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2019.03.01

天才編集者・箕輪厚介氏の「就活」論とは?「就活2.0 これからの働き方」レポート

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近畿大学「ACADEMIC THEATER」で、株式会社幻冬舎の編集者である箕輪 厚介 氏、箕輪編集室所属の山東 幹 氏を招き、講演会「就活2.0 これからの働き方」が行われました。働き方や就職活動のトレンドが変わり始めている今、今の時代に必要とされるような人材になるための「生き方」「仕事についての考え方」「就活」について、箕輪氏にお話を伺いました。

箕輪 厚介(みのわ こうすけ)
株式会社幻冬舎所属の編集者。1985年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、2010年双葉社に入社。ファッション雑誌の広告営業として商品開発やイベントなど、さまざまな企画に携わる。2013年、雑誌『ネオヒルズ・ジャパン』を創刊しアマゾン総合ランキング1位を獲得。2014年、編集部に異動。見城 徹『たった一人の熱狂』、堀江 貴文『逆転の仕事論』を編集。その後幻冬舎に移籍し、2017年にNewsPicks Bookを立ち上げ、編集長に就任。また日本最大規模のオンラインサロン「箕輪編集室」を主宰。2018年に自身21冊目の著書である『死ぬこと以外かすり傷』を出版。


箕輪氏が語る「就活」「これからの働き方」とは? 講演会の内容を一部ご紹介します。


リーマンショックで内定先がつぶれ、内定取り消し――箕輪さんの就活エピソード





――箕輪さんご自身の就活はいかがでしたか?

今とは違って、就活に対する意識がそれほど高くない時代でしたね。僕はどちらかというと斜に構えてる「ヤな就活生」で、「就活とか意味ねえよ」みたいなことを言う側の人間でした。なのでモチベーションは高くなかったですね。でも一応早稲田大学だったんで、出版社やテレビ局をメインに受けようとしてました。

その2つがダメだったら、沖縄に行こうと思ってたんですよ。沖縄の海が好きだったので、東京でやりたくない仕事をやるぐらいなら、沖縄でホテルの仕事をして、あとの時間は海で泳いだりしてるほうが人生楽しいかな~とか思ってました。

で、テレビと出版社は全部落ちて、沖縄のリゾートホテルだけ受かったんですけど、リーマンショックでそのホテルがつぶれて、内定取り消しになったんですよね。でも、正直ちょっとホッとした。「あ、じゃあもう1回就活しよう」って。

で、就職浪人中に自分と向き合う時間がたくさん持てて、本気で考えたんです。やっぱり僕は、人を楽しませるようなコンテンツを作ることだったら楽しんで頑張れる人間だなと。

それでちょっと吹っ切れたのか、有名なテレビ局や出版社の選考も最後のほうまで行ったし、最終的には総合出版社である双葉社に受かって、そこから社会人をスタートしました。


――就活1年目と2年目で何か変わったことはありますか?

嘘をつかなくなりましたね。1年目は、いわゆる就活本とかのフォーマットどおりに言おうとしてました。

僕は大学4年間ほんとに何もやってなかったんですよ。ずっとキャンパスでお酒飲んで、たまにフットサルやってたぐらい(笑)。でも、僕は口先で言うの得意だったんで、就活本見て、「あのエピソードこうやって言えば余裕だな」って思ってました。要は舐めてたんですよね就活を。そしたらだいたいエントリーシートとか一次面接で落ちて。

でも2年目はものすごい等身大になって、自分を偽ろうとは思いませんでした。面接官に「大学で何やってましたか?」って聞かれても、「酒飲んでただけでした」みたいな。でも「なんでうちを受けるんですか」って聞かれたら、「楽しいことだったらとことんまで頑張れる性格で……」みたいに、嘘偽りなく言った感じですね。




――就職浪人中に自分を見つめなおす時間があったことで、本当に自分のやりたいことが見つかったんでしょうか?

僕自身は変わんなかったけど、言語化を明確にしたってのはある。就活に限らずだけど、人生で自分がどうするかってときはシンプルに考えたほうが良いんです。考えるべきことは3つ。

自分が何者で、何がやりたくて、(就活の場合は)なぜこの会社なのか。

この3つを明確に言語化できれば、あとはその柱の枝葉を増やしてくだけなんですよ。

就活ってすればするほど、落ちれば落ちるほど、迷宮入りしていろいろ考えちゃうと思うんだけど、複雑に考えると迷っちゃうから。シンプルに、この3つの質問ぐらいをずっと心に持ってればいいんじゃないかと思います。


「安心」とか求めて生きてんじゃねえよ





――就職先で気になるのは、大企業に入れば安心なのか、というところです。学生が選んだ企業に対して、学生の親がNGを出すこともありますよね。

そもそも「安心」とか求めて生きてんじゃねーよって思いますね。

何が「安心」なんだって話じゃないですか。会社って依存する場所じゃないですからね。10年ぐらいで倒産したり長くても30年ぐらいが寿命だって言われるようなものだから、自分の残りの寿命より確実に短い場所だっていうのが前提です。それが大企業だろうが関係ないわけですよ。

よく言われる話で、10年前の就職人気ランキングを見ると、今その会社は倒産してたり恐ろしいほど傾いてたりするんです。なぜなら、安心を求めている奴らがその会社に入り始めるから。そんなの傾くに決まってるじゃないですか。

今はよくても10年後どうなってるかわからない。「安定」を第一条件に会社を選ぶっていうこと自体がそもそも幻想ですよね。


――しかし親の期待に応える為に大企業に入りたいという学生もいますよね。

それはそれでいいと思いますよ。親のいうことを聞いて、それが幸せだったらそれでいいじゃないですか。僕みたいに我が道を行って「ブランド人ですね」って言われたから幸せ、じゃないですよ。

僕やホリエモン(堀江貴文氏)や落合さん(落合陽一氏)は煽るのがうまいの。だからSNSとか見すぎると、そういう茶々入れるやつが勝者のように見えるけど、自分が幸せだと思うことが人生のゴールなわけだから。その形はいろいろ。親を突破してでもやりたいことをやるのも一つ。ゆるくやるのも一つですよ。




――副業もだいぶ解禁されてますし、今後はいろんな会社に同時に勤めるという働き方もどんどん増えてきますよね。

増えていくと思います。会社のほうの体力が落ちてくると思うんで。副業解禁というのはつまり、「他でも稼いでね、うちは君のお金すべてを面倒みる体力は無いから」ってことなんです。

今後は自分の中でポートフォリオを組んで色んな会社で働いて、この会社メインで月いくら稼いで、この会社ではそんな稼げないけど自分が成長できる仕事に出会うとか、自分の中で、人生設計とともに組み合わせてくっていうのが主流になるでしょうね。


講演後には箕輪氏の著書である『死ぬこと以外かすり傷』の即売会とサイン会も行われました。


「就活ルール廃止」? 学生の悩みを箕輪さんに直接聞いてみた。


ご自身の就活体験から、これからの「働き方」まで、様々なお話を伺えた箕輪さんの講演会。これから就活を迎える学生はもちろん、就活を終えて社会人デビュー目前の学生にとっても学びあるものでした。

さらに、就活に関する詳しいご意見をお聞きするため、講演会の後、箕輪さんご本人に直接インタビュー!先日発表された「2021年春以降入社の、学生の採用活動における就活ルールの変更・廃止」についてや、今後の会社員の在り方についても改めて伺いました。




――学生は就活中に「自分のやりたいこと」を見つけるのに苦労します。自分のやりたいことを見つけ出すヒントはどこにあるのでしょうか?

ヒントは2つあります。「自分を掘る」という作業と「とにかく行動する」という方法ですね。まず、自分はどういう風に生きたいのか?自分はどういう時に楽しいと感じるのか?を振り返って、自分自身を見つめ直さないといけない。

ただ、見つめ直すことだけやっててもだめ。例えば、これは「たこわさ理論」て呼んでるんだけど、小学生に「好きな食べ物は?」って聞いても「たこわさ」とは答えないじゃん? 食べたことがないから。つまり、知らないものは答えようがないから、いろんなことを経験してみるのは大事だってこと。だから両方必要だね、世の中を知ることと、自分を知ること。


――自分のことを知るというのは就活では「自己分析」と呼ばれます。自分や他者を理解する際のポイントなどはありますか?

あまり「ポイント」ってことを意識しないほうがいいと思うんだよね。自己分析だったら、ただ量と時間をこなす方が大事じゃないかな。極端な話、自己分析の本でよく「100の質問」とかあるじゃん? それを1ヶ月徹底的にやり込んでみたりさ。

絶対的な真理として、「量」が「質」を作るんですよ。だからまずは疑わないで、ハズレてもいいんだから選んで、信じてやってみることじゃないかな。そのあとに「やり方をどう(工夫)したらいいかな」って悩むべき。1日2日でできることって大抵あんまり意味のないことだから。


――講演会で「これからは1人が複数の会社で働くのが主流になる」というお話をされていましたが、今後の就活もそれに伴って変わってくるのでしょうか?

就活自体に変化はあまりないと思うよ。就活で何社も内定をもらって、複数の会社に就職するみたいなスタイルはまだ出てこないと思う。

ただ世の中の変化の方が就活より早いから、それを見越しておく必要はある。副業も解禁されるだろうし、転職も流動的になるだろうから実力主義になるだろうし。そうなると、安定してる企業を選ぶんじゃなくて、自分の力を発揮できそうな業種や、「俺はこれが好きだ!」っていう楽しいから苦じゃない仕事っていうのを選ぶことが大事だと思うね。

実力主義って、若い人たちにとってはすごく歓迎すべきことだと思う。これまでは会社内の上司とかが評価してきたけど、これからは評価を下すのはあくまでお客さんであり市場だから。自分にとって苦じゃないことをやり遂げていけば、あとは成長するだけ。若者にとって今の実力主義っていうのは非常にチャンスだよね。




――しかし実力主義となると「会社員になるメリット」って何だろうと思ってしまいます。

会社員であるメリットはやっぱりあるよ。それなりの規模の会社だと金があって信用があるから。世の中にインパクトを与えるデカイことって多くの人が動くから、それは「会社」じゃないとできない。会社を利用する、じゃないけど、自分がやりたいことを大きくするのに会社は機能するよね。

会社っていうのは、何かのプロジェクトの為に人が集まってる場所だから。例えば本を作るっていうなら、そういう集団の中にいた方が「本を作る」という点では楽だよね。


――起業を考えている学生もいると思いますが「起業するメリット」というのもあるのでしょうか?

もちろんあるよ。会社の場合、上も下もないんだよね。「会社が給料を下げる」っていうのはそんなにあることじゃないから、会社にいる限り収入がガクッと減るっていうことはそんなにない。でも、収入が上がることもそんなにないよね。だからサラリーマンにはリスクはそんなにない。でも起業する人はリスクがでかいよね。自分でリスクを管理するからそのぶん収入も上がる。

自分の人生観や実力に合わせて(起業するかサラリーマンになるかの)どちらを選ぶかだよね。


逆境やトラブルに対処する箕輪流の考え方――「逆にアリ」


――「就活ルール」の変更によって、これまであったレールがなくなり、「これからの就活どうしよう?」と思っている学生も多いですが、いかがでしょうか。

自由が一番めんどくさいよね。それは大人が悪いと思うけど、理不尽なことってたくさんあるから、そんなこといっても仕方ない。「じゃあどうしよう?」って発想のほうが大事。逆境に対しては「どっちでもいいよ、かかって来いよ!」って思っておいた方がいい。

全部「逆にアリ」って思うしかないよ。すべての理不尽に対して「逆にアリ」って発想をするのはすごく大事。「就活ルールがなくなる」っていうのも「逆にアリだな? じゃあどうしよう」って思う。そういう発想ができる人は強い。


――箕輪さんは就活浪人の時に嘘をつかなくなったからこそうまくいったとのことでしたが、どうすれば初めての就活でも嘘をつかずにすみますか?

マインドの問題だよね。「(面接官より)自分のほうがえらい!」「俺の良さ、わかんないの?」って思うしかない。

とはいえ、「嘘偽りなく話して、採用するかどうかは企業側がが決めることだ!」って正論言うのは簡単だけど、みんな「内定なかったら恥ずかしい」「親に申し訳ない」と思って、嘘つく気持ちはしょうがないと思うよ。

でも、嘘つかない人のほうが絶対内定する、っていう客観的な事実を言っといた方がいいかな。僕も面接官やることもあったから分かるけど、「嘘」ってバレるんだよね。「通り一遍」に聞こえるから、もう一瞬で分かる。もっと言えば面接官だってクソみたいな大学生活を送ってたわけだから、学生がそんな立派なこと言ったら「嘘つき!」って思うよ(笑)。

だから一般で行われてる「人間性を見る」みたいな面接は、本当に素直に、人間性丸出しにするってことが前提だよ。面接行くのも怖くなくなるだろうしね。就活とか面接は「評価してもらえる場所」を見つけるっていうより「自分に合う場所」を見つける機会だね。

でも、就活も長い人生の単なる1個のイベントなだけだから。ずーっと続く人生の中の、単なる1つだから。うん、そんな感じだよね。




――箕輪さん、本当にありがとうございました!


まとめ


天才編集者と呼ばれ、現代を牽引する箕輪氏のお話は、これから就活を迎える学生にはもちろん、就活を終えた学生にとっても非常に学びのあるものとなりました。自分に最も合った働き方とは何なのか、改めて考えてみるのも良いのではないでしょうか。


箕輪厚介氏公式HP
公式Twitter
箕輪編集室


(終わり)




文:かまたま
企画・編集:人間編集部


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