Kindai Picks

研究・教育

2021.10.20

まだまだ足りない「女性エンジニア」問題!結婚や出産後も働ける?情報学科卒のOGに聞いてみた

Kindai Picks編集部

2428 View

tag
オリジナル記事
情報学部
OB・OG
IT

人材不足が社会問題となっているIT業界の採用において、注目を集める「女性エンジニア」の存在。しかし「エンジニアは男性ばかり」というイメージはありませんか? 実際は、エンジニアの業務はリモートで作業がしやすいことや、手に職をつけることで結婚や出産を経験しても復帰しやすいため、女性にとってメリットの多い職業なんです。 エンジニアとして活躍する近大OGに、エンジニアという職業の強みについてお聞きしました。

チケット予約やスマホ決済、AI搭載のスマートスピーカーやロボット掃除機など、暮らしのあらゆる場面に「情報技術(IT)」が活用されている現代社会。

しかし、IT市場の拡大にともない「エンジニア不足」が問題となっています。

IT人材需給に関する主な試算結果の対比


出典:「平成30年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備 - IT 人材需給に関する調査 - 調査報告書」(経済産業省)
※2015年は総務省「平成27年国勢調査」によるもの、 2016年以降は試算結果をもとにみずほ情報総研作成


経済産業省の試算によると2030年には約79万人もの人材が不足すると予想されているんです。

2020年から、プログラミングが小学校で必修科目になるなど、将来どのような職業に就くとしても、これからは情報技術が重要なスキルとなると言われています。

そんな社会のニーズに応えられる先端IT人材の育成に特化した新学部として、2022年4月、近畿大学東大阪キャンパスに、現行の理工学部情報学科を母体にした「情報学部」が開設されます。


しかし、世間でエンジニアというと、まだまだ「男性の職業」という認識が強く、「女性はパソコンや機械に弱い」というイメージもあるようです。

従業員構成のうちITエンジニアの数


出典:一般社団法人情報サービス産業協会「2020年版情報サービス産業基本統計調査」/「2010年版情報サービス産業基本統計調査」を加工して作成

2020年版情報サービス産業基本統計調査によると、ITエンジニアの数は男性が約15万人に対して女性が約4万人で全体の21.1%。10年前の15.2%から比べると増えているとはいえ、現状は日本ではエンジニアという職業に圧倒的な男女差があることがわかります。

大学卒の新規採用状況


出典:一般社団法人情報サービス産業協会「2020年版情報サービス産業基本統計調査

しかし、情報サービス産業全体での大学卒の新規雇用率を見ると、ここ数年で新規雇用率がぐんぐん増え、女性比率も上がっています。

つまり、女性エンジニアの需要はどんどん高くなりつつあるということ。

女性にとっても、エンジニアのように手に職をつけることは、結婚や子育てなどライフステージの変化がおこっても、自立し続けられるという魅力があります。

夜中まで帰れないようなイメージもあるけれど実際の労働環境は? 結婚や出産を経てもキャリアは築いていける? 近畿大学の理工学部情報学科を卒業し、分野の異なるさまざまな場所で活躍する、3名の女性エンジニアに話を聞いてきました。


「女子なんだから」に負けず大学院まで進学!




1人目は、システムインテグレータとして関西地域の顧客中心にビジネスを展開している株式会社NTTデータ関西に就職して4年目の村上優佳紗さん。高校から大学院まで通った根っからの近大っ子です。

村上 優佳紗(むらかみ ゆかさ)
2012年3月 現:近畿大学附属広島高等学校福山校 卒業。2016年3月 近畿大学理工学部情報学科情報システムコース卒業。2018年3月 近畿大学大学院総合理工学研究科エレクトロニクス系工学専攻卒業。2018年4月から株式会社NTTデータ関西に入社。


高校生時代はマイコン部で自作PCを組んでいた

ーー村上さんはどういう経緯で情報学科へ進学したんでしょうか。

中学を卒業した時は、薬学部志望だったんです。やはり国家資格は強いですし、同級生のお母さんに薬剤師の方が多かったので、女性がライフイベントを経ても再就職しやすいイメージがありました。でも、高校生の時に、同級生と顧問の先生に「自作パソコンを作るのでよかったら参加してみないか?」と誘われて、マイコン部に入ったんです。そこからエンジニアの仕事に興味を持つようになったんですが、ちょうどその頃に、薬学部で国家試験の受験資格を得られるのが4年制卒から6年制卒に変わって。親からも「女子なんだから、結婚や出産のことも考えると大学は4年で卒業してほしい」と言われていましたし、薬学部より情報系の学部に進学したいという思いが強くなっていたので、進路を変更しました。


部で女子生徒はひとりだったという、マイコン部に所属していた頃の村上さん。

ーーとはいえ、村上さんは大学院にも進学をしていますよね。親御さんの反対はありませんでしたか?

そうですね。やはり反対はされましたが、最後は私の意思を尊重してくれました。私が大学2年生の時に、研究したい分野を専門とする角田雅照先生が近大に着任したことがわかって。どうしてもその先生のもとで研究を続けたいと思いました。
研究テーマは、「年齢を重ねると効率や精度が落ちてしまう能力」と「第一線で活躍する経験から得られる高い能力」の特定です。記憶力やレビュー能力をはじめとしたエンジニアが業務をおこなう際に使うスキルを題材に研究をし、研究室に配属された大学3年生の後期から、大学院卒業までの3年半の間に20回以上も学会発表をさせていただき、メディアでも取り上げていただきました。

※2022年より情報学部に異動。最近ではソフトウェア技術者の能力に性差がないことを明らかにしました。

記憶力の補助が中高年ソフトウェア技術者の活用につながる、近大が確認| TECH+


人的要因分析の研究からデータ分析の仕事




ーー現在、会社の中でどういった業務をされていますか?

会社の中では分析関係の部門にいます。いわゆるデータ分析ですね。私のいる部署は、比較的大手と言われる企業のデータ分析を生業としています。基本的には、いわゆるBIツール(ビジネスインテリジェンスツール)を用いて、お客様のデータをわかりやすく可視化していくのが主な業務です。大学では予測や人的要因分析の研究をおこなっていたので、今の業務は仕事としてやってみたい分野でした。 

ーー大学の学びが仕事に直結しているんですね。1日の業務はずっとPCに向き合っていることが多いんですか?

日によってマチマチですね。ひたすらデータ分析をしていることもあれば、取引先と打ち合わせをすることも多いです。依頼される内容もお客様によって違いますので、データ分析でどんなことができるのかを説明したり、ヒアリングをして提案したり。「ユーザーに販促物を送ってその反応値を見たい」という具体的な依頼から「こんなデータがあるけど何に役立つかわからない」といったお客様もいます。


村上さんの自宅の作業部屋。

ーー具体的に、データ分析がどんなことに役に立つのでしょうか?

たとえば、プレゼントキャンペーンを実施したとして「Webサイトとチラシで申し込みを受け付けた場合、Webからの申し込みの方が若い人が多いんじゃないか」とお客様が仮説を立てたとします。そこで実際に、販促物にプロモーションコードを埋め込んで、申込者の年齢を分析するんです。

その行為によって、次回以降に活用できそうなデータを取ることができるんですね。そういった、お客様が持っているデータをひとまず分析してみて、そして分析したデータをどう活用できそうかの提案までおこないます。提案が必要なお客様の場合は、何度も打ち合わせを重ねることも少なくありません。


女性ならではの感性が求められることも。



子どもの頃から機械いじりが好きだったという村上さん。現在の趣味はクロスバイクで、自らカスタムをおこなっているそう。

ーー女性エンジニアはどれくらいいらっしゃるのでしょうか?

だいたい2割程度でしょうか。私の代は女性のほうが少ないですが、年によっては男女比率が同じくらいだったり、女性の方が多い年もあるんですよ。大学の時は男女比が9:1くらいの比率だったので、社会ではいかに女性が求められているのかわかります。2015年以降、会社の所在地である大阪市から、「管理職に占める女性の割合」「仕事と生活の両立支援に関する措置」「男性の育児休業等の取得促進の取組」などの基準を満たしている企業に与えられる「大阪市女性活躍リーディングカンパニー」認証を受けるなど、会社としても継続して女性活躍を推進しています。

ーー女性エンジニアだからこその仕事もありますか?

女性がクライアントの案件などは、やはり同性エンジニアのほうが話しやすい場合などもありますね。絵本アプリのログ解析など、小さいお子さんをもつ女性エンジニアの経験が必要とされることもありますし、エンジニアとしてのスキルと、女性であることを活かした仕事は今後増えてくると思います。スキルは一度身につけるとずっと身を助けてくれますし、PCやアプリを使わない仕事なんて今の時代ほとんどありませんから(笑)

ーー仕事のやりがいはなんですか?

さまざまな角度からデータを分析することで、お客様も想定していなかったような答えが出てくる瞬間があるんですね。そういうときにやりがいを感じますし、データ分析という仕事の面白さだなと思います。


ふたりの子どもを育てながら社内情報システムを運用する!




2人目の田中陽香さんは、車両などに使われる資材を取り扱う芦森工業株式会社の情報システム部に所属するエンジニア。社内システムの保守担当をメインに働いています。ふたりのお子さんがいて、パートナーの奈良さんはなんと近大情報学科の同期! ご夫婦ともにエンジニアをされています。

田中 陽香(たなか はるか)
2008年3月 近畿大学理工学部情報学科 卒業。2008年4月 芦森工業株式会社入社 情報システム部に配属。2014年4月〜2015年6月、2019年2月〜2021年3月と、産前休暇・育児休暇の経験あり。


エンジニアの仕事はIT企業だけじゃない

ーー今の会社を選ばれた理由はなんですか?

就職活動の際にIT業界も受けるには受けたんですが、あいにくSPIが通らなくて……(笑)。ただ、IT業界だと自分と同じようなスキルを持った人がたくさん入ってくるじゃないですか。私の場合は、その中では生き抜いていけないなと思ったんです。そういう思いもあってメーカーが社内に抱える情報システム部門に的を絞りました。

ーーどういったお仕事をされているんでしょう?

社内システムの保守や運用ですね。弊社は消防用ホースに車のシートベルトやエアバック、ロープなどの資材を取り扱ういわゆるBtoBの会社なんですが、自動車安全部品の生産管理の基幹システムの管理を担当しています。ただ、システムを時勢に合わせてより使いやすくするためにアップデートしていくこともあります。

ーーお仕事のやりがいはなんでしょうか?

私の場合はいわゆるクライアントが社内になるので、それぞれ社内ユーザーの要求を深掘りして、ヒアリングした内容にあったようなシステムの仕様ができたときはうれしいですね。生産管理のシステムを活用するのは他の社員ですが、そのシステム自体をつくっている、大元に詳しいのが自分たちであるという自負はあります。それに、メーカーの生産管理システムって会社ごとに最適化されているぶん、独自性があって特殊なんです。それを触ることができる、運用や保守できるというのは「自分たちだけにしかできないスキル」になりますし、大きな強みになります。


育休・産休の福利厚生も手厚いのはメーカーだからこそ




ーー職場の雰囲気はいかがですか。

働きやすいですよ。「エンジニアは毎日残業してる」みたいなイメージがどうしてもあると思いますが、下請けとしてシステムをつくるIT会社とは違ってメーカー内のシステム部なので、一般的にイメージされるような過度な残業だとかはありません。結婚していたり、子どもがいる社員も多いですし、育休や産休を経て戻ってくる社員も多いです。

ーー福利厚生がきちんとしているのはメーカーならではでしょうし、確固たるスキルを身につけているからこそ安心して出産や子育てができるんでしょうね。

ブランクがあっても、コンピューターの中身を知っていると戻ってきやすいですね。私自身も、2才と7才の息子がいるんですが、それぞれ1年以上の産休・育休を経て復職しました。

ーーちなみに田中さんはパートナーの方も近畿大学の情報学科だったんですよね。学科も同じだと、スキルを把握しているので仕事の悩みなんかも相談しやすいんじゃないでしょうか。

そうなんです。夫は同期で同じ研究室、大学の頃から付き合っていました。彼はメーカーではなくIT企業のエンジニアなんですが、性格だけではなく仕事のことも知っているので、話しやすいのはあると思います。


大学時代の田中さんと、パートナーの奈良さん。

ーーおふたりとも企業のカテゴリは違えどエンジニアで、仕事と家庭はどうやって回されているんでしょうか。今はコロナ禍ですが、おふたりとも在宅ですか。

私は週に2日程度の在宅で、彼はほぼ100%在宅でやっていますね。息子ふたりがいると言いましたが、お兄ちゃんは小学校で、弟は保育所に通っています。朝夕の見送りとお迎えがバタバタするので、夫婦で分担してやっていますね。私が出社の日は、保育所に弟を預けてそのまま出社するとか、フレキシブルに配分しています。今は、夫が昼間はほぼ在宅なので、お昼休憩の合間にスーパーでの買い物と夕飯の下ごしらえをしてくれて、帰宅後に私が仕上げたり、忙しいときはデリバリーに頼ることも多いです。夫が毎日在宅でなければ、現状のやり方で家庭は回っていなかったんじゃないかと思いますね。

ーー田中さんとしては、どんな人が情報系の学問を学ぶのに向いていると思いますか?

私の場合は、国語と社会が苦手で、理系分野のほうが好きだったから理系を選択したんですが、情報学科を選んだのも「社会に出たらどの分野でもパソコンを使うから」という理由からでした。将来の夢がはっきり決まっていなくてもいいと思います。「手に職をつけたい」という理由も、立派な動機だと思うので。


プログラミングに興味を持ったきかっけは、嵐のコンサート!




3人目のインタビューは、今年2021年新卒の唐津杏莉さん。日本電気株式会社(通称NEC)に入社し、ハードウェア・ソフトウェアから情報システムそのものをクライアントに提案する部署に所属。現在エンジニアではありませんが、学生時代に培ったプログラミングの知識を活かし、それを販売促進する側として働いています。

唐津 杏莉(からつ あんり)
2017年3月 須磨学園高等学校卒業。2021年3月 近畿大学理工学部 情報学科卒業。4月から日本電気株式会社に入社。ハードウェア・ソフトウェアから情報システムをクライアントに提案する部署に所属。


読書より理科の実験が好きだった。

ーー現在のお仕事を教えてください。

NEC(日本電気株式会社)で、企業向けに提供するクラウド(コンピューター上にソフトウェアを持たずに、ネットワーク上で利用できるサービス)サービスのシステムプラットフォームに携わる部署に所属しています。私自身はエンジニアではなく、営業やエンジニアと一緒にお客様にサービス内容を紹介する仕事をメインにしています。また、既存サービスだけではなく、新規サービスの立案などもおこなっています。

ーーなるほど、エンジニアではない職種ですが、専門知識を活かしているんですね。唐津さんは大学入学以前からずっと理系でしたか?

そうですね。実は、国語が全くできないと言っていいほど苦手で……高校も自然と理系クラスを選択していました。読書よりも、理科の実験が好きなタイプだったんです。ただ、理系クラスの中でも、私みたいに大学で理工学部の情報系に進学する女性は少なかったですね。栄養系とか医療系に進学する子が多いので。

ーー情報学科に進学しようと思ったきっかけはなんだったんでしょうか?

嵐のコンサートなんです(笑)。2014年におこなわれた「​​ARASHI LIVE TOUR 2014 THE DIGITALIAN」というツアーが、最先端のデジタル技術を駆使したものすごい演出で。LEDライトつきのうちわが曲に合わせて色が変わるとか、メンバーの心拍数がステージ上に表示されたり、筋肉の動きで音を制御するシステムが使われたり……。会場の一体感がすごくて、「デジタル技術って、こんなに人を感動させることができるんだ!」と興味を持ちました。



ーー今は、あらゆるエンターテインメントに情報技術が使われていますよね。

そうなんです。コンサートがきっかけで情報学科に入ったのもあって、大学では視覚効果の勉強もしました。特に、画像認識を学ぶ授業が印象に残っているんですが、たとえば、ベージュの円形が顔で、円形の上部に左右対象でふたつついている黒い小さい丸が目で……と、コンピューターに教え込んでいくことで、自動で顔が認識されるようになるんです。また、それらが働くために土台となるネットワークの構築もおこないました。


残業は全くなし! 休暇もしっかり整えられている職場




ーーNECにはどういう経緯で入社されたんですか?

就職活動はIT系を第一候補に、それ以外にも広告や旅行会社など幅広い業界でも探していました。自分の本当にやりたいことを見つけるために、少しでも興味ある業界や企業に実際に足を運んで確かめていました。
とはいえ、やはり勉強したことを活かせる分野がいいなと思って、最終的にはIT系に絞りました。今の会社はインターンで縁があり、出会った上司やメンター(相談役)の方がとてもいい人だったので、一緒に働きたいと思い就職を決めました。

ーー部署の男女比はどれくらいなんでしょうか。

開発の部署はもう少し女性比率が低いんですが、私がいる部署のように、提案をおこなう部署は3割が女性です。提案する部署とはいえ、開発に関する基礎的な知識も必要なので、理系出身者のほうが多いです。私自身も、エンジニアリングの知識を学んでいたからこそ、専門知識を身につけて提案ができるというのはあります。

ーー職場の働きやすさはどうでしょうか。

IT企業って残業が多いイメージがあると思いますが、ワークライフバランスを大事にしている社風で、残業は全くないです。NECは2017年から働き方改革推進として、テレワーク導入の整備を進めていた会社なので、柔軟な働き方が推進されていて、生産性が高く働きやすい環境が整えられていると思います。
ただ、入社時からテレワークで、まだ3回しか出社できていないんです。オンラインでの打ち合わせや作業には慣れたものの、些細な質問を目の前の先輩に聞けるというわけではないので、そこは少し大変かもしれませんね。


UI・UXのデザイン力を身につけて、外側の設計ができるようになりたい



在学中、一緒にハッカソンに参加したメンバーと。

ーー将来やってみたいことや身につけたいスキルはありますか?

前々から興味を持っていたんですが、UI・UXデザインができるようになりたいですね。
学生の時にハッカソンに出てアプリ開発をしたことで、デザインって重要だなと思いました。UI・UXデザインの知識をつけて、システムの内側だけではなく外側の設計をしていけるようになりたいんです。新しく勉強する分野が増えますが、今まで培ってきたスキルも活かせると思っています。

※ハッカソン:ハック(Hack)とマラソン(Marathon)を掛け合わせた造語。ITエンジニアやデザイナーなど、さまざまな分野の技術者でチームをつくり、期間内にアプリケーションやサービスを開発して、成果を競うイベントのこと。

ーー一度スキルを身に着けると、次のステップでもそれを活かせるのは大きいですね。

ひとつ自分の強みを持っておくのはいいですよね。技術力は身につければ一生助かるものなので。仮にエンジニアそのものに配属されなくても、私のように「エンジニアのことがわかる販促」など、専門知識を他の領域で活かせることもたくさんあります。それに得た技術力を磨いたり、別の技術を学ぶ土台にしたりと、キャリアアップの際に活かせることも多いと思います。


女性エンジニアは、世の中の仕組みをつくるために必要な存在




「世の中のいろんなものがどういう仕掛けで動いているのかに興味があって、その仕組みを知りたいという人は情報学科に向いていますよ」と、田中さんはご夫婦で教えてくれました。

カメラアプリやプリクラの顔認識やエフェクト、病院や美容院などの予約システム、アーティストのライブでの視覚効果……。世の中に溢れているあらゆるサービスは、コンピューターで制御されていて、エンジニアがその仕組みをつくっています。多くの人はそれを知らずに、あるいはなんとなく知っている状態でその利便性を享受しているのです。

エンジニアは、あらゆるサービスの土台をつくり、世の中の仕組みそのものまでつくることができる稀有な職業。だからこそ、男性と同じように、女性の技術者もいなければいけません。

生理サイクルを管理するアプリなど、女性の健康をIT技術で支える「フェムテック」の分野が世界的に伸びているように、世の中は現状よりもっと女性エンジニアの存在を必要としているのです。

また身につけたスキルは長期にわたって活用できますし、出産や子育てなどで一度職場から離れても、復職しやすいというメリットがあります。「手に職があると強い」とはまさにこのこと。

「これってどうしてこんな動きをするんだろう」「私も自分の手で何かサービスをつくってみたい!」そんな小さなきっかけが、女性エンジニアとして活躍する最初の入り口かもしれません。


取材・文:ヒラヤマヤスコ
企画・編集:人間編集部

ランキング

新着記事

ランキング

全部見る

新着記事

全部見る

MENU

FOLLOW US

  • facebook
  • twitter