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不動産業界に風穴を開ける。近大卒社長の取り組む「テクノロジー×不動産」とは

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Kindai Picks編集部

2018.12.21

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大学
OB・OG
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オリジナル記事

近年、近大出身の学生起業家や社長が多数活躍中!「FANTAS technology株式会社」を立ち上げた國師さんもその一人です。大学時代のある経験をきっかけに、自身で会社を立ち上げることを目指し、不動産業界へ。創業9年目を迎える現在は約100名の社員を抱え、業界内で頭角を現す企業に成長しました。大学生活の思い出から、業界に新しい風を起こす事業まで、さまざまなお話を語っていただきます。

國師 康平 氏
FANTAS technology株式会社代表取締役
1982年生まれ。2005年に近畿大学理工学部土木工学科(現・社会環境工学科)を卒業後、大手不動産会社に入社。2010年2月、現在のFANTAS technology株式会社を創業。「ファンになっていただける企業になる」を理念に掲げ、テクノロジー×不動産の幅広いサービスを展開している。


「トップに立つこと」を意識した大学時代のサークル運営




――大学に来られるのは久しぶりですよね。在学当時の面影は残っていますか?

立派に変わっていてほとんどないですね。『青い鳥』(キャンパス内にあった喫茶店)とかも、なくなっちゃったみたいですね。でも、当時よく行っていた『キッチンカロリー』とか『焼マン』とか、大学周辺の店は今も残っていて懐かしいです。

――國師さんは岡山県出身とのことですが、近畿大学に進もうと思ったきっかけは何でしたか。

漠然と「都会の大学に行きたい」という気持ちから近畿大学を受験しました。実は高校生のころはあまり勉強していなかったんですけど、受験勉強の中で飛躍的に伸びた数学を武器に、2教科受験で突破しました。

――理工学部土木工学科(現・社会環境工学科)に進まれたんですね。

興味のある理系学科ということで選びましたが、理工学部は授業も、テストも厳しかった思い出があります。毎日忙しくて、学園祭に行ったこともないくらい。卒業研究は、国内外で物件を開発する今の仕事に通じる部分もあるのですが、大阪の都市再開発をテーマに、役場で再開発担当の方から話を伺ったりして取り組みました。

――起業を目指し始めたのはいつごろですか。

大学時代、インカレのイベントサークルでトップに立つ経験をしたことが契機になっていると思います。入った時は今にも無くなりそうな小さいサークルだったのですが、ちょっとしたきっかけで僕が代表になったんです。そこから試行錯誤を重ね、協力してくれる仲間を増やし、幅広い活動ができるまでに成長させました。僕はナンバー2くらいの立ち位置だとそれなりに仕事をこなしてしまうんですが「責任のあるポジションで頑張れば、自分の力を最大限に発揮できるな」と気づき、将来は自分の力で会社をやりたいと考え始めました。でも、その時はまだ起業して何がしたいのか明確ではなかったので、いったん就職することにしました。


近畿大学在学時の國師さん(写真右)がコチラ、写真は卒業式での一コマ

――國師さんのように将来、起業したいという学生はたくさんいると思います。

学生さんにはいろんなものに触れて、いろんなことを試してほしいですね。僕もサークルの経験を通して「自分次第で何でもできるんだ」と自信をつけました。僕のようにビジョンが定まっていない人は一度社会を経験するのがいいかと思いますが、もし事業プランが明確にあるなら「いつかやろう」ではなく、できるだけ早く始めた方がいいとも思います。僕たちは不動産事業でクラウドファンディングをしていますが、クラウドファンディングを活用して起業する人も増えていますよね。今の時代、チャンスは多いのではないでしょうか。


新卒で飛び込んだ不動産業界で課題に直面




――大学卒業後から起業にいたるまでのお話を聞かせてください。

起業したいという気持ちが芽生え、どのように起業しようか考えた時、マーケットが大きい業界の方が起業するチャンスも多いのではないかと考えました。そこで、規模が大きく、1件あたりの取引金額が数千万~数億と非常に高額な不動産業界に絞って就職活動をスタート。東京で働こうと決めたのも同じ理由です。

――会社員の経験は役に立ちましたか。

そうですね。大手の不動産会社に入社して見えたのは、業界全体の問題点。とにかく何もかもアナログだったんです。たとえば、みなさんが賃貸物件を探す時、不動産屋さんでチラシを見ることがあると思うんですが、ああいった物件のデータはほとんど紙で管理されています。さらに、取引価格がブラックボックス(※)化している点も問題だと感じました。自分が中古で買おうと思っているマンションは新築時いくらだったのか、前の持ち主がいくらで売却したのか、そういった情報は日本では開示されないんですよね。

――海外では違うんですか?

もっとオープンです。アメリカなどであれば、自分が今住んでいる家の価格や以前の取引履歴もわかります。この問題は、そもそも戦後の日本で土地の登記帳が焼失してしまったことから始まっているんです。混乱が起きている中での曖昧な土地所有のせいで、正しい取引が成り立っていなかった。その結果、不透明な部分をずっと引きずっているような感じがあり、日本の不動産会社に対するイメージもネガティブなものになっているのだと思います。不動産業界には効率化を進めたり、解決できる問題がたくさんある。その思いから、起業後はITを活用した事業を多数展開しています。

※ブラックボックス:ハードウェアなどの内部構造がわからなくても扱える、装置やプログラムのことを指すコンピューター用語。「中身がわからない不気味なもの」が語義で、ここでは取引の履歴や、価格設定の理由が明かされていない物件のことを指す。


気軽に始められる不動産投資で業界を活性化




――ITと不動産を掛け合わせた事業とはどんなものですか。

例えば、2018年10月にスタートしたのが『FANTAS funding』。一口1万円からオンラインで不動産に投資できるクラウドファンディングで、賃貸や売却から生まれる収益に基づき、配当金の分配を受けられる仕組みです。さっきも言った通り不動産業業界へのグレーなイメージも背景にあって、不動産投資の人口ってすごく少ないんですよ。また、当社が扱う物件なら東京23区で中古でも2000〜3000万円の価格なんですが、それを買うとなると勇気がいりますよね。一口1万円からなら、投資をもっと身近に感じていただけるのではないでしょうか。さらに、当社がプロジェクト全体の20%を出資することで、損失が出た場合でも20%までカバーすることができます。出資者のみなさんが手軽に投資しつつ、リスクを低減できるシステムを目指しました。

――最後に、今後の展望を教えてください。

事業を通して今後、業界がますます活性化することを期待しています。また、ゆくゆくは国内だけでなく、世界の不動産マーケットに進出していきたいと考えています。常に前を向いて進んでいきたいですね。

――ありがとうございました。


▼参考リンク
FANTAS technology 株式会社
FANTAS funding


(終わり)


取材・文:山森 佳奈子
写真:ロマン
編集:人間編集部



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