2020.07.08
就活生必見!「オンライン面接」どう工夫してる? withコロナ時代の就活事情座談会
- Kindai Picks編集部
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コロナウイルスの影響で学校の授業だけでなく、従来の対面式だった面接がオンライン面接に移行するなど、就職活動にも大きな変化がありました。オンライン就活って実際のところどうなの?就活中の近大生4人が集まり本音トーク! また、心理学の先生に、オンラインでの円滑なコミュニケーションを取るためのポイントを教えていただきました!
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「コロナウイルスの影響で就職活動がうまくいかない......」そんな悩みを抱えている学生が多いのではないでしょうか。
私も、まさにそんな悩みを抱えている就活生の1人です。
特に、私の場合は留学生ということもあり、オフラインならともかくオンライン面接に切り替わったことで、自分の思いがきちんと伝わっているのか不安になることがあります。
そこで、就活中の4年生に集まってもらい、オンライン就活での悩みや工夫している点についての座談会を実施しました。また、心理学の先生に、オンラインで円滑なコミュニケーションを取るためのポイントを教えていただきました!
吳 亭頤(ゴ テイイ)
総合社会学部総合社会学科社会・マスメディア系専攻
社会学やマスメディアについて学んでいる。メディア広告・エンターテイメント業界志望。台湾からの留学生。
西尾 菜津(にしお なつ)
経営学部キャリア・マネジメント学科
ヒトとモノ、資源の関係性について学んでいる。業界を絞らず就活中。
中島 美里(なかじま みさと)
農学部食品栄養学科
管理栄養士になるために勉強中。食品業界志望。
高 雪(コウ セツ)
文芸学部文学科日本文学専攻
小説やアニメ、映画について学んでいる。物流業界志望。香港からの留学生。
就活真っ只中の大学4年生、いつから就活始めた?
写真左上から時計回りに、中島 美里さん、吳 亭頤さん、西尾 菜津さん、高 雪さん。
ーーみなさんはいつ頃から就活を始められたんですか?
私は3年生の7月くらいです。最初は1dayのインターンシップに行きました。
私も同じくらいの時期からインターンシップを探し始めていましたが、就活が解禁される3月までは特に就活をしているという感覚はありませんでした。台湾では大学を卒業してから就活を始めるので、3年生から準備を始める日本の大学生にはギャップを感じましたね。
日本と海外って就活様式が大きく違いますよね。
そうなんです。日本では4年生になると授業数が少なくなり、その分就活に時間をかけるという感じですよね。
私も同じくらいですね。夏休みに外国人人材採用を支援する会社で5日間のインターンシップに参加しました。でもその時は仕事を体験するというより、講座を通じて留学生の就職事情を学ぶことがメインでした。それ以外にも1dayのインターンシップに参加したことがあります。また、学校の課外講座を受けたり、就職カウンセリングを受けたりすることで、本番への準備をしていました。
私は3年生になってから就活を意識し始めるようになっていたのですが、学業が忙しく、長期のインターンシップに参加できませんでした。なので、9月頃から1dayのインターンシップに参加したり、自己分析をしたりすることで就活を始めていました。
お金もかからず、準備の時間も潤沢に。オンライン就活で感じたメリット。
ーーコロナウイルスの影響で就活様式が大きく変わったと思いますが、オンライン就活で良かったと感じたことはありますか?
交通費が必要ないので、本当にお金がかからなくなりました!先輩に「就活はお金がかかるよ」と言われ怯えていたので、ある意味助かったな〜と思っています(笑)
交通費や時間が浮いたことによって受けられる企業の数も増えました。移動のことを気にせず、一日にいくつもの説明会に参加できるのも魅力ですよね。
エントリーシートに関しても締め切りの日が被っていることがよくあるので、準備するのに余裕ができました。
そうだ。みなさんオンライン就活で服装はどうされていますか?
基本はスーツで面接を受けています。
私は私服の場合が多くて、自分らしくいられるのが好きです。私が志望している広告業界は服装自由な会社が多いので、どんな服を着るべきかいつも迷います!
ちょっとお洒落にしてみようって思ったり?
いや〜、結局カジュアルスーツみたいな感じですかね(笑)
ーーオンライン面接に参加する上で気をつけていることはありますか?
画面に対して身体が平行になることを意識して、できるだけ画角の真ん中に座ること、あとは、照明をできる限り明るくして、表情も明るくなるようにしています。
私は背景を真っ白にするようにしています。あとは、パソコンを高めの位置に置くことで、上から目線にならないようにしています。
私もなるべく真ん中に座っています。
ーーみなさん、一度ビデオ面接を受ける時の姿勢になってもらってもいいですか?
みんな:(ポーズ)
ーー確かにみなさん真ん中にいますね。他にはスマホの通知音が鳴らないようにしたり、家族が部屋に入ってこないようにしたりと、注意することはまだまだありそうです。
私の友人の話なんですが、飼ってる犬がビデオ面接中に吠えたらしくて。友人はめちゃくちゃ焦ったらしいんですが、そのおかげで話が盛り上がったそうです(笑)
あえてペットを仕込んでおくとか面白そうですね。ダメか(笑)
逆に、面接官の飼ってる猫がビデオに映ったりしたことがあって、すごく面白かったです(笑)。リモートワーク中だったみたいで。
あと、オンラインではメモが取れることに助かっています!面接官の名前や企業の思いなどを書き留められるのは嬉しいです。自分が伝えたいことを付箋に書いてパソコンに貼ったりもしています。
画面の映らない場所に、メモ用紙や付箋を用意しておくと緊張の緩和に効果的。
私もお守り代わりにカンペを用意しています。どうしても緊張してしまうので。
オンラインでも、双方向のコミュニケーションが大切?
ーー今までメリットを聞いてきましたが、オンライン就活のデメリットも教えてください。
通信状況が悪い時、ビデオ通話でタイムラグが生じてしまい、会話の一部が聞き取れないことがあります。それで聞き返すと、「留学生だから日本語がわからないのではないか?」と思われないかと心配です。本当は理解しているのに。
私も説明会で、最後の連絡事項がほとんど聞き取れなかったことがあり、不安になりました。メールで問い合わせると返信をくださったのですが、学生に個別で対応するとなると、企業側も大変だと思います。
私はオンライン面接だと、会社の雰囲気がわからないなと感じています。オンラインだと表情が見えづらく、オフィスの様子もわからないことが多いので……。
オンライン説明会や面接の対応によって、企業に対して持つイメージにも差が出るなと思いました。対応が早い企業や、工夫をしてくれている企業はとても好印象です。
ーー工夫って具体的にどんなものがありましたか?
新入社員を呼んで話を聞いていくスタイルや、学生の質問にライブで答えてくれたり。用意していたものをただ伝えるだけでなく、その場で考えたことや思いを伝えてくれる企業は純粋にいいなと感じました。
ーーなるほど。双方向のコミュニケーションを大切にしているということですね。
企業によれば、動画を一方的に見るだけのところもあったりして、会社の雰囲気がうまく掴めなかったですね。最後にアンケートに答えるだけとか。
確かに、アンケート多いですね(笑)
アンケートを送らないと選考を進めてくれない企業もありました。
それはなんだか冷たく感じてしまいますね……。
あとは、目線に悩みます。面接官の顔を見るか、カメラを見るか。
すごいわかります。以前、最終面接で自己プレゼンがあった時、どこを見ればいいのかわかりませんでした。
目を合わせられないのはビデオ通話の難点ですよね。私もいつも目線には悩んでいます。
双方にメリットがあるオンラインとオフライン。相性は、人それぞれ?
ーー対面での就活とオンライン就活、どちらのほうが自分に合っていると思いますか?
私は結構オンラインが気に入っています。時間に余裕ができるので。家で選考を受けられるし、直前まで練習ができます。会社の雰囲気については、面接官の話し方だったり雰囲気から案外わかりますよね。
どちらがいいか選ぶのは難しいです……。
オンラインは苦手です。自分の感情がうまく伝わっている気がしなくて。コロナウイルスが流行する前からオフラインで受けていた企業の選考は順調に進んでいますが、オンラインではことごとく落ちてしまっているのが悲しいです。ただ、やっぱり多くの企業を受けられるのはオンラインのメリットだなと思っています。
私もオンラインで落ちてしまっています。時間に余裕ができるのでオンライン面接は肯定派なのですが、留学生の場合は流暢にしゃべれるとしても、画面越しではコミュニケーションが取りづらい部分があると感じることも。そこは、不安ですね。
ーー確かに……留学生へのサポートは必要そうですね。
私は対面での就活のほうがコミュニケーションを取りやすいので好きなんですが、1次・2次面接はオンラインでもいいかなと思います。
確かに選考の進行に合わせて、オンライン・オフラインを使い分けてもらえるといいのかもしれませんよね。交通費の負担も軽減されますし。
オンライン面接のポイントを心理学の先生に話を聞いてみた!
今回の座談会を通じて、就活生から就活の現状について色々なお話がありました。学生たちはオンライン形式の就活にあまり慣れていないため、コミュニケーションの取り方に苦戦している模様。
では、具体的にどうすれば相手に好印象を持たせられるかという点について、近畿大学総合社会学部 総合社会学科 心理系専攻の准教授・大対香奈子先生にお話を伺いました。
大対 香奈子(おおつい かなこ)
総合社会学部 総合社会学科 心理系専攻 准教授
博士(心理学)・公認心理師・学校心理士
専門分野:応用行動分析学
主に学校で不適応の問題を抱える子どもへの支援や,先生へのコンサルテーションなどを専門としています。
教員プロフィール
面接の始まり方や話すタイミングなど、オンラインでも面接マナーは大事?
オフラインでの面接はノック3回、どうぞと言われてから椅子に腰掛ける。座り方は……など面接マナーが定着していますが、オンライン面接はどのように進行するのが一番正しいと思いますか?
ん~。私も実際にオンライン面接を受けたことがないのですが、例えば、Zoomを使う場合は、自分が後から会議室に入って、既に人事の方がいる状態で進めていくのが一番多く想定されるケースだと思います。そこで、会議に入って面接官から何か言われるのをジーっと待つのではなく、まずは挨拶をして、自分の所属、名前などを言うこと。つまり、自分から第一声を発することが大切です。
会話が進むにつれて、喋るタイミングをうまく掴めないことも結構あるんですが、相手と音声が被らないような対策はありますか?
タイミングの取りにくさは、オンラインの難点ですよね。いきなり話すのではなく「質問してもいいですか?」「少し聞きたいことがあるのですが……」などの前置きの言葉(クッション言葉)を入れると、スムーズに会話が進みやすいですよ。いきなり話を始めると相手と話が被ったり、相手が話の内容についていけないこともあります。一言一言の間にクッション言葉をうまく入れることによって、話の間が取りやすくなると思います。
確かにクッション言葉をうまく使えればタイムラグによるトラブルを回避できるし、喋るタイミングがわかりやすくなりそうですね。
オンライン面接はスクリーンとカメラのどっちを見ればいい?
オンライン面接の時、目線をどうすればいいか悩んでいます。画面を見ると目線が下に向いてしまいますし、カメラを見つめると面接官の表情が見られないので……。
オフライン時でもそうですが、そんなに気にすることではないと思いますよ。極端に下を向いたり、横を向いたりしないようにだけ気をつけて、正面を向いてハキハキ喋ることが大切だと思います。
なるほど。
気にしすぎてしまうと、カメラをずっと見つめることになるし、相手が喋っている様子がわからなくなりますからね。正面を向いていれば、あまり違和感がないので、相手も「カメラを見ない失礼な学生だ!」と、なることはまずないと思います。
気にし過ぎていたかも。
人事の方は実際どう思うかはわかりませんが、オンライン面接の目線で印象が変わるかというと、それだけではないと思います。むしろ、目線よりも話の内容のほうが重要度が高いと思うはずです。つまり、話の内容をしっかり伝えることが大事なんです。
確かにそのほうが面接がスムーズに進みそうですね!
会話のトーンを合わせることや、ジェスチャーを織り交ぜた対話は効果的?
ジェスチャーはどうでしょう?
ジェスチャーは、カメラと座る位置にもよるのですが、画角の中でしなくてはいけませんから、難しいかもしれませんね。普通のジェスチャーって画面の下の少しだけ見える位置で行うことがほとんどなので。
確かに、普段は手をこんな位置でジェスチャーすることはないですよね!
無理やり画角の中でやろうとすると、すごく不自然になってしまいますからね。ただし、話している時の相槌として頭で頷く動作なんかは、いつもより大きめにしたほうが相手に伝わると思います。
じっと固まってると、通信が不安定?フリーズしてる?って勘違いされることもありそうで。
あるかもしれませんね。私は、普段オンラインで授業を行っているのですが、やはり話している側からすると、一番困るのは画面の前で固まって、リアクションが薄い人なんですよね。「話の内容は相手に伝わったのか?」という点を感じ取りづらいので。
確かに、オフラインでも相手の反応が薄いと話が進みにくくなりますよね。
そうなんです。人と会話している時、頷いたり表情で反応することは大事なんですよね。真剣に話を聞いているかもしれないけど、地蔵のように固まっている状態では画面を通した対話だと伝わらないんです。オフラインのコミュニケーションでも、あまり反応のない人とちゃんとリアクションがある人がいるとすれば、リアクションのある人のほうがいいですよね。
オンライン面接に苦戦する、学生に向けてのアドバイス
最後に、就活生のみなさんに向けて先生にアドバイスをもらいました!
大前提として、将来を心配することも、楽観的に向き合うこともできますが、その結果が最終的にどうなるかってわからないものですよね。だから、本当にやりたいことを追求して、仕事とか、将来の道をちゃんと選んでほしいんですよね。
今の時代は、どこか大きい組織に身を置けば安泰で居られる時代ではなくなってきているし、自分にどのようなスキルや知識を肉付けするか、どんな自分を作っていくかが大事になってきます。つまり、自分の価値をどう高められるかかがすごく大事だと思います。
留学生も日本人も、ちゃんとスキルと価値がついている人は就職できるし、そうでなければ就職は難しくなると思います。そして、就職がゴールではなく、就職してからが正念場なので、そこから自分を高めていくことが大切なんです。
心理学の観点からお話しすると、「こうしていれば大丈夫!」というスキルはないんですよ。わかりやすく言うなら、HOW TOだけ身につけた人って、結果的にすごく薄っぺらいですよね。つまり、「一般常識的にこういう服装がいい」とか「こういう風に挨拶すればいい」というのはあるとしても、それをやっていれば絶対にうまくいくなんて答えはないんです。
コミュニケーションは相互作用なので、相手と自分がキャッチボールするイメージで、相手の反応によって自分が如何に柔軟に対応していけるかが一番大事だと思います。話すトーンも、ハイピッチで明るく喋るのが一般的にはいいとされていますが、相手がすごく落ち着いて喋る方だったら、恐らく相手に合わせたほうが受けがいいはずですよね。
実際、コミュニケーションのHOW TO本とか、恋愛必勝の本とかあまり役に立たないですからね(笑)結局は「私とあなた」のコミュニケーションだから。
最後に
初めてのオンライン就活、悩みはたくさんある。けれども、考えすぎずに相手とコミュニケーションを取ることができれば、大丈夫!就活生の座談会を通して、時間や金銭面での余裕ができたり、落ち着いて面接に挑めたりするといった、オンライン就活のメリットが見えてきました。もちろん、通信環境の個人差や、会社の雰囲気がわからないなどの課題は未だ多く存在します。
しかし、オンライン、オフラインどちらも人と人とのコミュニケーションには変わりありません。新しくオンライン就活という選択肢が加わったことで、より自分に合った形で就活を進められる人が増えるのではないでしょうか。
(おわり)
この記事を書いた人
吳 亭頤(ゴ テイイ)
近畿大学 総合社会学部 総合社会学科 社会マスメディア系専攻4年
台湾出身。2017年から学部生として近大へ入学。日本語以外に、趣味でドイツ語や韓国語を勉強しています。普段はマスコットキャラクターのグッズを集めることが好きで、すみっコぐらし検定に合格したことがあります。
取材・文:岡島彩乃
写真:納谷ロマン
企画・編集:人間編集部
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