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2021.10.04

小倉智昭さんが公表した転移性肺がん(転移性肺腫瘍)。その症状や治療法は?

Kindai Picks編集部

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キャスターの小倉智昭さんが10月4日、「ステージ4の膀胱(ぼうこう)がんが肺へ転移している」と診断されたことを公表しました。その症状や治療法について、近畿大学医学部内科学腫瘍内科部門の林秀敏講師に聞きました。

PROFILE
林 秀敏(ハヤシ ヒデトシ)
近畿大学医学部 講師/医学博士
専門:がん薬物治療
肺がん、原発不明がん、咽頭がん、口腔がん、免疫療法、免疫チェックポイント阻害薬、分子標的治療薬、個別化医療




転移性肺がん(転移性肺腫瘍)とは?



そもそもがんが転移するとはどういうことなのでしょうか?



がんの細胞は異常で、無秩序に分裂、増殖します。さらにがん細胞はまわりの正常な組織に広がっていきます。また、がん細胞はもともとのかたまり(原発巣、膀胱がんであれば膀胱が原発となります)から分離して、血流やリンパの流れに入り、体の他の部分に広がる可能性があります。このようにして、がんが体のある部分から別の部位へと広がることを転移と言います。転移したがん細胞は元のがん細胞と同じです。大腸がんや乳がんが肺に転移しても肺がんの細胞になるわけではなく、大腸がんや乳がんの細胞のままです。




転移性肺がん(転移性肺腫瘍)とはどういうものでしょうか?



大腸がんや腎がん、乳がんや胃がんなどいろいろな種類のがんで、がん細胞が血液に入り他の場所に移動して、そこで成長を開始します。これが転移(てんい)です。がんの治療が難しいのは転移を起こすためです。例えば手術で目に見えるがんを完全に取り除いたとしても、目に見えないがん細胞が潜んでおり、それが数か月~数年の歳月をへて他の内臓で再発するということは稀ではありません。その中でもともと別の場所のがんが、肺に広がって(移動して)出現したものを転移性肺がんと呼びます。なお、肺から出現して広がったがんは原発性肺がんと呼びます。
肺が体の中で酸素や二酸化炭素を交換する重要な臓器であり、血液の流れも豊富です。そのためがん細胞が行きつきやすく転移しやすいと考えられています。






どのような症状が出ますか?



肺の中には感覚神経があまりありませんので、肺の中に腫瘍ができても痛みなどをすぐに感じることはありません(そのため肺がんや転移性肺腫瘍は見つかりにくいのです)。肺の腫瘍が大きくなると咳や息切れなどの症状が出ます。




小倉さんのように膀胱がんから肺への転移は多いのでしょうか?



転移先の臓器として、肺がもっと多いとされています。




どのような検査で発見できる?治療法は?



肺転移はどのような検査で発見されるのでしょうか?



胸の単純レントゲン写真やCT検査でわかります。小さい腫瘍はレントゲンだけではわからないことが多くCT検査が必要です。




転移性肺がんの治療方針は?一般的にどのように治療をされるのでしょうか?



 転移する=血流にがん細胞が流れているということになりますので、全身を治療する必要があり、全身のがん細胞をやっつけるための抗がん剤治療が基本となります。直接的な治療効果としては手術が勝りますが、抗がん剤は目に見えないがん細胞も目に見えるがん細胞もやっつけられる点で優れているところがあります。

また最近では一般的な抗がん剤治療のほかに、人間の免疫システムを利用してがんをやっつける免疫チェックポイント阻害薬も良く使用されるようになっています。膀胱がんでは、通常の抗がん剤治療が効かなくなった患者さんに対して保険診療で免疫チェックポイント阻害薬を使うことができます。


一般的な治療期間はどれくらいですか?



抗がん剤治療の効果や副作用次第ですが、一般的に数か月です。




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