2020.03.31
留学中でも内定GET!?日英バイリンガルのための就活イベント「ボストンキャリアフォーラム」とは
- Kindai Picks編集部
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北米に留学中の大学3回生・4回生のみなさん、「ボストンキャリアフォーラム(通称:ボスキャリ)」をご存知ですか? 毎年11月にアメリカのボストンで3日間にわたって開催される、日英バイリンガルを対象にした合同説明会・選考会です。語学力を生かした就職先に出会える貴重な機会ですが、まだまだ十分な情報が出回っていないボスキャリ。今回は筆者が実際に参加した、2018年のボスキャリの様子をレポートします。
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いまの時期、多くの学生たちは就職活動の真っ只中。毎日さまざまな説明会や面接に足を運ぶ人たちも多いと思います。
私も3回生の春から就職活動をはじめたのですが、ひとつ心配なことがありました。それは「留学」。2018年の9月3日から2019年の5月4日まで、カナダのバンクーバーに留学していたんです。帰国してからの就活開始だったため、3月1日の就活解禁日から大きく遅れてのスタートでした。
学びたいことのために留学したのに、それが就職活動に響いてしまうのではないか……。そんな不安を抱えるなか、留学中でも就職活動に大きく役立ったのが、バイリンガル向け就職イベント「ボストンキャリアフォーラム」でした。
就活時期に北米に留学するみなさんに、ぜひ覚えておいてほしい「ボストンキャリアフォーラム」について紹介したいと思います。
ボストンキャリアフォーラムとは?
ボストンキャリアフォーラム、通称「ボスキャリ」とは、毎年11月にアメリカのボストンで3日間にわたって開催される合同説明会・選考会です。
参加資格は「英語を話せる日本人学生」であること。そのため、現在留学中の学部生・院生をはじめ、過去に留学経験や海外移住経験がある学生や卒業生たちが多く集まります。出展企業は200社以上にのぼり、大手企業も多数。日英バイリンガルに向けたイベントというだけあり、グローバルな人材を求めているのが特徴です。
当時カナダに留学中で、日本での就活に遅れを感じていた私も、参加しない手はない!と思いボストンへと渡りました。
事前準備が大切!
「ボスキャリ」は、とにかく事前準備が大切!
というのも、日英バイリンガルを対象に、参加企業も海外展開しているところばかりのため日本で開催する就職イベントとは雰囲気が全く違うんです。
参加者がリクルートスーツを着ているところまでは日本と同じですが、会場では至る所で英語が飛び交っています。語学力がネイティブ・帰国子女レベルの学生も沢山いますし、「次は●●の2次面接だ」など周りの選考状況もちらほら耳に……。
当日の緊張感で焦ってしまって自分の本来の力が発揮されないのは避けたいですよね。ですので、万全に準備をして「気持ちをつくっておく」ことが望ましいです。
私の場合は、カナダに留学する前に、毎年夏に開催される東京サマーキャリアフォーラムに参加しました。ボスキャリと同じ企業が開催しているイベントなので、ボスキャリの雰囲気を感じられることはもちろん、面接練習の場として活用することもできます。
ボスキャリへの参加申し込みは、公式サイトでおこないます。申し込みが完了すると、期間中にひらかれるイベントや、事前エントリーを受け付けている企業へのエントリーが可能になります。
できれば、参加申し込みをしたあと事前エントリーもいくつか済ませておきたいところ。というのも、現地でエントリーするよりも企業の印象に残りやすいからです。早いうちから「御社に興味があります!」と表明することは大切です。
実際、事前エントリーすると当日までに面接や面談をしてくれる企業もあるんです。私も10月中に何度かSkypeを用いた遠隔での面接をしていただきました。
企業によって対応はさまざまですが、気になる企業があれば事前エントリーを!
そして事前準備には、ボストンでの宿泊場所の手配も含まれます。
ボスキャリの時期は、ボストン中のホテルが日本人で埋まると言われています。「ホテルを予約しようとすると、もう高額なところしか残っていなかった……」というエピソードもよく耳にしました。
学生のお財布にもやさしいリーズナブルなホテルや航空券の予約は、とにかくお早めに。ちなみに私は「Airbnb(エアビーアンドビー)」を利用しました。「Airbnb」とは民泊のオンライン予約・紹介サービス。市井の人が所有する空き部屋や家の一室などが宿泊場所として貸し出され、そこに泊まることができます。民泊のため、マンションや一軒家が貸し出されていることも多く、現地のリアルな雰囲気を味わえながらも価格はホテルより安いことが多いんです。
せっかくなので観光も兼ね、ボスキャリ開催日の前日にボストン入り。カナダからの出発はバンクーバー国際空港を利用したのですが、ボストン行きのゲートの前にはスーツ用のガーメントバッグを持った人がちらほら。すでにリクルートスーツ姿の学生も。
バンクーバー時点で参加者を見ると思っていなかったので、これから始まる未知のイベントにドキドキしていたのを覚えています。
着いてすぐ会場の場所を確認したあと、軽くボストン観光をしました。煉瓦作りの建物がとっても可愛い街でした。その日は、翌日に備えて早めに就寝しました。
緊張のボスキャリ1日目!
さて、いよいよボスキャリです。開催は現地時間の午前9時から午後7時ごろまで、3日間にわたって開催されます。
午前9時に開場とともに受付が始まるため、確実さを求めて宿泊場所から会場までタクシーで移動しました。しかし、ラッシュでタクシーが大混雑……! 早く着くに越したことはないので、余裕を見て動き出すのが良さそうです!
さて、ボスキャリで就活生がおこなうことは、主に以下の3つ。
①事前エントリーした企業との面接
②さまざまな企業の説明会巡り
③興味がわいた企業への当日ウォークイン
当日ウォークインとは、企業の説明会に参加し、その場でレジュメを渡してエントリーする方法。(レジュメとは履歴書のこと。Webサイトなどで日本語・英語版ともに作成できます。もちろん自作のレジュメでもOK!)「いままで知らなかったけど、こんな会社があるんだ!」と少しでも興味がわいたらそのまますぐにエントリーできるのが特徴です。エントリーだけではなく、その場で面接の予約することも可能なんです。
手渡されるパンフレットは日英の2ヶ国仕様。会場には履歴書を書いたり印刷したりするスペースや、参加企業の資料閲覧コーナーなどがあります。併設されたモールにはレストランやカフェなども。
一緒に参加した友達とパチリ。私は大学で国際コミュニケーションと国際ビジネスを専攻していたこともあり、商社に興味がありました。
事前エントリーでは計4つの企業ブースを訪問し、お話を聞いたり業務に対して気になったことを質問しました。
当日ウォークインも5社ほど行いました。面接で最も聞かれた質問は、「なぜ留学しているのか」と「学生時代に力を入れたこと」でした。参加学生のほとんどに留学経験があるので、留学の動機はきちんと話せた方がいいと思います。
他に印象に残っている質問は「入社したらどんな働き方をしたいのか」「苦労した経験は何か」「大学の授業で印象に残っていること」など。どの面接もだいたい20〜30分ほどで、面接官1人〜2人に対して1〜3人の学生で進められました。
カーテンで仕切られた狭いブースでの面接ですが、そのぶんアットホームでしした。面接の雰囲気は受ける企業によって違うかと思いますが、私の印象としてはどこの企業もラフで話しやすい空気がありました。
あっという間に夕方に。パンプスで歩き回っていたため、夕方にもなると足がパンパンになりました。ラウンジで休憩しているとメールが。
なんと、面接していただいた商社の方からディナー会のお誘いでした。
お誘いをいただいたのは嬉しいことに本命の企業だったこともあり、すぐに参加の連絡をしました。
ディナー会では人事部の社員の方が4人に対して、学生は私を含めた4人。連れて行ってもらったのは海鮮が美味しい賑やかなレストランでした。
ボストンは海産物が豊富な街。美味しいシーフードにテンションが上がりましたが、もちろん気を抜きすぎてはいけません。新鮮な牡蠣やロブスターを楽しみながら、面接の場では伺いきれなかった業務内容や社内の雰囲気などさらに掘り下げた話ができました。他に参加していた学生たちとも意気投合し、ディナー会のあとはますますその企業への志望度が高まりました!
ちょっと疲れてくる中日だからこそ体力勝負!
本命企業とのディナー会を楽しんだ翌日、最初にアポイントを取っていた企業との面接時間が遅めだったためこの日は少しゆっくり行動。10時に会場入りしました。
この日は何社か事前エントリーしていた企業のブースを回った後、1日目の最後に説明会を聞いて予約したメーカー企業と面接を行いました。
その企業を私はいままで知らず、昨日、偶然に話を聞けたから……というのがきっかけだったのですが、相性が良かったのか、一気に2次面接まで……。
トントン拍子に話は進み、なんと嬉しいことに、その場で内定をいただきました。日本の合同説明会と違って、驚くほどにスピーディー!
元々見ていなかった企業ではあったので、すぐに入社しよう! という気持ちにはなりませんでした。しかし、会社の規模も大きく、事業内容も福利厚生も魅力的だったので第一志望から内定がもらえなかった場合、ここに入社しようと思えました。何より、留学している就活生として3年の11月の段階で内定が1つでもあるという安心感は就活を進める上での心の支えになりました。
そしてこの日は、そのメーカー企業のディナー会に参加。前日のディナーより少し堅めで雰囲気が全然違いました。1日目の会社が若いうちからどんどん挑戦できる社風に対して2日目の会社はどちらかというと年功序列。ディナーに参加すると、社風を実際に肌で感じることができると思いました。
1日でどれくらいの企業を回るかにもよりますが、やはり2日目は疲れが出てきます!
というのも、3日間あるボスキャリですが、メインとなるのは1日と2日目なんです。人事担当者が帰国されるなど事情はさまざまあると思うのですが、3日目ほとんどウォークインの受付がなく、開催時間も短め。企業によっては早めに撤収作業をはじめるところも……。
3日目の様子はこんな感じ。前の2日間と比べ、閑散としています。
そのため、1日目で回りきれなかったところを2日目でカバーしつくす必要があるんです。スケジュールをどう組むか、そして隙間できちんと休む時間をどれだけつくることができるかが大切です。
面接は緊張するので、体力だけではなく精神力もすり減っていきます。共用スペースでは休憩したり仮眠を取っている学生が多く見受けられました。出展者側も疲れてくる頃なので、面接を予約する際も早めの時間を確保するのが個人的にオススメです。
また、スケジュールを詰め込むと、しっかりお昼を食べる暇もないので軽食や水分をあらかじめ買っておくといいでしょう。面接や説明会の合間に食べることができて、時間を有効活用できますよ。
私は3日目、一応会場に足を運んだのですが先述したように規模が小さくなっていたので早々に会場を去り、ボストン観光を楽しんでしまいました(笑)。
留学中でも就活はできる! 終わってみて感じたこと
「少しでも得るものがあればいいかな……」。日本にいる同級生たちに遅れをとりたくないという気持ちで、少しでも行動しておかなければと参加したボスキャリ。
しかし、事前準備や現地での選考、企業の方とのディナー会を通して、自分のキャリアについて考え行動することで、想像をはるかに超える収穫がありました。日本はもちろん、留学先のカナダからも遠く離れたボストンへひとり向かったことすら「キャリアに必要なものを自発的に獲得しにいく経験」として、自分自身のよい糧に。
いま大学4回生の春を過ごしていて思うことは「とにかくボスキャリに参加して良かった」ということです。
周りが就職活動をしている時期に留学をしている学生は企業研究や自己分析をする機会が少なく不安だと思います。しかし、留学中でも就活はできます。英語さえ話せれば、日本では出会う機会のなかった素敵な企業と巡り合って、将来へと繋げることができるかも。
バイリンガルであることを少しでも生かしたい! と感じたら、ぜひボスキャリに参加してみてください。きっといい経験が得られますよ。
(おわり)
この記事を書いた人
小早川 真里奈(こばやかわ まりな)
近畿大学 国際学部 グローバル専攻 4年
1月28日生まれ 奈良市立一条高校出身、旅先で美味しいお料理とお酒を楽しむのが趣味。
撮影:小早川真里奈
編集:人間編集部
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