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シーズン到来! 青春18きっぷで行く鉄道旅行のススメ!

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Kindai Picks編集部

2018.07.19

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在学生
学生ライター
コラム

みなさんご存知の「青春18きっぷ」! 春休み・夏休み・冬休みの期間にJRが売り出す破格の割引きっぷで、鉄道旅行の代名詞として君臨 ―― 販売シーズンには美しい駅を写したポスターが張り出され、人々の旅行欲を掻き立てます。しかし、「名前は知ってるけど使ったことがない……」という方も多いのでは? 今回は2018夏シーズンを前に、「青春18きっぷのお得な使い方」と「オススメの鉄道旅行プラン」をご紹介します!


山陰本線の車窓から眺めた福知山城

こんにちは、近畿大学総合社会学部4年の竹見優也です。私は鉄道マニアで、これまで47都道府県中35都府県を鉄道で旅してきました。Kindai Picksでは「近鉄ダイヤ改正」「長瀬VS八戸ノ里」など、鉄道をテーマに記事を書いています。

今回は「青春18きっぷ」をご紹介!

「青春18きっぷ」は交通費の負担を軽くしてくれる学生の味方ですね。ただ、使い方が少し難しいんです。今回は、そんな18きっぷについて、お得な使い方や裏技、おススメ旅行ルートなどもお伝えします! この記事を参考に、一人でも多くの方が鉄道旅行に出かけてくれたら嬉しいです! 記事の最後には「18きっぷを使用した場合の大阪~東京間の各交通機関・運賃リスト」も掲載します!



1.青春18きっぷの特長




まずは「青春18きっぷ(以下、18きっぷ)」の特長をご紹介します。

■価格
1枚/5日分セット=11,850円(1日分/2,370円)
※バラ売りは不可

■有効時間
1日の有効時間は「午前0時から翌0時」まで(「始発~終電」ではありません。要注意!)。
18きっぷを使用中に0時を回ったら、「0時を過ぎた最初の停車駅まで有効で、その先さらに1日分が必要」です(大阪近郊エリア、東京近郊エリアのみ特例で終電まで有効)。

■購入場所
JRみどりの窓口

■2018 販売シーズン
(春季用)発売期間:2018年2月20日(火)~2018年3月31日(土)
     利用期間:2018年3月1日(木)~2018年4月10日(火)
(夏季用)発売期間:2018年7月1日(日)~2018年8月31日(金)
     利用期間:2018年7月20日(金)~2018年9月10日(月)
(冬季用)発売期間:2018年12月1日(土)~2018年12月31日(月)
     利用期間:2018年12月10日(月)~2019年1月10日(木)

■使い方
 ・ひとりでつかう
 ・分け合う(5日分はひとりで使うだけでなく、複数人で分けることも可能)
  ※分け合う場合は利用者全員で改札口に行き、駅員に18きっぷを提示してください。
  ※複数人利用の場合、同一行程であることが必須となります。
  ※一枚の切符に毎回ハンコを押してもらう必要があるので、バラ利用は不可。


2.青春18きっぷとは何か?




ところで「青春18きっぷ」とは何でしょう?
端的に言うと「旅客鉄道会社全線(JR全線)に期間内の5日間乗車可能な割引切符」です。
旅客鉄道会社線(JR全線)とは旧国鉄系の会社で、「JR北海道」「東日本」「東海」「西日本」「四国」「九州」の6社を指します。

18きっぷには下記のルールがあります。

<青春18きっぷのルール>
 ・18歳以下じゃなくても購入・使用できる
 ・乗車券やICOCAで乗れるJRの電車に使用可能
 ・近鉄や阪神などの私鉄には乗れない
 ・普通・快速と名の付く列車に乗車できる
 ・途中下車は何度でも可能
 ・基本的に特急や新幹線には乗車できない
 ・自動改札は通れないため、利用ごとに駅員のいる有人改札を通る


3.青春18きっぷ利用の注意点




さて、便利でコスパもいい18きっぷですが、利用にはいくつか注意点があります!

ひとつは「設備券」についてです。

<設備券>
設備券は正確な呼び方が無いため、当記事ではこう書きます。
このチケットは「列車の設備や速達性を利用するために、追加料金を支払って購入する切符」です。
「18きっぷ+設備券」のセットでなければ乗れない列車があります。

 ■主な設備券
 ・座席の確保のための指定席券・グリーン券
 ・ペット・大型荷物の持ち込みのための手回り品券
 ・駅構内に入場するためだけの入場券
 ・速達性のための特急・急行券

もうひとつは注意書きについて。



上の画像は私が使った18きっぷですが、(JR全線)と書いてある右に「※特急(新幹線含む)急行列車及びJRバスを除く」とあります。
これは「18きっぷは原則として新幹線や特急・急行列車、JRが運営するバスには乗れない」ことを意味します。

<もしも、青春18きっぷのみで特急や急行列車に乗ったら?>

18きっぷは無効です。
車内で車掌に「特急・急行乗車区間の乗車券代+設備券」の費用を支払います。

ただし、設備券を必要とする全ての列車に乗車が不可能という訳ではありません。
先ほど少し述べた「快速・普通」の指定席には、18きっぷと指定席券(設備券)で乗車可能です。

<グリーン車「自由席/指定席」の扱い>
また、関東のJRでは普通や快速に「グリーン車・自由席がついていることがありますが、これにも18きっぷとグリーン券で乗車可能です。
一方、普通・快速についている「グリーン車・指定席には乗車が出来ません!(鉄道マニアでも陥るミス)


4.青春18きっぷ利用グラフ


グラフにまとめるとこうなります。



<ライナーとは?>
ラッシュ時に運行される、定員制の快速列車/通勤向け特急のこと。
座席分のライナー券しか発売されないため必ず座れます。
記事内で紹介する「おススメ列車」の中では「おはようライナー新宿26号」と「ホームライナー浜松」が該当。


5.知っ得! 青春18きっぷの「例外」



ここまで18きっぷの特長や注意点を紹介してきました。
もう一点、「例外」について説明します!

<18きっぷ+設備券で乗れる快速・グリーン車>
 1.関西圏に多い「○○路快速」(設備券は不要)
 2.関東の東海道、横須賀、東北、高崎、常磐、総武快速の各線を走る「普通、快速のグリーン車」(別途、グリーン券が必要)
 3.「マリンライナー※」の「1階席/普通車指定席」(別途、指定席券が必要。尚、「2階席と展望席」は乗車不可)

※マリンライナー:岡山~高松を瀬戸大橋を超えて走る快速列車

<18きっぷで乗れるJR以外の路線>
JRの列車以外で利用できる例外があります。
 ・元北陸本線の「IRいしかわ線」と「あいの風とやま線」の一部区間
 ・ほかにも特例で特急に乗れる例外区間あり(購入時に付いてくる18きっぷの説明書に詳しく書かれています)。


6.おすすめの旅 ~青春18きっぷの応用編


ここからは応用編。
実際に18きっぷを使ったおすすめの旅先を紹介します!


6-1.臨時夜行快速「ムーンライトながら・信州」



旅行の夜間移動となると、深夜は電車が動いていないため、夜行バスやフェリーが使われがち。しかし、夜行列車の快速「ムーンライト」シリーズでは18きっぷが使えます!

この「ムーンライト」シリーズ、18きっぷ利用法の王者とも言われ、シーズンにのみ運行される列車のため、座席は争奪戦になりがち。それでも約5000円(2日分のきっぷ)で長距離を走破するところが大きな魅力。18きっぷの醍醐味が味わえます!

<利用上の注意>
 ・全車指定席なので「指定席券520円が別途必要」
 ・夜行列車は運行が日付を跨ぐため「18きっぷは2日分消費される」
 ・4列シートの夜行バス程度の居住性
 ・車両は国鉄世代で老朽化が進んでいるため、寝る場合アイマスクと耳栓が必須

現在、「ムーンライト」は2種類が運行中です。

1.ムーンライトながら:大垣(岐阜)~東海道本線~東京


<所要時間と料金>
大垣~東京間での運行、所要時間6時間半ほど。
料金は指定席券520円+18きっぷ2日分4,740円で計5,260円です。

2.ムーンライト信州:白馬(長野)~大糸、篠ノ井、中央本線~新宿


<所要時間と料金>
新宿→白馬での片道運行。所要時間約6時間。夜行列車。
指定席券520円+18きっぷ2日分4,740円で計5,260円。


6-2.有料長距離快速、ライナー



左・ホームライナー瑞浪 右・有料快速(ホリデー富士山)

18きっぷのルールの一つ「18きっぷ+設備券」で乗れる列車です。
「有料列車のためスピード、快適性のバランスが良く」、筆者も頻繁に利用します。
長距離の移動に際して「着席が保証されている」ことも利点です。

おすすめの列車はこちら!

1.「おはようライナー新宿26号」小田原(神奈川)~東海道本線~新宿


小田原7:41発~新宿9:02着
ライナー券510円(平日のみ運転)

2.「ホームライナー浜松3号」沼津(静岡)~東海道本線~豊橋(愛知)


沼津18:31発~豊橋20:46着(浜松~豊橋間は普通列車として運転)
乗車整理券320円

3.「ホリデー快速ビューやまなし」新宿~中央本線~小淵沢(山梨)


新宿~小淵沢で運行。所要時間約3時間。
指定席券520円(追加料金なしの自由席もあり)
※冬季18きっぷシーズンは運転なし

4.「快速『はまゆり』」盛岡(岩手)~東北、釜石線~釜石(岩手)


盛岡~釜石で運行。所要時間2時間強。
指定席券520円(追加料金なしの自由席もあり)

5.「首都圏グリーン車/自由席」沼津(静岡)~黒磯(栃木)・前橋(群馬)・高萩(茨城)・千葉



これらの列車は全て快適に長距離を移動できます。
ただ、運行本数や日時に注意が必要です。

<毎日運行>
 ・首都圏グリーン自由席※/満員列車を避けたい場合に重宝する列車
 ・おはようライナー新宿/朝の東京の通勤ラッシュに座って通勤するための列車
 ・ホームライナー浜松/夕方の帰宅ラッシュを楽に帰るための列車
 ・快速はまゆり/1日3往復

※首都圏グリーン自由席:今では湘南新宿ラインや上野東京ラインの開通により首都圏は走行時間4時間を超える長距離列車も運行されており、全区間走破する場合、この席の確保が欠かせません。

<休日運行>
 ・ホリデー快速ビューやまなし/休日のみ
アルプスへの観光客を運ぶ列車です。
この列車は快速でありながら、普通車自由席・普通車指定席・グリーン車指定席の3種の座席が用意されており、18きっぷで乗る際に、下記2点に注意が必要です。

 1.ビューやまなしには普通車にも「自由席」と「指定席」があり、「自由席は18きっぷのみ」で、「指定席は18きっぷ+指定席券」で乗れる。

 2.ビューやまなしの「グリーン車」は「18きっぷとグリーン券では乗れない」


6-3.景色を楽しめる路線


最後は沿線の景色にスポットを当てておススメ路線を紹介!

1.小浜線 ~「京都の軍港舞鶴」から「鯖街道の港町福井県敦賀」を結ぶ

小浜線・東舞鶴駅(京都府)から敦賀駅(福井県)

<所要時間と料金>
東舞鶴~敦賀間で2時間ほど。
料金は18きっぷ1日分で賄えます(通常運賃は1,660円)。

この路線は走行中の車窓からは若狭湾の美しい海岸線が一望できます!
しかも「大阪圏からのアクセスが良い路線の代表格」です。

<通常ルートで行った場合の運賃と時間>
1.大阪駅~東舞鶴
■運賃
 ・2,590円

■到着時間
 ・京都経由の場合/2時間45分
 ・福知山経由の場合/3時間

2.大阪駅~敦賀駅
■運賃
 ・2,270円

■到着時間
 ・1時間50分(行き先が敦賀の場合、新快速で乗り換えなし)

※小浜線の中心駅でもある小浜駅までは敦賀からの方が近く、敦賀駅~小浜駅は「3,350円/2時間50分程度」です。しかし、小浜線の本数が少ないので事前に時刻を調べて行ったほうが良いです。


左・小浜線の車窓から眺める若狭湾 右・舞鶴の赤レンガ倉庫

筆者としては、関西圏で最も車窓の美しい路線としてオススメしたいです。

沿線には敦賀の焼き鯖寿司、舞鶴の海軍コロッケなど名産が多くあり、グルメ旅行にうってつけの路線としても知られます。


舞鶴海軍カレー

<運休情報>
現在(2018年7月16日)、西日本豪雨の影響で東舞鶴駅から京都方面に向かう路線(舞鶴線)が運休しています。
JRの公式発表では「運転再開は7/20以降」だそうです。
そのため、「敦賀方面から小浜線」に入ることはできますが、「京都・福知山方面から舞鶴」に鉄道で入ることが出来ません。(代行バスはあるとのこと)


2.仙石線 ~仙台市から石巻市へ向かい、震災の傷跡と復興を辿る

仙石線・あおば通駅から石巻駅

<所要時間と料金>
あおば通駅~石巻駅で1時間40分ほど。
料金は18きっぷ1日分で賄えます(通常運賃は840円)。

この路線は東日本大震災の被害が最も大きかった被災地です。

2017の秋、筆者はこの路線を旅しましたが、古い建物が全部流されて更地となっており、水産関連施設などの新しい建物がどんどん建てられていた所には復興が感じられました。
被災地を見て回ることは、災害で被害を受けた町にお金を落とす行動にもなるので、社会勉強と復興支援の両方が出来る、一石二鳥の旅にもなります。

特に仙石線は沿線に日本三景の松島や松島湾の風景、石巻の海の幸などを楽しめる観光地として優秀な地域ですので、ぜひおススメしたい路線です。

東北の路線であり大阪からは遠いですが、大都市仙台から乗り換えなしで行ける点も魅力です。


左・仙石線の車両 右・石巻海鮮

3.予讃線 ~「香川県高松」から愛媛県宇和島を結ぶ四国の大幹線

予讃線・高松駅から宇和島駅

高松~宇和島の路線。走破所要時間8時間程度(高松~松山を快速に乗った場合で計算)。
一応1日で走破可能(通常運賃は5,420円)。

「瀬戸内海の風景」や「絶景の駅で知られる下灘駅」を抱える海の路線!
しまなみ海道の起点「今治」や「道後温泉」などの観光地も豊富です。

「終点宇和島からは“日本最後の清流”四万十川に沿って走る『予土線』に連絡」しており、景色も素晴らしい!

四国の絶景スポットを丸ごと楽しめる路線です。


予讃線松山駅(左)と車窓からの風景

<運休情報>
現在(2018年7月19日)、西日本豪雨の影響でかなり広い範囲で長期運休がでています。
・本山駅~観音寺駅間        始発から終日、運転を見合わせます。
・伊予市駅~伊予大洲駅間(海回り) 始発から終日、運転を見合わせます。
・八幡浜駅~宇和島駅間       始発から終日、運転を見合わせます。


7.まとめ


青春18きっぷはその名の示す通り、青春時代を飾る思い出の一枚にふさわしい切符です。2000年の夏の18きっぷの販促ポスターのキャッチコピーでもある「早く着くこと」よりも大切にしたいことがある人は、一夏の思い出が作れるような旅に出かけてみては如何でしょうか? また、今夏、近大の東大阪キャンパス・アカデミックシアターでは、図書館ボランティア「Apricot Concierge」による企画選書「TRAVEL」が行われます。旅のお供になる一冊が、あなたを待っています!


8.おまけ「大阪~東京間の各交通機関の運賃リスト」





ライタープロフィール
竹見 優也(たけみ・ゆうや)

近畿大学総合社会学部、環境まちづくり専攻4年。
鉄道・アニメ・ゲーム・野球・釣りなど多趣味人。夢は鉄道員! アカデミックシアターのボランティアサークル「Apricot Concierge」2代目リーダー。


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編集:人間編集部



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