2016.11.09
受験生を持つ親必見!合格する子の生活習慣
- Kindai Picks編集部
6271 View
これから始まる受験期に向けて、親ができることは何か。生活リズムと食事の面から、当日お子さんが全力を出し切るために必要なサポートについて、食生活改善の専門家にお話を聞いてきました。
この記事をシェア
【プロフィール】
川西正子(かわにしまさこ)
近畿大学 農学部 食品栄養学科/准教授
1987年、大阪市立大学生活科学研究科を修了。その後、英国国立ノッティンガム大学農学部(英国ODA)研究員、福山大学工学部食品工学科助手、いであ株式会社(旧社名:新日本気象海洋・国土環境株式会社)主査研究員、常磐会短期大学准教授を経て、2010年近畿大学へ。現在は子供向けの食育プログラムの実践と食生活改善について研究している。
●お子さんの「生活リズム」を診断しましょう
まずはお子さんの生活リズムをチェックしてみましょう。以下の質問に回答し、それぞれの点数を合計してみてください。
Q1. 起床時刻は?
1点 6:30以前
2点 6:30〜7:30
3点 7:30以降
Q2. 朝食は?
1点 毎日食べる
2点 時々または軽く
3点 食べない
Q3. 朝、出かける前に排便習慣がある?
1点 ほぼ毎日
2点 週に数回
3点 ほとんどない
Q4. 定期的な運動は?
1点 ほぼ毎日
2点 週に数回
3点 ほとんどしない
Q5. 決まった時刻に夕食を食べる?
1点 ほぼ毎日定時
2点 時々遅くなる
3点 いつも異なる
Q6. 夜食(寝る前の間食)は?
1点 あまり食べない
2点 時々
3点 よく食べる
Q7. 就寝時刻は?
1点 0時以前
2点 0時〜1時
3点 1時以降
Q8. 布団に入るとすぐに眠れる?
1点 すぐに熟睡
2点 時々眠れない
3点 あまり眠れない
Q9. 睡眠時間は?
1点 6時間以上
2点 5〜6時間
3点 5時間未満
Q10. 週末(休日)の起床・就寝時刻は?
1点 平日とほぼ同じ
2点 遅くまで起きて朝もゆっくり
3点 朝方まで起きていてほとんど昼過ぎまで寝ている
いかがでしたでしょうか。合計点が13点以下の人は特に問題はないでしょう。14点〜20点の人は、生活リズムが少し乱れている可能性があります。「早寝、早起き、朝ごはん」を心がけてください。そして、20点以上の人は要注意。以下、お伝えすることを参考にして、お子さんの生活リズムを改善していきましょう。
●朝ごはんを食べている子は成績が良い
私たちの体の中には「日内リズム」というものがあり、それに合わせて体温や心拍数、血圧などが変動していきます。例えば、朝起きた時は一日の中で体温が最も低く、夕方前から睡眠前にかけて最も高くなります。血圧も、睡眠中が最も低く、起床前後に上昇して、夕方から夜にかけてまた低下していくことがわかっています。
このリズムが乱れると、体の免疫力が低下して風邪をひきやすくなってしまいます。
では、日内リズムを整えるために、特に気をつけるべき点は何でしょうか。それは「睡眠」と「朝ごはん」です。
睡眠時間が短かすぎると、せっかく努力して覚えても翌日には頭の中に内容が残っていません。実にもったいないですよね。もちろん睡眠の質も大事です。できれば寝る2時間前には食事を終え、体に合った布団と枕を用意し、お風呂に入ってゆったりとした気分で就寝するようにしましょう。できるだけ毎日同じ時刻にお布団に入ることも大切です。
そして朝ごはんで炭水化物を摂取すると、体内で分解されてブドウ糖ができます。これは脳内の神経細胞の栄養源で、炭水化物を摂取すると4時間くらいはしっかりと頭が働くと言われています。
実際に文部科学省の調査で、毎日朝ごはんを食べる小中学生は、そうでない子供よりも成績が良いということがわかっています。さらに海外の研究でも、朝ごはん食べている人の方が、空間記憶力や想起できる単語数が優れているという結果が出ています。
●バランスのとれた朝食ですっきり快調習慣に
「炭水化物をきちんと摂る」ということ以外に、朝ごはんでは何をどれくらい摂取すればいいのでしょうか。厚生労働省と農林水産省が提唱している指標(食事バランスガイド)を参考に計算すると、以下のような
朝ごはんが良いことがわかります。(1日摂取推奨量の1/3量として)
朝ごはんの摂取量
・主食 おにぎり2個 or 食パン2枚
・副菜 野菜サラダ1皿 or 野菜たっぷりの味噌汁1杯 or 野菜の煮物1/2人前
・主菜 卵1つ or 納豆1パック or 魚料理1/2人前 or 肉料理1/3人前
・牛乳・乳製品 牛乳コップ半分 or チーズひとかけ or ヨーグルト1パック
・果物 みかん1個 or キウイ1個 or りんご1/2個 or ぶどう1/2個
そして、朝ごはんを食べることで消化管に刺激を与え、家で排便を済ませてから学校に行くのも大切な習慣です。受験当日、お腹の調子を気にしていては、試験に集中できません。
しかし起きてすぐに朝ごはんを食べられないという子もいますから、出かける1時間前には起きるようにするのがよいでしょう。
早めに起きて、朝ごはんを食べて、排便してから出かける。これらを実行するためには、前日の夜、決まった時刻に就寝する必要があります。寝る直前にスマホやパソコンの画面を見ていると寝付きが悪くなりますので、30分前にはこれらの操作を終えるようにしましょう。
●忙しいお母さんもこれならできる!簡単&バランス朝ごはん
忙しい朝に、栄養バランスのことまで考えるのは現実的ではないかもしれません。そこで、簡単&バランス朝ごはんのレシピをお伝えしたいと思います。
まずは、主食と主菜。これは「簡単さかな入おにぎり」を2つ作るだけです。あらかじめ多めに作って冷凍しておくこともできます。電子レンジなら2個温めるのに3分強くらいですね。
あとはトマト1個かきゅうり1本を副菜にして、市販のフルーツ入りヨーグルトを食べればいいだけです。
また、おにぎりのレシピが面倒という方は、さらに簡単にして以下のように作っても大丈夫です。
●入試に向けて、親ができること
これからいよいよ入試に向けて準備が本格化していきますが、毎日の良質な睡眠と朝ごはんで、日内リズムを整えることが、家族ができるサポートの一つです。そうすることで、風邪の予防になりますし、当日お子さんが力を最大限発揮することにも繋がります。
お子さんがベストコンディションで受験に臨めるよう、今からできることを始めていきましょう。
記事を読む
この記事をシェア