2023.03.30
日本はメイドカフェ、中国はメイドゲームバー!?「メイド文化」の中で求めるものの違いを探してみた
- Kindai Picks編集部
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秋葉原発祥、日本の萌え文化の象徴のひとつとして世界で知られた「メイドカフェ」ですが、中国では「メイドとゲームで遊べるバー」に変貌しています。しかもメイドに悩みを相談したり、大人数でゲームをプレイしたり、日本のメイドカフェとは雰囲気も全く違います。中国から日本に留学中の学生ライターが、中国の「メイドカフェ文化」がなぜ日本とは違う道をたどったのか、理由を調査してみました!
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こんにちは、近畿大学 文芸学部 文化デザイン学科のハートちゃんと申します。私は中国出身ですが、日本のアニメ文化が好きなので日本に留学しています。
私は普段、大学に通ってキャンパスライフを満喫していますが、授業が終わったら近鉄電車に乗って自宅に帰宅するのではなく、「お屋敷に帰宅」しています。「自宅に帰宅」と「お屋敷に帰宅」……どう違うのかわかりましたか? 「お屋敷に帰宅」とは、メイドカフェを訪れることを指します。
実は私、「メイドカフェ」にハマっているんです!
「お帰りなさいませ、ご主人様・お嬢様!」
みなさんは「メイドカフェ」をご存知ですか? カワイイ女の子たちがメイド服に身をつつみ、メイドになりきって、お客様を家主のように見立てて給仕などを行うところです。店舗のことを「お屋敷」と呼び、お客様はお屋敷の「主人」なので「ご帰宅」という表現になるというわけです。メイドカフェは20年ほど前から流行しはじめ、当初のお客さんは男性の「ご主人様」がほとんどでしたが、最近は私のような女性客、いわゆる「お嬢様」も増えています。
メイドさんがオムライスにかわいい絵を描いてくれたり、一緒に「萌え萌えきゅん」とおまじないをかけたり、その場でプリントできる写真「チェキ」をメイドさんとツーショットで撮ったり、メイドさんのグッズを買ったり、楽しみ方はさまざまです。
私は2020年に初めてメイドカフェを訪れました。そして2021年に「推しメイド」と出会い、それをきっかけにメイドカフェにハマりました。
私はカワイイ女の子が大好きで、メイドさんに会えるのはもちろん嬉しいですし、なにより一緒にツーショットを撮るのが大好きなタイプ。家はメイドさんとのチェキだらけで、チェキ用の収納ファイルは何冊買っても足りない状況です。
大学が春休みに入り、コロナ禍以来一度も帰れなかった中国の実家に帰省しようと考えていた際に「中国のメイドカフェには行ったことがないし、せっかく帰省するなら中国のメイドカフェにも行ってみたい!」とふと思いつき、調べてみました。
日本でメイドカフェが一般的に知られるようになったのは、2005年ごろ。日本でのブームのあとに、中国でも日本のようなスタイルのメイドカフェがオープンしていたはず! しかし、調べてみると驚くべきことがわかりました!
なんと、現在の中国では日本のようなカフェはほとんどなくなり、メイドと一緒に遊ぶボードゲームバーが主流のようです!
中国には「萌え萌えきゅん」も、ツーショットチェキも存在していないということですか?
メイドカフェ好きとしては気になることばかり。なぜ日本と中国のメイドカフェ文化が違う道をたどったのか、理由を調査することにしました!
大阪のメイドカフェに突撃取材! 「推しメイド」から全部聞いちゃいます!
中国のメイド文化を深堀りする前に、まずは私が日本でよく帰宅する「あっとほぉーむカフェ大阪本店」さんを取材し、日本でのメイドカフェのスタイルや、働くメイドさんについてお話を聞いてみたいと思います。今回お話をうかがったのは……私の「推しメイド」のねるぷさんです!
ねるぷさん、めっちゃくちゃかわいいでしょう?
ねるぷさんは、あっとほぉーむカフェのなかでも「プレミアムメイド」という特別なメイドさんです。襟元のリボンも通常はピンクですが、イメージカラーの「キュアスリープブルー」にしています! さすがです!
ご帰宅するとベルを鳴らしながら「お帰りなさいませ、お嬢様」と挨拶してくれます
ねるぷさん、本日もよろしくお願いいたします! はぁ……いつも会いに来てるのに緊張します!! 今日もかわいいですね……さすが推し様~。
いえいえ、こちらこそいつもご帰宅ありがとうございます!
あっとほぉーむカフェで発行される「ご主人様・お嬢様認定証」。最初はブロンズですが、50回以上ご帰宅しているとゴールドにアップグレードされます。
早速ですが、メイドさんの視点から普段のお仕事について教えてください。
やはりカフェですので、お飲み物やお食事のお給仕は大事ですね。そこにプラスアルファで、美味しくなるように「萌え萌えきゅん」で愛を込めるというのがメイドカフェだと思っています。
ねるぷさんがオムライスにお絵描きしています。やっぱり何度見てもめっちゃかわいいです。すき。
「Kindai Picks特製オムライスセット」が完成!!!
ベースはカフェで、その上でメイドから提供される「萌え萌え文化」みたいなものがありますね。チェキ撮影もメイドカフェ特有の文化ですよね。一緒に撮るチェキ、大好きです!
超かわいいメイドさんと、近距離で一緒に写真が撮れるんですよ!? あ〜〜! 私はいくら払えばいいんですか!?
あ〜、すみません! 今日は取材でした。あっとほぉーむカフェさんにご帰宅されるのは、どのようなご主人様・お嬢様が多いですか?
最近は、性別や年齢にあまり偏りはない気がしますね。長年ご帰宅してくださっているご主人様ももちろんたくさんいらっしゃいますけど、高校生や大学生の方も結構増えました。最近ではお嬢様も本当にたくさんいらっしゃって、ご主人様よりお嬢様の方が多い日もあります。
一般的なイメージとは違いますね! 女の子のお客さんの方が多い日もあるとは思っていなかったです。
あっとほぉーむカフェではサンリオさんなどとコラボもしているので、それをきっかけにご帰宅したお嬢様が「推し」を見つけて、再度ご帰宅するということが多いようです。
出た! サンリオコラボ!! 私の初帰宅もその時ですね(笑)。ずっと気になっていたんですが、ねるぷさんはなぜメイドさんになったのですか?
SNSで気になっていたメイドさんが、秋葉原のあっとほぉーむカフェのメイドさんだったんです。ご帰宅した時に「メイドになったらいいのに!」と言われて、お世辞だと思っていたらそのあとのSNSでのやりとりで新しくオープンする大阪本店のメイド応募フォームが送られてきて。それをきっかけにメイドになりました。
ほかのみんなは、メイドさんになる理由っていうのはどのようなものが多かったですか?
やっぱり「興味」が多かったですね。あとは、キラキラのメイドさんを見て、「かわいい!」「私もあんなふうになりたい!」という変身願望があって入ったとか。ほかには元々演劇をしていて、自分の表現力をさらに上げるために給仕したいという方もいますね。
表現力というと、メイドとしてのキャラクターや個性を作るのは大変じゃないですか?
私の場合はわざわざ作るのではなく、自分の本当の「好き」をアピールすることでそれがキャラクターとして成り立っているのだと思います。ほかの職業でも……例えばレストランのウェイトレスさんとして働いている人でも、仕事をしているときと遊んでいるときって同じではないですよね。
制服に着替えて仕事とプライベートを切り替えるように、メイド服を着てスイッチオンみたいな感じですね(笑)
自分は「水色が好き」っていうキャラを作りたいとかじゃなくて、本当にこのリボンが好きで、この色をつけています。最初はキャラクターがなくても、自分の好みや個性を集めれば、ひとつのキャラクターになったような感じの子が多いと思います。
そんないろいろなキャラクターのメイドさんがいるから「推し」が見つかりやすいのかもしれないですね。
そしてメイド服の下には、それぞれかわいい女の子がいます。ご主人様・お嬢様は、最初はメイドとしてのキャラクターに興味を持って、ご帰宅してくれるのかもしれません。でも、喋ってると段々メイドと接している感覚から変化して、1人の女の子と話している感覚になっていくんじゃないでしょうか。
すごく哲学的……! 確かにメイドさんとおしゃべりするのは楽しいです。ねるぷさんはお客さんとのやりとりで、もらって嬉しかったプレゼントなど、特に印象深いことはありますか?
お花やお手紙は嬉しいですね。お花は花言葉や相手の好きな色など、いろいろ考えないと贈れないプレゼントですし、お手紙は何年も残せるものですし、読みかえすことにより再びメイドとしての自信をつけることができるので、すごく嬉しいプレゼントです。
でも、どれだけ仲良くなってもメイドさんはご主人様と友達にはなれないですよね。
私たちはご主人様・お嬢様に「お仕えしているメイド」なので、友達みたいになんでも話せるぐらい仲良くなれても、その線引きを超えることはできません。
でもやっぱり人によって、一方的にメイドさんと友達になりたいという思いを持つご主人様はいますか?
ご主人様が帰宅してくださって、お屋敷でお話する分には、なにも変わりないと思います。でもあくまでお屋敷という場所があってこその関係なので「お屋敷でお会いできるのを楽しみにしています」ということになりますね!
やはり「帰宅しないとかわいいメイドさんとは会えません」と考えると、お屋敷は間違いなく魔法のある素敵な場所ですね! ねるぷさん、ありがとうございました!
中国のメイドゲームバーってどんなところ? 現役メイドさんに徹底聞き込み!
続いて、中国のお店で働くメイドさんに、お店の業態やお仕事についてお話を聞いてみることにしました。調べたところ、中国では2005年に最初のメイドカフェがオープンしたと言われていて、そのころは日本と同じようなスタイルだったようです。しかし日本のように定着せず、2019年ごろには店舗数も激減してしまったそうです。そこで、ボードゲームやビデオゲームをメイドさんと一緒に遊べるお店という業態にしたところ、人気が集まり、今は次々とお店がオープンしているのだとか。
今回、オンラインでの取材を引き受けてくれたのは、北京にある「NiceUnicorn女仆桌游馆」のメイド「鏡(かがみ)ちゃん」です!
おお! 日本のメイドさんに負けず、とってもかわいいですね。服装がメイド服ではなくチャイナ服とロリィタファッションが合わさった「中華風ロリィタ」なところも気になります。お店の業態や雰囲気、ルールについていろいろと聞いてみましょう!
初めまして、よろしくお願いいたします! 早速ですが、鏡ちゃんがいるお店について紹介してもらえますか?
うちは「メイドゲームバー」といって、メイドとお客様がPlayStationやNintendo Switchなどのゲーム機やボードゲームで遊んだり、グループで雑談をしたり、一緒に映画を観たりしています。
なるほど。日本とは完全に違って、ゲームを中心にしていますね。
あとは1人のお客様は少ない方で、多いのは3〜5人のグループや女子会、またはカップルなんです。大人数の方がゲームをより楽しめますから。グループごとに個室で接客します。
そうなんですか! まるでカラオケのようですね! 中国では、いつごろから「メイドゲームバー」は増えてきたんですか?
10年ほど前は日本のようなメイドカフェが多かったんですが、短期間で閉まったお店もたくさんあります。そのあとに新しい店が続々とできて、5年前ぐらいから現在の「一緒にゲームをする」というゲームバー風の店が増えたという感じがしますね。
なるほど。あと、気になっていたのですが、今日の衣装めっちゃかわいいですね! これはお店の制服ですか? メイド服じゃないんですね?
うちには制服がないんですよ。衣装は自分で用意することが多くて、ロリィタ、中華風や制服風、いわゆる「二次元の女の子っぽく見える服」であればOKですよ。
そこまで自由でいいのか!
日本のメイドカフェでは、「仕事帰りに寄って夕食もメイドカフェで食べよう」という常連客もいますが、中国ではどうですか?
うちではフードメニューは軽食だけで、ちゃんとした食事が用意されていないんですよ。
食事がないんですか!? じゃあ、メイドカフェ定番のオムライスは? メイドさんのお絵描き「萌え萌えきゅん」もないんですか!?
そうですね(苦笑)。日本のメイドカフェのような「お決まり」の接客形式は特になくて、自分が丁寧だと思う接客をすればよい、という考え方です。
大ショック……。ですが「メイドゲームバー」ですので、二次元やゲーム好きの「オタク」のお客さんがきっと多いですよね。
本格的なオタクのお客さんはそんなに多くはなくて、アミューズメント的な「非日常体験」を求めていらっしゃる方や、「一緒にゲームをやりたい」「雑談したい」ということを目当てに来店するお客様が多いと感じています。
「非日常体験」なら、チェキ写真やメイドさん個人のグッズはよく売れているはずですよね!?
販売はありますが、カウンターにブロマイドを置くくらいですね。チェキを撮るのは別料金と伝えると、「じゃあいいです」と言う方が結構いらっしゃいます。
せっかくだから記念として残す方が絶対いいと思いますよ……。
メイド文化に初めて触れるお客様からみると、メイドとの交流はおままごとのようで「もう大人なのに、なにその幼い遊び方?」と違和感がある方も少なくないようです。
確かに中国では、「ゲームは子供向けの遊び」という偏見があるかも。
はい、ゲームやメイド文化を理解しにくい中高年層とは、どうしても距離が生じてしまいますね。でも最近は「抖音 (ドウイン)」(TikTokの中国版)でバズった投稿のおかげで、メイド服、ロリィタファッション、制服やコスプレがサブカルチャーの一部として広がっていて、年配の方も受け入れやすくなりました。
私も中高生の時にロリィタファッションにハマった経験がありますが、以前はそのような服は「変な服」と呼ばれた印象がありますね。ちなみに、鏡ちゃんが実際にメイドをやっていて、印象深いお客様はいますか?
ほかのメイドが接客していたお客さんの話ですが、グループで来ていたお客さんのうちの1人が、ゲーム中に職場の愚痴を話して、急に泣き出してしまったことがありました。
ええ? いきなり泣いてしまったんですか? その状況も驚きですが、お客さんがそこまで個人的な話をメイドにしているのもびっくりです。
お客様のうち、半分くらいは自分の私生活の話をされますよ。私たちも、良識がある方や常連さんにはプライベートな話をしますね。
日本のメイドカフェよりも友達感覚なイメージなんですね。でも、もし嫌なお客様がいたら……?
自分の判断で距離を保ちますね。できる限りそのようなお客様と接しないようにします。
ド直球対応ですか! 日本だとなかなか接客自体を拒否されることは見られないと思います。やはり中国と日本はいろんな違いがありますね。鏡ちゃん、ありがとうございました!
お屋敷とゲームバーのいろんな違いはどこから生まれたの? 先生に聞いてみた
インタビューをしてみると、日本と中国それぞれのお店は「メイド」をテーマにしながらも、違いがとても多いことに気づきました!なぜこのような違いが生じているのか、中国近現代史を専門とされている上田 貴子先生にお話を聞いてみました。
上田 貴子
文芸学部 文化・歴史学科 総合文化研究科 教授
近代の東北アジアにおける人の移動と、それにともなう都市社会の形成に関心をもつ。瀋陽・哈爾濱などの旧満洲地域の都市を扱う。
教員情報詳細
上田先生こんにちは! 本日はどうぞよろしくお願いいたします!
よろしくお願いいたします。
日本のメイドカフェと中国のメイドゲームバーを取材してみましたが、両者は完全に違う業態になっていました。先生は、なぜ中国では「メイドカフェ」ではなく「メイドゲームバー」が多くなったと思いますか?
日本のメイドカフェでは主役はメイドさんですが、中国のお店はメイド風の女の子が接客してはいるけれど、お客さんが求めるものはゲームですよね。日本でもボードゲームのお店は増えていますが、日本のいわゆる「ゲームオタク」は、気心が知れた同じ趣味仲間と家でオンラインで遊びたいというタイプが多いんじゃないでしょうか。
そんなに社交性がないんですか!?
オタク仲間とネットではやりとりできるけれども、頻繁にリアルで会って遊ぶのは苦手で、わざわざ店にゲームに行くのはしんどい……というイメージかな。
私は「空気を読み合う」ということを日本に来てから初めて知りましたが、そういうのがしんどいのでしょうか。
メイドカフェなら、メイドカフェの「お約束」に沿って行動しますよね。
そうですね。例えばメニューを注文したら「萌え萌えきゅん」をしてくれるとか。私がよく行くメイドカフェではチェキに書く文字も決まっています。
日常生活では空気を読んで行動しないといけないですが、メイドカフェに来たら「お約束」のルールを守ればもう空気を読まなくてもいい、という安心感が得られます。「お約束」を理解して、その流れが大好きな人はフローに乗っかることで癒されますよね。
確かに、中国のメイドゲームバーには接客マニュアルがほとんどないと聞きました。中国では「お約束作り」は必要なさそうですね。
中国人はその場の空気を読んで合わせるよりは、自分でその場の空気を作り出すほうが好きなのではないでしょうか。マニュアルに沿うのではなく、自分らしくふるまい、他人から応えてもらうという形です。日本のメイドカフェではある意味ロールプレイングを行う場になっていて、お客さんは「ご主人様・お嬢様」というペルソナをつけて、メイドさんの給仕を受ける形になっています。
確かに「メイド」と「ご主人様」という、それぞれの立場が決まっています。
メイドさんが「癒し」の役割を演じることによって、お客さんは日常生活での疲れを癒やせたり、自分の自信を取り戻せたりする……それが日本のメイドカフェの大事なところですね。
では逆に、中国のお店でのメイドさんの役割はどういったものなのでしょうか?
中国のお店はゲームがメインなので、「メイドカフェ風」のゲームバーと呼ぶ方が確実だと思います。お客さんがゲームを通じて、楽しい場を作れるならば、テーマはメイドに限らずなんでもいいのかもしれません。例えば、日本のカラオケボックスにもいろいろなコンセプトの内装がありますよね。そんな感覚で、「昭和レトロ風」や「近未来風」みたいなテーマのなかのひとつとしての「メイド風」という味付けがされているイメージです。
なるほど。ちなみに私は「メイドさんを推したい」という気持ちで通っていて、推しのメイドさんとたくさんチェキを撮るのですが、中国のメイドゲームバーではチェキを撮る人は少ないようです。これはなぜでしょうか?
日本のメイドカフェ利用者がメイドさんとチェキを撮るのは、握手会に近いニュアンスがあるのではないでしょうか。特別な憧れの人と親密であることの証として、自分が憧れのメイドさんと一緒にいる、自分だけの記録を残したいという気持ちで、それに対して、お金を出していますよね。
確かに。メイドさんに、撮り直しができないチェキに落書きをしてもらうと、世界に1枚だけの記念写真になります。
日本の場合は、人気のメイドさんはSNSを使ってブランディングされているので、「一緒に写真を撮る」というのは、プレミアムなことです。中国の場合ですと、元々来店の目当てはメイドさんではなくゲームですから、チェキを撮ることに付加価値を感じないのだと思います。
確かに日本のメイドカフェは、好きなメイドさんのために通うパターンが多いと聞きました。中国ではそのような話は聞きませんね。やはりメイドさんはあくまで演出要素のひとつなんですね。
今後はメイドに限らず、例えば「1920年代上海のレトロでダークな内装に、チャイナドレスの女の子」など、中国人がイメージしやすい世界観のお店ができるかもしれません。中国はまだ娯楽性の高い消費活動が自由になってからの年数が浅いので、これからどんどん中国独自のサブカル文化が出てくるだろうと思います。
メイドさんはただの味付けだと聞くと、ちょっと切ない気分になりますが、「非日常の雰囲気」としては今後も支持されると思います。先生、どうもありがとうございました!
メイドまわりの空気は違うけど、かわいさは同じ!
日本のメイドカフェと中国のメイドゲームバー、どちらもメイド要素が含まれるお店ですが、今回の調査でなぜ違う道をたどったのかがわかりました!日本のメイドカフェは、個性豊かなメイドさんがカリスマ性を発揮し、そんなメイドさんとの交流を楽しんだりリラックスできる癒しを求めたりする場所ですが、中国のメイドゲームバーは、メイドさんはファンタジーで非日常な演出のひとつで、お客さん同士が楽しむ場所ですね。
落ち着いた癒しの空間とにぎやかな冒険、人の好みはそれぞれありますが、やはりどちらのメイドさんもかわいいですね!
さて、私はそろそろ調査を終えて、いつも通りお屋敷に帰宅します!
この記事を書いた人
ハートちゃん
近畿大学 文芸学部 文化デザイン学科
中国出身の留学生。よく長瀬駅から大阪日本橋駅に向かうため、鶴橋に着くと体が勝手に動き始めます。メイドカフェ、ロリィタファッション、特急「ひのとり」が好き。
編集:人間編集部
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