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雑学・コラム

2015.10.19

自分の才能を知ることで、誰もが世界トップレベルになれる未来へ

Kindai Picks編集部

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「スクーは、人生を変えられる機会を提供する会社」そう語る株式会社スクーの森健志郎社長が、テクノロジーの進化によって導かれる究極の学びの世界を示してくれた。

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「学び」にもコストとリターンのバランスが必要。効率的に学んで変化しないと、生き残れない。


ー森さんは、前職で使ったeラーニングに不満を感じて起業されたそうですが、どのあたりが一番引っかかったのでしょうか?


前職では入社3年目にはマネジメントをする立場になることが決まっていましたので、マネジメントのことを本当に学びたいと思っていました。ですが、その時受けたe-ラーニングでは学びたいと思っていたことが学べなかったんです。企業が社員に対して学ばせたいことと、現場で働く社員が学びたいことにギャップがあったのでしょう。

そのときに、「これを学べ」と誰かが与えるということが、そもそもおかしいのではないかと思ったんです。

学ぶということは、誰かに与えられるものではなく、本人が学びたいと思っているものを選択して学んだほうが良いんじゃないかと。一方で、インターネットで学習すること自体については良い方法だと思っていましたので、インターネットだからこそ提供できる学習があるはずだ!と確信して、事業を始めました。


ーそもそも以前から「学ぶ」ということに対して、関心があったのですか?


いや、そういうのはなかったですね。今でも「学ぶ」ということ自体に関心があるというよりは、人間という生き物に対してすごく興味があるんです。僕は近畿大学の大窪久代教授のゼミで人や組織についてずっと学んでいたので、その影響もあるのかもしれません。

人が何かに変化するためのプロセスが「学ぶ」ということだと思っていますし、その変化のプロセスをもっと知りたいと思っています。

人類が行き着く先は、全員の頭にチップが埋め込まれていて、クラウドにあるデーターベースで世の中のすべての情報が共有されている状態だと思うんです。でも僕はそれに対する嫌悪感はまったくなくて、純粋にそこに向かって人がどう変化していくのかを知りたいですね。


ーみんな「学びたい」「変化したい」と思っているわけですが、実際はやりませんよね?それはなぜだと思いますか?


細かいことはいろいろありますが、コストを最小化して、リターンを最大化すれば、みんな学び始めるのではないかと思います。この場合のコストというのは、費用や時間や心理的なハードルを乗り越える労力のことです。極論を言えば、うちの動画を1時間見れば年収が200万円上がるなら、みんな間違いなく見ると思うんです。

学ぶ人が躊躇しているのなら、それはコストとリターンのバランスが取れているサービスがまだ提供されていないということです。


ー学ぶ本人がやった方がいいことはありますか?


「こういう学び方をしたほうがいいよ」というのはあんまりないんですね。それに僕は「こういう人を育てたい」という学校の建学の精神みたいなものは持っていません。それよりも、テクノロジーの変化に合わせて必要とされる仕事は変わっていくので、人類がその変化に適応するためのサービスを提供して、結果的に世の中の変化がより速くなればいいかなと。


ーということは、学ぶ人が特に意識してやることはないということですか?


いや、学び方や学ぶ方向性については特にないですが、もっと学んだ方がいいなとは思っています。「自分は変わらなくてもいい」と思ってしまっている人に対して、本当は変わったほうがいいかもしれないですよっていうのは伝えたいです。


ー変わらないといけない人とは?


簡単に言うと、その仕事で向こう30年40年食べていくのが難しそうな人ですね。

日本はどんどん少子化になっていって、労働力も減っていって、僕たちの世代はおそらく80歳くらいまで働かないといけないじゃないですか。ITは相変わらずどんどん進化しているし、それ以外の新しいテクノロジーも矢継ぎ早に生まれてきている。今までように、ひとつのスキルを身につければ終身雇用で食べていけるという状況ではなくなった。そういう現実がもう、今の日本人に突きつけられています。

にもかかわらず、その現実を直視していない人が多いので、そろそろまずいですよねっていうことは伝えたいですね。そして、そういう人が使える、非常に低コストでリターンの大きい教育サービスを提供し続けたいと考えています。


学びのサービスを作ってきた森社長が断言!「本当は、学ぶより先に動いた方が効率的」





ー森さんは直感を大事にしてすぐに行動するタイプのようですが、何かコツはありますか?


昔、そういう成功体験をしたからかも知れませんね。高校生あたりからの成功体験がいくつかあって、行動してしまった方が早いし勝てるという感覚が身についたんだと思います。「よし行動するぞ!」と意識しているわけではありません。


ーみんなも動くようになるために、成功体験を積みましょうと?


理想的な話をすると、自分で自分の成功体験を作り出すというよりは、後輩とか子どもとか、自分の周囲の人たちが成功体験を積めるような仕掛けを作ってあげられるといいですよね。

会社でも、あとはもう電話すれば受注できるような状態まで整えてあげて、最後のアクションだけ新人にやらせるとかあるじゃないですか。そういうことを世の中の人たちがみんなお互いにやればいいんですけどね。でもまあこれは性善説が前提の思考実験みたいな話です。


ー現実的には?


ほとんどの人は行動しないでしょうね。正直に言うと、世の中のほとんどのことは、学ぶ前に行動した方が早いし、その方が結果的に多くのことを学べます。これはもう間違いない。間違いないんですけど、現実には99.99%の人は、それができないんです。
だからうちのサービスも、もう「人はなかなか行動しない」という前提で作られています。もし、世の中の人が全員行動できるようになるコツがあったら、教育産業は終わりますよ。


ースタッフ一同(笑)


だから、すべての人がまず行動できるような仕組みづくりよりも、それはもうできないという前提に立つ。その上で、「学びたい人が学ぶことができ、それによって自信を持つようになって、行動する」というソリューションを提供する方が、結果的に、より早く、よりたくさんの人の行動を変えられると思っているんです。


自分の才能を知り、効率的に開花させられる未来がやってくる!


ーところで、学ぶ前提として「才能」ってあると思いますか?


もちろんあると思います。これだけ個体差のある生き物って人類と霊長類くらいですからね。


ー「努力すればできるようになる」というわけではなく?


まず前提として、他の人が1時間でできることでも、それに向いていない人は100時間かかるということはあると思います。でも、100時間かかるかもしれないけど、100時間かけることさえすれば、たとえ才能がなくてもちゃんと到達できる。そういう仕組みを作りたいなとは思っています。

ただ一方で、自分が向いていないこと、つまり「他の人は1時間でできるのに自分は100時間かかること」に時間をかけてもらうよりは、「これは普通100時間かかるけど、あなたなら1時間でできますよ」というのを教えてあげることの方がもっと重要だと思いますし、僕はこちらのストーリーに可能性を感じています。

今持っている選択肢の中でやりたいと思っていることが、本当は先天的に全然向いていないのだとしたら、それはかなりの悲劇ですよね。でも、遺伝子情報なんかを使って、きちんとデータに基づく分析をすれば、「これをしっかり学ぶと世界でトップレベルになれますよ」というのを見つけられると思うんですよ。それを教えてあげられる存在になりたいんです。


ースクーとして、既にそれに向けて動いているのですか?


そうですね。「こういう才能を持って生まれてきた人が、こういうことを学ぶと、こういうところで働けるし、こんな幸せな人生を送れる」…そういったことをインターネットを通じて分析して、提供していきたいと思っていますし、それを実現するために動き始めています。

最終的には、学ぶ前の段階で「ここにあなたを必要としている人がいますよ」ということまで分かるのではないかと思っています。インドでは全然稼げないけど、これとこれを学んで日本に来れば、高いパフォーマンスを出せるとか。そういうのが当たり前に行われる世界にしたいですね。

単にスキルを向上させるだけでなく、才能を発揮できる場所や人や機会まで案内する。それがインターネット教育をしているプレイヤーが、今後やっていく役割だと思っていますし、僕たちはそれを実現していきます。


ー最後に、母校である近畿大学へのメッセージをお願いします。


マーケティングや広報をしっかりとやって、ヒト・モノ・カネの動きを作り、それを最終的には学生に還元するという取り組みは、本当に素晴らしいと思っています。いろんなところで「近大って今すごいよね」「あの近大ね」と言って頂けたりするので、ビジネスとしても人間関係としてもやりやすくなっているのは間違いないです。

今後はもっともっと突き抜けたところまで行ききって欲しいですね。例えば、20歳くらいで起業に興味が湧いた学生に、ポンっと1000万円くらいすぐ貸してあげて、場所も提供して「失敗してもいいからやってみたらいいじゃん」みたいな感じで応援するとか。

とにかく、今まであった大学の競争軸の中で戦うのではなく、近畿大学にしかできないことを磨きこんでいって、新しい競争軸を作って勝負して欲しいなと。ひとつの指標として、東大を蹴って近大に入った学生の人数を追ってみてはいかがでしょうか。そういう学生がいるということは、近大にしかできないことをやっているという証拠になると思います。



PROFILE
森健志郎(もりけんしろう)
株式会社スクー 代表取締役社長

1986年大阪生まれ。2009年近畿大学経営学部卒業。同年、株式会社リクルート・リクルートメディアコミュニケーションズに入社し、不動産関連の広告制作のディレクターを務める。このときeラーニングによる社内教育を受けたが、その内容に不満を感じたという経験から、インターネットを活用した教育サービスを自ら立ち上げることを決意し、2011年に株式会社スクーを設立。翌年、オンライン動画学習サービス「schoo WEB-campus」をリリース。
このサービスは、【インターネット配信による生放送動画によって】【先生やユーザー同士が直接タイムラインでコミュニケーションを取りながら】【自分が学びたいことを選んで学べる】のが大きな特徴。2015年9月時点のユーザー数はおよそ18万人。デザイン、プログラミング、ビジネス英語、スタートアップ、マーケティングと5つの「学部」があり、総授業数は2,000本以上に及ぶ。社名やサービス名となっている「schoo(スクー)」は、schoolの最後のひと文字「l」を取ることで、会社のビジョンである「世の中から卒業をなくす」を表現している。起業までの経緯や、新しい動画学習サービスで多くの注目を集めてきた森社長。2015年に入ってからは、電通デジタル・ホールディングスやリンクアンドモチベーションなどから3億4,000万円の資金調達をするなど、各分野からさらに期待が高まっている。


無料動画のオンライン学習サイト schoo WEB-campus
https://schoo.jp/

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