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2019.04.16

【近大卒業式】過去を変える「挑戦」を! キンコン西野と一ノ瀬メイのスピーチ

Kindai Picks編集部

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卒業式
スピーチ
西野亮廣
一ノ瀬メイ
オリジナル記事

3月23日、平成30年度近畿大学卒業式が行われました。卒業生代表として、パラ競泳選手の一ノ瀬メイさんが「東京パラリンピックで表彰台に上がる」という目標を宣言し、恒例のゲストスピーカーとして、絵本作家でお笑いコンビ・キングコングの西野亮廣さんがサプライズで登場。卒業生7635人にエールを送りました。

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近畿大学吹奏楽部の華やかなファンファーレと共に開式した平成30年度近畿大学卒業式。7635人に卒業証書・学位記が授与されました。


「目標は、東京パラリンピックで表彰台に上がること」一ノ瀬メイの卒業生代表スピーチ




卒業生代表のスピーチは、経営学部経営学科を卒業した一ノ瀬メイさん。

一ノ瀬さんは、2016年のリオパラリンピックに出場し、2018年アジアパラ競技大会では8つのメダルを獲得した先天性の右前腕欠損症をもつ競泳選手です。

最初に、平成27年度入学式の新入生代表として「大学生活中にパラリンピック出場を達成する」という目標を宣言した3年前の姿がスクリーンに映し出されました。

一ノ瀬:入学式のように、今日もまたここに立たせていただいていることをとても光栄に思います。

スクリーンでも流れた

You don’t have to be great to start .
You just have to start to be great.


という言葉の意味を覚えている方はいらっしゃいますか?

これは「何かを始める時にグレイトである必要はない、グレイトになるために始める必要がある」という、私の大好きな言葉です。

※アメリカ・アラバマ州出身の自己啓発作家・講演家、Zig Ziglar(ジグ・ジグラー)の言葉

入学式の時に、私の目標も宣言しました。それは、「大学生活中にパラリンピック出場を達成する」というものです。

入学してから、その道のりは、想像以上に厳しいものになりました。

水上競技部でたった一人のパラスイマーだったことから、みんなと出場する試合も違うことに戸惑いを感じ、疎外感を感じていました。

1年後にはリオデジャネイロパラリンピック選考会が迫り、たくさんのメディアに注目していただきました。しかし、自分の実力と世間の期待のギャップに押しつぶされそうになり、毎日練習中や日常生活で過呼吸を繰り返していました。



一ノ瀬:選考会の当日、会場内を一人で歩いていると、遠くのほうで見覚えのある制服を着た団体がいました。

スタンドに上がってみると、そこには大阪から夜行バスに乗って試合会場の静岡までサプライズで応援に駆けつけてくれた、近大水上競技部全員の姿。

大学に入学してから、みんなと同じ試合に出場できていなかった私は、その時初めてたくさんの人に応援されながら泳ぐことができ、皆の力強い声援のおかげで、無事にリオデジャネイロ五輪への切符を手にすることができました。

入学式の時に、あの言葉を言っていた私は、「グレイトになるためには一人で努力するものだ」と思っていました。しかし、この選考会での経験や、大学4年間で近畿大学水上競技部の仲間と過ごしてわかったことは、「チームで取り組めば一人では絶対できなかったことが可能になる」ということ。

そして、一人で頑張ってるつもりでも、それはたくさんの人のサポートがあってできているということです。



一ノ瀬:みなさんは近大でどんな仲間に出会いましたか? 何を得ましたか?

今、新たに私の目標を宣言します。

私の目標は、「東京パラリンピックで表彰台に上がること」です。

みなさんの今の目標はなんですか?

私にとって、今日卒業する同期みんながチームメイトだと思っています。これからも近畿大学で学んだ仲間と共に挑み続けていきましょう。

チームで取り組めば、一人では絶対に成し遂げられなかったことが実現できます。なので、みなさんこれからもよろしくお願いします。


こう締めくくられた一ノ瀬さんのスピーチに、卒業生一同真剣に聞き入る姿が印象的でした。


「過去を変えることは可能」キングコング西野亮廣のゲストスピーチ




実業家の堀江貴文さん(平成26年度)、京都大学の山中伸弥教授(平成27年度)、お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹さん(平成29年度)など、サプライズゲストによるスピーチが毎年話題になっている近畿大学卒業式。

▼関連記事:
「バッドエンドはない」ピース・又吉直樹さんが卒業生に贈ったスピーチ全文を公開

今年は、2016年に「芸人引退」宣言を発表し、現在は絵本作家やインフルエンサーとしても活躍されているお笑いコンビ・キングコングの西野亮廣(にしの あきひろ)さんが登場しました。

しかし、最初の登場ではパラパラと少ない拍手で迎えられた西野さん。「相手が求めているリアクション」をすることが「社会人として大切なコミュニケーション」だと示唆し、「やり直しです」と登場シーンをリテイク。2度目の登場では大きな拍手と大歓声に包まれました。

「悪口言っていいですか?」から始まった、相方である梶原さんの話や、同期であるNON STYLE石田さんの失敗談で笑いを取り、「このままフザけた話を続けたいところなのですが、そろそろ先生方に怒られそうなので……」と前置きをした後で「ここから、イイ感じの話をします」と卒業生に語りかけました。



西野:僕たちは、今この瞬間に未来を変えることはできないけれど、過去を変えることはできる。

失敗した瞬間に辞めてしまうから失敗が存在するわけで、失敗を受け入れて、過去をアップデートし、試行錯誤を繰り返して、成功に辿りついた時、あの日の失敗が必要であったことを僕らは知ります。

つまり、理論上、この世界に失敗なんて存在しないわけです。

このことを受けて、僕から皆さんに贈りたい言葉は一つだけです。

挑戦してください。



西野:一応、絵本作家もやっているので、最後は絵本の話でまとめます。

今、『チックタック 〜約束の時計台〜』という絵本を作っています。

時計の針って面白くて、長針と短針が約1時間ごとに重なるんです。1時5分頃に重なって、2時10分頃に重なって……毎時重なるんですけど、11時台だけは重ならないんです。

2つの針が再び重なるのは12時。鐘が鳴る時です。

僕にもありましたし、皆さんにも必ずあります。人生における11時台が。

つまり「鐘が鳴る前は報われない時間がありますよ」という事です。

でも大丈夫。時計の針は必ず重なります。

だから、挑戦してください。

応援しています。頑張ってください。

僕は、少し先で待っています。いつか一緒にお酒を呑みましょう。


卒業生に向けてこんな素敵なエールが送られました。


【動画】キンコン西野 伝説のスピーチ「人生に失敗など存在しない」平成30年度近畿大学卒業式



▼西野さんのスピーチ全文へのリンクはこちら
【近畿大学卒業式】キンコン西野の伝説のスピーチ全文


ご卒業おめでとうございます!




一ノ瀬さんの他にも、大相撲鳴戸部屋へ入門した相撲部の元林健治さん、マドリードで世界選手権に出場した空手道部の斉藤綾夏さんも、経営学部経営学科を卒業。

一ノ瀬メイさんのスピーチでは「東京パラリンピックで表彰台に上がる」という大きな目標を語り、型破りなスタイルで多くのファンから支持を集める西野亮廣さんのゲストスピーチでは「この世界に失敗なんて存在しない」と、挑戦することを後押しするエールを送りました。

学び舎を巣立つ卒業生にとって、平成最後の忘れがたい卒業式となったことでしょう。

平成30年度卒業の皆さん、ご卒業おめでとうございます!


(終わり)


取材・文:西畑将大/トミモトリエ
写真:西畑将大
企画・編集:人間編集部

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