2017.06.15
食育がひらく子どもの未来と可能性
- Kindai Picks編集部
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皆さんこんにちは!「食育」という言葉を聞いたことがありますか?
辞書には「心身の健康の基本となる、食生活に関する様々な教育」とあり、“食について学ぶ機会”のことを言います。
では、実際の食育とはどんなものなのか、食育活動に力を入れている近大生の活動の様子を学生ライターが紹介します!
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さあ、食べ物の勉強をしよう!
小学生の子どもたちを対象に、年4回開催している食育イベント「サンデイ・キッズ・シェフ」。
管理栄養士の卵である松村美香さんは農学部食品栄養学科で学んだ食品学をもとに、毎回1つの旬の食材をテーマにしています。
まずは食材について知ってもらうことからスタート!
ゲームやお絵かき等を通して、楽しみながら学んでいきます。
「大根で一番甘い部分はどこかな~?」
「葉の部分も食べられるんだよ!」
講座が始まると、普段見かける身近な食材ということもあり、子どもたちは興味津々。子どもだけでなく、大人にも勉強になる豆知識が随所に散りばめられており、このイベントを通してみんな食べ物やお料理の「もの知り博士」になっていきます。
講座で使用するポスターは手作りのものを作成し「正確な情報を分かりやすく子どもたちに伝えるにはどうしたらいいか?」と試行錯誤している松村さんの努力が垣間見えます。
どのトマトが甘いかな?食材をじっくり観察しながら、お絵かき。
講座の中では、世界の調理当てクイズもします。「カレーはインドやんな!」など楽しそうな声が聞こえてきます。
世界地図の上に身を乗り出して、積極的に参加する子どもたち
さあ、お料理するよー!
食材についての説明やゲームの後は、いよいよ実際に調理スタート。
この講座では、一切調理の説明をしません。なぜなら子どもたち自らレシピを見て、料理をしてもらうのが目的だからです。
もちろん調理中は学生スタッフが見守りながら補助をし、安全に進めていきます。レシピは、子どもたちが見ても分かるよう、写真を多く載せるなど工夫されています。
慎重に調理をすすめる子どもたち
「ここは固いから、この料理に使った方がいいよ!」など、子どもたちはさっきの講座で学んだ知識をすぐにフル活用していて、知識の吸収力の早さや、自主性の高さにはびっくりです。
上手に皮むきできるかな?
調理器具を使うのは、小学生にはまだ早いと思われがちですが、子どもたちはしっかりとした手つきで料理をしていきます。何事も挑戦することが大事ですね!
さあ、食べよう!
そして完成した料理がこちら・・・じゃーん!!
小学生が作ったものとは、思えない見事な出来ばえ。
美味しそうに完成しました!大人たちの手を借りず、自分たちだけで作ったという経験は、今後の自信につながっていきます。
待ちに待った試食タイム。自分たちで作った料理は格別。
野菜嫌いな子も自分で作った料理には愛着が沸き、いろんな事を学び実際に触って料理することで、食べられなかった食べ物も美味しく感じられます。これぞ食育!
さあ、未来のために!
しかし食育はこれで終わりではなく、ここからが本当のスタート。
松村さんは、このイベントの参加をきっかけに「子どもたちが台所に立つ機会が増え、親子でコミュニケーションをとる時間が増え、さらには家庭の味が今後将来に続いていきますように」という願いを込め、最後にお持ち帰り用のチラシを配布しています。
実際にこの食育イベントに参加したお母さんからは「子どもの好き嫌いが減った」「食事へ興味を示すようになった」など、家庭での子どもたちの行動に変化があったという声が寄せられています。
「食育」というと難しく聞こえますが、実際に食材に触れ、調理の大変さを知るだけでも食育になります。松村さんの活動を通してひとりでも多くの子どもたちが、食に興味を持ち未来へ家庭の味を引き継いでくれますように・・・!
・松村 美香(まつむら・みか)
近畿大学農学部食品栄養学科4年。学生だけでの食育活動「サンデイ・キッズ・シェフ」を運営。近大農学部キャンパス周辺の農家さんや、友人など周りの温かい協力のもと日々奮闘中。
[ライタープロフィール]
川西 沙英(かわにし・さえ)
近畿大学農学部食品栄養学科4年。海と歌と旅が好きで、海を求めて時間があると旅に出る。
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