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2016.02.29

女性アスリートに朗報!月経前症候群(PMS)には、肉食より魚食!?

Kindai Picks編集部

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健康
スポーツ
オリジナル記事

魚摂取頻度の高い女性アスリートは、月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)によるパフォーマンス障害が少ないことが、近畿大学東洋医学研究所所長である武田卓教授の研究でわかった。

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【PROFILE】
武田卓(たけだたかし)
近畿大学東洋医学研究所/同教授/東北大学産婦人科客員教授
大阪大学医学部卒業、同大学院博士課程修了。同産婦人科の助手・講師、大阪府立母子センター産科医長、同成人病センター婦人科副部長、東北大学先進漢方治療医学講座准教授を経て、2012年に近畿大学へ。漢方・産婦人科・腫瘍・内分泌の専門医として、女性のヘルスケア全般を西洋・東洋医学の両面から研究している。





月経前症候群(PMS)や、その重症型の月経前不快気分障害(PMDD)は、月経前の不快な精神症状や身体症状を引き起こす病気で、女性の生活の質を著しく損なっている。

近大の研究グループは、2014年に「PMS・PMDDが女性アスリートに与える影響」を世界で初めて解明した。


全国大会や国際大会への出場経験のある93人を含む全174人の調査結果から、何と44.3%もの女性アスリートが、PMSやPMDDの症状により練習や試合について何らかの障害を自覚していることがわかった。

今回は、この結果を踏まえ、「運動部と文化部の違い」や「練習・試合のパフォーマンスに障害を与える要因」について以下の調査を実施した。


【調査方法】

全学体育会所属の大学生225名(アスリート群)と全学文化会所属の143名(カルチャー群)の計368名を対象に、月経前の精神・身体症状に関する重症度、月経痛の重症度、魚や肉などの食事摂取頻度を評価する自記式アンケート調査を行った。そして、342名の回答のうち、有効なデータ312名分を解析した。


【調査結果】

●わかったこと(その1)
パフォーマンス障害は、運動部の方が発生しやすい


PMSやPMDDの症状によるパフォーマンス障害
運動部43.5%・文化部28.6%



●わかったこと(その2)
重症度には有意な差はないが、それぞれの特性はある


PMSの重症度(中等度から重度)
アスリート群14.5%・カルチャー群14.3%

PMDDの重症度(中等度から重度)
アスリート群2.5%・カルチャー群4.5%

その他の傾向
・「身体症状」はアスリート群でより多く見られる
・「社会活動の低下」がカルチャー群でより多く見られる


●わかったこと(その3)
魚を摂取しているアスリート群は、パフォーマンス障害が出にくい


・アスリート群
魚摂取 0.61
勉強、家事、仕事の能率低下 2.24

・カルチャー群
怒りやイライラ 4.01
対人関係障害 4.9



※オッズ比
その要因がある集団とない集団でそれぞれパフォーマンス障害が出ている割合を算出し、比較した数値。今回の研究で言うと、「その要因があることで、どれくらいパフォーマンス障害が出やすいか」を表している。

※95%信頼区間
統計調査では、いつも必ず同じ結果になるとは限らない。同様の調査を実施した場合に、95%の確率でこの区間に結果が収まることを示している。


本調査で、「魚摂取」によりPMSやPMDDの症状によるパフォーマンス障害を大きく改善できる可能性が示唆されたといえる。

この研究成果は「Journal of Pediatric and Adolescent Gynecology」に掲載されています。

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