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クリぼっちでも無問題?「リア充」とは何かを再定義してみた

「リア充」とは何かを考えてみた

KindaiPicks編集部

2018.12.20

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オリジナル記事
リア充
地主恵亮

インターネットスラングとして生まれた「リア充」という言葉。恋人の有無や友人の多さを基準として人の良し悪しを判断する概念として浸透していますが、本当のリア充は友人や恋人だけでは推し量れないのかもしれない……。ということで、『ひとりぼっちを全力で楽しむ—リア充に負けない22の人生戦略』などの著書でお馴染みのライター地主恵亮が、日本一のリア充学生率を誇るとウワサの近畿大学に潜入し、今時の大学生から「真のリア充とは何なのか?」を探りました。

リア充という言葉がある。リアルな生活が充実している人のことだ。それはたとえば、恋人がいるだとか、友達が多いだとか、そのような人がリア充と呼ばれるカテゴリーに属する。

ただ本当にそうなのだろうか。時代は常に変わる。リア充と言葉が生まれてからしばらくが経つ。もしかすると、リア充の定義が変わっているかもしれないし、そもそもリア充とはなんなのか。学生に聞いてリア充について考えてみたいと思う。

クリスマスが近い


街を歩いているとクリスマスの雰囲気が漂い出している。イルミネーションや、クリスマスツリーなどが嫌でも目に入る時期だ。一時期ほどではないけれど、クリスマスを1人で過ごすなんて、という雰囲気が漂う。


この記事を書いている地主です!

私はインターネットで記事を書いたり、本を書いたりしているけれど、昨年度の年収がアザラシの餌代1年分と同じだった。地主という名前は本名なのだけれど、賃貸に住んでいるし、名前負け感が否めない。友達も高校時代からいなくて、モテるとかモテないとかとは関係ない場所にいた。


だいたい1人なんです……

私はもう30代なので、リア充がどうのとか、クリスマスが1人だとか、そのようなことは卒業した。リア充じゃなくてもいいし、クリスマスは1人でもいいと悟っている。ただ若い人はそうではないだろう。リア充にこだわるお年頃だ。


ということで、近畿大学に来ました!!!

嘘をついた。30代の私でもリア充とか非リア充とか、クリスマスとか興味しかない。

だからこそ、「リア充とは?」という定義を今一度確かなものにしたい。もしかすると自分は非リア充と思っていても、実はリア充というカテゴリーに属するかもしれないのだ。


近大、綺麗ですね!

そして、なぜ近畿大学に来たかというと、大学の広報の方から「リア充が多いです」と聞いたから。一部ではリア充の巣窟と聞いている。つまり近大に来ればリア充だらけなのだ。ぜひここで「リア充とは?」 を再定義したいと思う。


確かにリア充がたくさんいそう!! 大学の中ですよ、ここ!


リア充の定義を正す


近大は学生のための施設が充実している。
「アカデミックシアター」という図書館や企業ブースもある施設があり、「CNN cafe」というインスタ映えしすぎるだろ、みたいなカフェも併設している。


リア充に話を聞きます! 理工学部2年生の堀井くん(奥右)、理工学部2年生の濱口さん(奥左)、理工学部2年生の後藤くん(手前右)。

アカデミックシアターの中を歩くと……いました、リア充。

リア充って男2女1とか、女2男1でいることが多い(私の統計による)。まさにそのパターンだ。並んで座っている2人がカップルで、もう1人の男性は? と思ったけれど、聞けば彼女がいるらしい。つまりここにいる3人は全員恋人がいるということになる。


仲良さげ!

地主:突然すいません、みなさんはリア充ですか?

堀井くん:えっ? まぁ……リア充……ですかね。

濱口さん:リア充……かなぁ。

後藤くん:どちらかというとリア充です。

地主:3人とも! そうだとは思いましたが!

堀井くん:そう見えますか(笑)

地主:では、リア充とはなんでしょうか?

堀井くん:うーん、1日が充実してたらリア充じゃないですか? 自分が満足してればそれでいいと思います。

後藤くん:そうだと思う。

地主:恋人の有無や友達の多さは関係ない?

堀井くん:関係ないですね。

濱口さん:1人でも毎日が楽しければリア充だと思います。

なるほど。毎日が充実している、というのは「やりたいことがやれている」ということ。それがリア充によるリア充の定義らしい。ポイントは恋人や友達の有無は関係ないことだ。


関係ないけどキャンパス内が結婚式場っぽい!

ちなみにカップルの方の男性(堀井くん)は今までに「13人」と付き合ったことがあるそうだ。他の2人も中高校時代から恋人がいるとのこと。

私は思ったね。高校生って付き合っていいの……? って。
だって、いなかったもん。俺には高校時代、友達も恋人も。


ランチタイムに大学内のカフェの前で待ち合わせをしていた、経済学部2年生の和田くん(手前右)、経済学部1年生の伊村さん(奥右)、経済学部2年生の田上くん(奥左)。

次のグループも男2女1という私の考えるリア充の構成だった。それだけではなく、すれ違う知り合いに「よっ!」的な声をかけていた。いま流行りの「よっ友」だろう。大学内で声を掛け合う仲のことを「よっ友」というらしい。私にはそんな友達もいなかったな……。


常にこの感じだった

地主:こんにちは。リア充ですか?

田上くん:俺はリア充ですね。

和田くん:僕はリア充じゃないです。自分の現状に満足したらダメだと思っているので。

地主:ちなみに、LINEの友達の数は?

和田くん:200人くらいです。

地主:あなたはリア充です!

地主:では、リア充とは?

田上くん:「人生が充実している」とか「やりたいことがある」とかですかね?

地主:恋人の有無は関係ない?

田上くん:恋人はいなくてもいいと思いますよ。

地主:今、恋人はいるんですか?

田上くん:います。隣にいるのが彼女(伊村さん)です。

地主:じゃあ、彼女の方もリア充ですかね?

伊村さん:私もリア充……だと思いますけど、「リア充とは?」とか、考えたことないです(笑)

地主:考えたことなくて、リア充だと思えているのが素敵!

ニット帽の彼はリア充ではないらしい。男女混合3人組の1人なのに驚きの答えが出たけれど、話を聞けば間違いなくリア充な気がした。この自転車の感じがリア充なんだよね。ジャージの彼のやりたいことがある、という答えもカッコよかった。


キラキラしてるよね!


恋人の有無ではない説


見た目的にリア充だよな、と思う人に話を聞くとやはりリア充で、「リア充とは?」を聞くと「自分のやりたいことがある」という答えになった。いろんな人に聞いてそうなった。ただ、その人たちには恋人がいる。


次は女性3人グループ。国際学部2年生の田口さん(手前右)、国際学部2年生の山﨑さん(奥右)、国際学部2年生の山田さん(奥左)。

地主:みなさんはリア充ですか?

田口さん:はい!リア充だと思います!

山﨑さん:私も!

山田さん:私はリア充じゃない……です。

田口さん:え!!! ちょっと待って、勝ち組じゃん!!!

地主:勝ち組ってなに? 新しいワード!

田口さん:だってかわいいもん! だから勝ち組!

地主:うん、そう思う、かわいい!


勝ち組だと思うよ!

地主:リア充とは何でしょう?

田口さん:今が楽しいかどうか?物理的にも精神的にも満たされていること、だと思います!

山﨑さん:自分のやりたいことができているか、かなあ。

山田さん:自分の思った通りにできているかって大事だと思います。いま私は忙しくて時間がないから、やりたいことができていなくて。だからリア充ではないと思ってます。

地主:やりたいことがあるの?

山田さん:彼氏の影響で、DJをはじめたくて……

地主:あ、リア充だわ!


リア充によるリア充の定義



つまりこういうことです!

リア充に「リア充とは?」と聞くと、いろいろな意見があったけれど、まとめると「やりたいことがやれている」ということで、「恋人の有無は関係ない」ということになる。これがリア充によるリア充の定義なのだ。


いろんな人に、


聞いた結果です!


非リア充に聞く


リア充が考える「リア充とは?」はわかった。では、非リア充が考える「リア充とは?」も聞かなければならない。

ということで、リア充だらけの近大で非リア充を探した。そしたら、いました。非リア充が。


経済学部2年生の畠山くん。

地主:リア充ですか?

畠山くん:いえ、非リア充です。

地主:どうしてそう思いますか?

畠山くん:友達も少ないし、彼女もいたことがないですし……。

地主:おぉ、それは非リア充! 私と一緒です、わかるよ!では、リア充とは何だと思いますか?

畠山くん:やっぱり、恋人がいて、友達が多いことですね。

地主:だよね!


なぜか写真も暗かった

地主:Instagramとかやってる?

畠山くん:一応やってます。海の写真とかアップしてます。

地主:さっき聞いたリア充の人はInstagramにフェスとかの写真をアップするって言ってたよ。

畠山くん:僕は海の写真ばっかりです。

地主:海、いいよね!


海の写真のイメージ

「クリスマスは?」と聞くと、予定はないそうだ。というか、警備とコンビニのバイトをかけもちしているけれど、クリスマスの日はあえてバイトを入れないようにしているらしい。

クリスマスにバイトに行くと「恋人がいないことがバレる」ので、家にいるとのこと。抱きしめてあげたくなった。私と一緒だ。


俺も似たような自転車に乗ってるよ!

そう、そうなのだ。何が、「リア充とはやりたいことがやれていること(恋人の有無は関係ない)」だバカやろー! 

大学で自分のやりたい勉強はできている。バイトも楽しい。だとしても、そうではないのだ。恋人の有無だ。それに尽きる。

非リア充から見れば、リア充とは恋人がいることなのだ。


非リア充によるリア充の定義



こういうことです!

リア充が考えるリア充の定義は「やりたいことがやれている」であり、非リア充が考えるリア充の定義は「恋人がいる」ということ。実にわかりやすい。

つまり恋人の有無だけなのだ。人は血を繋ぐべくプログラムされた生き物だ。恋人の有無が大切なのは当たり前なのだ。それがリア充とは? の答えなのだ。


例外が現れました

次に話を聞いた方でその答えはくつがえった。彼は経営学部3年生の井出崎くん。これまで話を聞いたのは偶然にも2年生ばかりだったが、彼は3年生。

地主:リア充ですか?

井出崎くん:最近はリア充だと思います。

地主:最近? はいはい、恋人ができたのね?

井出崎くん:いえ、いないです、一度も……

地主:え!!! でもリア充???


アカデミックシアター のオシャレなカフェにて

井出崎くん:恋人はいままで一度もいたことはないですし、2年生までは自分のことを非リア充だと思っていて、リア充を妬んですらいました。

地主:普通のことですね。

井出崎くん:ただ3年生になり、ゼミに入ると、同じ目的を持った友達ができて、毎日が充実してます。楽しいんです!

地主:「同じ目的を持った友達」……なんて憧れるワード……


彼は今リア充です!

恋人や友達が多いかどうか」が、リア充との分水嶺と思っていた自分が恥ずかしい。同じ目的を持った友達こそがリア充との分岐点だそうだ。友達の総数的には決して多くはないけれど、本当の友達、心の友的なものがいれば、リア充なのだ。


彼の入学当時の写真


今の写真

待ってくれよ、彩りが違うじゃないか。同じ人が撮った写真とは思えない。
そう、彼は今リア充だからだ。同じ目的を持った友達がいるから。毎日が楽しいというが、それは強がりではなく、本当にそう思っているのだ。私の価値観に衝撃を与えた。


これが真のリア充です!!!

やはり、リア充から聞いた「リア充とは?」に間違いはないのだ。「やりたいことがやれている」こそがリア充なのだ。彼と話していてそう思った。

別の学生と話した時もそう言っている人がいた。恋人の有無ではなく、「やりたいことがやれている」だと。


国際学部2年生で中国人留学生の謝くんも同じことを言っていました

彼も恋人はずっといないそうだけれど、日本に来てから友達もたくさんできて、毎日が楽しくてリア充だと話す。

そうか、そうなのか。私が間違っていた。

さっきの非リア充の彼も、3年になってゼミに入ればきっとリア充になれるよ!恋人は関係ないよ。


私は友達とか全くいないけど……


「リア充とは?」がわかった


近大でリア充と非リア充に話を聞いた。最初は私の価値観でリア充とは「恋人がいること」だと思っていたし、それは間違いないように思えた。

しかし、そうでないリア充が現れた。そしたら、何も言えない。きちんと自分のやりたいことを見つけて、日々を楽しく過ごす姿、それこそがリア充なのだ。

「リア充とは?」を再定義した結果、私はやっぱり非リア充であることは浮き彫りになったけど。


こういう大学生活を送りたかった!!!


(終わり)


ライタープロフィール
地主恵亮
1985年福岡生まれ。 基本的には運だけで生きているが取材日はだいたい雨になる。 深刻な友達及び彼女不足により、2012年より一人なのに彼女がいる風の写真を撮り始め、一人でもキラキラして逆に眩しいとすら感じる生活を送る。 2014年より東京農業大学非常勤講師。 著書に「ひとりぼっちを全力で楽しむ」(すばる舎)、「妄想彼女」(鉄人社)がある。
Twitter:@hitorimono


企画・編集:人間編集部



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