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国際交流

2017.07.18

私たちにだってできることがある。国際社会の問題に対峙する27か国の若者たち ―模擬国連2017―

Kindai Picks編集部

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コラム
国際

2017年6月に近畿大学のアカデミックシアターでJapan English Model United Nations 2017(日本英語模擬国連大会)が開催されました。
今回事務局長を務めました文芸学部3年の私、遠田が、“模擬国連”と“JEMUN”についてわかりやすく、裏側も含めて紹介します!

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27ヵ国42大学・8高校から256人の参加者がアカデミックシアター前で手を振る様子


What’s Model United Nation?

模擬国連(Model United Nations)は、学生が一人一国の大使を任され、実際の国連の会議のように議論や交渉を重ね、現在国際社会が抱えている問題の解決策を導くシミュレーション教育プログラムです。進行はすべて英語で行われ、最近では自分の英語力・行動力を試したいと思う大学生のみならず、高校生の間にも広がりを見せています。今回は高校生にも参加していただきました!


What’s JEMUN?

今回、初開催するJEMUN(日本英語模擬国連)は、近大学生が主催者として、準備・運営を行いました。外国人留学生や高校生を含む、およそ256人の学生・生徒と40人の教員が参加して、“Sustainable and Accessible Tourism”をテーマに、決議の採択を目標に会議をします。JEMUNの特徴としては、ジャーナリストとして参加できることです。カメラで会議の様子を撮影したり、新聞記事・マンガを書いてウェブサイトに掲載したり、それぞれの役割にわかれて、3日間かけて一つの作品を完成させます。

“Sustainable and Accessible Tourism”という大枠のテーマの中に
・Meeting Room #1
Tourism and the Sustainability of the Natural and Cultural Environment
(観光業における自然と環境の持続)
・Meeting Room #2/5
Accessible Tourism(観光しやすい国づくり)
・Meeting Room #3
The Tourism Emergency Response Network(観光危機対応ネットワーク)
・Meeting Room #4
Sustainable Tourism in the Caribbean Island Nation States(LEGO ROOM)
(カリブ海周辺諸国における持続可能な観光業)
と各部屋に議題が分かれています。


LEGOで遊んでいるルームがある?





これは決して遊んでいるわけではなく、LEGO Serious Play という世界的に注目されている会議方法なのです!子供時代にあそんだLEGOをコミュニケーションツールとして使用する事で自分の考えを可視化し、非母国語を使用する場でも意見を伝えやすくする効果があります。


さて、前置きは置いといて

1日目から会議の様子をレポートしたいと思います!





オープニングセレモニーはを盲目で車いすのミュージシャンとして活動されている山下純一さんをメインゲストスピーカーとしてお迎えして、ご自身の楽曲を3曲と、テーマにちなんだ旅先での経験のお話をしていただきました!今回日英の通訳として参加してくれた文芸学部3回生の小川瑞生さんとの掛け合いが面白かったです(笑)

▼Highlights of the JEMUN Opening Ceremony(YouTube)



ビデオジャーナリストがOPの様子をまとめてくれています!


いよいよミーティングのはじまり。

各ルームに戻って自国の立場を主張するスピーチからはじまります。









初めての非公式討論(コミティーで集まって討論する)が始まったときは、周りにおびえながらも必死についていこうと食らいつくのに必死でした。英語で会議が進んでいく中で、もし実力不足であったとしても、助けてくれる人は必ずいるので、何よりも諦めないことが大切です!

1日目の夜は実学ホールがパーティー会場に扮して、バイキング形式の立食パーティーが開かれました。ここではルームが同じでない人とも交流が出来たり、お誕生日だった2人の参加者をサプライズでお祝いしたりと、大賑わいでした!



関東から参加してくれていて偶然にも誕生日当日だった2人は「こんなサプライズまでしてくれるなんて、大阪の人は本当に優しくてハタチの誕生日を近大で迎えれて良かったです!」と喜んでくださいました~!

▼Welcome Party(YouTube)



ウェルカムパーティーの様子。参加者のインタビューもしてくれています!

パーティーが終わるとバスで宿泊先のシェラトンホテルへ向かいます。部屋は必ず外国人留学生と日本人学生が同じになるように振り分けているので、ここで交流できることもJEMUNの醍醐味のひとつですね!ちなみに筆者は友達の部屋に集まって乾杯しました(笑)“ワークハード・プレイハード”もJEMUNのテーマの1つにしておきましょう。朝ごはんはホテルビュッフェなので、これを楽しみに早起きもがんばれます!


そして、2日目!

この日は各ルームの議題に馴染みのあるアドバイザーによる講演から始まります。大使たちは彼らの経験からもアイデアを得ることができます。


駐日ジャマイカ大使リカードアリコック氏


車いすで157か国を一人旅している木島英登氏


JTB総合研究所常務取締役の高松正人氏


Japan Ecolodge Association(ECOLA)理事の高山傑氏

わたしは木島さんの講演にしか参加できなかったのですが、車いすで一人旅をする中で経験したこと、今の日本・日本人に対して感じる事などをわかりやすい英語で話してくださいました。お目にかかる機会が無い方だったので貴重な時間を過ごすことができました!







Delegate(各国大使たち)は2日目の17時までにDraft Resolution(決議草案)を完成させなければいけなかったので、各セッション白熱していました。





チームワークもできてきて、各コミティーでご飯を食べるようになっていましたね!
出会って2日とは思えないほどの結束力です。私も入りたかったな~(笑)



Draft Resolutionが完成して束の間、次はAmendment(改正案)について議論・交渉が始まるので、この日は20時まで会議が続きました。2日目の夜は出歩かずにそのままダウンした方も多かったのではないでしょうか??この改正案は、Chair(議長)によってチェックされなければいけないので、朝方3時まで作業していた議長もいました。。。




最終日3日目!

さて、早いもので最終日3日目!この日は主に各コミティーが修正済みの決議草案を発表し、決議案にするための投票を行います。3日間の集大成です。自国の意見が反映されたものが決議案に採用されたときの達成感は計り知れません。



全ての会議が終わった頃にはチームワークもできてこの笑顔です!この子達はスペインからはるばる参加してくださって、なんと、高校生なのです。。大人っぽすぎる。。



近大附属高校の生徒さんも大使・ジャーナリスト・ボランティアとして多く参加してくれていたのですが、一人の女子生徒さんは、2年前彼女が高校一年生の時にボランティアで来てくれていたときに出会って(その時は私も大学生ボランティアでした)、今年は大使の代表として参加してくれていました。再会した時はすごく感激して、1人の子の成長を見た母親のような気持ちになりました。。。←絶対ちゃう



LEGO ROOMでもいいディスカッションができたのがわかる素敵な笑顔の1枚です!決して3日間ブロックで遊んでいたわけではないですよ!



アドバイザー達もこのはしゃぎっぷり。このあとのビールが待ちきれません。







フォトブースでも思い出を残そうとみんながフォトプロップを持ってたくさん写真を撮ってくれました!もちろん、#JEMUNでSNSにポストしてもらうのが目的です。


あっという間に3日間の会議も終わりを告げ、クロージングセレモニーへ。

クロージングセレモニーは3日間を追ってくれたビデオグラファーの映像から始まりました。


The closing ceremony of JEMUN









ずっと海外の模擬国連を一緒に参加してきた友達が議長を務めあげたので、各ルームの議長からコメントを聞いている時は、なんでお前がそんな泣いてんねんってくらい涙が止まりませんでした。


責任者の国際学部トッド・ソープ准教授
どれだけこの教授に助けられたかは言葉では表せません。
でも普段はジョークしか言わないおじさんです。



アドバイザーの阪南大学のマーク・シーハン氏
すごく真面目な顔しておられますが、彼の面白さはハンパないです。






そして次に各ルームで最も外交的に活躍した人物・大学・高校や、最も活動していたジャーナリストなどの授賞式が行われます。


近畿大学からフォトジャーナリストとして受賞された文芸学部4年生井上咲貴さん

授賞式が終わるといよいよ閉会です。
やりきった自分たちをたたえ、3日間熱い討論をした仲間と別れを告げます。








オーストラリアのボンド大学からのチーム。
みんな美しすぎて並べる気がしません。



近畿大学から参加したチーム。
事務局・議長・大使・ジャーナリスト・ボランティアと役割は様々です。



JEMUNを終えて、、、

今回新しくオープンしたアカデミックシアターで全く新しい模擬国連を開催するにあたって、事務局長を務めることは本当にプレッシャーがありました。その中でたくさんの人と出会い、みんなと協力して一つの物を完成させ、実行することは今までにない達成感と充実感を与えてくれました。

他大学からの参加者からも、“近大綺麗すぎる!最先端すぎ!”という声や“噂に聞いていたよりもすごい!”という声が多く聞こえてきて、こんな整った設備の中で好きなようにさせてくれる近畿大学のすごさ・ありがたさとともにこの大学に在籍している誇りも感じることができました。

勢いがある近畿大学だからこそ、こういった国際的なイベントでもっと盛り上げていきたいと思いますし、学生さんにも自分が活躍できるチャンスはたくさんあるんだ!という意識の元、学生生活を送ってほしいと思います。

▼JEMUN Video Journalists behind the Scenes(YouTube)



ビデオジャーナリストの様子

▼JEMUN in the News(YouTube)



J:COMさんに取材をしていただきました。


さて、早速ですが

JEMUN 2018のメインテーマが発表されました!!!




国連に呼びかけられているSDG(持続可能な開発目標)の中から2つピックアップされて、大まかに言うと、ヘルシーでノットハングリーな世界を作ろうということです。

来年も近畿大学のアカデミックシアターで開催される予定です。この記事を読んで少しでも興味を持っていただいた方、気になる方は気軽にご連絡ください。

7/22-24.2018@近畿大学


【JEMUNについて】
▶WEBサイト
http://www.jemun.net
▶facebook
https://www.facebook.com/JEMUNinJapan/
▶instagram
http://instagram.com/jemuninjapan



【筆者プロフィール】
遠田美優 / 近畿大学文芸学部英語コミュニケーション学科 3回生
これまでに日本で3回、海外で2回の模擬国連を経験し、JEMUN 2017では事務局長を務めた。海外長期滞在経験はないが、留学に行かなくてもいかに効率よく英語を学べるかと日々奮闘中。

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