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2021.10.25

【韓国編】コロナ禍の留学ってどんな感じ!?海外の現状と感染対策の違い

Kindai Picks編集部

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オリジナル記事
コロナウイルス
留学
国際学部
韓国

新型コロナウイルス感染症の影響により、一時中断していた近畿大学国際学部の留学プログラムが今年から順次再開。東アジア専攻・韓国語コースは2021年1月から留学を再開しました。コロナ禍の今、現地の学生たちはどのような日々を送っているのでしょうか? 日本および、グローバル専攻の学生が留学中であるアメリカとの感染対策の違いや、留学中にやってみたいことなど、釜山(プサン)の大学に留学中の、二人の学生にお話を伺いました。

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取材は2021年10月1日におこないました。


新型コロナウイルスの感染拡大状況を注視しながら、2021年より順次再開した近畿大学国際学部の留学プログラム。

国際学部グローバル専攻 留学プログラム再開 コロナ禍以降2年ぶり、約160人が米国留学へ出発!

東アジア専攻の留学先である中国・台湾・韓国は、2020年10月30日付で外務省感染症危険レベルが「3」から「2」に引き下げられました。それに伴い、韓国は2021年1月に、それまでの日本国内でのオンライン受講から現地への留学を現2年生から再開。後期からは現1年生も留学へと出発しました。中国・台湾は、留学ビザの発給が停止されていることから、現地授業を日本国内でオンライン受講しています。

また、グローバル専攻は現2年生からアメリカへの留学を再開しています。

韓国とアメリカ、それぞれの地で勉強に励む学生たちから現地の様子を聞くシリーズ、今回は韓国編。韓国の留学先へ出発した学生たちは、現在どのような生活を送っているのでしょうか? 現地の感染対策や街の様子、寮での暮らしなど、韓国・釜山(プサン)で、留学生活を送る学生たちに、詳しくお話を伺いました。


日本よりもしっかりした感染対策!? 韓国・釜山(プサン)に留学中の近大生の今

今年8月に韓国・釜山に到着した国際学部 国際学科 東アジア専攻・韓国語コース現1年生の小延 美緒さんと塩田 百花さん。釜山外国語大学で1年間の語学留学をスタートさせました。現在は大学の寮で生活をしながら、さまざまな国から来た留学生たちと一緒に勉強しています。



小延 美緒(左)/ 塩田 百花(右)
国際学部 国際学科 東アジア専攻・韓国語コース 1年生
2021年8月13日から釜山外国語大学に語学留学中


連絡先を提示しないとお店に入れない!? しっかりした韓国の感染対策



2人が通っている釜山外国語大学。

ーー小延さん、塩田さんは今どちらにお住まいなんでしょうか?

小延:釜山外国語大学の敷地内にある、学生寮で暮らしています。塩田さんとは別部屋ですが、よくお互いの部屋に集まったりしています。

ーー釜山に到着してからは、すぐ寮に入られたんですか?

塩田:いえ、釜山に到着してからはまず保健所でPCR検査を受けて、陰性と判定されてから、寮とは別のホテルで2週間の隔離生活を送りました。その後もう一度保健所でPCR検査を受けて、そのときにも陰性と判定されたので、ようやく寮に入れたという感じです。

ーーなるほど。日本よりも入国者への対応がしっかりしている感じがしますね。

小延:韓国は日本よりもかなり厳しめの感染対策をしていると思います。たとえば飲食店や商業施設を利用する際、身元情報が読み込めるQRコードを提示しないと、入店することができないんですよ。

お店側が、専用の端末で電話番号に紐づいたQRコードを読み込むことでお客さんの出入りを記録できる、というシステムなんですけど、私は電話番号で通話ができないタイプの格安SIMの携帯電話を使っているので、そのサービスが利用できなくて……。一度、お店に入れなかったことがありました。

ーー使っている携帯電話によっては、どこにも入店できない場合もあるということでしょうか?

小延:ほとんどのお店にはQRコードが読み込めなかったときのために、連絡先を記入する用紙が用意されているんですが、そのお店にはたまたまなかったんですよね。なのでそのときは諦めて、ほかのお店を利用しました。

塩田:携帯電話を持っていない人も、連絡先を記入すれば入店を認められるそうなんですが、煩雑さを考えると携帯電話を持っていない人はほとんどのお店に簡単には入れないと思います。


店舗の入り口に設置されている連絡先を記入するための用紙。QRコードでチェックインするか、これに連絡先を記入しなければ入店ができない。

ーーそれはかなり厳しいですね! 連絡先を提示しなくても入れる施設はないのでしょうか?

小延:個人経営の小さなお店だとか、まれに入れるお店も見かけます。

ーー韓国の人たちはみんなマスクをつけていますか?

小延:ほとんどの人はマスクをきちんと着用しています。地下鉄ではマスクの着用が義務付けられているので、マスクをつけていない人は乗車拒否されてしまいます。

塩田:ただ、韓国って屋台がすごく多いんですけど、屋台はQRコードや連絡先の記入なしで利用できるうえ、そういうところではわりとみんなマスクを外して大人数で話したりしていて、「大丈夫なのかな」ってちょっと不安に感じました。

ーーそういったマスクをつけていない人は、街中ではあまり見かけませんか?

塩田:ほとんど見かけません。マスクをずらしてつけているお年寄りの方を見たことがあるんですが、駅やお店では職員や店員の方に「きちんとつけてください」とすぐに注意されるので、その方もつけ直していました。日本でもマスクをつけないで過ごす人は少数派だと思いますが、韓国ではもっと少ないと思います。


「体調カード」で健康を管理! コロナ禍での大学生活・寮生活



パーテーションを立てて感染対策をしている教室。

ーー出発前は授業をオンラインで受けていたと思いますが、現地ではどのような形で授業を受けていますか?

小延:今は大学の教室で、対面で授業を受けています。学生は私を含めて12人くらいいるんですが、一人一人の席の正面と左右にパーテーションが設置されていて、安心して受けることができています。

ーー授業中の対策もしっかりしていますね。校舎や教室に入る際に義務付けられていることはありますか?

小延:校舎に入る前にはサーモグラフィーカメラでの検温と、手指消毒が義務付けられているんですが、それに加えて「体調カード」っていうのがあって。毎朝体調をカードに記入して、校舎前で待機している担当の方にチェックしてもらい、問題がなければシールで印をつけてもらうんです。そのシールをもらわないと、校舎に入れない決まりになっています。


校舎に入る際に記入とチェックが必須の「体調カード」。発熱や呼吸困難、味覚の消失などの各症状がないか、家族を含めて隔離中や検査結果待ちでないか、などを書く必要がある。

ーーなるほど。ちなみに、大学の食堂などは利用されていますか? 授業のある日、ランチなどはどうされているんでしょう?

塩田:校舎から寮までがかなり近いので、お昼は一度寮に戻って、寮の食堂で食べています。授業のある日は、だいたい夕食もその食堂を利用していますね。

小延:食堂の利用には前払い制の「ミールクーポン」という引換券が必要になるんですが、食堂のメニューは選択制ではなくて毎回決まっているので、違うものを食べたいときにはミールクーポンを温存しておいて、学外の飲食店で食事しています。

日本にいるときには『Uber Eats』なども利用したことがなかったんですが、釜山にきて初めてデリバリーサービスを利用しました! 韓国ではコロナ禍以前からデリバリーサービスが広く普及していたので、デリバリーを利用している学生も多いと思います。

ーー大学の感染対策はかなりしっかりしていましたが、寮ではどのような対策がとられているんでしょうか?

塩田:寮の中に入る前にも、検温と手指消毒は義務付けられています。あとは、食堂のテーブルにもパーテーションが設置されています。

小延:私たちは食堂で一緒に食事をとることも多いんですけど、食堂の利用規約に「食事をするとき以外はマスクを着用すること」「利用中は会話を控えること」とあるので、会話はせずに黙って食べます。


寮内の食堂にもパーテーションが置かれ、消毒の徹底や食事中以外でのマスク着用を張り紙で注意喚起している。座席の間隔も広く開けられている。

ーー日本でも推奨されている「黙食」スタイルですね。ちなみに、寮には食堂以外に共有スペースはありますか?

塩田:シャワールームなどもそれぞれの部屋に設けられているので、食堂以外にはとくに利用できる共有スペースはないですね。大きなテレビの置いてある休憩室はあるんですが、今は感染対策で使用禁止になっています。なので今はテレビが観られなくって……。

ーーテレビが観られないとなると、現地の情報はどこで得ているのでしょう?

小延:韓国ではポータルサイトは『NAVER』が主流で、日本の『Yahoo!』みたいな感じでみんな利用しているんですけど、現地の情報を得たいときは『NAVERニュース』をチェックしています。韓国内のコロナの感染状況などもそこで確認していますね。


韓国留学中にチャレンジしてみたいこと



湾岸都市である釜山。大学からは少し距離があるが、海雲台(ヘウンデ)という韓国内でも有名なビーチリゾートエリアがある。

ーーコロナ禍での韓国留学となってしまいましたが、1年間の留学中にやってみたいことやチャレンジしたいことはありますか?

塩田:まだ留学から日が浅くて交流も少ないからからこそ、早くクラスの子たちと友達になりたいです! 同じクラスには中国やロシア、カンボジアからの留学生がいるんですが、会話は当然韓国語。まだ自分の韓国語のレベルが高くないので、もっと話せるようになってみんなと仲良くなりたいと思っています。

小延:私は、今は感染防止のために営業停止している韓国式サウナを体験したり、ソウルやチェジュ島などを旅行してみたいです。一度、塩田さんや近大からの留学生4人で釜山内を旅行したんですが、ビーチを訪れたほかにはほとんどホテルで過ごしていたので、もっと観光を楽しんだりしてみたいですね。

ーー日本ではまだ旅行も自粛する人が多い印象ですが、韓国ではどうでしょうか?

塩田:私たちが旅行したのが大型連休中だったというのもあるんですが、釜山のビーチはすごく混んでいてびっくりしました! 日本でいうお盆の時期だったので、帰省した人も多かったのかも……。今ソウルで感染者数が増加しているとニュースで報道していたんですが、以前よりも移動する人が増えている可能性があるのかなと思っています。

小延:韓国では「社会的距離確保」という感染対策のレベルがあって、レベルによってお店や施設の制限人数などが変わるんです。日本の「まん延防止等重点措置」みたいなものですね。

レベルは4段階に分けられていて、今、釜山はレベル3に引き下げられたところ(2021年10月1日時点)なんですが、まだ気兼ねなく遊びには行けない状況。もっといろいろなところに堂々と出かけられるようになったらいいなと思います。

ーーお二人とも、ありがとうございました!


コロナ禍でも、安心・安全な留学生活を

コロナ禍での韓国留学となったものの、現地の細やかな感染対策により、学生たちは安心して留学生活を送ることができているようでした。

なお、今回取材した留学生のお二人は、出発前に日本国内でワクチンを2回接種済み。近畿大学の学内でワクチン接種をおこないました。なお、万が一感染が疑われる際には、最寄りの保健所でいつでもPCR検査が無料で受けられるほか、近大と留学先が提携して感染後のサポートもおこなっています。

もともと韓国という国へ憧れを抱いていたというお二人。感染予防を意識しながら、留学中に現地でさまざまな体験をしてほしいと思います。


取材・文:藤間紗花
編集:人間編集部

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