2026.10.16
クレームのつもりが加害者に…「カスハラ」の定義って?対策義務化の背景を法律の専門家が解説

- Kindai Picks編集部
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あなたの言動、知らないうちに"カスハラ"になっているかも……? 2026年10月1日から企業に義務化された「カスハラ対策」。その境界線や具体的な事例について、法律の専門家にお話を伺いました。顧客の立場でも働く立場でも、誰もが当事者になりうる問題です。
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厚生労働省の調査では、パワハラやセクハラの相談件数が減少・横ばい傾向にある中、カスハラだけは相談が「増加している」と答える企業の割合が高くなっており、深刻さを増していることがわかります。こうした状況を受け、2026年10月1日からは法改正により、「カスハラ対策」がすべての企業に義務付けられることになりました。
法改正では何が変わり、私たち一人ひとりはどんな点に気をつければいいのでしょうか。













カスハラについて法律の専門家が詳しく解説

カスハラの定義とは?
カスタマーハラスメント(カスハラ)とは、顧客等の言動によって従業員の就業環境が害されることを指します。労働施策総合推進法の改正後の定義では、
①職場において行われる顧客等からの言動であること
②労働者が従事する業務の性質等に照らして社会通念上許容される範囲を超えていること
③それによって労働者の就業環境が害されること
この3つをすべて満たすものです。
暴言や威圧的な態度、土下座の強要、必要以上に繰り返される問い合わせなどが典型例で、指摘の内容そのものが正当なクレームであっても、大声で怒鳴る、執拗に繰り
カスハラ対策義務化で何が変わる?
2026年10月1日、労働施策総合推進法の改正により、カスハラ対策が企業の法的義務になりました。これまでは、厚生労働省のパワハラ防止指針で「望ましい取組」のひとつとして挙げられたり、企業向けの対策マニュアルが公表されたりするにとどまり、法律上の義務ではありませんでした。東京都などが条例で先行して対策を進めていましたが、今回初めて国の法律として、アルバイト含む従業員を1人でも雇用するすべての事業主に義務付けられます。具体的には、
①カスハラに対する企業の方針の明確化と周知
②従業員のための相談窓口の整備
③被害が発生した際の迅速かつ適切な対応、再発防止のための措置
などが求められます。従来は「現場で頑張って」と従業員任せにされがちだった問題が、企業として組織的に取り組むべき課題へと位置づけが変わる点が大きなポイントです。
同じタイミングで、求職者へのセクシュアルハラスメント(就活セクハラ)防止も企業の義務となります。カスハラが「顧客から従業員」であるのに対し、就活セクハラは「企業(人事)から求職者」と向きが逆ですが、ハラスメントへの理解を深める方針の明確化や相談窓口の整備が求められる点は共通しています。
顧客側の相談窓口や、やりすぎたときの責任は?
顧客側の視点から言えば、消費者が本来、企業に対して認められてきた権利が制限されるわけではなく、消費者法制による保護を受けられることは変わりません。顧客(消費者)として困ったときには、以前からある「消費者ホットライン188」や、全国の「消費生活センター」などに相談することができます。参照:消費者トラブル解決ナビ(独立行政法人国民生活センター)
ですが、カスハラに類する顧客の行為が度を越した場合は、暴行罪、脅迫罪、あるいは威力業務妨害罪、偽計業務妨害罪(特にデマなどによって業務を妨害すること)などの刑法上の罪に問われる可能性があり、具体的な損害を与えた場合は、民法上の損害賠償義務を負う可能性もあります。
漫画:にしむらみう
文:オカジマアヤノ
編集:人間編集舎
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