2017.01.18
インドで見つけた、異国で生き抜く5つの知恵
- Kindai Picks編集部
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三年生の夏休みほぼ丸々使ったインドでのインターンシップ。そこでの驚きの体験から得た異国でのサバイバル術を紹介します。
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序章「なんでインド?」
「インドはすごい国だぞ!」
近畿大学経営学部3年生の永野正樹です。私の趣味はバックパック旅。
東南アジア旅行中に出会った多くのバックパッカーが口々に言うその言葉が、ずっと私の頭の中に残っていました。
もちろん、その一言がきっかけでインドでインターンシップを経験することになるとは、当時は考えもしませんでした。
時が経ち旅を重ねているうちに、次第に海外で働いてみたいと思うようになり、
海外で働く事で現在もっているイメージと実際に海外で働く自分とのギャップを社会人になる前に解消したい。
厳しい環境で仕事の経験とビジネススキルを身につけて、自分の将来にとって強力な武器にしたい。
そういう思いから、インド企業でのインターンシップに参加する事を決めました。
ここからは、そのインドインターンシップで得た一生モノの経験から、異国で生き抜く5つの知恵を紹介していきます。
その1 「現地のことはその土地の人に教わるべし」
インドと日本ではマナーが違います。
例えば・・・
①料理は右手で食べる。左手は不浄の手とされています。
②ナマステと挨拶する際に年下が先に挨拶する
そのことは出発前にインド料理屋の主人に教わりました。
しかしインドでオートリキシャ(インド版タクシー)ドライバーに無意識のうちに左手でお札を渡したら左腕をはたかれ、激怒された経験もあります。どうやら左手は料理以外に大切なものを扱う際には使用しない方が良いみたいです。日本人に馴染みのない他国のマナーには細心の注意を払わなければなりません。
このように、ガイドブックだけじゃわからない事もたくさんあるので、現地のことは現地の人に聞くのが一番良いと思います。
その2 「現地の言葉を使うべし」
私が訪れたのはインドの中でもIT産業で有名なバンガロールという地域です。バンガロールは南アジアの中でも有数の世界都市で、インドのシリコンバレーとも呼ばれています。インドの公用語はヒンディー語と英語です。バンガロールではヒンディー語以外にタミル語が広く話されていました。
私のインターン先ではヒンディー語しか話せない人もいました。
インターン先のビル掃除のおばちゃんに日々ヒンディー語を教えてもらいながら多くのインド人とコミュニケーションを取りました。頑張って覚えたヒンディー語を使うと喜んでもらえ、距離が一気に縮まりました。
例えばこんなエピソードがあります。
インターンシップ先への移動手段はオートリキシャを利用していました。インドに着いて間もないころは外国人観光客だとバレて料金をぼったくられることが多々ありました。しかし必要なヒンディー語(「おっちゃん!ここからここまで連れって!」等やインド人がよくやる身振りを覚えることで、観光客とバレることがなくなったのです。
覚えたてでもいいので思い切って現地の言葉を使ってみましょう!
その3 「現地の文化に飛び込むべし」
インドで生活をしている中で文化の違いを感じる場面が多々ありました。私はこの異文化感こそがインドの醍醐味だと考えています。
インドのお祭りに一人で参加してきました。
ガネーシャ祭りはヒンドゥー教の神ガネーシャを讃えるお祭りで毎年8月末から9月ごろに行われているようです。
そこで初めて口にすることになるインドインターンシップ史上、最大の敵である“カルドライス”登場です。因みにカルド(ヨーグルト)+ライス(米)でカルドライスだそうです。カルドライスをはじめとする多くの日本人の口には合わない伝統的な料理の数々を、文句を言わず全て平らげたことで、インド人と一気に距離を縮めることに成功し友達が沢山できました。インドの伝統を受け入れる姿はかなり好印象だったみたいです。
“郷に入っては郷に従え”。一連の体験を通してこの言葉の偉大さを知りました。
その4 「日本のこともしっかり伝えるべし」
インドで200人規模の市場調査をして分かった事なのですが、日本の文化や料理はインドではとても認知度が低いです。寿司の事を知らないインド人が大勢いました。
そこで私は、国際的な企業が集まるバンガロールという地域に住んでいる人たちに向け、少しでも日本文化を知ってもらいたいと異文化理解の機会を作るプロジェクトを立ち上げました。インターンシップ先企業(人材育成業)でこのような機会を作ることで、職業的な視野を広げグローバルな意識の高い人材を1人でも多く輩出させる環境を作り、企業に貢献したいと考えたからです。
具体的に何を行ったかというと、
学習塾事業もしていた企業でしたので、通っている子供達(高校生~高校卒業生まで)向けに日本文化・将棋教室を開きました。日本のキャラクターからインフラ面まで、あらゆる角度から日本の良さを伝えるスライドを作り説明を行いました。
また実際に将棋(子供向け将棋のどうぶつ将棋を使用しました)をプレイしてもらい日本文化を直で感じてもらいました。子供たちからは「将来日本で働いてみたい」や「日本に興味を持った」という声が多数寄せられ本当にやってよかったなと思えました。
パッションを持ってプロジェクトを披露しやり遂げた後の子供たちの笑顔のおかげでインターンシップの疲れが全て吹っ飛びました!
その5 「どんな時でも笑顔でいるべし」
英語が通じない、インド訛りが強すぎて英語を聞き取れない、ネット環境が整っていない、毎日停電など日本の企業とは全く異なる環境で仕事をしていたためハードなインターンシップ生活でした。
しかし笑顔というのは世界共通で、たとえ言葉が通じなくてもすぐ馴染むことができ仲良くなれます。常に笑顔でいるように心がけていたため、警備員の方や近くのレストランの店員さんともすぐに仲良くなり、ハードだったインターンシップも難なく乗り越えることができました。
笑顔は共通言語以上の力を発揮するのだと痛感した瞬間でした。
番外編・休日も全力インド
オン・オフはしっかりと切り替えました。
インターンシップ中は1秒も時間を無駄にすることなく頭を使う、また休日はインドの文化・雰囲気を全力で楽しむことを意識していました。
インドで知り合ったネパール人の友達に世界遺産ハンピ遺跡へ連れて行ってもらうことがありました。ハンピ遺跡は14世紀から17世紀ごろヴィジャヤナガル王国の首都で、現在はハンピの建造物群として世界遺産に登録されている南インドではとても有名な遺跡です。
そこでは、インドが本場のヨガを体験しました。インド人は自分と向き合う時間をものすごく大切にしています。私もヨガに学んだインドマインドを日本に持ち帰って、日頃から内省する事を習慣化しています。
振り返って(海外で働くということ)
インドに来る前に想像していた海外インターンと全く異なり、自分の思い通りには行かず数々の失敗を経験しました。しかしこのインターンシップ経験を通じ主体性や創造性といった面はかなり身につけられたのではないかと思います。
また海外で働く上での課題も沢山見つかりました。
海外で働くにはビジネスマナーや日本での職務経験が必要であることもわかりました。
ですから自分のキャリアを考えた時に、いきなり海外で就職ということだけではなく日本でしっかりと基礎的な社会人力のようなものをつけてから、海外へとびたっていく方法もあるのではと思いました。
メッセージ
海外では何が起こるかなんて誰もわかりません。だからこそ想定外を楽しみ、現地の文化や価値観を受け入れ日本にいるときと同じように普通に過ごす。これが異国で生き抜くコツなのかもしれません!
【プロフィール】
永野正樹(ながのまさき)
1995年奈良県生まれ。近畿大学経営学部経営学科 3年生。
大学入学までは英語が一番の苦手教科。世界史の教科書に掲載されていたアンコールワットを生で見てみたいという甘い考えをきっかけに、大学入学前のモラトリアム期に東南アジアバックパック旅に出る。
そこで出会う現地の人々や旅人と交流する中で英語の必要性に気付き、英語学習に本格的に取り組み始める。
アカペラサークルで磨かれたボイスパーカッションを武器に世界の人々と交流し、海外の友達作りに没頭中。
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