな歌上手くないんですよ。

でも、歌って三代目J SOUL BROTHERSになりたい。

どうしたかって言うと、まずボイトレに行くのがだるいです。

絶対にボイトレには行きたくありません。

そんなものでうまくなるような気がしません。

割り箸を咥えて「いー」とかいうのは嫌です。

その上で、「あっ」て思って、なんかもう口パクで良くない?ってまず思ったんですね。

日本の音楽番組って口パクかどうかを責めない仕組みになっていません?

絶対に歌えねぇだろうっていう位、踊っている人たちが普通に歌ってるのをあんまり責めないっていうルールになっている国なんですよね。

そこを狙いたいと思ったんですよ。

口パクで良いのなら、僕の声じゃなくていいんじゃないんですか?

これが仮説1。これ検証してみたいと思ったんですよ。

僕はライブを定期的にやっていたので、オリラジのファンに向けて実験してみたんですよ。

歌を聴いてくださいって、ダンサーが出てきて、僕らが歌うんですけど、それはもうレコーディングした他人の歌なんですよ。

他人の声なんですよ。

全然関係ない超絶、歌がうまい知り合いに歌ってもらうっていう。

これどうなると思います?

ファンに聴かせたらすごい怒られました。

シンプルに怒られました。

「私たちがそれを喜ぶと思いましたか?」ってファンにキレられたんですよ。

で僕はそこでわかったんですね。

自分以外の声で歌ってるフリをすることだけは許してもらえない国なのねと。

でも、これはトライ&エラーですから。

あきらめないっていう三つが大事なんですよ。

恥ずかしいですよ。

この実験してみて。

やってみて、普通に怒られて、大人ですよ。

「あなたの歌じゃありませんよね?」ってファンに怒られてんですよ。

すげぇ恥ずかしい。

ほんとだったらもう寝てしまいたい。

だけど頑張る。

ここはあきらめない。

どうしたかと言うと、「まぁまぁ、大丈夫」僕はダンサーをなだめました。

相方をなだめました。

「聞いてくれよ、俺にはまだ策があるんだよ」とね。

「“他人の声作戦”は失敗した。
だが、今テクノロジーがやばいらしい。
そこそこ下手な声の歌手が上手くなってるらしい。
加工っていうものがあるんだって。
デジタルの何とかがあるんだって。
キーも合わせれるし、声も膨らませられるし。
それは魔法のような技術があるらしい。
僕は魔法を使いたいと思う」そう言いました。

「レコーディングして、後は頑張ってちょうだい」って言って、加工に加工を重ねてもらって、どうなったと思いますか?

そこでわかりました。

加工には限度がある。

ある程度上手い人がさらに上手くするっていうことがそうで。

そうじゃない奴が上手くなる事は無いんですよね。

で、僕がどれくらい下手かと言うと、
カラオケでちょうどいじれない下手さってあるでしょ?あれなんですよ。

「こいつ音痴なんですよ、聞いてくださいみたいな、逆に面白いでしょ」みたいなのがないっていうね。

全員で黙る、スマホ見る、スマホを見ざるを得ない、と言うタイプの下手さなんですね。

で、これはまいったなぁと思ったんですね。

加工も無理。別人も無理。

でも、三代目J SOUL BROTHERSになりたいんですよ。

どうすっかなぁってよくよく考えたら、実は相方は上手かったんですよ。

相方は結構上手い。

ここで大ピンチなわけですよ。

言ってみたらどういうことになっていると思います?三代目J SOUL BROTHERSになりたいって言ったんですよ。

その言ったやつだけが、足を引っ張っている。

最悪ですよ。

ここがね、非常に恥ずかしいポイントなんですよ。

ここなんですね、ここまで恥ずかしかったら普通辞めますよ。

普通の感覚の人間だったら、ごめんね、もう解散って言って、おいしいもの食べようと思うんですね。

なんかもう温かいお風呂に入りたいって思うんですね。

だけど俺はあきらめないんですよ。

あきらめないんです。

みんな集めて言いました。

状況を整理します。状況を整理させてください。

三代目J SOUL BROTHERSに僕はなりたい。

その上で、弟ありがとう。

最高に優秀なダンサーを揃えてくれたね。

踊りバッチリだ。

そして藤森くんありがとう。

組んでよかったよ。君の歌はうまい。

歌がうまい藤森、そしてダンスがうまい君たち、そして僕は歌も出来なければ踊りも出来ません。

これが現状ですと。
でも僕は発表します。

あきらめたくありません。

あきらめたくないどころか、センターで歌いたいです。

正気の沙汰じゃないですね。

これが夢をかなえるっていうことなんですよ。

夢を叶えるっていう事は正気の沙汰じゃないんですよ。

なんだそれって言われるようなことからしかイノベーションは起きないんですね。

無理を通すって言うんですかね。その力。

で、僕は考えました。

藤森くんが歌っていただきます。

その上でダンサーには踊っていただきます。

私は真ん中にいます。



自分でもわかっています。

その状況で真ん中にいることがただの邪魔であることは。

だから僕はここ(頭)だけを使いたい。

ここ(頭)を使うんだ、とフル回転させました。

どうしたら歌わずに真ん中にいられますかって、邪魔じゃないって思えますかって。

そうだ、バーンひらめいたんですね。

「僕のことを歌えばいいんじゃないか?」と。

「僕のことを歌っていれば、ご本人みたいな感じになりませんか?」と。

「それがなんか価値になりませんか?」と。

もちろんずっと最初からいたら邪魔ですよね?飽きますよね?

だからサビまでは後ろで待機してます。

サビになったら僕が飛び出して、僕が居座ります。

そしたら藤森さんごめんなさい、メインボーカルさんなんですけど、後ろに引っ込んでください。

後ろで歌ってください。

それまではキレキレのダンスでお願いします。

そしてサビになってきっと2秒3秒したらご本人登場かどうか忘れてしまうと思いますので、サビのあいだ中私の名前を連呼していただけますか?と。

そうです。

「中田、中田、中田、中田、中田、中田」と言っていただければ、みんなが「あー、そうゆうことなんだ」と忘れずにすむと思うんですね。

ぜひこれで進めたいと思います。

これが「PERFECT HUMAN」なんですよ。



めちゃくちゃでしょ?

なんも計画もない。

ただやった事はシンプル。

ただやりたいことを言う。

みんなに助けてもらって、あきらめない。

恥をかいて、恥をかいて、あきらめない。

これだけをやっていく。

そうするとなんだかんだあって、近畿大学でしゃべれる。

(会場)笑

ここなんです。

恥ずかしいことだらけです。

失敗だらけです。

でもいやいやまだやることがある。

言うんです。

「僕に考えがあるんだ」

言ってみてください。

そこから何かが出てきます。

みんな集まって、「違うじゃないか、お前がやってる事は叶わないじゃないか。
なんだ君は、言ってることとやってることが違うぞ」って言われたら、

「必ずまだやれることがある」と心の中でつぶやいた後に、「僕に考えがあります」と言ってみてください。

その後は、がんばれ。

「僕に考えがあります」の後からは必死です。

ただ必死に思いつくまましゃべるプランを。

で思いついたことを全部やる。それしかない。

人生はかっこよく夢をかなえることができないんだなぁと私はいつも体感して浮き沈みやってまいりました。

武勇伝とかチャラ男とかいろいろありました。

皆さんには、もっとさらなる夢があるなと僕は痛感しております。

こんな僕なんかより非常に優秀なんですよ。

それだけは間違いないんですよ。

なんでかっていうと、後の世代っていうのは前の世代が積み上げたものを
当然の資産、資源として利用することが許されているからなんですよ。

僕たちが作ってきたものを一瞬でパパッと見てしまう。

僕たちが10年かけてやって作ったコンテンツをパパッと種明かし、パパパッと5分でYouTubeでチェックできてしまう。

そういう人たちなんですよ。

ニュートンとか、理論をもとにアインシュタインとかいろんな研究があるわけじゃないですか。財産なんですよね。

それを受けて、勉強しているわけだから、もうこの世代は最強の世代ですよ。

1番最新最強の世代ですから、ぜひ乗り越えていただきたい。


<プレゼンの天才中田氏が新入生に贈るスピーチ後編「必ず、みんな出世する。そして僕を助けてください」を含む、スピーチ全編は↓動画公開中>



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