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2026.09.10

受験生の保護者必見!脳に必要なのはビタミンC!?受験生の力を最大限に引き出す食事とは?

Kindai Picks編集部

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受験シーズンが近づくと、「何を食べれば集中力が続くの?」「受験前日や当日の食事はどうすればいい?」と悩む人は少なくありません。受験生の頑張りをそばで支える保護者にとっても、日々の食事は気になるテーマです。毎日の食事や睡眠、受験当日の食べ方まで、ちょっとした工夫が本番で実力を発揮するための土台になります。今回は、近畿大学農学部食品栄養学科 准教授の森島真幸に、受験生を食事面からサポートするポイントや、保護者ができる関わり方について聞きました。

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森島真幸
森島真幸(もりしま まさき)
近畿大学 農学部 食品栄養学科 准教授
「持続可能な食環境づくり」から疾患の一次予防を目指す研究を行っています。特に食品由来成分を活用し、生活習慣病、特に心疾患の発症や重症化予防に向けた一次予防方法の創出を目指しています。

教員情報詳細

受験期の土台をつくる日々の食事

森島真幸先生

魚は「頭に良い」?


――受験に向けて長期的に見たとき、普段からどのような食事を意識するとよいですか?

森島真幸先生
農学部・森島
日頃から魚を取り入れた食事がおすすめです。受験の験担ぎとしてとんかつを食べる方もおられますが、揚げ物ですので脂が多く、胃もたれもしやすいため、あまりおすすめはできません。魚を食べる場合には、生の刺身よりも焼き魚や煮魚など、加熱したものを選ぶと安心です。緊張しているときや、体力が落ちているときに生魚を食べると、お腹がゆるくなることがあるためです。

魚にはDHAやEPAなどを含む良質な油が多く含まれています。魚介類に多く含まれる油である多価不飽和脂肪酸は食事から摂取するべき栄養素でもあり、脳では神経伝達を助ける作用があるため、脳の活性化や集中力アップ、記憶力の維持につながります。これらは、普段の食事からの摂取はむずかしく、意識しないとなかなか取れない栄養素なんです。魚以外ならナッツ類にも良質な脂質が含まれるため、組合せて取り入れるとよいでしょう。


肉を食べるなら、脂肪の少ないものを


――魚がよいとは分かっていても、お肉が好きな学生さんも多いと思います。お肉を食べるなら、どんなメニューがよいでしょうか。

森島先生
農学部・森島
魚が第一候補ですが、お肉なら高タンパクで脂肪の少ない「ささみ」や「鶏むね肉」がおすすめです。タンパク質は免疫機能を維持するために欠かせない栄養素で、不足すると感染症にかかりやすくなるため、インフルエンザが流行する受験シーズンは特に意識して摂ることが大切です。
また、ささみや鶏むね肉は脂肪が少なく消化しやすいのも特徴です。一方で、牛肉や豚肉の脂は固まりやすく、摂りすぎると体脂肪や血液中の脂質が増える原因になることがあります。魚のような良質な油を含む食品を取り入れつつ、お肉を選ぶ際はささみや鶏むね肉を中心にするとよいでしょう。コンビニで手軽に購入できるサラダチキンもおすすめです。

普段から脂肪分を摂りすぎず、脂を摂るなら魚の油を選ぶことを意識しましょう。毎日完璧を目指す必要はありませんが、受験当日も実力を発揮できるよう、日頃から胃に負担をかけにくい食事に慣れておくことが大切です。

炭水化物は、お米がおすすめ

――炭水化物を食べる時はパンや麺よりも、お米の方がよいのでしょうか。

森島先生
農学部・森島
食べ物の中でも、炭水化物は比較的消化しやすい一方で、脂質は胃の中での消化に時間がかかるため、胃に長く残りやすい特徴があります。パンやラーメンなど脂質の多い食事は胃への負担が大きくなり、胃もたれや不快感から勉強に集中しにくくなることがありますから、炭水化物はお米の方がよいでしょう。

脳に必要なのはビタミンC!?

――受験期に意識して摂った方がよい栄養素はありますか。

森島先生
農学部・森島
おすすめはビタミンCです。脳はグルコース(糖)をエネルギーとして働きますが、正常な機能を維持するためにはビタミンCも欠かせません。人間は体内でビタミンCをつくることができないため、食べ物や飲み物から補う必要があります。体内でビタミンCが不足する状態であっても、体は優先的に脳へビタミンCを届けようとするほど脳にとって重要な栄養素です。

――手軽にビタミンCを摂るには、どんな食品がよいですか。

森島先生
農学部・森島
みかんやオレンジ、グレープフルーツなどの柑橘類がおすすめです。毎日の夕食にみかんを1個添えるだけでも、無理なく続けられます。果物を食べる機会が少ない人は年々増加しているため、果物を食べるのが難しい場合には、果汁100%のオレンジジュースやグレープフルーツジュースを取り入れてもよいでしょう。
ビタミンC入りのタブレットや飴、サプリメントを活用する方法もありますが、できれば果物そのものを食べるのが理想です。
ビタミンCは免疫機能の維持にも役立つため、受験期の体調管理にもつながります。感染症や体調不良で実力を発揮できないことを防ぐためにも、日頃から果物を取り入れ、栄養バランスのよい食事を心がけることが大切です。

受験生に必要な栄養素

部活引退から受験生活へ切り替える際の食事

――運動部に所属していた場合、部活を引退して受験勉強中心の生活になると、運動量が減ります。食事量はどのように調整すればよいでしょうか。

森島先生
農学部・森島
急に食事量を減らすのではなく、まずは海藻や野菜を先に食べ、よく噛むことを意識しましょう。食べる順番を工夫するだけでも満腹感が得られやすくなります。

――野菜から先に食べるのは大切だと思いますが、食べ盛りの学生さんだと「野菜だけでは物足りない」と感じることもあると思います。その場合は、どのようなものを組み合わせるとよいでしょうか。

森島先生
農学部・森島
キャベツなどの葉物野菜だけでは続けにくいため、例えばサラダに、蒸した豆類、豆腐やチーズ、ささみ、ナッツなどをトッピングするのがおすすめです。食べ応えが増すだけでなく、自然と噛む回数も増え、満腹感につながります。受験生にかぎらず、現在の日本人の野菜の摂取量は目標量(1日350g)よりも約100gほど少ないです。野菜を積極的に食べることで、不足しがちなビタミンやミネラル類、食物繊維が摂取でき栄養バランスも整えやすくなるため、受験期の食事にも適しています。

――受験期でも運動はした方がよいのでしょうか。

森島先生
農学部・森島
適度な運動は脳の活性化につながります。受験直前に激しい運動をする人はあまりいないと思いますが、20分程度のウォーキングや自転車などの有酸素運動がおすすめです。普段の通学で歩いたり、自転車に乗ったりしている場合はそれでも十分です。運動不足を感じる人は、少し遠回りして歩くなど、日常生活の中で体を動かすことを意識すると、気分転換や集中力アップにも役立ちます。


勉強の合間の間食・夜食、どう考える? 睡眠時間はどれくらい必要?

受験生の夜食

間食や夜食は食べてもいい?

――勉強中にどうしてもお腹が空いてしまう時、受験生の間食には、どんなものがよいでしょうか。

森島先生
農学部・森島
お腹が空いて集中できないときは、おにぎりがおすすめです。かつおぶし、じゃこ、ごま、のりなどを混ぜると栄養価も高まります。補食として取り入れるほか、消化のよいうどんも適しています。
手軽に食べられるチーズも良いでしょう。チーズは、神経伝達物質であるアドレナリンやドーパミンを作るもととなるアミノ酸「チロシン」を豊富に含む食品のひとつです。やる気や集中力を高める効果があります。
また、ナッツにも「チロシン」が豊富に含まれているほか、ナッツに多く含まれる不飽和脂肪酸は脳が元気に働くための重要な栄養素です。特にクルミに含まれるオメガ3多価不飽和脂肪酸は、脳の神経伝達スピードを正常に保つ効果があるので、間食におすすめです。ナッツを咀嚼することで脳を刺激し、脳の活性化につながります。

――夜遅くまで勉強していてお腹が空いたら、夜食は食べてもよいのでしょうか。

森島先生
農学部・森島
お腹が空いて眠れない場合は、無理に我慢するよりも、おにぎり1個程度の少量の夜食を食べる方がよいでしょう。消化のよいうどんやバナナもおすすめです。一方で、ラーメンは脂質が多く胃に負担がかかるため、夜食にはあまり向いていません。
ただし、夜遅くまで勉強を続けることが必ずしも効率的とは限りません。できれば日付が変わるまでには就寝し、6〜7時間以上の睡眠を確保することが大切です。

睡眠を削るより、朝に勉強する

――受験生は少しでも勉強時間を増やそうと、睡眠を削ってしまいがちです。

森島先生
農学部・森島
睡眠不足では脳が十分に働かず、勉強の効率も下がってしまいます。通学中などの隙間時間を活用しながら学習時間を確保し、頭をしっかり休ませることを優先しましょう。
おすすめは、夜更かしをするよりも早く寝て早起きする規則正しい生活です。例えば、午後10時に寝て午前6時に起き、朝食前に1時間勉強する方法もよいでしょう。十分な睡眠を取った後は頭がすっきりして集中しやすく、効率よく学習できます。

――睡眠不足だと、食べた栄養も十分に活かされないのでしょうか。

森島先生
農学部・森島
食事からとった栄養素は、睡眠不足であっても体に取り込まれます。しかし、睡眠が不足すると精神的な安定を保ちにくくなり、体調や集中力、緊張への耐性などにも影響します。受験本番で実力を発揮するためにも、食事だけでなく十分な睡眠をセットで考えることが大切です。

朝食は必ず食べる

――朝食は、しっかり食べた方がよいのでしょうか。

森島先生
農学部・森島
寝起きは食欲がない人もいますが、ヨーグルトやチーズ、牛乳などの乳製品に加え、みかんなどの果物、おにぎりや食パンなどの炭水化物を少しでも食べることが大切です。朝食を取ることで脳や体が目覚め、集中力を維持しやすくなります。

――時間がない日は、ゼリー飲料だけでも大丈夫でしょうか。

森島先生
農学部・森島
毎日ゼリー飲料だけにするのはおすすめできませんが、食欲や時間がない日に何も食べないよりは取り入れるとよいでしょう。可能であれば、ヨーグルトやチーズ、牛乳、豆乳などを組み合わせてタンパク質も補いましょう。固形物が食べにくい朝でも、ヨーグルトなどの乳製品は無理なく栄養を取り入れられます。

――忙しい家庭でも続けやすい朝食の工夫はありますか。

森島先生
農学部・森島
前日の夜に、残ったご飯でおにぎりを作ったり、果物を切っておいたり、ゆで卵を作って冷蔵庫に入れておくなど、あらかじめ準備しておくと便利です。家族それぞれ出発時間が違う家庭でも、自分のタイミングで食べられるように「すぐに食べられる形で準備」しておくと、朝食を抜かずに済みます。完璧な献立を目指すよりも、「朝に何か食べる習慣」を続けることが何より大切です。


受験生の定番「ラムネ・チョコ」 勉強中から受験当日までの取り入れ方

ラムネとチョコレート

――受験勉強中や受験当日に、ラムネなどの甘いものにはどのような効果がありますか。

森島先生
農学部・森島
ラムネは、主成分のブドウ糖が脳のエネルギー源となり、集中力を高める効果が期待できます。頭が疲れてぼんやりしたときや、受験当日の休憩時間など、短期的に脳を活性化させたい場面で効果が期待できます。特に試験中は緊張によって普段よりエネルギーを消費しているため、1科目が終わった後に少量食べるのはおすすめです。
ただし、ラムネは糖分も多いので、日常的な間食としては、くるみやアーモンドなどのナッツ類、チーズ、ヨーグルト、ささみや鶏むね肉など、栄養価の高い食品を選ぶ方がよいでしょう。

――ラムネはどのくらい食べるのが適量ですか。

森島先生
農学部・森島
目安は1時間に3〜5粒程度です。「頭がすっきりした」と感じたら、それ以上は食べないようにしましょう。一度にたくさん食べると血糖値が急激に上がり、その反動で眠気が出る可能性があります。試験中の集中力を保つためにも、必要なタイミングで少量ずつ食べることが大切です。
また、甘いだけのラムネよりも、レモン味や梅味など酸味のあるものや、ビタミンC入りの商品を選ぶと栄養も取れますし、食べすぎを防ぎやすくなります。

――チョコレートは受験勉強中のおやつとして向いていますか。

森島先生
農学部・森島
チョコレートを選ぶなら、カカオ70%前後の高カカオチョコレートがおすすめです。カカオにはポリフェノールが含まれており、脳の血流量を増やす効果があります。アーモンド入りの商品もよいでしょう。ただし、チョコレートは脂質が多いため、食べすぎには注意が必要です。夜食や休憩中に食べる場合も、少量を意識するとよいでしょう。

――受験当日の休憩時間には、ラムネとチョコレートのどちらがよいでしょうか。

森島先生
農学部・森島
すぐに頭をすっきりさせたいのであれば、ラムネがよいでしょう。ラムネはブドウ糖を主成分とするものが多く、体内で素早く利用されるため、短時間でエネルギー補給ができます。一方、チョコレートは栄養面でのメリットはありますが、即効性という点ではラムネに及びません。食べすぎは避け、必要な量を上手に取り入れることが、受験当日のコンディション維持につながります。食べ過ぎないように少し酸っぱいラムネなどを選ぶのもおすすめです。


いよいよ受験本番! 当日の食事で気をつけたいこと

試験会場

――受験当日は緊張して昼食が食べられないこともあると思います。どのような準備をしておくと安心でしょうか。

森島先生
農学部・森島
受験当日は緊張から食欲が落ちて、お弁当が食べられないこともあります。しかし、何も食べずに午後の試験へ臨むのは避けたいところです。そのため、普段のお弁当やおにぎりに加え、カロリーメイトやゼリー飲料などの栄養補給食品、バナナ、ラムネ、水や麦茶などを持参しておくと安心です。保護者の方が「お弁当が食べられなかったら、これを食べてね」と一言添えて準備しておくだけでも、受験生の安心感につながります。

――受験当日は糖質をしっかり取った方がよいのでしょうか。

森島先生
農学部・森島
糖質を多く含む炭水化物は消化がよくエネルギー補給に適していますが、一度に食べすぎるのはおすすめできません。量が多いと胃に負担がかかり、血糖値が急激に上がることで眠気につながりやすくなります。受験当日は緊張で普段よりエネルギーを消費しやすいため、少量ずつ糖分を補給しながら、バランスよく食べることが大切です。

――エナジードリンクを飲むのは効果がありますか。

森島先生
農学部・森島
受験当日の朝や試験前など「ここぞ」というタイミングで飲むのであれば問題ありません。体が活性化するだけでなく、「これを飲んだから大丈夫」という安心感につながる人もいます。ただし、体を叩き起こすような強い作用があり、糖分も多く含んでいるため普段から習慣的に飲むのではなく、本番のお守りのような位置づけで活用するようにするとよいでしょう。

――前日から当日にかけて、保護者が意識しておきたいことはありますか。

森島先生
農学部・森島
受験本番は、普段とは違う緊張状態になるため、「いつも通りに食べられないかもしれない」という前提で準備することが大切です。万が一お弁当が食べられなくても慌てずに済むよう、栄養補給食品やゼリー飲料など複数の選択肢を準備して送り出すことが、受験生の心強い支えになります。


保護者ができる一番のサポートとは

森島先生

――最後に、受験生の保護者へメッセージをお願いします。

森島先生
農学部・森島
一番大切なのは、本人を信じて見守ることだと思います。保護者は心配だからこそ、勉強の進み具合や生活について、つい口を出したくなります。しかし、受験のプレッシャーや不安の中にいるのは本人です。だからこそ、一歩引いた距離感で寄り添い、必要なときに支える姿勢が何より大切だと感じています。

もちろん、保護者にしかできない役割もあります。それは受験生の体調管理を支えることです。十分な睡眠が取れているか、食事はきちんと食べられているか、栄養バランスは偏っていないか、風邪や感染症の予防ができているか。こうした健康面を整えることは、受験本番で力を発揮するための大きな支えになります。また、受験生だけでなく家族もバランスの良い食事や体調管理を心がけ、家庭内に感染症を持ち込まない意識も大切です。

そして、家は受験生にとって安心して休める場所であってほしいと思います。学校や塾で一日中頑張り、緊張やストレスを抱えて帰宅したときに、まずはほっと一息つける環境が必要です。「勉強しなさい」と急かすのではなく、心と体を落ち着かせられる時間をつくることが、次の日への力につながります。本人を信じ、健康を支え、安心して帰れる場所を用意すること。それが保護者にできる一番のサポートではないでしょうか。


取材を終えて

今回の取材を通して、受験は勉強だけでなく「食」でも支えられることを改めて実感しました。同時に、自分が受験生だった頃、母が作ってくれたお弁当や「根を詰めすぎないでね」と渡してくれた夜食のおにぎりを思い出しました。何を食べるかだけでなく、その食事に込められた気遣いが大きな支えだったのだと思います。この記事が受験生や保護者の皆さんの力となり、春にはみなさんが笑顔で桜を迎えられることを心から願っています。


この記事を書いた人
橋本 菜津美(はしもと なつみ)
シンガーソングライターとして活動する傍ら、ライターとして人物や地域、文化、鉄道にまつわる取材・執筆を行っています。イベントMCや企画運営など幅広く活動し、現場で培ったコミュニケーション力を生かして、一人ひとりの想いや魅力を丁寧に言葉にすることを大切にしています。


取材・執筆:橋本菜津美
編集:アール・プランニング

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