2017.08.03
コミュ障なんて怖くない。自然と会話がつながる3つのテクニック。
- Kindai Picks編集部
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自分が人見知りやコミュ障だと思っている人は、事務的なやり取りはできても雑談などのコミュニケーションが得意ではありません。
学生ライターの吉野さんが、総合社会学部で性格心理学が専門の小泉隆平教授に、会話を続ける工夫について聞いてきました!
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コミュニケーションとは
学生ライターの吉野です。
最近「コミュ障」という言葉をよく耳にします。コミュニケーションのコツについて、近畿大学で心理学を教えている小泉教授に話をうかがってきました。
そもそも、コミュニケーションとは、社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うことです(コトバンクより)。
そういう意味では、対面での会話の他に、スマホを使ってSNSなどで連絡を取り合うことが多いように感じます。
そして、そんな現代を映すかのように、スマートフォンに熱中しているあまり現実社会に居合わせている人へ意識を向けずコミュニケーションが阻害されている状況を表す、“ Phubbing ”(“ Phone ”と“ snubbing(無視する)”の合成語)という言葉もあるそうです。
ということは、コミュニケーションで悩んでいる人は以前よりも増えているのではないでしょうか?
私たちは無意識のうちに「自分と相手が共に成長しあえるものがコミュニケーション」だと思い込んでいるので、もっとうまく会話したいと考えてしまいがちですが、いきなりレベルの高い対話ばかり目指していても辛くなるばかりですよね。
一方、技術が進化するにつれて現実での会話は減ってしまいますが、相対して会話をすることがコミュニケーションの上達への近道だそうです。
小泉先生のお勧めは、自分の力量にあった簡単な会話から始めること。
それに役立つ、うまく会話を進める3つのポイントを聞いてきました。
ポイント1:三角形を作る
誰かと2人でコミュニケーションをするときには、何か話題が必要になります。そんな時、自分と相手と話題の三角形を作ることが第一歩です。
相手が興味を示してくれそうな話題を探すことで頭がいっぱいになり、お互いに無言になってしまうことはありませんか。
そんな時は自分が「今ここで」思っていること、日常であったことなどを話すだけで、この状況は好転します。
特定の話題にこだわる必要は全くありません。いっそのこと「話すことが何もない」というテーマでもいいのです。「最近眠い」や「やる気が起きない」でも、後に続く相手の行動次第でコミュニケーションは成立します。
この方法は小泉先生の専門である心理臨床における心理面接でも適用されているそうです。
ポイント2:全身を耳にする
「最近眠い」という話を聞いて、「そうなんだ」で終わってしまっては会話が続きませんよね。
そんな時は「どうして眠いの?」と質問すると相手は答えてくれて会話が続きます。
それでも質問がとっさに出てこない場合もあります。しかし、質問が出てこないということは、相手の思いや感情を理解できるまで真剣に聞いて、相手についていっていないのかもしれません。
この改善方法としては、「全身を耳にする」ことが大切です。他のことを考えながら相手の話を聞いてはいけないのです。
全身を耳にして相手の言葉を聞いていると自然にその話題への疑問が生まれてきます。そして、その疑問を相手へ投げかければ良いのです。
ポイント3:深い関心をもって受け入れる
相手の話についていけず、相手への質問が出ない理由として、相手の話に関心がないという可能性があります。
コミュニケーションを続けるにあたって相手の話や相手の存在そのものに関心を示すことは大前提です。
これは、利他的であること、自分のことは二の次にして相手に深い関心を持つということまで含んでいます。この深い関心をもって相手を受け入れると、ポイント1や2で挙げた行動を実践しやすくなるかもしれません。
いかがでしたでしょうか。
小泉先生の話を伺って、難しいと思っていたコミュニケーションに対する考えが、少し変わった気がします。
相手とのコミュニケーションにおいて、こうすれば成功するという絶対はないので、「こうするほうがいいかもしれない」という淡い感覚を持ちながら築く人間関係のほうがうまくいったりすることがあります。
ですので、一度相手とのコミュニケーションで失敗してしまってもその気持ちを引きずる必要はなく、その場に合った「今ここで」の感覚を大事にしながらコミュニケーションを進めていきたい。そうすれば、自然とうまくいくことが増えてくるのではないかと思います。
【プロフィール】
吉野真由
近畿大学総合社会学部総合社会学科心理系専攻2年生
いろんなジャンルの音楽が好きで、月1回以上ライブに行かないと生きていけないです
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