2022.05.26
男女の昇進格差は「生理」が原因!? 未治療180万人…なぜPMSが辛くても病院へ行かない?
- Kindai Picks編集部
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日本には、PMSや生理時の身体の不調を抱えながらも、我慢している女性が数多く存在します。じつはそれによって、女性個人や社会全体の「経済損失」に繋がっているというデータがあるのです。実際にどのようなシーンで経済損失が生まれていて、どう解決していくべきなのか。生理にまつわる事業を展開する経営者・ハヤカワ五味さんと、PMSを科学的に研究する婦人科医の武田先生が「女性のヘルスケアと経済」をテーマに語ります。
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そんな驚くべきデータが存在することをご存知ですか? アメリカでおこなわれた調査結果を日本円に当てはめて計算し、このデータを算出したのは、近畿大学 東洋医学研究所所長であり、婦人科医の武田卓先生です。
「生理って大変だよね」という認識は、男女ともに広がりつつあるものの、「PMSや生理痛が重い人は経済的に損をしている」ということまでは、まだまだ知られていないかもしれません。
その理由として考えられるのが、そもそも当事者である女性が不利益を被っている自覚を持っていなかったり、どんな場面で経済損失が起きているのかイメージできなかったりするケースが多いこと。
自覚しにくく見えにくいからこそ、気づかれにくい「女性のヘルスケアと経済」をテーマに、フェムテック事業を展開する株式会社ILLUMINATEの代表・ハヤカワ五味さんと武田先生が対談しました。
生理による経済損失や、生理を取り巻く日本社会の現状ってどんなもの?そして今後起こすべきアクションはどんなこと?経営者と産婦人科医、それぞれの立場で語っていただいています。
苦しいうえに損までしちゃう、そんな人をなくすためのキッカケを一緒に考えてみませんか。
ハヤカワ 五味(はやかわ ごみ)
1995年東京都生まれ。株式会社ILLUMINATE代表取締役社長。多摩美術大学在学中にランジェリーブランド「feast」やワンピースブランド「ダブルチャカ」などを立ち上げ、Eコマースを主に販売を行う。2019年には、生理から選択を考えるプロジェクト「ILLUMINATE」を立ち上げ、活動を続けている。
武田 卓(たけだ たかし)
東洋医学研究所 教授/所長
漢方・産婦人科・腫瘍・内分泌の専門医として、女性のヘルスケア全般を西洋・東洋医学の両面から研究。特に、心身症(更年期・PMS)、女性アスリート、がん患者の愁訴、冷え症、子宮筋腫について研究を深めている。
女性たちも気づいていない、日常に隠れた生理の経済損失
ーーまず、武田先生が算出された「年間1兆円」という金額についてですが、これはどんな計算をしているんですか?
少し前の我々のデータですが、日本には治療が必要なレベルのPMSの症状があるにも関わらず、未治療の女性が約180万人いるという結果※1が出ました。。そこに、月経にまつわる体調不良によって女性一人あたり年間50万円程度の経済損失が出ているという米国のデータ※2を掛け合わせて、日本全体で年間1兆円程度の損失になると試算しています。
※1 出典:Prevalence of premenstrual syndrome and premenstrual dysphoric disorder in Japanese women Takeda, T. Tasaka, K. Sakata, M. Murata, Y. Arch Womens Ment Health 2006;9:209-212
※2 出典: Journal of Occupational & Environmental Medicine: January 2005 - Volume 47 - Issue 1 ? pp 26-33 Estimating Direct and Indirect Costs of Premenstrual Syndrom
年間1兆円って、かなりの額ですよね。
経済産業省も2019年に、月経にともなう症状(腹痛、腰痛、眠気、イライラ、便秘など)による1年間の社会的負担は6,828億円、その中で労働損失(欠勤、労働量や質の低下)は4,911億円にも及ぶというデータ※3を発表しています。しかし、日本の女性一人あたりのPMSによる正確な経済損失データは、残念ながらまだありません。そういったところに対する、日本の意識の低さが表れているといえます。
※3 出典:経済産業省「健康経営についての取組」
生理に関する調査は、海外のほうが進んでいるとは思いますね。自分の身体の不調と経済損失が、なかなか結び付きづらいなと感じる方も多いと思うのですが、何によって損失が引き起こされると言えますか?
簡単に言うと、パフォーマンスの低下です。PMSや月経困難症の場合、イライラしたり眠気がひどくなったり、集中力が続かなくなったりして、普段通りのパフォーマンスができなくなる状態になるわけですよね。
たしかに生理の前の女性はイレギュラーな状態にあるかもしれません。少なくとも「いつも通り」ではないことが多いです。
以前、近畿大学の女性アスリートのPMSについて調べたことがあるんです。すると、全体の40%程度の人たちが試合や練習のときのパフォーマンスに影響が出ているという結果※4になりました。もちろん他のお仕事をされてる方も同じで、勤務中のパフォーマンスが重要になりますから、身体の不調によってそれを妨げられてしまうなら、まさに損失ですよね。
※4 出典:Takeda T et al:
Premenstrual syndrome and premenstrual dysphoric disorder in Japanese collegiate athletes. Journal of Pediatric and Adolescent
ーーPMSや月経時の不調で、経済損失が起こってしまう具体的なシーンというと、どんなものがあげられますか?
たとえば、先ほどの僕らの調査では、働く成人女性の約11%は、PMSで会社を欠勤しているんです。ちなみに高校生も、同じくらいの割合で学校を休んでいる※5ことがわかっています。そういうことって、世間はあんまり知らないんだよね。
※5 出典:Prevalence of premenstrual syndrome and premenstrual dysphoric disorder in Japanese high school students. Takeda T, Koga S, Yaegashi N. Arch Womens Ment Health. 2010;13(6):535-7.
それで有休を取らなければいけなかったり、休むことで仕事のチャンスを失っていたりすると思うと、たしかに経済損失ですね。学生さんも出席日数に響いたり、バイトに行けず収入が減ってしまったりするし。
そうそう。男性に比べて、女性の方がパートやアルバイトなどの非正規雇用の割合が高い※6ですし、そうした場合、仕事を休まざるを得ないと収入減に直結します。経済的にギリギリの状態で暮らしている人にとっては死活問題です。
※6パート・アルバイトを含む非正規雇用の割合は、男性37.8%に対して女性が56.0%(出典:厚生労働省「平成30年の働く女性の状況」)
あとは、受験とか。ピルで生理をずらすっていう選択肢を持てたらまだいいけれど、たまたま試験日と被っちゃってパフォーマンス出せなかったら、それも大きな損失じゃないですか。生理が理由で振替受験もできるとも考えづらいし。つらいですよね。
生理周期をずらすには一般的に中用量ピルが処方されるが、吐き気などの副作用をともなうこともあり多用はできない
他にも、大塚製薬のデータによると、「PMSで管理職・課長相当職以上への昇進に影響した経験がありますか?」という質問に対して、「辞退したことがある人」が18%、「辞退するか悩んだことがある人」が37%いると出ています。
「PMSの症状」は昇進を引き受けることに影響しましたか?
出典:大塚製薬「女性の健康推進プロジェクト」による「女性の健康と仕事への影響に関する調査(2021年9月実施)」
関連記事:生理周期が安定しているほうがなりやすい? 専門医に聞くPMSの原因と改善方法
それ、結構衝撃的ですね。
そうなんですよ。昇進できるはずの女性たちの半分くらいは、PMSが原因で諦めたり、引き受けるか悩んだりしているということなんですよね。不調の原因がPMSだと認識しているならまだしも、知らずに「自分の能力が低いせいだ」と思ってしまう人もいる。こういう状況は、個人だけでなく社会にとっても損失にあたりますよね。
これはわたし自身の肌感覚の話で、偏見もあるかもしれないですが、ビジネスの世界で昇進されてたり、起業されていたりする女性からは、生理がめちゃくちゃ重い人の話をあまり聞かないなと感じています。実態はわからないですが、なんとなく女性の出世と生理の重さには、少なからず関係があるんじゃないかと思ってしまうんですよね。
僕らが診療していてもよく聞きます。PMSの症状が重い患者さんがいて、女性の上司に相談したけれど、上司自身はそういう経験がないから全然理解してもらえないとか。
わたしも会社を経営していますけど、わたし自身、生理は相当軽いほうだと思います。さらにピルを飲んでいて経血もほとんど出ない状態なので、個人的には強く悩んだことはないです。だけど、部下は悩んでいるっていう状況はもちろんあるわけで。職場や上司によっては、不調に気づいてくれなくて、むしろ「なんであなたはできないの?」って言われるかもしれないし、それはつらいですよね。
そこはやっぱり男女問わず、社会全体でPMSやPMDDといった疾患があることをちゃんと理解しないとダメですよね。
「それ、れっきとした疾患だから!」女性自身も足りていない、PMSに対する認識
ーーそもそも、自分の身体の不調が、生理やPMSによるものかどうかの判断ができていない女性も多いのではないかと思います。
そうですね。患者さんのなかには、たとえば生理痛を理由に受診されたんだけど、それに加えて、月経前にイライラしたり落ち込んだりすることもあると訴える方もいます。それってまさにPMSの症状なんだけど、本人はそれがPMSだとは全然認識してないんですよね。
PMSが「疾患」だという認識すら、まだ広まっていないような気がします。
そう、疾患って、つまり病気だからね。でもその認識がないし、周りにもなんとなく言い出しにくくて産婦人科に行くのも面倒だから、とりあえず辛抱してしまう人が結構多いんですよ。
実際、一番しんどいときは病院に行くことすらおっくうだし、その期間が過ぎるとパッと元気になるから、結局病院に行かない。その繰り返しだとよく聞きます。普段から病院に行く習慣がない人だと、余計にそうなりがちかもしれませんね。
「大人になるにつれてPMSの症状が重くなる人は多いのに、大人は子どものときほど病院が身近でないので、診察に繋がりにくい」とハヤカワさん。
ーーしんどい思いをしている人も多くいるはずなのに、女性たちの間ですらPMSというものがあることの認識が広がっていないのって、なぜなんでしょうか。
難しいですけども、まだまだ月経に対してオープンに話せる社会ではないことの影響もあるんじゃないですかね。月経そのものをタブー視してるっていうところが、社会全体でまだまだすごく根強いんだと思います。
関連記事:なぜ「生理」の話はタブー?世界の「月経禁忌」の背景を人類学の先生に聞いてみた
言語化できないというのもあるんじゃないでしょうか。「痛い」っていう単語を知らなければ他人に言えないように、今の自分の状態が何なのか、よくわからないから表現できない方もいるのかなって。それはたぶん、女性同士の会話の中で出てきたり、雑誌か何かの情報で見たりとかしないと、言語化できないですよね。
昔に比べたら、雑誌やメディアでもPMSに関する情報は増えたけれど、まだまだ不十分だと思いますね。
ーー学校でも、さらっと生理の基本的な構造に触れたくらいで、それによって具体的にどんな不調が起こるのかとか、女性特有の子宮系の病気について教わった記憶がないです。
最近、改訂された保健体育の教科書には、「子宮内膜症」とかまで含めた情報が載っているものもあると聞きましたが、やっとそこまで来た程度で、学校の中での月経教育は本当にまだまだ足りていないと感じます。
きちんと教育がされてないせいもあるのか、連綿と伝わるうわさ話を信じてしまうこともありますよね。たとえば「痛み止めの薬はなるべく飲まないほうがいい」とか「昔の人は経血をためて、トイレで出すことができた」とかいう……。そういう話を聞くと、単なるうわさだとわかっていても「もしかして人間の身体の構造や生理のつらさって、昔とは違うの?」って思ってしまうんですが、どうなんですか。
そんなことないでしょ。みんな辛抱してたんだと思いますよ。ですが、たしかに平成の終わりくらいまでは、近畿大学のアスリートも、月経痛に対して痛み止めを使うことすら嫌がっていましたね。「痛み止めを飲むような、卑怯なことはしたくない」って(笑)
何と戦ってるんだ(苦笑)
武士道ですからね(苦笑)
これがジャパンか……。
ただ、今はもう、女性アスリートの多くがピルを使ってますよ。さすがにね。
ちなみにそれと同じように、診療や講義をしていて、先生が時代の変化を感じることってありますか?
産婦人科を受診することへのハードルですね。若い人たちのなかでは、産婦人科に来ることへの抵抗がだいぶなくなっているような気がします。実は今日の午前中は外の病院で診療だったんですが、最近は高校生が一人で受診することも珍しくないです。
へえ~! 昔は学生が制服で産婦人科を受診すると「制服の子が産婦人科に入っていったけど、どういうことなんだ」ってウワサになったと聞きますが、ずいぶん変わって、いい時代になったんですね。
ーー耳鼻科や眼科だったら、制服で行っても別に何にも言われないのにって思いますよね。
ね。そういうのもあって、産婦人科を受診すること自体、抵抗が強い人が多かったから、ちょっとずつ進歩してきているんだろうなと思うんだけどね。
いい流れですよね。わたしの周りでも、ピルを飲んだりIUS(子宮黄体ホルモン放出システム)を入れたりして、生理に関しての選択肢を広く持つことのできる人が増えているなと感じます。いろんな選択肢を知る機会があるというのはいいことですよね。
僕は産婦人科医でもあり、近畿大学東洋医学研究所の所長も務めているんですが、漢方薬による体質改善も選択肢のひとつとして提案することも多いです。体質や生活習慣、年齢によってはピルの服用が勧められない方もいますし、生理は10代のはじめから長ければ50代後半まで女性の人生と並走するものなので。その人に合ったいろんな対応策を提案していく必要があると思いますね。
「メリットがある」と企業が気づいて女性のヘルスケアに取り組むことが世の中を変える
ーー女性が不利益を被らずに生きられる社会にしていくには、今後どうしていくべきでしょうか。考えをお聞かせください。
まずは生理に関することをオープンに話せる社会にすることが必要かなと思います。官民でいうと、官……政治はまだまだ性に関する施策が後進的ですが、民はもっと自発的にアクションを起こせると思っていて。たとえば民間で一定の会社や集団単位で革新を起こせば、変化は起きやすいと思うんです。もちろん、すぐには難しいこともありますが。
うんうん。
株式会社ユーグレナの取締役とCFO(最高財務責任者)。トップ層に女性が多いだけでなく、女性が働きやすい環境を積極的に整えている
わたしが代表を務める株式会社ILLUMINATEは最近、ユーグレナという藻類に関する研究開発や関連商品の開発をおこなう企業、株式会社ユーグレナにグループインしたんですが、取締役をはじめ、管理職に女性が多いんですね。それもあって、女性のヘルスケアにみんな積極的だし、当たり前に産休を取って復帰している。そういう部分をどんどん社外にも見えるようにしていったほうがいいんだろうなと感じています。
他の会社にも見えるように、積極的に情報をオープンにしていくということですね。女性がどんどん働きやすくなってくると、会社を去る必要なくスキルを持った人が活躍し続けられるし、結果として会社にも利益が生まれると思います。
「あの会社イケてるね」という認識が広まれば、いい人材があつまって、より利益も生まれる。女性のヘルスケア対策を強化した方が、会社として売上が伸びるんだっていう認知が広まると、他の会社もだいぶ変わってくるのではないかなと、経営者の立場としては思いますね。「経営的にメリットがあるなら、とりあえずうちの会社でも取り組もう」ってなったほうが、結果的に社会に普及していくスピードが速まるのではないかなと。
そういえば、あんまり有名じゃないけど、女性活躍推進に力を入れている優良な企業に発行される「えるぼし」という認定マークもあるよね。
厚生労働省「しょくばらぼ」より引用。「プラチナえるぼし」は厚生労働省が女性活躍推進法に基づいて認定している制度。えるぼし認定企業のうち、より高い水準の要件を満たした企業は「プラチナえるぼし認定」が得られる。
実際、そういう会社に就活生を含む若い世代が集まっていくことが多いので、まずは変化を起こしやすい、民間企業から変わっていくべきだと思います。
世代や性別を問わず、もっと生理を知る機会を
ーー経営者の立場から見ると、社会を変えるには、まず民間企業から変えていくといいということですね。産婦人科医の立場から見て、武田先生はどう思いますか?
最近ではフェムテックの話も話題にのぼるけど、まだまだ表面的なところばかり注目されているなと感じます。月経カップとかも大事ですよ。でも、それよりもっと前の「月経に対する認識を正常化していく」ことが、今の日本の社会ではまだまだ欠落していると僕は考えます。それをどうしたらいいかというと、やっぱり教育しかないと思います。
「結局は知識」というところもありますよね。
やっぱりね、男子もいる場所で月経教育をするのが大事だと思います。以前、仙台の高校の1年生を対象に月経教育をしたんですね。保健の先生と相談して、男子も一緒に参加してもらったんですけど、彼らの感想が興味深かったんです。「女子がこんなに大変だってことが初めてわかった」とか、「広く温かい心で見守ってあげたい」とかね。
男子たちからしても、知りたくても知る機会がなかったということもあるかもしれませんね。知れば、普段のコミュニケーションの仕方も変わるのかも。
知ってるほうが、メリットが大きいですよね。産婦人科で診療していると、なかには夫婦で一緒に受診される方もいます。生理前の妻のイライラや感情の浮き沈みがひどくて、困った夫が医療機関の受診をうながすすと。診療の結果、イライラなどの原因がPMSだとわかれば治療よる改善が期待できますし、その結果パートナーの関係性も良くなると、さらにいいですよね。
やはりPMSの存在や「PMSは治療すれば改善できる」ことは、男女関係なく認知されるべきだなと思います。パートナー間だけでなく、会社などでの人間関係にも関わってきそうですし。
そうですね。ただね、表面的な理解だと「体調が悪いなら、ピルを使ったらそれでいいだろう」ってなってしまう。それは違いますよね。
たしかに。そもそも持病でピルが飲めなかったり、体質に合わなくて具合が悪くなってしまったりする人もいますしね。
PMSの治療に使われる低容量ピル。日本では処方箋がないと処方されないうえ、保険適用でも月3000円ほどかかるため、必要な人全てにピルが行き渡っていない現状がある
女性のPMSは、一個人の問題にするのではなくて、背景にある女性の社会的な地位の部分や、社会構造のなかで受けるストレスも含めて考えていく必要があるんじゃないかなと思います。
そこまで考えてようやく、経済損失の根本的な解決やポジティブな革新に繋がるんでしょうね。正しい知識を得るきっかけや、議論を深められる場がまだまだ圧倒的に足りていない。
そういえば僕、一回やってみたいことがあって。男性の管理職ばっかり集めて月経の講義をして、そのあとディスカッションしたいんですよ。
めっちゃいい! その様子、別室でぜひ見たいです。
最初は顔出しナシ、匿名可のオンラインセミナーでもいいしね。今度、近畿大学でやりますかね。
ーー世代や性別を問わず、そういった知る機会をどんどん増やしていく必要があるなと改めて感じました。武田先生、ハヤカワ五味さん、ありがとうございました!
おわりに
多くの女性がPMSや生理時の身体の不調を抱えていること。またPMSは疾患であり、治療することで症状が改善されやすいこと。そしてその疾患は、女性個人の問題ではないこと。そういった正しい情報が広がっていないことが、女性だけでなく、社会にとっての損失に繋がっていることに気づかされた対談でした。
「女性が健やかに過ごせる社会のために」というと、どこか自分事に感じられない方もいるかもしれませんが、男女問わず知識を持っておくことは、企業や社会全体にとって大きなメリットになります。身近な人や自分自身がハッピーでいるためだと捉えれば、知識を得るためのハードルも、少し下がるかもしれません。
それと同時に、知りたいと思ったタイミングで適切に正しい情報にアクセスできる場を、どんどん増やしていく世の中をつくっていかなければいけません。
文:むらやまあき
撮影:Hide Watanabe
編集:人間編集部
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