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2024.03.29

専門知識がなくても大丈夫?NFTを初心者の大学生が作成してみた

Kindai Picks編集部

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オリジナル記事
学生ライター
デジタル

最近よく聞く3文字のアルファベット「NFT」。名前は知っていても、実際に何なのかは知らない方も多いのではないでしょうか。また、特別な技術がある人にしかNFTは作れないと思っていませんか? 実は、NFTは初心者でも誰でも簡単に作ることができるんです!今回はNFT作成の初心者である近大生がNFTの作成に挑戦します!

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みなさん、こんにちは。近畿大学 経営戦略本部 広報室でインターン中の、情報学部 情報学科 実世界コンピューティングコース 2年生の寺田龍世(てらだ りゅうせい)です。



情報学部では、プログラミングも勉強しています。そんな授業の中で、「仮想通貨」や「NFT」などという単語を聞くことが増えてきました。みなさんも最近、このような言葉をよく耳にしませんか?

でも「正直、どういう意味か分からない」という人も多いはず。実は僕も、授業で習う前までは魅力や今後の広がりなどを理解をしていなかった1人です。「最近、ニュースなどでよく聞くからトレンドなんだろう」とは思っていましたが……先生ごめんなさい!(笑)

今回の記事を読めば、みなさんもNFTについて理解できることでしょう! 記事を読んだあとに「NFTを作成してみたい!」という気持ちになってもらえたら、とてもうれしいです。


そもそもNFTってな〜に?

NFT(非代替性トークン)は、デジタルアートやゲームのアイテムなど、デジタルで存在するさまざまなものに「独自の証明書」を付けて、それを取引できるようにした技術のことです。例えば、デジタルアート1枚1枚に個別の証明書(NFT)を付けられます。デジタルデータは複製が簡単なイメージがありますが、NFTは証明書なので偽造が難しく、デジタルデータでも個別性や価値を明確化できるんですよ。 他に、以下の図のように付加価値を付ける役割も、NFTができることです。


証明書(NFT)があると、偽造できず、複製もできない。だから付加したものに価値を持たせられる

これはVTuberのような、デジタルデータをビジネスで使う人にとってはうれしい変化ではないでしょうか?

近畿大学では、2023年の入学式で国内初となる新入生向けNFT(入学証明書)を発行し、オープンキャンパスでも学生スタッフにデジタルの参加証明書を授与するなど、形に残らない経験を永続的かつ認識可能な仕組みとして導入しています。

新しい時代の取り組みとして、NFTの取り組みが大学で行われているのは面白いですよね。まだNFTに挑戦していない企業や組織でも、将来的に証明書や体験レポートなどの作成に広く活用できると期待されているそうです。

NFTのマーケットプレイス(オンラインショップ)には、OpenSeaRaribleというサイトがあります。OpenSeaでは、全世界で約60万人以上と多くのユーザーが利用しています。こういったマーケットプレイスでは、イラストやアニメーション、音楽といったデジタルアート、さらには架空のアートなどが売買されているんです!

さらにNFTについて調べてみると、驚くべきことに仮想空間の土地も購入できるんだそう。とても気になってきました!


実際にNFTを作ってみたい…誰でも作れるの?

授業で学び、個人的に調べていくうちに、僕もNFTを作ってみたいと思うようになりました。しかし、初心者でも簡単にNFTを作成する方法はあるのでしょうか? 情報学部 情報学科 准教授 森山 真光先生にお話を伺うため、近大情報学部棟(KDIX)に来ました!


なんと、情報学部棟の研究室エリアの入り口には、顔認証が設置されているんです! とってもハイテク〜〜〜かっこいい!

森山 真光 (もりやま まさみつ)先生

情報学部 情報学科 情報学研究所 デザイン・クリエイティブ研究所。

専門の分野は、サービスコンピューティング。企業間や商取引で用いるWebサービスについて研究しています。ビジネスプロセスモデリングというコンセプトに基づいて業務フローや業務システムの最適化を目指しています。
教員情報詳細


寺田
先生、本日はよろしくお願いします。

森山先生
よろしくお願いします。

寺田
NFTでデジタルアートが注目を浴びる理由は何でしょうか? 従来のアートとは異なり、NFTがデジタルアートにもたらす変革や、新たな収益の可能性について知りたいです。

森山先生
デジタルアートはコピーされやすく、価値を証明するのが以前から難しかったんです。デジタルアートがNFTで注目される理由は、作品がブロックチェーンで守られ、アーティストが直接ファンにアートを提供できたり、作品の真正性や独占的な所有権がはっきりしているからです。これにより、アーティストが新しい方法で収益を得られ、ファンとの関係がより直接的になりました。

寺田
仮想空間の不動産もNFTを発行できるとちらりと聞いたことがあります。ズバリ、本当なんでしょうか?

森山先生
はい! 本当です(笑)。現実世界でも不動産登記などもNFTとして登録することができるんですよ。



寺田
なるほど……。では、単刀直入に伺います。NFTは僕でも作れるのでしょうか?

森山先生
はい! NFTの名前を聞いたことはあっても、実際に作成することには難しいイメージを抱きがちですが、実は誰でも作成することができるんです!




NFT作成って難しいの?

寺田
NFTを作成するのは“何となく難しそう”と一般的に思われていそうですが、なぜなのでしょうか?

森山先生
NFTを作成する時にはブロックチェーン技術が必要で、アカウントの作成やウォレットの紐付けなど、やらないといけないことがたくさんあります。これらの工程があるために、難しいイメージを抱きやすいのではないでしょうか。

※ブロックチェーン技術:デジタル情報を安全に管理する技術のこと。一度保存した情報は簡単に変えられず、安全に情報を共有できる。下のイラストを参照



寺田
NFTを作成するのは、どのくらい大変な作業なのでしょうか?

森山先生
NFTを作成することを「ミント(鋳造)」と言います。これを初心者が1から行うのは、かなり大変です。 ですので、まずは、先ほどお話ししたOpenSeaやRaribleなどのサイトを利用して、作成することをおすすめします。一定のインターネット知識があれば、NFT作成サイトを利用することも可能です。しかし利用までに申請することが多いので、これもまた、難しいと感じる人が多いのかもしれません。

寺田
専門知識がある人だけが、NFTの自作にチャレンジするんですか?

森山先生
NFTという名前を聞いたことがあっても、実際に自作したことがある人はかなり少ないです。私は去年のオープンキャンパスでNFTの体験プログラムを開きましたが、まだまだNFTの作成方法については社会一般に浸透していないと痛感しました。 でも、伸び代があるととらえることもできます。研究分野として挑戦しがいがあります! 情報の分野を勉強しておくと、将来役に立つはずなのでおすすめです。



NFT作成を実践!

森山先生との会話を通して、これからNFTが普及してくるのだろうと思いました。一方でNFTを作成するには、利用登録だけで煩雑なステップを踏む必要もあることも分かりました。

聞くだけでなく、実際にやってみないとその難しさが分からないので、初心者でも簡単にNFTを作成できるというOpenSeaを使って、僕がタブレットで描いたイラストでNFTアートを作ってみることにしました。

こちらが僕がデザインしたアート

NFTを作成する場合、大まかに2つの作業が必要となります。1つ目はNFTにするデザインを作成すること。2つ目はNFTを取引するサービスの登録を行うことです。なお今回はOpenSeaを使いますが、NFT作成サイトによって流れや登録内容が違うので、利用規約をよく読まないといけません。

NFTを作成するには、いくつかのステップがあります。確かに、クリック1つで登録完了とはならないようです。どこでスタックしそうかも見ていきます。
①OpenSeaのアカウントを作成
②仮想通貨の購入
③NFTにするデータを用意
④OpenSeaにNFTを登録
⑤NFT完成!

①OpenSeaのアカウントを作成
まずは、OpenSeaにアカウント登録します。


新規アカウントは右上の「Login」から登録できる


②仮想通貨の購入
OpenSeaでNFTを登録するための手数料は、仮想通貨で購入します。そのためには、仮想通貨を手に入れないといけません。

仮想通貨を購入するまでには5つのステップがあります。
ステップ1:仮想通貨販売所の口座を解説
ステップ2:口座に資金を入金
ステップ3:販売所を通じて仮想通貨を購入
ステップ4:暗号資産を入れるためのウォレットアプリ「MetaMask」へ送金
ステップ5:MetaMaskとOpenSeaをつなげる

ステップ1は、取引のために必要とはいえ、成人したばかりの身としてはほぼ初めての口座作成で緊張しました。そしてステップ2で入金したのは、普段使っている「日本円」です。

いよいよ仮想通貨を手に入れます。
ステップ3では、僕はGMOコインという販売所を利用しました。他には、bitFlyerやCoincheckといった取引所もあります。ステップ2で入金した費用を元に、仮想通貨のイーサリアム(ETH)を購入します。購入には手数料がかかります。多少変動がありますが、GMOコインの場合は、初回の手数料として0.01ETH~0.02ETHくらい(5,000~8,000円程度)を購入しておけばいいようです。

※イーサリアムのレートにより金額が変わります。最新の情報を確認してください

ステップ4と5を進めることで、OpenSeaで仮想通貨を使えるようになります。でも、ここではMetaMaskというウォレットアプリを通さねばならないので、さらに新しいサービスを使うことになります。

口座を作ったりウォレットをつなげたりと作業があるため、すぐに購入できないのは、ちょっと手間に感じました。将来的には普段利用している銀行口座から仮想通貨を直接購入できるようになったら、とても便利でしょうね。


③NFTにするデータを用意
自作したデータを準備します。僕が発行するのは画像のNFTなので、先ほどデザインしたデータを使います。自分でデータを作るのは、人によっては難しいかもしれません。

OpenSeaの場合は、以下の表のように、だいたいのデータ形式ならNFTにすることができます。

画像 JPEG, PNG, GIF, SVG
動画 MP4, WEBM
音楽 WAV, OGG, MP3
3Dモデル GLB, GLTF
※最大ファイル容量は100MB


④OpenSeaにNFTを登録
③で用意したデータを、OpenSeaを使って登録します。この登録だけで、複雑なミントの手順を踏むことなく、NFTを作成したことになるんです。これなら簡単!


⑤NFT完成!
NFTを作成すると、商品ページで公開されます。


出品された商品のページ

これで、初心者の僕でも、無事にNFTを作成できました。僕にとっては思ったよりも簡単でした。確かにインターネットの知識がある程度あれば、誰でもできそうです。


未来が広がり続けるNFT!

最後に森山先生にNFTの今後の展望について聞いてみます。



寺田
先生が思う「NFTの今後」について、教えてください。

森山先生
NFTはルールがまだ整備されていないところもありますが、全体的な技術はでき上がっており、マーケットも一定規模で広がっていくと考えています。

今後、数年以内にビジネスとして芸能人やインフルエンサーなどがたくさん参入してくると考えています。そうすると、一気に「私も⚫︎⚫︎⚫︎のNFTを持っている」という人が増えてくるのではないでしょうか?

また、将来的に全ての発行物はデジタルデータに集約されると考えています。考えつかないようなものがNFTとして発行される社会になるかもしれませんね。


専門知識がなくても、簡単にNFTを発行することができた!

NFTは、初心者の僕でも作成することができました。デザインから作成まで、全て1人でできたので、自分で作った実感が持ててとても楽しかったです。

世界的に見るとNFTマーケットプレイス利用者が増えつつあるとはいえ、まだ僕の周りでは少ないです。今のうちに「最先端のテクノロジーを使ったNFTを僕は持ってるんだぜ〜」と友達に自慢してみたいです! 近い将来、誰もが何かしらの形でNFTを手に入れる世界になるかもしれませんね。

例えば、保護者と一緒に小学生がNFTを作成して、「夏休みの自由研究で自分のNFTを家族と作ってみたんだよ!」と耳にするような社会になったら、うれしい限りです。みなさんも、NFTを作成してみませんか?


この記事を書いた人

寺田 龍世(てらだ りゅうせい)

近畿大学 情報学部 情報学科 実世界コンピューティングコースの2年生。
地元富山の良さをアピールしながら、広報室でインターン中。
AirDrop名:我が肺は2個である(⚠︎学内で見つけても、変なデータ送信はおやめください)
※このプロフィール画像はAIで作成しました


編集:人間編集部

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