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カジノ合法化でギャンブル依存症が減る!? IR推進法の意味と世界のカジノ事情を解説

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Kindai Picks編集部

2018.11.22

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オリジナル記事
OB・OG・在学生

「IR推進法(統合型リゾート整備推進法案)」が成立し、日本では今まで違法とされていたカジノが解禁されます。しかし、治安やギャンブル依存症などの懸念から反対派も多いのが現状。そもそもIR推進法って何なの? 本当に日本にカジノができるの? いつどこにできるの? 危険なことはないの? 近畿大学OBであり、カジノディーラーを育成する「日本カジノスクール」大阪校マネージャーの北垣智佑貴さんに詳しく解説していただきました。



こんにちは、ライターの中馬さりのです。

突然ですがカジノが法律で認められて日本にできるって知っていましたか?

「IR推進法(統合型リゾート整備推進法案)」が2016年12月に成立したから……らしいのですが、そもそもIR推進法って何なんでしょう。

日本初のカジノはいつどこにできるの?
治安が悪くなったりギャンブル依存の人が増えたりしないの?


そんな、ちょっと聞きにくい(でも聞きたい)疑問を、近畿大学OBでありUCリゾートエージェンシー株式会社代表、日本カジノスクール大阪校講師でもある北垣智佑貴さん(平成8年 近畿大学商経学部卒)に伺ってきました。


今回、疑問に答えてくれたのは北垣智佑貴(きたがき ともゆき)さんです。

北垣さんは近畿大学在学中の旅行でカジノの楽しさを知り、卒業後はロサンゼルスに留学。シンガポール・マリーナベイサンズのカジノでディーラーを勤め、日本カジノスクール大阪校のマネージャーに就任されました。

今はカジノの入った複合型施設(IR)をつくるUCリゾートエージェンシー株式会社の代表としても活躍されています!


カジノってそもそも何? なんで違法なの?




さっそくなんですが、日本でカジノの運営が認められるんですよね? 今まで違法だったものが合法になるってなんか不思議な感じです。


たしかにカジノは違法でした。でもそれは、カジノそのものがダメというものではなく「お金をかけてはだめ」というルール。刑法で「賭博は違法」って決まっているからです。だから、僕らが今ここでゲームをしてお金を取り合うのも「賭博」で逮捕されます。

カジノそのものではなく、お金をかけることが違法?



そうそう。だから、麻雀や将棋でも金をかけたら本当は賭博罪で逮捕されてしまいます。罰金は20万円〜50万。懲役は1ヶ月です。


やっちゃダメですね。



でも、なんでもかんでもダメというわけではなく「黙認」される部分も多いんです。「一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときはこの限りでない」って補足もありますからね。

一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまる? た、例えていうと……?


例えば、結婚式の二次会でやるビンゴゲームに賞金や高額な商品がつく場合がありますよね。あれは特定のお店が経営の利益を出すわけではなく、友達同士で賞金を配っている。つまり「一時の娯楽」です。

なるほど。



じゃあなんでパチンコや競馬はなぜいいのか。これは「特別法」があるからです。競馬は競馬法っていう法律があって農林水産省の管轄で運営されています。だから、国が認めた場所限定で競馬場があるんです。

つまり今回は、競馬法と同じようにカジノを認める法律ができる感じなんですね。


そう、それがカジノ法案と言われている「IR推進法(統合型リゾート整備推進法案)」です! もちろん競馬と同じく国が認めた場所限定です。その場所をどこにしようかって話を今しています。


カジノが日本にできたらギャンブル依存症が増えるの?




失礼をわかってお聞きするんですけど、どうしてもカジノってギャンブル依存症とセットなイメージがあるんです……! カジノが日本にできたらギャンブル依存の方が増える心配はないんでしょうか?

安心してください。カジノをつくることでギャンブル依存症は減ります。間違いない。

ええっ!? 大丈夫ですか、そんな言いきっちゃって……!





大丈夫です。むしろちゃんと説明したい。


あ、はい。



そもそも日本はね、世界からみて驚くくらいギャンブル大国なんですよ。日本のギャンブル依存は約320万人。成人の約5%がギャンブル依存経験者だと言われています。

数字で見るとやっぱり多いなあって思うし、ギャンブル依存で苦労してる話はよく聞きます。


駅前にはほぼ確実にパチンコ屋がありますよね。店の前にたてば誰でも、自動ドアがウイーンと開く。千円札を入れるとゲームが始まる。高校生でも、下手すると中学生でもやろうと思えばできちゃいますよね。

問題意識はあるし結果もでている。でも、誰でもいつでもできてしまう。


こんな国はほかにありません。だからギャンブル依存は増えるんです。


それぞれお店も対策はしているでしょうけど、常に店員さんが店頭に立って年齢確認しまくるなんて現実的じゃないですしね。


でも、例えばラスベガスのカジノに中馬さんがいくとするでしょ。ゲームをしようと席に座ります。すると、カジノディーラーが「ID please.」って必ず確認してくるんです。

見た目が大人っぽくてもIDで証明しないとダメなんですね。



そうです。IDの提示は絶対。じゃないとチップを渡しても遊べません。未成年者はまず無理です。韓国なら入場時にゲートで確認されます。20歳以下はもちろん、毎日くることができないカジノもあります。

※21歳という制限はラスベガスのもの。韓国では19歳以上、オーストラリアのカジノは18歳など、国によって年齢制限が違います。

想像よりはるかに厳しくて笑う。毎日くるのもダメなんですか?!



国によって差があります。シンガポールには毎日きている人もいましたが、韓国ではダメですね。日本の法案では「日本人や在住外国人のカジノ入場制限は週に3日まで」って決まっています。

日本は韓国式を取り入れることにしたんですね。





もう1つ、シンガポールで導入されている セルフ・エクスクルージョンシステム という仕組みも取り入れます。


セルフ・エクスクルージョンシステム?



自分がカジノに一歩でも入ってしまうと止まらない。毎日きてしまうし、負けた分は取り返そうとさらに賭けてしまう。そういう心配がある人や、自分で自分を抑制できない人はカジノ側に申告するんです。

悪いことをしなくても「ヤバい」と思った時点で申請できるんですね。


申請すればゲートにIDをかざしても開かなくなります。自分で自分を出入り禁止にできるんです。日本ではまず週に3日までしか入れないし、なおかつこのセルフ・エクスクルージョンシステムも導入される予定です。

最大3日なのにさらにセルフ出禁も可能だと。



さらにね、両親やお子さん、結婚されている場合はご主人や奥さんなど、被害を被る立場の人も代わりに申告できるファミリー・エクスクルージョンもありますよ。

ファミリー・エクスクルージョン……さっきのセルフ出禁の家族版ですか?


そう。旦那さんのを申請しておけば、カジノ側が入り口で「奥様からエクスクルージョンが入ってます」って止めてくれます。旦那さんは家に帰って奥さんを説得しないと入れない。

たしかに、よく聞くのって「旦那や妻がギャンブル依存で困ってる」とか「息子&娘が夢中で……」っていう第三者からの話ですよね。


申請できるのは三親等までなので、彼氏彼女の関係じゃダメだけど。でも親子だったらとめられるから、彼氏がずっとカジノに行って相手してくれない場合はお母さんに言いつけたらいいと思います。

依存的かどうかって自覚できないこともありますもんね。家族に止めてもらえるのは安心かも。


でしょう! こういった仕組みがパチンコや他の賭け事はなかったでしょ。お金を賭けて、負けても近くのATMでお金をおろせばまた遊べる。誰も止めないし止められない。だから依存症が増えてしまう。

ギャンブルだけじゃなく買い物依存やタバコ依存も一緒ですね。買っても買ってもクレジットカードを使ったり借金をすればまた買える。仕組みがないから誰も止めないし、止められない。

でも、カジノは厳格な入場規制と一緒に導入される。ここが違うんです。



さらに、カジノは導入と同時にギャンブル依存のカウンセリング施設も設置される予定です。


ギャンブル依存のカウンセリング施設?



日本は、パチンコとか競馬が先に普及。対策が後追いになってしまったのが原因なんです。かろうじて任意のボランティア団体は活動しているけれど、国としての政策はありません。

カジノだけでなく、ギャンブル依存への対策も行われるんですか?



そう、ギャンブル依存症対策基本法案もできましたね。カジノ法案は、カジノをつくるだけの法律じゃないんです。


ただカジノを認めるって法律かと思ってました……!



今、パチンコは約1万1000店ほど、競馬場は51、競艇は50、競輪は43施設あります。そんな日本にたった3軒のカジノをたてて、ギャンブルに対する公的な対策がとれる。ギャンブル依存は減るに決まっているんです。


カジノは日本のどこにできるの?




カジノが3軒できるって話でしたけど、場所ってどこになりそうなんですか?


今の有力候補は大阪です。 万博開催地の誘致活動もしていますし、セットで話題になっていますね。


あ~、じゃあ万博がどうなるかによって変更もありえるんですかね?




う〜ん、

仮に万博が来なくてもカジノは大阪にくるでしょうね。

えぇぇ、どうして言いきれるんですか?



大前提として、大阪は「国際競争力」――つまり、国際空港や観光資源などのポテンシャルが他の地域と比べて強い。海外のお客さんに楽しんでもらえるロケーションもエンターテイメントもあるし、国際空港もありますよね。

たしかに。



さらに、カジノの誘致で手を挙げているのは大阪、和歌山、北海道、長崎です。のちのち東京や神奈川、名古屋も立候補するかもしれませんが、それでも7つ(大阪、和歌山、北海道、長崎、横浜、東京、名古屋)の中から3つにしぼるだけ。

大阪、和歌山、北海道、長崎、横浜、東京、名古屋から3つか!



大阪が選ばれる可能性は高いですよね。だから、万博がこなくても大阪はIR最有力候補地に選ばれるんです。


万博と並べて考えるひともいるかもしれませんが、そこまで関係なかったんですね。


そもそも万博って健全な精神と理念を元に行われるイベントなので、ギャンブルとセットになっちゃダメなんですよね。万博は万博、カジノはカジノで話をすすめていかないと。

なるほど。



ただ、万博は1回きり。6ヶ月くらいしか開催しませんよね。 その跡地をどう再利用するかは考えなくちゃいけない。そうじゃないと、経済的に大きな打撃を受けます。

たしかにうまく再利用しないとマイナスになるかも。



オリンピックも何年もかけて選手村やスポーツ施設をつくりますが、2週間もたてばいらなくなる。シドニーも北京もアテネも、オリンピックをやった後に経済破綻していきました。跡地の再利用方法はしっかり考えないとまずいんです。



そこで、IRです。


あ~、東京はオリンピックの跡地、カジノは万博の跡地を再利用できるのか。



USJ並みの入場料?! 知られていないカジノの仕組み




そもそも街中にIRをつくるわけじゃないんです。大阪なら夢洲(ゆめしま)、東京ならお台場が候補に挙がっています。


どっちもお出かけスポットというか、行こうと思わなきゃ行かないところですね。


しかもね、日本人はカジノに入場するだけで6000円かかります。



え、入場するだけで6000円!?



そう、入るだけで毎回6000円かかる。USJに行くのと同じくらいの値段です。そんなの払ってまで来てくれるのは観光客の方くらいです。

ん、もしかしてカジノのメインターゲットって海外の方ですか?



そうですよ。基本的にカジノは海外から日本にきた観光客の方に外貨をおとしてもらうためのもの。あとは日本人で経済的余裕のある人がたまに息抜きするくらいでしょうね。

だから国際競争力の高い地域につくるのか。もしかしてこの入場料制度って海外も同じなんですか?


ラスベガスは無料で入場可能です。シンガポールのカジノでは、シンガポール国籍の人は100ドル(約1万円)の入場料が必要ですね。


6000円とか1万円払って遊びに行くって、なんていうかもう観光地のひとつですもんね……? そうか……、カジノってそんなに楽しいんですかね……?



うーん、じゃあやってみますか!



……え?






ということで、お言葉に甘えてカジノ体験をさせてもらいました。

今回が特別……というわけではなく、日本カジノスクールではときどきカジノ体験ができるイベントを開催しているそうです。

カジノで遊べるゲームでメジャーなのは以下の5種類。


ブラックジャック:プレイヤーとディーラーの1対1で合計数字が21に近い方が勝つゲーム
ポーカー:5枚の手札の組み合わせでカードの強さをきそうトランプゲーム
バカラ:2枚~3枚の手持ちのカードの合計の下一桁が9に近い人が勝つゲーム
スロット:絵柄を賭けたラインで揃えられれば勝ちというマシンゲーム
ルーレット:ルーレットでボールを転がしてどの数字に入るか賭けるゲーム


台数の数に差こそあるものの、日本でも海外と変わらない種類のゲームが遊べるそうです。今回はその中からルーレットをやってみました。



今回はアメリカンルーレット。

簡単にいうと、ディーラーが数字が書いてあるホイール(回転盤)にボールを落とします。どの数字に入るか予想して賭けるゲームです。

1つの数字だけ選べば当たる確率は低いですが賭率が高い。奇数や偶数などまとめて選ぶこともできますが賭率が低くなりますね。


え、どうしよう。ドラ〇エのカジノではとにかくセーブして数うちゃ当たる方式でやってました。


……ゲームですから、楽しめばOKです。勝ち負けもありますが、今日はどれだけツイているか運試しのようなノリが一番ですよ。




うーん……。じゃあ誕生日あたりにします。もしあたればラッキー! 嬉しいな~!


じゃあ回しますね。





カラカラカラカラカラカラカラカラカラ……

えっ、もしかしてこの時点でディーラーさんはどこに落ちるかわかるんですか?


だいたいは予想がつきますね。だから、ディーラーはホイール(回転盤)を見ずに投げます。結果をコントロールしないようにするためと、お客様が賭け位置を変えないように見守るためですね。



「Red 25」……
おめでとうございます! あたりましたね!



22、23、25、26の4目賭けなので9倍です。よかったですね~!



すごい~~~! というか、北垣さんがめちゃくちゃ一緒に喜んでくれるのが嬉しい……!


当然です。お客様が勝っても、カジノは損するけどディーラーは損しません。


超、本音ですね。



勝負はしますが、お客様に楽しく遊んでもらうのがディーラーの仕事ですからね。「勝ってくれ~」って思いながらやっていますよ。



カジノができたらどうやって楽しめばいいの?




北垣さん的に、カジノで遊ぶ時ってどんな風にしたら一番楽しめますか?


僕個人としては「ラスベガス思考」で楽しむのが一番だと思います。他の国と比較しても、ラスベガスは理想的なカジノだと思うんですよね。

ラスベガス思考……! どんなものでしょう?



大前提としてガツガツしない。勝ち負けにこだわりすぎていないんです。


遊び方にそれが出るんですか?



そう。みんな20ドル〜50ドル(約2000円〜5000円)を持ってきて小さく遊んでお酒を飲んで帰る感じ。「ちょっと遊んで帰ろうか」「負けでもともと」というエンターテイメントとしての色が強いんです。

ちがう国もある、と?



マカオやシンガポールだと株の投資やFXみたいにひとつの金儲け手段としてプレイする人が増えます。それだと「楽しむ感覚」とはちょっと違ってくるかなと。



そもそもカジノって複合型施設(IR)の中にあるんですね。



IR……ショッピングモールみたいなカジノ入りの大型施設のことですね。


そう。カジノ入りのディズニーリゾートみたいな感じ。カジノ単体ではなくて服屋さんや飲食店、ホテルなんかと一緒になっているんです。

なるほど。



ラスベガスの場合、その全体の収益比率の4割がカジノ。その他のホテルや食事、ショーの売上が6割です。


カジノもしつつ、ホテルやレストランも利用している感じですね。ゲームセンターみたいな感じで使っているのかな?


対して、マカオのカジノの収益は8割がカジノ部門の売上。その他のエンターテイメントの利益はたった2割。


比率の差がすごい……。マカオはカジノをしにきている方が多いんですね。


そう。ラスベガスの人達はショーを見てホテルに泊まる特別な日の1シーンとしてカジノで遊んでいるんです。あくまでエンターテイメント。

日本のカジノも周りにはホテルやショッピングモールができるんですもんね?


そうです。だから、カジノだけに夢中になるというよりはレジャーのひとつとして他のものと一緒に楽しんでもらいたいですね。







正直、途中でされていた感覚だけでチップの枚数を数える手さばきがすごすぎて……マジックを見ているようでそれだけでもワクワクしました。

これですか?





ほら!!!
簡単そうにポコポコ生みだされてますけど、想像以上にチップってトゥルトゥルの素材で指がかかるところなんて微塵もないじゃないですか。ディーラーになったところでできる気がしません~!

誰でもできますよ! 仕事なら朝から夜まで8時間は勤務しますからね。2ヶ月間くらいトレーニングすればディーラーデビューは十分できると思います。



まあ、今すぐには無理だけど……ちょっと、やってみますか!



え……?






ということでディーラー体験もさせてもらうことにしました。このディーラー体験も時々イベントとして行っているそう。

でも私は北垣さんのあの手さばきを見たあとです。不安しかありません。

体験させてもらうゲームはブラックジャック。簡単にいうとトランプを2枚ずつめくっていき、ディーラーよりも合計の数字が21に近ければ勝ちです。



北垣さんの指示通りトランプをめくっていきます。こうして見るとまあまあそれっぽいかも……?!



ブラックジャックの場合、Aは1もしくは11。2~10は数字のまま。JQKの絵札は10で計算します。なのでJ(10)とA(11)のペアは21。確実に勝ちの組み合わせです。

勝ちですね! そうしたら、賭けたチップ×1.5の配当をします。チップを用意したら近くで控えているスーパーバイザー(上司)を呼んで確認してもらいましょう。

ハイ。



チップと自分の手の平を監視カメラにもうつします



間違いがないようにするためですか?



それもありますが、ディーラー自身の身を守るためというのが大きいですね。仮にお客様が不審に思ったりその場からチップがなくなったりしても、ディーラーが無実だと証明するためのものです。

細かく決まっている手の位置や持ち方は自分を守るためのルールなんですね。


配当をお客様のもとに移動させるときも5本の指をすべて使って、人差し指は上にのせます。こうすることで枚数がお客様にも見えるしカメラにも残ります。手のひらと距離もできるので誤魔化せません。



すごく簡単にやると、こういう感じですね。




これをちゃんとしないと……、



こんな風に手の平でチップ取れちゃうから。

ディーラーの仕事はお客様にゲームを楽しんでもらうことです。不正をしそうなディーラーじゃ、心から楽しんではもらえませんよね。


自分を守るためでもあり、お客様に安心してもらうためのテクニックなんですね。




とにかく成功を目指してやります。



やりたいんですが……、とんでもなく手がふるえる。

さっきも言ったけどコインはトゥルトゥルで持ちにくすぎる~~!

お疲れ様です! 笑顔で配当をお渡しできたら、1ゲーム終わりです。



難しい……! ですけど、自分がゲームマスターになって楽しんでもらうのっていいですね。接客好きな人はハマりそう。


今回はお客様の勝ちでしたが、カジノディーラーとしては負けたお客様からも「Thank you!!」と言ってもらえるように勤めていきたいですね。勝ち負け以上に楽しんでもらえたってことですから。


カジノで働くには資格は必要?誰でも働けるの?




ちなみにディーラーって何かしら資格が必要なんですか?



いや、全く必要ありません。しいていえばカジノディーラーは自国の人しか働けません。日本のカジノなら日本人であることが必須の資格です。

え、そうなんですか?



ディーラーはお客さんのゲームを進行し、直接お金をもらう仕事。どうしても一番犯罪に手をそめやすい職です。


いうなればレジ係だもんなあ。



カジノには1枚で10万円ほどに換金できるコインもあります。これを1枚ポケットに入れて国外逃亡されたら、もう捕まえられません。だからこういう職業は自国の人だけと法律で決められているんです。

※全体の数%であれば外国人の雇用ができる国もあるそうです。現状、日本は自国の人だけとされています。


もしかして日本人の仕事がすごく増えます……?



そうですね。単純に今まで日本になかった職種がうまれるという部分もありますし。カジノでは大体3000~4000人くらいの人が働きます。そのうち2500~3000人がディーラー。 大阪でもディーラーは2500人くらい必要です。

新しい職業がうまれるのはワクワクしますね。



「カジノで働きたい」「ディーラーをやりたい」っていう夢を持った人はもちろん、今の仕事が嫌だとか定年退職後にもう一度働きたいという人にも新しい選択肢になると思います。


カジノ勤務者の月給ってどれくらい? 現実的に生きていける仕事なの?




ちなみに普通のカジノ勤務職のお給料ってどれくらいなんでしょう?



国によって差はありますが、基本的なディーラーのお給料は20万円~30万円くらい。カジノは24時間365日営業しています。夜勤もあってこれなのでまあまあ……って感じですね。

本当にまあまあって感じですね。



給与の相場観は施設総工費に影響されます。日本はおそらく8000億円ほど総工費がかかるので、25万円くらいが相場でしょうね。そこにチップ収入が月平均3万円くらいプラスされるかもしれません。

え、でもチップってもらえる人もいればもらえない人もいるんですよね?


お客さんがくれたチップはカジノディーラーみんなでシェアしてチップ給として振り分けるんです。これは韓国やシンガポール式なのですが、日本では現在審議中です。

チップがシェア制?!!!



そう。例えば僕が100万円のチップをもらったら一旦カジノにあずける。皆でシェアして、後から給料として振り込まれます。ディーラーは全体人数が多いので、1人あたりは3万円くらいなんです。



えええ、人気な人とかシェアしたくないほどもらうのでは……!?



もし自分だけのものにしたければ、ラスベガスのように別の契約をむすぶ場合もあります。たくさんもらう人気ディーラーは皆のアイドルだけどね。


チップがそのまま自分のものになる国もあるんですか?



ラスベガスも基本シェアです、一流ホテルのカジノディーラーのチップ収入は1日あたり3万円くらい。月々80万円くらいはチップでもらっています。そこに月々の給料が15万円くらいつく。年収は1000万円ほどですね。

カジノって言っても国ごとにいろいろあるんだなあ……。出世みたいなこともあるんでしょうか?


一般的にイメージされるディーラーはカジノの中では末端です。そのうえにスーパーバイザー、さらに上にヒットマネージャー、シフトマネージャー、アシスタントマネージャーとつづき、1番上にカジノマネージャーがいます。

一般企業みたいなピラミッド型の組織図がかけそう。



カジノマネージャーになったらもうカジノ全体をまとめるトップ。経営的にも大きな権限をもちます。マリーナベイサンズでは、カジノマネージャーが副社長。

会社員で年収2億って想像つかない……!




カジノは新しい生活のきっかけになるかも




今まで縁がなさすぎて「日本にカジノができる」と言われても「それで生活の何が変わるんだろう……?」という印象でした。

自分はギャンブルをしないし、現状なくても困っていないし。自分にとってどんな影響があるのかイメージしにくいのが本音でした。

でも、「IR推進法(統合型リゾート整備推進法案)」をきっかけに日本全体のギャンブルに対する知識や対策がしっかりとしたら、カジノ以外の依存症で困っている人の役に立つのかも。

さらに、今まで海外にいかないと職業として挑戦できなかったディーラーという選択肢が身近なものになります。新しい働き方を探している人にとってもカジノの存在はいいきっかけになるかもしれませんね。

(終わり)

ライタープロフィール
中馬さりの
旅暮らしをするフリーライター。アパレルメーカーで広報を担当したのち、2016年からフリーランスとして執筆業を開始。多数のメディアへ寄稿中。好きなものは夜ふかし。
@chuuuuuman


企画・編集:人間編集部



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