2021.03.19
「なんで自分が広告に!?」出演した僕が見た、近大の広告ができるまで
- Kindai Picks編集部
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毎年恒例、近畿大学のオープンキャンパス。今年は3月21日に初回開催です。このたびは、その交通広告のモデルとなった近大生による出演記をお届け。広告になるまでのエピソードや、制作現場の様子など、包み隠さず公開します!
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高校時代のあだ名は鈴木福くん、広報室でインターンをしている、近畿大学 総合社会学部 2年生の岡泰聖です。
突然ですがみなさん、3月中旬から近鉄、JR、阪急、阪神に掲載されている近畿大学の交通広告の主演モデルは僕なんです! そう、僕なんです!!
大事なことなので2回言いました。
しかも高校生役で。
「うん、とりあえずなんで?」
今、この記事を読んでる人の8割ぐらいが、そう思ったのではないでしょうか。
近畿大学といえば、インパクトのある広告で有名ですよね。
大学の序列に一石を投じた「早慶近」や、近鉄大阪難波駅の看板広告にもなっている「マグロ大学って言うてるヤツ、誰や?」など、大阪に住んでいる方なら、一度は近大の広告を見たことがあるのではないでしょうか?
最近は、「コロナ禍を生きる若者を応援したい!」という気持ちで作られた、五月女ケイ子さんのイラストを起用した「明日もあるし、近大もあるし。」の広告も話題になりました。
自虐ネタや大阪ノリなど……いつも他大学とは一線を画す攻めまくった広告で、物議を醸している近畿大学。そんな近大の広告で、なぜ僕が主演モデルをつとめることになったのか? そして、その広告制作の裏側は、一体どんなものなのか? つつみ隠さず公開しちゃいたいと思います!
名づけて、「近大広告出演記 ~こうして僕は広告になった~」
「オープンキャンパス広告の制作手伝って!」突然の相談
ある日、広報室の職員さんから突然こんなことを言われました。
職員さん:今、2021年のオープンキャンパスの広告を考えていて、男子高校生の机を広告内で再現したいと思っているんだけど。
岡:えーっと、どんな広告なんですか?
職員さん:ずばり、タイトルは「行けたら行くわキャンパス」!
岡:ど、どういうことですか?
職員さん:昨年、開いてない(CLOSE)と近い(CLOSE)をかけて、「CLOSE CAMPUS(クローズキャンパス)」という、完全オンラインのオープンキャンパスを開いたのは知ってる?
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、完全オンラインの開催となった2020年のオープンキャンパス。あえて「CLOSE CAMPUS(クローズキャンパス)」というタイトルを打ち出し、受験生に寄り添う「CLOSE=近い」という二つの意味を込めた。
岡:はい、知っています!
職員さん:今年は、キャンパスとオンラインどちらでも楽しめるオープンキャンパスを開催しようと思っていて。大学としては「状況が許す限りやれることはやるから、もし来れそうやったら来てほしい」っていう気持ちなんですよね。 だから “「行けたら行くわ」でかまいません” っていうイメージの広告を作ろうとしていて……。
職員さん:こんなイメージやねん。
岡:(おもろいッ……)
職員さん:ということで岡くん、撮影に使う受験生の勉強机作って! 東大、京大ではなくて、あくまでも「近大を目指す学生」っぽい机を考えてほしい。
岡:「近大を目指す学生」っぽいってどんなんやねん!!
とは言えず「はい、わかりました」 と返事。
早速、家に帰って、「近大を目指していそうな男子高校生」について考えてみました。部活をやっている? 塾通い? 勉強嫌い? 努力家? いろんなタイプの近大を目指す男子高校生の部屋を想像してみるが、なんだかどれもしっくりこない……。
こうなったら実際に、実家暮らしの近大生の部屋を見てみようと思い、友人に片っ端から「勉強机見せてほしい!」とDMしてみました。
送られてきた友人の机の写真。
どれもそこそこ汚い……。でも確かに近大って、綺麗とかオシャレっていうよりも、どっちかといえば、オモシロ系とかバンカラとか……、極端に優秀ではないけどどこか頑張っている、そんな「努力」のイメージがある。現に自分がそうだったのを思い出した。部活に一生懸命だったけど、 そこそこしっかり勉強もやる。そんな受験生やったな~(懐)
ということで、「1に部活、2に勉強、3に遊び」ぐらいの学生のイメージで決定! 近大にオシャレなイメージを持っている学生にはごめんなさい!
とりあえず、そのイメージをもとに想像を膨らませて、ラフ画を制作してみることにしました。
「えっ、俺が広告モデルに?!」制作会議
一週間後。今日は、広告の制作会社を交えたオンライン会議の日。そして、ついに僕が制作したラフ画を見せる日でもあります。はじめての会議参加、心の中では「ようやく見せられる!」と気持ちの高まりよう。制作会社の人:はじめまして。今回の広告制作を担当するディレクターです。早速ですが岡さん、制作していただいた、イメージを見せてもらってもいいですか?
岡:はい!! ドン!!!
・参考書が崩れているガサツな感じ
・壁にかけてあるコルクボード・部活の写真
・ヘッドフォンやコード類の散らかり
・カップ麺・お守り
制作会社の人:あ! いいですね!! いかにも近大を目指している学生っぽいな~。もう岡くんプロデュースで、そのままいきましょう!
職員さん:あ、大事なこと言うの忘れてた。実はこの男子高校生役、岡くんにお願いしたいなと。
岡:!?
職員さん: 岡くんって泥臭くて、何かを頑張ってるイメージがあるし!
岡:ありがとうございます、やらせていただきます!!!
嬉しい、めちゃくちゃ嬉しい……近大を目指している学生っぽい勉強机を作るだけのはずが、なんと、面白いで有名な「近大広告」に出演することになりました。広報室のインターンやっていて良かったー!!
「練習の成果を全眼力に込めて!」撮影当日
広告に出演すると決まってからというもの、来る日も来る日も「行けたら行くわ」 の表情の練習に取り組んできた僕。ご覧の通り、準備は万端です!
9:00 機材搬入
おはようございます。やってきました、撮影日。時刻は朝9時、集合場所の撮影現場です。といっても、ここは某近大生のおうち。スタジオ撮影も検討したけれど、やっぱりリアルがいい! ということで、今日一日、お貸しいただくことになりました。
まずは、搬入のお手伝いからスタート。撮影機材はもちろん、受験生の部屋にありそうな棚や参考書など、様々な物が運ばれています( ゚Д゚)
9:30 撮影セット作り
そして、本格的な撮影セット作りへ。この、いかにもな学習机を、「机プロデューサー」である僕が「近大を目指している受験生の机」に作り変えていきます。
壁には「近大を目指している受験生の書き初め」も貼ります。
10:00 思い出のコルクボード作り
最後に、受験生らしさを醸し出す一番のポイントアイテム「思い出のコルクボード制作」!! ここからは3分クッキング風にお届けいたします。テレレッテッテッテッテ♪・コルクボード
・思い出の写真
・付せん
・熱い言葉
■作り方
① 位置を決め、貼る
② 熱い言葉を付せんに書き込む(5〜6 枚)
③ お守りやキーホルダーなどをボードにかけて、付せんを貼って、できあがり。
■ポイント
付せんにはブルーハーツの曲名を書き込むことによって、熱い努力家のイメージエッセンスが注入できます。
ご覧ください、制作時間たったの3分……は言い過ぎましたごめんなさい。でも、およそ5分で、高校生活3年間の思い出を凝縮したかのようなコルクボードが完成しました! こんなん部屋にかけてたな~(しみじみ)
そうこうしている間に、カメラが準備され……
ライトが準備され……
カメラにどういう風に映るのか、何回も確認が行われ……
どうだ!? この再現度!!! 近大生諸君! 君たちの高校時代の机はこんな感じではなかったか?(笑)
12:00 ヘアメイク
気づけば12時。 一通り、撮影準備を終えたところで、ディレクターから「へアイメイクをお願いします」と言われました。 慣れない言葉に期待を膨らませ、人生ではじめてのヘアメイクとやらをしてもらうことに。後ろに写っているのは、お母さん役のモデルさんです。
岡:いや~僕、ニキビとかひげの跡がすごいんですけど、メイクでなんとかなるんですかね? もうそれだけが心配で……。むしろ撮影よりニキビ……ひげ……みたいな。
メイクさん:安心してください、メイクでめちゃくちゃ綺麗になりますよ。
岡:ほ、ほんとだ……めちゃくちゃいいですね……(すげぇ、プロだ…)
ニキビがない肌を見たのは小学6年生以来です。
人に髪型をセットしてもらったのも、はじめてです。
13:00 撮影開始
ついに、この瞬間がやってきました。メイクを終え、控室から机のある部屋に向かうまでの足取りは、どこか自信に満ちていた。何度も鏡の前に立ち、朝の電車で変な目で見られ、ここまでたどり着いた。そんな時、カメラマンさんが一言。カメラマン:岡くん、俺9枚しか撮らないから(笑)
激励なのか、冗談交じりの脅しなのか、よくわかんない言葉をかけられ、やる気と不安のボルテージは最高潮に。9枚でオッケー出すぞという気持ちで、いざ撮影!
カメラマン:岡くん、広告に載るセリフと同じように、実際に「行けたら行くわ」って言ってみようか~。
岡:いけたらいくわ〜!
制作会社の人:岡くんは、黒目が大きいから目が小さく見えるんだよ。 目を見開いて、やっと普通の人の目を開けた感じだと思う!
岡:俺って目細いんか……
制作会社の人: もっと目開けて、「いくわぁぁぁぁ」ってお願い。
岡:いけたらいくわぁぁぁぁ!
カメラマン:もっといける!
岡:いや~もうこれ精一杯目開けてるんですけどね、もっとですか?
カメラマン:うん、目をね、も~っと見開いた状態で、口も、も~っと歪ましてみてくれる? ちょっと親に反抗する感じで、撮ってみよう。
岡:いけたらいぐぅわぁぁぁぁ!!!!!
岡:はぁ、はぁ、はぁ……目が……。
これを繰り返すこと100回ほど。一生分の「行けたら行くわ」を言ったと思います。撮影中、お母さん役のモデルさんとの見つめ合いに、少し気まずい感じすら出てきていました。 最初のころは、お互い笑顔で見つめ合っていたのに……。
そんなことを思っていると、撮った写真の確認タイムに……。
カメラマン:よし! いいのも何枚か撮れたし、OK!!
制作会社の人:すごくいい感じになりましたね、表情が面白い! いや~いいよ、岡くん!
職員さん:岡くんに頼んで良かった!!!
岡:(涙目)
15:00 撮影終了
嵐のような大絶賛を受け、気分はもう俳優になっていました。今日一日で、監督と俳優、二足の草鞋を履いたような感じです。とまぁ、調子に乗ったことを言いましたが、それぞれの人が、いいもの、面白いものを作ろうとしているから、あんなに面白い近大広告ができるのだと感じた一日でした。
感極まる!近大広告ついに完成
あれから2週間……。再びインターン中の、広報室。職員さん:岡く〜ん! ごめん言うの忘れてた。写真、これになったよ!
岡:おおおおお!! ん……あれ……?
あんだけ目開けたのに、全然目細い写真が選ばれてるやないかーい(笑)
職員さん:めっちゃ気合い入れて何度も叫んでもらったけど、ここは穏やかな親子の会話やろってことになって。これはチラシやけど、Webサイトや交通広告にも使われるからね。近鉄、JR、阪急、阪神と、いろんな電車の中に貼られるよ。
岡:俺が……いろんな電車に……?
電車に……
ということで、やってまいりました、近鉄大阪難波駅。あれからさらに1ヶ月が経った本日の目的は、もちろん「広告探し」!!! 近畿大学のある長瀬駅まで行ってみます。
「行けたら行くわ」の表情で、広告の横で写真を撮り、乗客の方に笑ってもらいたい。そして、できれば、オープンキャンパスに参加してほしい! つまり、今日、僕は歩く広告なのです!!
早速、電車に乗り込み、車両を移動しながら、ひたすら、近畿大学の広告&岡泰聖を探し求めました。そして、その光景はわずか10秒後に、目に飛び込んできました。
あっっっっったぁぁぁぁぁ!!!
見つけました。自分の顔が広告になっているのは、なんとも不思議な感覚です。
まだ、車内の誰も、僕がこの広告に出ている男子高校生役とは気づいていない様子……。と、ここで高校生とおぼしき集団を車内に確認!!! 今こそ魅せてやりましょう。
「行けたら行くわ」
こうして、僕は広告になりました。
車内からクスクスと笑い声が聞こえてきました。が、笑われてなんぼです。
なぜなら、3年前のあの日、僕もこうして、近大広告にクスっと笑ったところから、この大学に興味を持ち、受験したからです。
「なんやこれ、面白そう!」「楽しそうな大学やな!」入口はなんでもいいんです。
そんな感じで興味を持ち、近大を受験してくれる高校生が一人でも増えてくれたら、出演した僕としても嬉しいです。
2021年、1回目のオープンキャンパスは、3月21日(日)開催です。
日 時:2021年3月21日(日)10:00~15:00
会 場:近畿大学東大阪キャンパス
対 象:受験生、保護者
【参加方法】
キャンパス来場:来場予約は定員に達したため、受付を終了しました。
オンライン参加:特設サイトから事前予約なしで視聴可能 ※オンライン個別相談は要事前予約
【特設サイト】
https://kindai.jp/opencampus2021spring/
[お問合せ】
近畿大学入学センター(06-6730-1124)
それではみなさん、
来れたら来てな!!!!
この記事を書いた人
岡 泰聖(おか たいせい)
2000年京都生まれ。近畿大学 総合社会学部 社会マスメディア専攻の2年生。近畿大学の広報室で学生インターン中。特技は、武田鉄矢、ルパン三世、バズライトイヤーのものまね。趣味はおえかき。いつも通る風景の写真に「いたらいいな」と思うキャラクターや人物を描くのが好き。顔が、鈴木福くんにとても似ている。
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編集:人間編集部
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