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2025.06.19

高校中退から近大通信を経て、弁護士へ 髙橋和央弁護士に聞く司法試験突破の極意

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高校中退後、朝から晩まで仕事に明け暮れるなか、取引先の倒産等や大人同士の紛争を目の当たりにすることが多々あり、次第に法律に興味を持つようになった髙橋和央さん。近畿大学通信教育部を経て司法試験突破の極意についてお話を伺いました。

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中学生時代の髙橋弁護士
中学生時代の髙橋弁護士
中学生時代の髙橋弁護士
あだ名は「特攻ちゃん」
髙橋 和央(たかはし かずお)

1988年 近畿大学通信教育法学部 入学

北海道在住 /職業:弁護士

近畿大学在学中に宅地建物取引士の資格を取得し、卒業後は資格試験予備校に勤務。退職後、法律事務所に事務員として勤務しながら司法試験を受験し、司法試験に合格。平成18年に札幌弁護士会に弁護士登録し、現在は、一般民事事件を中心に活動しています。

初代総長世耕弘一氏の「学びたい者に学ばせたい」という言葉に惹かれました。

――近畿大学通信教育法学部を選んだきっかけを教えてください。

髙橋:高校中退後、朝から晩まで仕事に明け暮れていました。 取引先の倒産等の場面に接したり、大人同士の紛争を目の当たりにすることが多々あり、次第に法律に興味を持つようになりました。

この時期は、おそらく普通に高校生活を送っていたら経験することがなかったであろう出来事に数多く遭遇し、今にして思えばとても貴重な経験をしたと思っています。

世の中にどのような法律があって、具体的な場面でどのような規制がなされているのかを知りたいと思い、大学に入学しました。

私が入学した当時、日本の大学は、入学するのは難しいけれど、入学してしまえば誰でも卒業できてしまうと言われていました。通信制大学は逆で、誰でも入学できるけれど、卒業率は低いのですが、私は、むしろ、そこに通信制大学の魅力を感じました。

そして、通信制大学の中でも、近畿大学初代総長の「学びたい者に学ばせたい」という言葉に魅力を感じ、近畿大学に入学しようと思いました。私は、特修生(大学入学資格認定コース)からはじめ、法学部法律学科に入学しました。

初代総長 世耕弘一氏の言葉を紹介する写真

インターネットもまだ普及してない時代でしたし、教科書も数十年前に書かれたかのような内容で、山積みされた教科書を見て、途方に暮れました。

入学してみると、日本には数え切れない程の法令が存在し、大学の法学部で行なわれている科目はその中のごく一部の基本科目に限られていることがわかり、自分の当初の入学の動機とはズレがあることを感じました。

その考えが変わったのが、法学演習スクーリングでした。大学の勉強は高校までの勉強と異なり、どんな法令があるか予め用意された答えを教えてもらうのではなく、自分で調べて、考える力(法的思考力)を身につけることだとわかり、そこから「法的なものの見方、考え方」というテーマがとても面白く感じるようになりました。

「なるほど、そうか。そう考えるのか。でも、まてよ、こう考えることはできないのか・・・」等、それまで学校で回答の用意された問題の答えを暗記するような勉強をしてきた私にとっては、大学での勉強は、とても新鮮で、興味深いものとなりました。

答えがないから面白い

――学習についてなにか工夫をしていることはありますか?

髙橋:法律科目の勉強は、答えがないところが面白いと思います。1つの条文にも様々な解釈があり、そのどちらが正しく、どちらが間違いということはいえません。大切なことは、なぜそのような解釈が導けるのか、その考え方(法的思考力)を身につけることかと思います。

今、私は弁護士として仕事をしていますが、事件毎に解釈も変えなければなりません。Aさんの事件で主張していたこととまったく逆のことをBさんの事件では主張するということもあります。判例があっても、その判例は、その判断がなされた時点で、その事件の事案に対する判断にすぎません。今、ここで問題となっている事件の正しい答えは別にあるかも知れない。時代は日々変化しているのですから、過去の判例が今も正しい判断といえるかは常に吟味しなければなりません。過去の判例がおかしいと思ったら、次に、どうやって裁判所を説得するかが問題となります。裁判所を説得するために必要な能力が法的思考力です。その法的思考力を身につけることが大学の法学部での勉強だと思います。

どんな壁に当たっても諦めない。
今、自分にできること、やれることをやってみる

――困ったこと、壁に当たったと感じたこと、その克服方法について教えてください。

髙橋:在学中に、一般教養科目で、レポートも書けず、何をどうしたら良いのかさっぱり分からない科目がありました。

ここで諦めてしまっては卒業できません。今であれば、インターネットである程度のヒントは得られるかもしれませんが、当時は、パソコンも使ったことがない状態でした。困った私は、レポート用紙に、そのまま分からなくて困っていること、そして、このまま困っていたのでは先に進まないので、どうしたら良いか・・・という独り言のような質問だけを3行程度書いて提出しました。結果は、もちろん「再提出」でしたが、残りのページにびっしり赤ペンで先生からのアドバイスが書き込まれていました。それを読み、2回目のレポートは無事合格し、科目週末試験も1回で合格しました。

スクーリングでお世話になった先生から「人間の頭で考えたことは、諦めずに頑張れば実現するよ」というアドバイスを頂いたことがあります。およそ実現不可能なようなことは人間の頭で考えつかないということなのかもしれませんが、今も心に残っている一言です。

あきらめたら終わり

――学習方法について教えてください

髙橋:あきらめたら終わりです。司法試験を受験していた頃、多くの受験生が司法試験をあきらめて去って行きました。あきらめたのに合格した人は1人もいません。

では、あきらめなければ必ず合格するのか・・・と言われると、そうではありません。同じことを繰り返していたのでは、おそらく同じ結果になる可能性が高いと思います。自分にできないことは、できる人に教えてもらうことだろうと思います。

弁護士になって、近畿大学を卒業していて良かったと思うことがあります。弁護士の仕事は、法律が分かるというのは当たり前のことで、法律以外の分野のことをどれだけ理解できるかが勝負です。

近畿大学は、総合大学です。これまでにも、弁護士の仕事をしていて、亡くなられた方の死亡原因が争点となっている事件で、近畿大学の法医学の先生から貴重なアドバイスを頂いたことがありました。

私にとって、近畿大学の卒業生であることが弁護士としての強力な武器となっています。

髙橋さんの近畿大学卒業後の活躍を象徴する写真

「あのとき諦めなくて良かった」と思う日がくる

――今後始める人、勉強中の方へアドバイスをお願いします

髙橋:在学生の皆さんも、今、苦しい壁にぶちあたる場面もあるかもしれませんが、近畿大学を卒業後、それぞれの分野で活躍する自分の将来をイメージして、諦めずに、壁を乗り越えてください。きっと、「あのとき諦めなくて良かった」と思う日がくると思います。

取材・文:近畿大学通信教育部学生センター

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