2023.11.07
近大から教員採用選考試験を突破!学生団体「教職ナビ」なら「より良い教師」へ近づける
- Kindai Picks編集部
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みなさんの夢はなんですか? 医者、俳優、アナウンサーなどの夢や、まだ考え中の人もいると思います。
私の夢は教員。そこで、大学で社会学といった専門分野を学びながら、平行して教職課程をとれて、中学校と高校の教員免許状を取得できる近畿大学に入学しました。
「より良い教師になりたい!!」そんな熱い想いを抱いた学生たちが自主運営する団体「教職ナビ」もあるのが、近大の魅力! 今回はこの「教職ナビ」を紹介します。
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こんにちは、近畿大学総合社会学部社会・マスメディア系専攻3年生の川端美聡です! 写真を撮られ慣れていないため、かなり顔が強張っていますが、大好きな陸上の話なら笑顔になります(笑)
さて、小学6年生の頃から小学校教員になりたいと思っていた私ですが、教育学部のない近畿大学へ進学しました。
その理由は、近畿大学には教職教育部があり、教職教育部を中心に全学的な協力体制によって教員養成が行われているからです。学部生は教職以外の専門分野を学びつつ、教職課程を追加履修することで中学校と高校の教員免許状を取得できる※のです。
※小学校教諭一種免許状の取得には「小学校プログラム」の追加受講が必要。私は小学校教員になりたいので、このシステムを利用
なので、私の主専攻は総合社会学部総合社会学科 社会・マスメディア系。主にマスメディアについて学んでいます。
自分の関心分野を学びながら教員を目指せるのは、魅力的ですよね!
でも、大学で教員免許状を取得するだけでは教員になれません。例えば、公立学校の教員になるためには、一般的に「教員採用選考試験(以下、教員採用試験)」に合格しなければならず、試験は年に1回だけ。そこで合格まで、学生がともに切磋琢磨できるのが、学生主体で活動している「教職ナビ」なのです。
教員採用試験合格までの流れと、教職ナビの活動イメージ(一例)
「学部の勉強+教員採用試験対策」の大変さを支える教職ナビ
教職ナビの活動目的の1つは、所属するメンバーが教員採用試験を突破すること。教職課程を終えれば教員免許状が取得できますが、教員採用試験は合格率が約3.5倍という狭き門。免許を持つだけでなく、教員として働きたい私のような学生が集まって活動しているのが、教職ナビなんです。
なぜ部活動のように専門スタッフが入るのではなく、学生だけで活動するのでしょうか? どうやら、教職ナビが設立された理由や活動内容、目指していることにヒントがありそうです!
教職ナビの代表である近畿大学総合社会学部社会・マスメディア系専攻4年生、小田 健太郎(おだ けんたろう)さんと教職教育部の山崎 晃昭(やまざき てるあき)先生にお話を伺いました。
山崎 晃昭(やまざき てるあき)
教職教育部 理学士
専門:教員養成
教育職は子どもの成長に関われるやりがいのある仕事です。学生一人ひとりがめざす教師像を具体的に描けるよう、私の教育現場(府立高校)や教育委員会での経験を伝えていきます。
教員情報詳細
左:山崎先生、右:小田さん
教職ナビは学生が主体となって運営しています。なぜ先生を交えず、学生を中心にしているのですか?
ただ単に先生から教えられるだけではなく、教員採用試験へのモチベーションを維持するために、切磋琢磨できる仲間がほしい。そんな思いを周囲へ呼びかけた発起人の学生と、それに応えた学生たちによって、2005年3月に教職ナビが結成されました。
学習方法についてミーティングをする教職ナビの参加メンバー
結成当時から学生が主体だったんですね。
そうですね! 授業や学級経営で使えるアイデアを出したり、模擬授業を実施したりと、活動内容を学生が考えて実行しています。
上達のため、板書の練習をした
模擬授業は毎月のように行われていますよね。
模擬授業は私たち学生が教師役になる、実際の授業を想定した授業シミュレーションのことなので、たくさん練習したほうがいいからですよ。
ほかに、教員採用試験対策として面接練習や集団討論なども実施しています。3年生の後半からは、私たち先生による面接練習や模擬授業の指導を受けることができます。
先生方に面接官をしてもらうので、本番さながらの雰囲気です!
所属している学生は約350人! 同じ目的のもと、大人数で活動できる秘訣
オリエンテーションの様子。教職ナビの目的などを共有する
約350人が所属する大所帯の団体を、どうやって運営しているんですか?
国語科・数学科・理科・社会科・英語科・農学部・小学校と、7つの小グループ(ナビ)に分けています。基本的に小グループごとに活動内容を決めています。あとは、全体で集まる会を開いて、所属している小グループ以外の人とも交流しています。
ちなみに教職ナビの代表である私は、7つの小グループをまとめて、全体を統括する立場です。
教職ナビの組織図(資料協力:近畿大学教職ナビ)
組織図を見ると、教職教育部も入っていますよね。先生と教職ナビの関係性は?
教職教育部の先生には、指導ではなく学生の活動をサポートしてもらっている感じです。
日々の活動内容はどうやって決めるんですか?
学生が教員免許状取得のプロセスに沿うような楽しい活動内容を考えて、先生と相談して決めてます。教職の先輩でもあり、社会人でもある先生と相談するので、わりと規律正しい団体なんですよ。
でも、それだけじゃないんです。勉強するときはしっかり取り組むけれど、遊ぶときはみんなでワイワイと思いっきり楽しむといった、メリハリをつけています。
試験対策だけじゃない! 情報共有やモチベーションアップで合格へつなげる
1. 教員採用試験の対策が一番大事
私は今3年生で、来年大阪の教員採用試験を受けるんです。試験対策はいつからはじめたらいいのでしょうか?
来年受験するなら、今年の秋頃からはじめるのがいいですね。教員採用試験は毎年6月に始まるので、半年以上かけて対策します。
教職ナビではどのような対策を実施していますか?
3年生の12月頃から面接練習、さらに次の年の2~3月ごろにある春期集中講座で試験の対策をします。
教員採用試験の面接対策では、プリントに記入した審査内容からフィードバックを受ける
ほかにも、集団討論、模擬授業、小論文、場面指導などの試験について、網羅的に対策しています。さらに模擬授業やレクリエーション活動で、学習内容をしっかり身につけます!
それなら安心! 秋から頑張ります。
2. 切磋琢磨し合い、モチベーションアップ
教職ナビは、教員採用試験合格だけでなく、その過程で学べることも重視しているんです。
1人で勉強していると、精神的につらかったり、試験勉強を持続して行う気持ちが湧かないこともあると思います。そのため、教員になるという同じ志を持った仲間と切磋琢磨することが大切です。
教職ナビなら、同じ志を持った仲間と過ごせるので頑張れるんですね。
活動には毎回多くのメンバーが参加している
受験勉強や高校のクラスみたいな、「集団の良さ」がありますよね。1人のときよりも学習意欲やスキルの伸び方が違う気がします。
高校や大学受験は団体戦だといわれるように、教員採用試験も団体で立ち向かえるのが、教職ナビですからね。
3. 知っておきたい重要情報を共有 教員への道のりを優位に
参加メンバーの前で説明をする小田さん(中央)
教職ナビでは、教員採用試験や教育実習の体験談など、教職に関係する情報をなるべく共有しています。
たしかに、大阪市教師養成講座※の話も、教職ナビに所属していなかったら絶対知らないままでした。ここで教えてもらったおかげで、今年度の講座選考テストを受験することができました。
※大阪市教師養成講座:修了者は次年度の大阪市公立学校・幼稚園教員採用選考テストの一部が免除される
教員採用試験以外にも、実際に学校で教科指導や生徒指導などが体験できるスクールボランティアの情報も広報してましたね。
大学にいるだけでは、子どもと関わる機会は教育実習ぐらいしかないですよね。でも、スクールボランティアだと勉強だけでなく、実践的な学びを得る機会が増えるんです。
一見すると試験に直接関係がなさそうでも、実は教員になるための大事な情報を得られるんですね。
メリハリは大事! 学びながら遊びにも熱中
勉強にまつわるお話はよくわかりました。次はナビで体験できる遊びについて、おふたりから説明していただけますか?
学習と遊びのメリハリをつけて、試験の対策だけではなく、レクリエーションや学外での学習活動なども行っています。
社会科ナビは奈良へ旅行。史実を考察しながら観光した
私が所属している社会科ナビでは、平等院鳳凰堂や東大寺など、歴史の教材に登場する場所を観光しています。これはどっちかというと、学習にからめた活動。一方で数学ナビは、仲を深めるためにボウリングしに行きました。
それ、もう遊びがメインじゃないですか!
互いに高め合うために、よく知り合うことが大事だと考えたんでしょうね(笑)
数学科ナビメンバーはボウリングで仲が深まったはず!
あとは毎年恒例の運動会も盛り上がります。
私は小学校教員を目指しているので、運動会で得た経験は就職してからも役立ちそうです。参加者であり運営者の体験もできるのがいいですよね。みんなが全力で参加しているのも楽しかったです。
運動会には約40人が参加!一番人気のイベント
教職ナビが目指すのは社会人としての人間性を育むこと
大学の4年間で遊びの要素も学習もたくさん体験できるので、参加する目的意識が強くなくても、教員としての学びを深められそうです。教職ナビを通して、学生に得てもらいたいことはありますか?
ここは、社会人としての人間性を養える団体だと考えています。参加しているさまざまな人と接することで、考えの幅が広がります。
たくさんの経験や出会いによって培った人間性は、教員になっても生かせるでしょう。
学校には色んな生徒や児童がいて、それぞれの考え方やバックグラウンドがあるはず。教員になって目の当たりにするよりも、学生のうちに想像する経験を積んでもらいたいです。
教職ナビの活動に積極的に参加するだけで、色んな人と出会えますよね。
教員としても、社会人としても必要な人間性を養える活動を心がけています。「教職ナビに入って良かった!」「教職ナビでこんな人と出会えて良かった!」とみんなが思える団体であり続けたいです。
人間性の高まった350人が社会に出るのなら、心強いです。今日はありがとうございました。
取材して良かった! より意識が高い教員を目指したい
教員になりたいという想いを持っていた私は、これまで教職ナビに何気なく参加していました。学生が主体であることは知っていましたが、約20年前の先輩たちが「みんなで学ぶ場をつくりたい!」と声を挙げたと聞き、教員をただ目指すだけよりも、教職ナビに所属することで意識を高めてくれるように感じました。勉強を頑張るモチベーションにもつながるこの充実感を、ほかの人にも味わってほしいです! 教員を目指すなら、ぜひ教職ナビをチェックしてみてください。
ちなみに、教職ナビは教員を目指す人以外も所属できます。社会人デビューに向けて、人間性を高めたい人も歓迎しています。
教職ナビへの問い合わせ先:公式ウェブページ
この記事を書いた人
川端美聡(かわばた みさと)
近畿大学 総合社会学部 総合社会学科 社会・マスメディア系専攻 3年。近畿大学陸上部に所属し、関西学生陸上競技連盟の広報部として、学生陸上の魅力を発信。小学校教員を目指し、勉学に励んでいる。趣味は陸上観戦。
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