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雑学・コラム

2020.11.18

家で勉強してると眠くなる……を解決する「寝落ち防止マシーン」作った

Kindai Picks編集部

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オリジナル記事
無駄づくり
寝落ち

日中にレポートを書かないといけないのに寝落ちしてしまった……。暇つぶしにゲームをやっているとき、気づいたら寝落ちしてしまった……。大学生なら、そんな経験が誰にでもあるはずです。コロナ禍ゆえ、家で学習する機会も増えていますが、自宅学習は誘惑も多い。おそらく、学生さんの寝落ち率もさらに上がっているのではないでしょうか。そこで今回は、無駄作り発明家の藤原麻里菜さんに「寝落ち防止マシーン」を作ってもらいました。

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この取材は2020年2月12日に行いました。新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、一部内容を調整しています。


こんにちは、藤原麻里菜です。



私は、「無駄づくり」という無駄なものを作る活動をしておりまして、写真を撮ろうとすると親指がどうしても映り込むインスタ映え台無しマシーンだとかツイッターでカップルが『別れました』とつぶやくと光ってお知らせしてくれるランプなど、地球の大切な資源を使って日々邪悪なものを制作しております。

『無駄づくり / MUDAzukuri』のYoutubeチャンネル

私のこの無駄づくりで培ったスキルを使って、勉学に勤しむ学生さんのお悩みを解決してあげたい。そんな慈善の心があるからです。

私が思うに、大学生は常に眠たさと戦っているのではないでしょうか。きっとそうですよね。遅くまで勉強や研究をしたりして、睡眠時間を削って学んでいるはずなのです。そんなとき、

一番の困りごとが”寝落ち”ではないでしょうか。



今日中にレポートを書かないといけないのに寝落ちしてしまった……。バスや電車の中で眠ってしまって寝過ごしてしまった……。そんな経験はきっと誰にでもあるはずです。そして、コロナ禍ゆえカフェや図書館で勉強を…という学生さんも家で机に向かう機会が増えているはずです。しかし、家には誘惑も多い。きっと、学生さんの寝落ちも率も上がっているのではないでしょうか。

私は、この問題を解決したい。いや、この問題を解決できるのは私しかいない。そう思ったので「寝落ち防止マシーン」を作ろうと思います。


「寝落ち防止マシーン」を作る




まず、設計図を書きました。設計をする上で重要なポイントは、どうやって寝落ちを防止するかですよね。例えば、寝てしまったらビンタで叩き起こすというのはどうでしょうか。確実に目が覚めるとは思いますが、痛そうです。痛いのは嫌です。なので、これはダメです。

そこで、私が着目したのは、「作業中に突っ伏してしまった体を無理矢理起こす」というところ。体さえ起きれば、目も覚めるに違いないのです。でも、どうやって体を起こす仕組みを作ればいいのでしょうか……。

考えたけれど、全く良いアイディアにたどり着けなかったので、諦めてネットサーフィンをすることにしました。私の唯一の趣味「amazonでどうでもいい商品を探す」をしていると、こんなものを見つけたのです。


Rakuby 相撲コスチュームスーツ

お相撲さんの着ぐるみです。
空気を入れることで膨らむ仕組みの着ぐるみ。もしかして……! これを活用すれば、寝落ち防止マシーンを作ることができるかもしれません……!



こんな感じで、着ぐるみを膨らませると、自動的に体を起こすことができるというわけです。これはイケるぞ……!



早速、お相撲さんの着ぐるみを購入して、付属の送風機を解体して試行錯誤してみたのですが、勢いよく着ぐるみを膨らませるにはパワーが足りず、体を起こすことがなかなか難しい。



なので、「ブロアー」を使って作ることにしました。



ブロアーはこのように強力な風を出すことができる機械です。



おわかりいただけましたでしょうか。



寝落ちを感知して、送風される仕組みにしたいので、電子工作をしていきます。

この部分は、MESHというデバイスを使って作っていきます。寝落ちしたときの首の動きをMESHの振動センサーで感知し、アプリを通じてブロアーのスイッチが押される仕組みです。



モーターがブロアーのスイッチを自動的に押してくれるのです。


「寝落ち防止マシーン」が完成!




早速、作った寝落ち防止マシーンを装着してみました。どうでしょうか、このなんとも言えない感じ。ほんとうになんとも言えないですね。なんとも言えないなあという顔をしています。



ブロアーから着ぐるみへの送風にはホースを使っています。



科学により生み出された新しい生命体がホースという管によって栄養を与えられている。そんなSFの世界観を感じさせられますね。



私は大学生でもなんでもないただの無職なのですが、いっちょ前にルーズリーフに向かっております。

でも、昨日朝まで相棒のシーズン17を見ていたせいで、ものすごく眠いです。眠い……眠いよ右京さん……。



眠さに負けてしまいました。



すると、ブロアーの「ブオオオオオオオ」という爆音と共に、チューブを通じて風が着ぐるみに入ります。



ブロアー「ブオオオオオオオ」



ブロアーの爆音によって目が覚めるという予期せぬラッキーを感じつつも、体がどんどん起き上がってきます。











目が覚めました。再びなんとも言えない表情に戻っていますが、目は覚めています。このマシーンを使って、寝落ちを完全に防止することができました。すごいでしょ!



いくら寝ても……。



ブオオオオオオオという轟音と共に目覚めることができます。



はい。



目覚めました。



ちなみに、空気が邪魔をして腕が動かせないので、勉強を再開するときは空気が抜けるのを待つ必要があります。

それにしても、我ながら素晴らしい発明をしてしまいました。これを使えば、寝落ちに悩んでいる学生たちの悩みを解決できるに違いありません。ということは、学生たちは寝落ちせずに勉強や研究に励むことができ、結果的に全体の学力が上がり、いろいろあって社会の生産性もアップし、なんやかんや戦争とか犯罪がなくなって世界平和が訪れるのではないでしょうか。


学生さんに使ってもらおう




ということで、寝落ちを解消するマシーンを携えて、近畿大学にやってまいりました。横にあるのはゴミじゃなくて、マシーンが入っている箱です。


左から葉山みなみさん、堀内菜摘さん、藤原を挟んで、井手西美咲さん、西田翔さん

そして、今回はこのマシーンの被験者となってもらうべく、寝落ちの悩みを抱える学生さんたちに集まっていただきました。みんな今にも眠りそうでしたが、どうにか集合写真を撮りました。



生物理工学部で食品安全工学を専攻している葉山さんは、「実験の待ち時間に寝ちゃう」というお悩みを抱えているそうです。他の学生さんたちも「テスト勉強で夜更かしをしようとすると寝ちゃう」や、「暇つぶしにゲームをやっているとき、気づいたら寝ている」「漫画読んでいたら寝ていた」など、さまざまなシチュエーションで寝てしまうことが分かりました。後半の寝落ちに関しては、私も経験したことあります。



頑張るあまり寝てしまう。学生たちはそんな健気な悩みを抱えているんですね……。でも、大丈夫。私が作ったこのマシーンで、みんなの悩みを解決できるから……!



ということで、みんなに使ってもらうことにしました。一応、こういうマシーンだよと私が使用している動画を見せたら「おお……」「……これはすごいですね」「なんか、すごい……」という感想をいただきました。

あれ、なんか……引いてない……? いや、引くのも無理ないか……。と、不安になっていたのですが、「試したいです!」「やってみたい!」と元気な返事をもらえて安心しました。学生たちの好奇心に感謝……。



ということで、学生たちに「寝落ち防止マシーン」を装着していただきます。

将来有望な若者に、こんなことをして大丈夫なのでしょうか……。そんな不安をよそに、学生たちはめちゃくちゃノリノリで着てくれました。



そして、寝ちゃうシチュエーションを学生の皆さんに再現してもらいます。



みんな見事な寝っぷりですね。



“寝”のプロのようです。



いざとなったら”寝”で食っていけるくらい、素晴らしい寝姿。

そして、









静かなミーティングルームにブオオオオオオと、爆音がひびきます。果たして、みんなの目は覚めるのでしょうか……。



「すごい! なんか……よく分からないけれど、笑っちゃう……。目は覚めます……」



「風が涼しくて快適です」

よかった。無事に学生たちの目を覚ますことができました。そして、素敵な感想もいただけて、感無量です。「これ売れますかね?」と聞いたら、「売れると思います!」と、目をキラキラさせて答えてくれたので、その言葉を信じることにします。一体3万でどうでしょうか。


終わりに




みんなの悩みを解決できました。このマシーンがあれば、勉強がはかどってなんやかんや世界平和が訪れるでしょう。そして、私はノーベル平和賞を受賞するでしょう。ありがとうございます。

ちなみに、持って帰るのがめんどうだったので、大学に寄贈しようとしたら普通に断られました。悔しいです。


(おわり)


この記事を書いた人

藤原 麻里菜(ふじわら まりな)

頭の中に浮かんだ不必要な物を何とか作り上げる「無駄づくり」を主な活動とし、YouTubeを中心にコンテンツを広げている。2016年、Google社主催の「YouTubeNextUp」に入賞。2018年、「無用發明展- 無中生有的沒有用部屋in台北」を開催。総務省異能vation採択。でも、ガールズバーの面接に行ったら「帰れ」と言われたことがある。


写真:山元裕人
企画・編集:人間編集部

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