こんにちは! 近畿大学広報室でインターンをしている、経営学部会計学科2年生の中川 友貴(なかがわ ともき)です。

皆さんは、将来に備えて貯蓄していますか?
世間では「老後2,000万円問題」が話題になり、iDeCoやNISAなど、投資や資産形成の重要性が盛んに語られています。不安の多い時代だからこそ、「貯めること」が正解のように感じられる場面も少なくありません。
一方で、「今しかできない経験に使いたい」と話す人もいます。
キャッシュレス決済が普及して買い物が手軽になった分、お金を使いすぎてしまうことも
私も将来への不安から貯蓄をしていますが、同時に「今しかできない経験にお金を使う」という決断も気になっています。そこで今回、身近な学生たちに話を聞きながら、大学生はお金とどう向き合っているのかを探ってみることにしました。
令和の大学生のお金事情とは?
大学生のお金事情に対するアンケート
まず、大学生94人(男性:49人 女性:45人)に「大学生のお金の使い方」に関するアンケート調査を行いました。

始めに、大学生の月々のバイト代について調査しました。
すると、全体の約半数が「4万円以上」で、多くの学生がお金を一定額稼いでいることが分かりました。

そのうちどのくらい「今しかできない経験」にお金を使っているか調べたところ、3万円以上が28.9%、2〜3万円が26.8%、1~2万円が22.7%という結果になりました。

また、「毎月どのくらい貯金していますか」という質問をしたところ、約70%の人が貯金をしていることが分かりました。

上記のアンケート結果をもとに4人の学生で座談会を実施し、元銀行員でお金のことに詳しい近畿大学経営戦略本部広報室の職員にもお話を聞きました。

中川 友貴(なかがわ ともき)
経営学部 会計学科 2年生
大阪府出身。テレビ局でバイトをする傍ら、近畿大学広報室でも1年間のインターンをしている。
実家暮らし
バイト収入:8万円
貯金額:50万円

野村 歩玖(のむら ふく)
総合社会学部 総合社会学科 社会・マスメディア系専攻 2年生
京都府出身。筆者とはテレビ局のバイトで出会う。将来は記者志望で、ゼミの活動として全国津々浦々を取材している。
実家暮らし
バイト収入:8〜10万円
貯金額:75万円

原井 健輔(はらい けんすけ)
総合社会学部 総合社会学科 環境・まちづくり系専攻 3年生
広島県出身。近畿大学生協でバイトをしている。大の広島カープファンで、近畿大学からドラフト3位でカープに入団した勝田成選手のサインを最初に手にした。
一人暮らし
バイト収入:1〜3万円
貯金額:0円

澁谷 智章(しぶたに ともあき)
情報学部 情報学科 2年生
兵庫県出身。近畿大学デジタル戦略室のインターン生。学内で開かれたAIを駆使するハッカソンの大会で優勝し、賞金4,000円を経験に使った。
一人暮らし
バイト収入:10〜15万円
貯金額:1万円

三宅 紘平(みやけ こうへい)
近畿大学広報室職員
公務員や銀行員を経て現職へ。
今回は社会人の立場から参加。
2ヶ月で30万円も!? 大学生のバイト事情
中川
皆さん、本日はよろしくお願いします。まずそれぞれのバイト月収と貯蓄額を教えてください! 自分はバイトの月収が大体8万円ほど、貯金は50万円です。
野村
中川さんと同じテレビ局のバイトをしてるけど、平日かつ勤務時間も固定制なので、休日やそれ以外の日は大体カフェでバイトをしています。貯金は75万円。
原井
二人ともそんなに貯めてるんですね……すごいなぁ。私は一人暮らしで本当に生活の補助くらいでしかバイトをしていないので、月収は1〜3万円くらい。貯金は0です(笑)
澁谷
自分はここ2ヶ月は普段より多くて、月で15万円くらい稼いでますね。
澁谷
近畿大学デジタル戦略室というところでDX推進のための仕事をしていて、時給は1,200円です。でも、一人暮らしで食費や生活費にお金を使うので、貯金は月に1万円しかできないです。
| 参加者 |
月収 |
バイト |
貯金額 |
住居 |
| 中川 |
8万円 |
テレビ局 近畿大学広報室 |
50万円 |
実家 |
| 野村 |
8〜10万円 |
テレビ局 カフェ店員 |
75万円 |
実家 |
| 原井 |
1〜3万円 |
近畿大学生協 |
0円 |
一人暮らし |
| 澁谷 |
10〜15万円 |
近畿大学デジタル戦略室 |
1万円 |
一人暮らし |
貯蓄をするのは効率が悪い!? 経験にお金を使う理由
銀行預金をしに行く筆者
原井
中川さんや野村さんは、どうしてそんなに貯金してるんですか?
中川
お金が目に見えて増えていき、貯まっていくという実感が湧くのが楽しいからですね。銀行口座の残高が増えていくのが気持ちいいですよね。
野村
それもあるし、あと将来への不安の面もありますよね。
原井
今、学生がお金を稼いで貯蓄する方法って、バイトがメインで時給1,200円くらいじゃないですか。社会人になってから貯蓄した方が、単純に効率が良くないですか? 社会人になったら暇な時間も少なくなるし、学生のうちにたくさんの経験をしておいて、社会人になってから貯蓄すればいいんじゃないかと思うんですよね。
澁谷
めちゃ分かります。これだけ時間がある大学生のうちに貯蓄して将来のために使おうというのは、今の時間がもったいないんじゃないかなと思って。将来社会に出た時に、「このためにお金使うんや」って言っても、将来にはお金を使う時間がないかもしれないじゃないですか。
中川
でも社会人になるにあたって、例えば結婚や出産など、多額の費用が掛かるじゃないですか。その際にお金がなかったらどうするんですか?
原井
いやいや、そんなすぐに結婚するつもりないんで必要なときにお金を稼げばいいじゃないですか。大学卒業してすぐに結婚するならまだしも……。
中川
自分は、大学1年生の時に、お金を使いすぎて財布の中に残り1,000円くらいしかないことがあって、そこから危機感を覚えて貯め始めました。失敗から学んだところはありますね。
効率について力説している原井さん
原井
私も、ご飯食べに行ったりいつの間にか使いすぎちゃって、トイレットペーパーも買えない。お皿もなくて、ラップを敷いてご飯を食べたりとかしていました。そういう経験を経て、月に3万円までを上限として生活しているため、貯蓄はせずにやりくりできています。
アンケートでも全体の6割以上が「後悔したことがある」という結果になりました。
三宅
皆さん本当に堅実ですよね。すごいです。実は私、恥ずかしながら大学生の頃にやらかしたことがあって……。クレジットカードを止められたことがあるんです。
三宅
クレジットカードって、その場でお金が減らないじゃないですか。だから実際にどれだけ使ったのか分からなくなってしまって。気づいたら、バイト代よりも多く使っていました。
三宅
次の給料日まで支払いができなくて、結果的にカードを止められました。一番大変だったのは、社会的信用が落ちることです。
三宅
はい。例えば車や住宅のローン審査が通らなかったり、新しくカードが作れなかったり。そういう状態が数年続くこともあります。
三宅
その経験から学んだのは、「お金って“足りない”より“見えていない”方が怖い」ということです。ちゃんと把握できていなかったことが一番の問題でした。だから今は、同じ失敗をしないための“仕組み”を作っています。同じ失敗を繰り返さないようにすることが大事だと思っています。
三宅
①まず固定費を把握する(家賃・通信・サブスク)
②生活費は“先に分ける”(食費・交際費・貯蓄を最初に振り分け)
③クレカではなくデビットカードを使う(使った瞬間に引き落としできる、使いすぎない)
これを今も続けています。
貯蓄があると一括払いで安くなる! 国民年金保険料も前納で
野村
私も学生のうちにやっておきたいことがあって、最近25万円かけて歯科矯正しました。社会人になってから矯正を始めるより、今からの方が時間も無駄にしないですし、将来への投資になると思って。
中川
確かに、歯科矯正とか勉強にお金を使うのは未来の投資にもなりますよね。
野村
100万円貯まったら歯列矯正しようと思ってて、最近、目標を達成したんで始めました。
中川
25万円貯まってすぐに使わず、100万円貯めてから?
野村
何かあったときのために常に50万円以上は貯金しておきたいんですよね。ゼミの活動で全国各地を回るので、いつどこでお金が必要になるのかが分からないんですよ。
あと、国民年金とか一気に払ったらちょっと安く済むので、そういうのを考えて貯めてあります。
野村
国民年金って、まとめて払うと少し安くなる制度があるんですよ。どうせ払うなら、そのタイミングで払った方がいいかなと思って。
| 前納期間 |
支払方法 |
前納額(税込) |
割引額(毎月納付との比較) |
対象期間 |
| 6ヶ月前納 |
口座振替 |
106,300円 |
1,220円 |
令和8年4月~9月 または 令和8年10月~9年3月 |
| 現金/クレカ |
106,650円 |
870円 |
| 1年前納 |
口座振替 |
210,530円 |
4,510円 |
令和8年4月~令和9年3月 |
| 現金/クレカ |
211,220円 |
3,820円 |
| 2年前納 |
口座振替 |
417,150円 |
17,370円 |
令和8年4月~令和10年3月 |
| 現金/クレカ |
418,510円 |
16,010円 |
国民年金保険料の前納をすることで最大17,370円の割引になる/出典:厚生労働省「令和8年度における国民年金保険料の前納額について」
※また大学生は申請をすれば、在学中の保険料の納付が猶予され、卒業後に追納することもできる「学生納付特例制度」が設けられている
野村
安心できる土台を作ってから、使うところには使いたいと思っています。
澁谷
貯蓄が増えると、相対的にものが安く見えて、無駄遣いが増えません?
野村
私は逆ですね。次に貯めたい目標金額が大きいから、できるだけ使わない。何か買うときはめちゃくちゃ考えます。
中川
自分もそうです。最近CITIZENの4万5,000円の時計を買ったんですが、「20年使ったら、年間2千円くらいか」って計算しました。
澁谷
でも給料上がったら、もっといい時計欲しくなりますよ。
中川
時計って今後値上がりしますしね。結局、今満足できるかどうかですね。
筆者が一目ぼれした時計
三宅
例えば宝くじで100万円当たったら、どう使いますか?
澁谷
今は自分の経験にお金を使っていますけど、それは将来もっと稼げる力をつけるためでもあります。最終的には、その力で親に恩返しがしたいと思っています。だから、もし100万円が急に手に入ったら、旅行に連れて行くとか、何か記憶に残る形で恩返ししたいです。
原井
社会人になる時の初期費用にあてるかな。最初の家賃とか。卒業旅行にも使いたい。
中川
10万円くらいは旅行に使いますね。でも、大体は親に預けて、投資とか、将来の資金に当ててもらう。
野村
私自身の努力で得たお金ではないので、2年分の国民年金とか払っておいて、残った分は貯蓄します。
お金の使い道について語る野村さん
三宅
社会人を経験して思うのは、お金はあとからでも増やせるけど、時間は戻らないということです。学生の貯蓄は、時給ベースだと増えるスピードが遅い。一方で、学生のうちの経験は、視野・人脈・スキルとして将来の収入や選択肢を広げる事ができる。もちろん「ゼロ貯蓄」は不安なので、まずは最低限の備え(生活費1〜2か月分)は持つ。その上で、残りは経験に投資する。私はそのバランスが、「効率がいい」かなと思います。
世間で叫ばれている老後2,000万円問題と投資について
中川
皆さんの進路とか、将来の夢について教えてください。
野村
私は、記者になりたい。教授から「現場へ行け」って言われるんですよ。夜行バスで長崎まで行って帰ってきたり。そういう経験を重ねながら、自分で稼いだお金を使って学ぶことを大事にしているのかもしれません。
澁谷
僕は、エンジニアになりたい。そのために必要な知識をつけるにも、やっぱり経験が大事だと思っています。社会の仕組みや、自分一人で生きていくためのお金の知識も、実際にやってみないと分からないことが多いです。
ハッカソンの大会に出場した澁谷さん
澁谷
これまで大学で開催された
ハッカソンで3Dホログラムを作ったり、近大の欠席届のワークフローを作成したりしてきました。そういった経験があるからこそ、社会に出ても一人でやっていけるという自信がついてきました。今は、将来に対してそこまで不安はないです。
中川
自分はまだ進路は決まっていないんですが、「老後2,000万円問題」ってあるじゃないですか。今のうちから少しでも貯蓄しておくと、将来の不安が少し減る気がしていて。心の余裕ができることで、将来の選択肢も広がるんじゃないかなと思って貯めています。
原井
将来の2,000万円を学生時代から考える状態って、先を見すぎていて効率が悪いと感じます。
原井
お金がないということも学びになるんです。今は経験にお金を投資する方がいいんじゃないですかね?
中川
それでもやっぱ貯蓄は大事だと思います。60万円貯めたら10万円くらいまでは経験で使いつつ、残りの50万円をずっと貯蓄していくことによって額がどんどん増えていく。ダムみたいな感じですかね。
中川
就活が始まると、全国各地にインターンや面接に行くかもしれないですよね。3年生の原井さんは就職活動真っ只中だと思うのですが、就活のための貯蓄もしなかったんでしょうか?
原井
ありがたいことに、就職活動に必要なお金は両親が出してくれています。期待に応えるためにも、安定した企業に就職したいと思っています。大きな収入の落ち込みがなくて、急に会社がつぶれないような場所ですね。両親からは「自分のためにお金を使うくらいなら、その分を将来生まれてくる子どものために貯めてあげなさい」と、ずっと言われてきました。その考えは私も受け継ごうと思っています。
中川
自分は30歳くらいまでをひとつの目安に考えています。就活で東京や地方に行くかもしれないし、どこに行っても対応できるように、ある程度は貯めておきたいと思っています。
野村
正直、60年後とか70年後までは考えていません。大体10年くらいの単位で考えています。新しい生活のフェーズに入らないと、その実態って分からないじゃないですか。
澁谷
将来を見据えているかと言われると、正直そこまでではないです。自分にとっては、明日を生きるためのお金だと思っています。とりあえず生きていければいいかなと。
三宅
老後2,000万円問題って、「今すぐ全部用意しろ」という話ではないと私は思っています。大事なのは、一気に貯めることよりも、“仕組みでラクにする”という発想です。
三宅
はい。例えば、貯蓄をするだけだと正直なかなか増えませんよね。だから、運用で得た利益をさらに投資に回す“再投資”をすることで、「利益が利益を生む」状態を作ることができます。いわゆる複利の効果ですね。
三宅
そうですね。NISAは運用益に税金がかからない制度なので、積立を早めに始めると効率がいいです。時間を味方につけられるので、若いうちは特にメリットがあります。
澁谷
でも、学生のうちからそこまでやる必要ってありますか?
三宅
無理に2,000万円を追う必要はありません。ただ、「お金は時間をかけると増えやすい」というルールだけは、早めに知っておいた方がいいと思います。
三宅
余裕がある人なら選択肢としてはありですね。税制面のメリットがありますし、「老後専用口座」と割り切れるのも特徴です。ただ、基本的には社会人になって収入が安定してからでも十分だと思います。
結論としては、学生のうちは焦らなくていい。でも、お金のルールだけは知っておく。そして社会人になったら、自動積立で淡々と回す。それが一番現実的で、続けやすい方法だと思います。
大切なのは「貯めるか、使うか」の二択ではない

座談会を通して見えてきたのは、全員が「より良い人生経験」を大切にしているということでした。
将来の挑戦や環境の変化に備えるか、人脈や能力を資産と捉え自己投資するか。
それぞれが自分なりの「お金の哲学」を持ち、将来の選択肢を広げようとしています。
大切なのは、「貯めるか、使うか」という二択ではなく、自分は何に価値を感じるのかを考え、目的をもってお金と向き合うことだと感じました。
「あの時こうすれば良かった」と後悔しないように、
今という時間を自分なりに大切にしたいと思います。
この記事を書いた人
中川 友貴(なかがわ ともき)
近畿大学 経営学部 会計学科 2年生。大学では「赤十字奉仕団」というボランティアの公認団体に所属しながら、近畿大学広報室でインターンシップ中。
また、テレビ局でも原稿を配ったり、ニュース番組の裏方としてバイトをしている。
趣味は野球観戦で、大の阪神タイガースファン。
某ラジオ番組の影響で3歳までには六甲おろしをインプットすることに成功。
星野源とMr.Childrenをよく聴いている。
編集:
人間編集舎