2017.03.08
テレビや教科書ではわからない。日本人がアフリカに行くべき3つの理由。
- Kindai Picks編集部
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はじめまして、 法学部4年生の比江島 重友(ひえじま しげとも)です。
子どもの頃から漠然とあこがれていた場所、それが「アフリカ」でした。
この記事では、ボクが実際に見て感じたアフリカをお伝えするとともに、その体験から見出した『海外で得られる3つのこと』をご紹介します。
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はじめに
皆さんはアフリカと聞いて何を思い浮かべますか?
以前のボクはといえば、「マサイ族」、「ヌーの大群」、「コーヒー豆」、「紛争」、「エボラ」などといった、いかにもステレオタイプなイメージしか持っていませんでした。
その原因はアフリカの“遠い存在”にあります。
しかし、今アフリカは熱いんです!
爆発的な人口増加。平均年齢20代。天然資源の発掘。政情の安定化など、アフリカが今後伸びていく条件はそろってきています。
そうなると、日本の出番もどんどん増えていきます。
そんな状況なのに、ボクはアフリカのことを何も知りませんでした。
「アフリカをもっと知りたい!」
でも、テレビや教科書が言っていることが真実かどうかなんてわかりません。
それに、みんなが右を向くから右が正しいという判断はイヤですよね。
だったら自分の目で、耳で、足で確かめるしかありません!
ということで、約4カ月間、アフリカ(ケニア、南アフリカ)へ行ってきました。
それでは、ここからは『海外で得られる3つのこと』をご紹介していきます。
1つ目-視野が広くなる-
アフリカでの生活が進むにつれて、日本での“あたりまえ”がくつがえされていきます。
たとえば日本では、蛇口をひねれば水が出てき、スイッチを入れれば電気がつき、夜道を歩くことができます。
しかしアフリカでは、水道がないので雨水を貯めて使い、電気が通っていないので懐中電灯を灯し、夜は危ないので日が暮れる前に家に帰らなければなりません。
このようなインフラや治安事情だけでなく、文化、風習、教育、政治、宗教、価値観など
ありとあらゆるものが日本と異なっています。
こんな環境に身を置いていたら、否が応でも視野が広がります。
また、アフリカに限らず、外国人の友達ができると、その国のことを気に掛けるようになります。
たとえば、ボクは宮崎県出身なのですが、地元のことがニュースになると目を留めます。地元には家族や友達といった大切な存在がいるからです。
外国に友達ができるとこの感覚が世界範囲に広がります。
ですので、世界中に友達ができたときには、グローバルな視野は自然に身に付いているのかもしれません。
2つ目-タフになる-
アフリカで驚いたことがあります。それは、現地の人からの視線です。
ただ道を歩いているだけのボクをまるで宇宙人でも見るかのような目でジロジロ見てきます。写真を撮ってくる人や、離れた場所からわざわざボクの顔を覗き込みに来たりする人もいます。
そして、一通り観察が終わると物乞いをしてきます。中には、家までしつこくついてくる人もいますし、“力わざ”を使ってくる人もいます。
海外に出ると、日本の常識は一切通じません。想定外のことも起きます。
おまけに、言語の壁も存在します。
英語圏ならまだしもそれ以外の地域となると意思疎通のハードルはさらに高くなります。
はっきり言って、日本で生活をするよりもはるかにストレスを感じます。
ボク自身、アフリカでの生活が始まったばかりの頃は、「最後までもつかなぁ…」と不安を感じていましたし、精神的にきつい時期もありました。
しかし、それらを乗り越えた今、多少のことでは動じなくなった自信があります。
勇気を持って一歩踏み出せば、にんげん案外どんな環境にでも適応できるのかもしれませんね。
3つ目-危機感を覚える-
アフリカの町を歩いていると「ヘイ、チャイニーズ!」と声を掛けられます。「ジャパニース」と呼ばれたことはありません。
アフリカでは、アジア人=中国人という認識なのです。
日本という国自体を知らない人も多くいます。
サムライやトヨタ自動車といった日本を代表するものでさえ中国のものだと勘違いしている人もいるくらいです。
日本はGDPで中国に抜かれ、世界3位に転落しました。
アフリカに行き、その事実を実感としてまざまざと思い知らされました。
日本人の多くは日本語しか話せません。
これまでの日本だったら、日本国内だけでの仕事が成立していたので英語は必要ありませんでした。
しかし、これからの日本は、人口減少・少子高齢化という大きな問題を抱えています。
人口が減ると消費量も落ち込み、少子高齢化が進むと労働力も不足します。
日本企業はこの問題に対応するために海外に進出したり、外国人労働者を受け入れたりしなければなりません。
いずれにせよ、日本で、かつ日本人だけで仕事ができる環境は少なくなっていきます。
これまで、いろいろな国の学生と交流してきました。
知識が豊富で、柔軟な思考を持っていて、高い自己表現力を兼ね備えている、そんな学生が海外にはたくさんいます。
ボクたちはこれからそのような人たちと競っていかなければなりません。
これからますますグローバル化が加速し、今までの常識が通用しない時代がやって来ます。
そうなると世界基準で戦える力が必要になってきます。
しかし、その力は日本にいるだけでは身に付きません。
それらを身に付ける最短コースは、日本を飛び出し、未知の世界へ飛び込むことだとボクは思います。
おわりに
帰国したときに「やり切った」と思える人はどのくらいいるのでしょうか?
おそらく少ないのではないかと思います。
ボク自身、「もっとやれたかな」、「あそこはこうするべきだったかな」という気持ちがあります。
しかし、その悔しさが「次こそは!」という気持ちにしてくれます。
アフリカでは本当にいろいろなことがありました。
目を背けたくなることや、悲しい事件もありました。
それでも、日本では見たことのない絶景や、親友と呼べる人との出会いもありました。
「アフリカの水を飲んだものは再びアフリカへ帰る」という言葉があります。
今ではこの言葉の意味が少しわかります。またいつか必ず行くと思います。
アフリカに限らず、世界にはボクたちの価値観をガラッと変えてしまうものがあるかもしれません。
あれこれと考えすぎていては何も始まりません。
とりあえず世界に飛び出してみませんか?
現地でたくさん失敗して、たくさん恥をかけばいいと思うんです。
それが結果的に次に繋がるのではないでしょうか。
【筆者プロフィール】
■氏名:比江島 重友(ひえじま しげとも)
■所属:法学部・法律学科・森山智浩ゼミ
■略歴:5人兄弟の2番目として宮崎県に生まれる。高校まではサッカーに熱中する。大学では色々な国を旅したり、海外インターンに参加したりしている。
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