2018.12.12
『みんなで筋肉体操』第2弾!自重筋トレが「革命を起こせ」と息巻いている?
- KindaiPicks編集部
10104 View
第1弾が大きな反響を呼んだNHK「みんなで筋肉体操」第2弾に、新メンバーが加入してますます話題。
番組で筋トレ指導を担当するのは、近畿大学生物理工学部准教授・谷本道哉氏。バージョンアップしたという第2弾の内容や筋トレのコツ、さらに地方版「筋肉体操」の提案まで、番組をより楽しめるポイントを教えていただきました。
【放送地域のお知らせ】
近畿管内では1月7日(月)~10日(木)の放送はありません。
1月14日(月)、21日(月)、28日(月)の再放送は全国でご覧いただけます。
この記事をシェア
前向きなパワーワードで追い込み切る!
――『みんなで筋肉体操』の第2弾の放送が決まりましたね。「待っていました!」という声が飛び交っているようですが、先生はどのように受け止めていらっしゃいますか。
筋肉をつけるには、しっかりとした筋トレをしなければいけません。「〇〇するだけで」といったラクして筋肉をつけようという考え方ではなく、ハードなトレーニングの必要性が理解されつつあるのかなと。それは喜ばしいことだと思いますね。
―― 第1弾の内容と何が違いますか? 筋肉は裏切りませんか?
トレーニングメニューは新しくなりますが、基本的なところは変わりません。今回も、安全で効果の高い、行った分だけ「裏切らない」方法を考えました。もちろんきっちり追い込みますよ。
違うところとしては、視聴者からの要望も取り入れ、女性や筋力の強くない人でも行える方法も補足として紹介しています。関節が硬くてうまく動けない場合の対処法なども追加しました。
―― 「あと5秒しかできません」などの“パワーワード”で鼓舞されたいという意見も多いようです。
あと5秒しか……などは僕自身、普段のトレーニングで自分に言い聞かせている言葉です。脳天気な僕の性格が出ているかもしれません(笑)。頑張るなら楽しく前向きに行きたいですよね。「厳しい」と「辛い」は違いますから。今回も自分がトレーニングしているときと同じ気持ちで、前向きに声がけしています。
それは腕立て伏せじゃない、「腕立て伏せかけ」だ
―― 第1弾の番組を見た視聴者から「自重筋トレ※ではゴリゴリのマッチョにはなれないのでは?」という意見も届いたとか。
たしかに自重ではかけられる負荷が限られます。バーベルやマシンのようにはいきません。でも工夫すれば自重でもかなり刺激の強い筋トレにできます。また、自重トレは回数をこなしたくて、ごまかした動きになりがち。そこを改善するだけでもかなり違います。
例えば、腕立て伏せ。「胸が床に触れるまで“伏せ”る」のが正しい腕立て伏せです。胸が着かない動きは「腕立て伏せかけ」ですよ(笑)
※自重筋トレ:バーベルやマシンを使わず、自分の体重だけを負荷に行うトレーニング
―― 私が腕立て伏せだと思っていたのは、まさに腕立て伏せかけでした……
上体を真っ直ぐに保ち、丁寧な動きで胸を着けるまでおろせば、ゴリゴリマッチョでも、30回も40回もはできません。クランチ(腹筋運動)にしても、上体をキューっとしっかり高く上げきって、じっくりと下せば、10-15回でも腹筋が悲鳴を上げます。
もちろん器具を使った筋トレにはメリットがあります。僕自身も、バーベルやマシンを使用したメニューが中心です。でも、自重だからって甘くみないでください。工夫次第で筋肉を充分に刺激できます。自重トレが「革命を起こせ!」と息巻いていますよ。
自重筋トレだからと見くびってはいけない。工夫してしっかり行えば筋肉に十分に強い刺激を与えられるという。先生からは「自重トレは数をこなそうとして、ごまかすフォームでやりがちなので気をつけてほしい」との指摘も。
自分の考えが完全なわけがないから
―― 「自重トレの革命を起こせ」、いいですね! 番組の内容はすべて先生が考えていらっしゃるんですか?
台詞も含めてトレーニングメニューはすべて僕が考えています。それを、大学院の後輩の荒川裕志先生(国際武道大学体育学科・准教授)にチェック・修正してもらっています。いわゆるセカンドオピニオンですね。
―― セカンドオピニオンは必要ですか?
自分一人の判断では誤ったことをするかもしれないし、もっと良い工夫を見落としているかもしれません。そもそも自分がそんな完全な人間であるわけがないので。
荒川先生には、書籍や論文にもセカンドオピニオンとして共著者に入ってもらっています。時々、セカンドオピニオンで内容ががらりと変わる時もありますよ。この場を借りてお礼を伝えておきましょうかね。ありがたい存在です。
今回も荒川チェックをクリアできているので、自信をもっておすすめできる内容になっているかな。と、彼に責任を押し付けてみたりして(笑)
―― 荒川先生以外の意見は聞かれますか?
できるだけ耳を傾けたいと思っています。今回の第2弾では、実践モデルの皆さんからも「この動きはちょっとやりにくい」「この動きはちょっと痛い」という意見をいただきましたので、少し修正をしました。これもありがたいことです。こちらはその場でお礼を言いましたので、この場を借りなくても大丈夫です(笑)。
力学、生理学特性などの理屈から考えて、自分で試したり、時に実験データで裏どりもしながらオリジナルの筋トレメニューを考えているという谷本先生。それでも「自分が完全なわけがないから」とセカンドオピニオンは絶対に必要だという。
「筋肉は裏切らへん」などのご当地版も??
―― シリーズ化されそうな『筋肉体操』ですが、今後の展望はいかがでしょう?
僕個人の希望としては、「健康寿命を延ばしたい高齢者向け」「キレイになりたい女性向け」「足を速くしたい子供向け」など、ニーズに合わせた筋トレを紹介したいと思っています。
アスリート向けのものもやりたいですね。アスリートの筋トレに関しては、別の記事で詳しく紹介しているので、読んでもらえたら。ちょっと長いですが、トレーニングのコアな解説とアドバイスをさせていただいています。
▼筋肉は裏切る!? アスリートのマッスル調査!『みんなで筋肉体操』の谷本道哉が筋トレの悩みを解決
いろんな地方局で「筋肉体操」の番組が出来ると面白いかもしれません。かつての『DA.YO.NE』※みたいな「筋肉は裏切らない」の方言バージョン、 「筋肉は裏切らんばい(福岡)」「裏切らねーら(静岡)」といったシリーズが広まれば、と(笑)。
※DA.YO.NE:1994年にヒットしたEAST END×YURIの楽曲。『SO.YA.NA』(大阪府)、『DA.BE.SA』(北海道)など方言バージョンが多数製作され、土地に縁があるアーティストが歌った。
―― 本日はお忙しいところ、ありがとうございました。
放送予定
NHK総合『みんなで筋肉体操』
放送時間:23時50分~23時55分
2019年1月7日(月)「腕立て伏せ」
2019年1月8日(火)「腹筋」
2019年1月9日(水)「スクワット」
2019年1月10日(木)「背筋」
▼みんなで筋肉体操 - NHK
編集:人間編集部
この記事をシェア