中国にとって「春節」は秋の「国慶節」と並ぶ一大休日。2024年の春節※は2月10日で、2月10日から2月17日まで8連休となります。
※月の満ち欠けを基準にした「太陰暦」に準じるため、年によって変動

新型コロナウイルスの流行前と比べると、各国の旅行事情や経済事情は変わりました。日本の物価は上昇し、中国はデフレが懸念されている現状……。春節の名物になっていた「中国人観光客による爆買い」の光景は戻ってくるのでしょうか？


2023年の訪日外国人旅行消費額（速報）は5兆2923億円で過去最高額を記録。上位5カ国を見ると中国以外は大きく上昇している。出典：国土交通省観光庁「訪日外国人消費動向調査 2023年暦年 全国調査結果（速報）」

訪日外国人による消費額総数が過去最高額を記録した2023年でしたが、2019年まで圧倒的1位だった中国の消費額は、2019年の半分以下の約43%でした。

中国政府が約3年ぶりに中国人の海外団体旅行を解禁したのが2023年8月10日。その約2週間後には、日本政府による処理水の海洋放出の問題で日本渡航のキャンセルが相次ぐ自体になってしまったことも要因と考えられます。



出典：国土交通省観光庁「訪日外国人の消費動向（2019年年次報告書）」「訪日外国人消費動向調査 2023年暦年 全国調査結果（速報）」から「国籍・地域別にみる訪日外国人1人当たり費目別旅行支出（全目的）」を元に作成

しかし、2023年の訪日外国人1人当たりの旅行支出を比べると、中国人の「買い物代」の支出は今でも桁違い。爆買いをする訪日中国人の総数が減ったとはいえ、中国人の買い物代は訪日外国人全体平均の約2倍。


2023年の平均泊数は2019年の約2倍。1日あたりの宿泊費や飲食費に増加は見られない。 出典：国土交通省観光庁「訪日外国人の消費動向（2019年年次報告書）」「訪日外国人消費動向調査 2023年暦年 全国調査結果（速報）」を元に作成

また、体験型消費を重視する傾向に変わりつつあるとも言われていますが、2019年と2023年の旅行支出の割合を見ると、買い物代だけが突出している消費の傾向は変わらない様子。

中国人観光客は、どうしてそんなに買い物をするのでしょうか……？ 品質や免税だけの理由ではない……？ 中国からの留学生が教えてくれました。








新型コロナウイルスの流行前と比べると、中国の旅行事情や経済事情は変化しましたが、日本製品への憧れや友人のために頑張ってしまう……という「爆買い」の根底にある想いは変わりません。

考え方や価値観の違いを理解した上で見ると、「爆買い」も違う光景に見えるかもしれませんね。


編集：人間編集部