2018.10.23
フェタチーズ?クネドリーキ?留学生に教えてもらった世界の名物料理
- Kindai Picks編集部
1990 View
「外国人ともっと仲良くなりたい!」そんなときに、言語を超えてググッと距離を縮められるツールが“食事”です。でも、外国の料理ってあんまり知らないですよね。そこで、今回は僕らが所属するIFMSA-KINDAIが企画した送別会で、留学生が作ってくれた「母国の名物料理」と、実際に食べてみた感想をご紹介します!
この記事をシェア
近畿大学医学部医学科4年生の松本悠佑(以下、松本)と、加藤正寛(以下、加藤)です!
私たちは、IFMSA(国際医学生連盟)※に加盟するIFMSA-KINDAI Exchange(以下、IFMSA-KINDAI) という、近大医学部公式の部活のメンバーです。
※IFMSA(国際医学生連盟):学生が主体となって運営する世界保健機関(WHO)公認の非営利・非政治的な国際NGO。130を超える国と地域が加盟しています。
IFMSAの最たる活動は「医学生主体の交換留学を行う」ことです。
留学生の募集、選定、受け入れる研究室や医局の手配、留学生のお世話などもIFMSAのメンバーが行います。
この形式で毎年2〜4名、世界中様々な国から近畿大学医学部へ留学生がやってきます! もちろん、私たちが留学に行くこともできます。
関西空港にての一コマ。左から松本、ジョージ・ロバスさん、加藤。
近畿大学内での主な活動は、受け入れた学生の生活をサポートしたり、遊びに行ったりして交流を深めることです。
帰国前の送別会では、留学生にその国ならではの料理を最後に振る舞ってもらっています。これは、「せっかく様々な国から留学生が来るのだから、その国の文化を味わいたい!」という想いから始まりました。
そこで今回は、留学生が振る舞ってくれた「母国の名物料理」をご紹介していきたいと思います。
料理という視点から、様々な国の文化を感じるのはとても面白いです。興味が湧いた方は作ってみるのもオススメです!
はじめの2品は加藤が紹介します!
ギリシャ:豪快にチーズを乗せた「グリークサラダ」
ギリシャ出身の留学生、ジョージ・ロバスさんが作ってくれたのは、ギリシャの伝統的なサラダ「Greek salad(グリークサラダ)」。またの名をVillage's saladと言って、チーズが特徴のサラダです。
オリーブ、トマト、タマネギの上に四角くカットしたチーズがドーンと乗った、豪快なビジュアル! 野菜よりもチーズが主役というサラダらしからぬメニューですね。しかも、味付けは塩とオリーブオイルだけ!
調理中のジョージ・ロバスさん。
「これは、ギリシャ特産のフェタチーズっていうものなんだ! 羊や山羊の乳で作られたチーズで、塩漬けにして熟成させるから、塩気が強くてそのままでもお酒のおつまみになるよ。ギリシャ人はみんな大好きさ。」(ジョージさん)
フェタチーズは、お酒のおつまみとしてそのまま食べることも多いらしい。
フェタチーズなんて初めて食べました。ツーンとした、鼻をつまみたくなるような匂いで、単品でたくさん食べるのはキツイですね……。チーズの食感は、口へ運ぶとポロポロ崩れていく感じ。サラダとしてタマネギと一緒に食べると、タマネギの辛さを抑えつつ、チーズの癖と打ち消しあっていい塩梅になります。食材そのものを味わって食べるという、サラダの食べ方からも異文化を感じる一品でした。(加藤)
スロベニア:ついつい手を伸ばしたくなる「グリッシーニのプロシュート巻き」~生ハムのおいしさにつられて~
次は、スロベニアからの留学生、チャーサ・ヘリテスさんが作ってくれた前菜、いやおつまみとも言うべき品「Prosciutto-wrapped Grissini(グリッシーニのプロシュート巻き)」を紹介します。
生ハムが美味しそう。これはもはや、おつまみですよね!! 「プロシュートといえばイタリア?」かと思いましたが、こちらは「Karst prosciutto(カルストプロシュート)」等と呼ばれるスロベニアの伝統的なプロシュートだそうです。
もう一方の材料のグリッシーニは、クラッカーのような食感が特徴的なスティック状の細長いパンです。
スロベニアからの留学生、チャーサ・ヘリテスさん。学内での華道体験後の一コマ。
「作り方は、とっても簡単なのよ! 生ハムのプロシュートをスティック状のグリッシーニに巻き付けるだけ。グリッシーニが手に入らなければ、プリッツで代用しても良いかも。」(チャーサさん)
手を汚さずに食べられるのが嬉しい一品ですね。生ハムの味についつい惹きつけられてしまい、何本も食べてしまいました。たくさん食べたくなる秘訣は、間違いなくグリッシーニ! 生ハムだけで食べるよりも、グリッシーニを一緒に食べたほうが味の濃さもちょうどよくなります。(加藤)
他にも「Walnuts and Cheese(ウォルナッツとチーズ)」というおつまみをいただきました。胡桃とチーズからなる単純なもので、「ナノチーズ」や「トルミンチーズ」というスロベニアの伝統的なチーズが特徴です。
そして、おつまみをいただくのに忘れちゃいけないのがお酒!!
スロベニアは、ワインで有名なフランスのボルドー地区と同じ緯度にあり、ワインの生産に恵まれた環境にあります。おいしいお酒があるからこそ、このような美味しいおつまみもあるのではないでしょうか。
スロベニアは1991年に旧ユーゴスラビアから独立した国で、イタリア、オーストリア、ハンガリー、クロアチアに囲まれています。それゆえ、スロベニア料理は歴史的な出来事や隣国との地理的な影響をたくさん受けていると聞きました。
特に、南部ではイタリアの影響を強く受けているそうです。おいしいスロベニア料理を食べる際には、そんな歴史的・地理的側面も思い出してもらえたら幸いです。
さて、ここからは松本が紹介します!
チェコ:甘くてさっぱり! フルーツ団子「クネドリーキ/クネーデル」
チェコ出身のダイアナ・ベドゥルニーチェコヴァさんが作ってくれたスイーツ、「Knedliky(クネドリーキ/クネーデル)」を紹介します!
クネドリーキは「団子」という意味です。フルーツの入った団子に、シナモンシュガー、シリアル、カッテージチーズがかかっています! 見た目からとてもおいしそうで、まさにヨーロッパのスイーツという感じですよね!
ダイアナさん誕生日会の一コマ。チェコ語で書かれた「誕生日おめでとう」に大喜びしてくれました!
「クネドリーキはスラブ系民族のあいだでよく食べられていて、準備もとても簡単なの。チェコ特有の、フルーツを使ったスイーツバージョンを食べてみて! スイーツとして食べることもあるけど、肉料理みたいにメインディッシュとして食べることもあるの。」(ダイアナさん)
もちもちの団子とさっぱりしたフルーツに加え、チーズのほのかな酸味とシナモンシュガーの甘さが相まって、本当にクセになるほどおいしく、おやつに最高です!チェコは、たくさんの歴史地区やオシャレな街が印象的な国です。チェコに行って、さらにおいしいものを味わいたくなりました!(松本)
ちなみに作り方は下記をご参照ください!
【必要な食材(3〜4人分)】
クリームカッテージチーズ 約500g
砂糖 大さじ4杯
塩 小さじ2杯
シリアル(farina) 約120g
ソフトバター/マーガリン 大さじ4杯
卵 2個(かき混ぜられたもの)
小麦 750g
プルーン/プラム/アプリコット 2ダース分くらい
もしくは
中切りサイズの桃/ネクタリン 12個くらい
【作り方】
①…フルーツ(桃・ネクタリン・プラム)をよく洗い、乾燥させる。軸があれば取る。
②…①で仕込んだフルーツとクリームカッテージチーズ、砂糖、塩、シリアル(調理されていないFarina)を合わせて、混ぜ合わせる。
③…②にやわらかくしたバターと、とき卵を加えて、よくかき混ぜながら少しづつ小麦を入れる。
④…③生地がまとまってきたら少しずつ切って、手に小麦粉を少しまぶしてからボール状にする。
⑤…ボール状にした生地を平たく伸ばしフルーツを包む。(餃子や和菓子のような感じ。)
⑥…沸騰させたお湯にフルーツ団子を入れ、くっつかないようかき混ぜる。
⑦…20分ほど煮込み、団子が浮かんできたら鍋から取り出す。
⑧…茹で上がった団子に溶かしたバターをかけて、シナモンシュガーを少しかける。お好みで、カッテージチーズやクレームフレーシュをつけて、完成!
※フルーツ全体の量は桃、ネクタリン、プラムのサイズに合わせて調整してください。
ノルウェー:欧風おかゆ「Porridge(ポリッジ)」
ノルウェーの留学生、マルテ・ホルスタさんが作ってくれた一品、「Porridge(ポリッジ)」(ミルク粥)を紹介します。
ポリッジは、1340年代に北欧のスカンディナビア半島で誕生した料理だそうです。調理法はとてもシンプル。牛乳に火をかけ、沸騰直前にご飯を入れる。そこに砂糖、シナモンパウダー、塩を入れ、器に入れた後バターをかけるとできあがり! 本場ではライスではなく、オーツ麦や小麦などを使うそうです。
ノルウェーの留学生、マルテさん。
「スカンディナビアの伝統的なライスポリッジ、是非食べてみてね! ノルウェー、スウェーデン、デンマークでは休日でも平日でも、愛する家族と食べるあったかくておいしい食事なの。」(マルテさん)
ご飯に牛乳!? と思うかもしれませんが、シナモンの利いた甘い味わいで、とってもおいしいです! とても簡単に作れるので、オススメの一品です! ちなみに僕は、今でもたまに食べています! ただし、高カロリーなので作りすぎは要注意。(松本)
マルテさんの出身はノルウェーでも田舎のほうで、とっても美しい自然と街が身近にあるそうです。僕も、友達になったからにはいつか遊びに行きたい国になりました。漁業・農業・牧畜・林業などが盛んで、そこで採れる水・麦などを生かすことで、ポリッジのような料理もできたんだろうな、と感じました。
みなさん、いかがでしたか?
留学生によって、紹介してくれる料理のジャンルも様々。
もしこの記事を見て少しでも世界の料理に興味が湧いたら、ぜひ作って、味わってみてください!
もしかすると「胃袋から国際化」していくことが、海外への興味のきっかけになるかもしれませんよ。
(終わり)
ライタープロフィール
松本 悠佑(まつもと ゆうすけ)
近畿大学 医学部 4年
2017年度IFMSA-KINDAI Exchange部部長。語学力向上のために積極的に留学生と交流を続けて来ました! 今秋11月には全国BLS選手権(心肺蘇生法の質を競う大会)に出場します!
ライタープロフィール
加藤 正寛(かとう まさひろ)
近畿大学 医学部 4年
"Do what you want, and accept your consequences" がモットー。医学だけでなく、趣味から旅行や遊び、そして新しいこと等、やりたいことを日々楽しんだ結果が今の加藤正寛です。
編集:人間編集部
この記事をシェア