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Kindai Picks トップ色気にスケべエ、偽善、カリスマ SNSを分析し7万の本から最適な一冊を紹介する話題のA.I.のここがスゴい

色気にスケべエ、偽善、カリスマ SNSを分析し7万の本から最適な一冊を紹介する話題のA.I.のここがスゴい

アカデミックシアター

Kindai Picks編集部

2017.07.28

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大学
オリジナル記事
AI
アカデミックシアター

WEBや新聞など、色々なメディアで取り上げられている近畿大学アカデミックシアターが
「独自のAIがSNSの投稿を分析し本当のあなたに合った本をオススメしてくれる」
WEBコンテンツを発表しました。

一体なぜこのようなサービスが生まれたのか、そしてどのようにして今の形になったのか。
その誕生秘話をAID-DCCの開発チームが明らかにします。

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【コンテンツを掲載しているWEBサイト】
近畿大学 アカデミックシアター(https://act.kindai.ac.jp/



そもそも図書館になぜA.I.?



アカデミックシアターの本の並び方は普通の図書館とは全く異なります。
普段自分自身で興味があると思っているジャンル以外の本と出会うことができ、あらたな自分、本当の自分に出会えるという構造になっています。
参考:近大インデックスとは

アカデミックシアターのコンセプト「偶発的な本との出会い」をWEBで表現するには、一体どのような見せ方をすればいいのか。ここから企画はスタートしました。
本のタイトルを無作為に並べ、訪問者の気になったワードから本を選んでもらう、そもそも本をランダムに表示してしまうなど色々な案が浮かびましたが、どれも違う印象・・・

アイデアを出しつくし、悩み抜いた結果、このコンセプトをWEB上で表現するには、訪問者の特徴と蔵書の特徴を「深く分析」し、その特徴同士をマッチングさせることで実現できると考えました。



まずはどのようにして分析すればいいのかを検討し始めたのですが、莫大な数の蔵書、予測できない訪問者をひとつひとつ分析することは事実上不可能です。
そこで、人工知能と言語学の一分野である自然言語処理技術(人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる一連の技術)に着目しました。

アカデミックシアター用に訪問者や蔵書の特徴を自動で分析できるA.I.を開発することで、マッチングが可能になり、精度も上昇すると考えたわけです。


オススメする本はランダムではいけない



アカデミックシアターの本と訪問者の偶発的な出会いを表現するには、単純なランダムではなく、「なぜその本なのか」という根拠に基づいたオススメをすることが必要でした。

分析する手法は自然言語処理技術に落ち着きましたが、肝心の「何を」分析することで本当の自分を導き出すことができるのか・・・が決まらずにいました。

できるだけ本音で話し、自分を表現している場所はどこか。
本音で話をするのは友達同士や、普段使っているSNSではないか。

そこで、TwitterやFacebookの投稿を元に分析することで、眠っている訪問者の特徴を導き出すことができ、同時に分析結果に根拠を持たせることができると結論づけました。


究極の「◯◯っぽい」を求めて



分析結果の軸となる指標には、ビッグファイブ理論という考え方を採用しています。
これはパーソナリティの特性論で、人間が持つさまざまな性格は5つの要素の組み合わせ(開放性・誠実性・外向性・調和性・神経症傾向)で構成されるとするものです。

この5つの要素一つ一つを更に深く掘り下げられるよう、各要素に紐づく『類似ワード』(たとえば開放性であれば、「創造」・「知的」など)をそれぞれ1,000個ほど用意しました。

そして類似ワードそれぞれに重み(点数のようなもの)をもたせ、SNSの投稿と比較することで、開放性の指標(0〜1.0)を導き出しているというわけです。

この「重みづけ」が作り手の自由であり、「ランダムではなく根拠があると感じる」ものをA.I.がオススメしてくれるよう何度も何度も微調整を繰り返しました。



この指標を導き出す行為をユーザーと蔵書どちらにも行い比較することでマッチングを実現しています。
ただし、指標単体の数値比較のみでは、分析結果に「ムラ」が生じてしまうため、5つの要素の指標を結ぶ五角形の形としての比較、マッチングを合わせて行うことで、この「ムラ」をできるだけなくすよう調整しました。


近大らしさを忘れない



大学のコンテンツ、ましてや図書館のコンテンツともなると、学術的なもので丸く収めるのが普通だと思います。
ですが、コンテンツとは体感してもらってなんぼ、ですし、体感した後に「ちょっとの話ネタ」になってもらう必要もあります。

そこで、分析結果の項目に少し工夫をしました。
「スケベエ」「色気」「カリスマ」など・・・
人間のパーソナリティを示す指標に、普段聞き慣れた言葉を用いることで、近大だからこそできるコンテンツ感を表現しています。


このようにして、アカデミックシアターの偶発的な本との出会いを「A.I.によるランダムではない根拠のあるマッチング」で実現しました。

私もいつも同じような本ばかり手にとってしまうので、アカデミックシアターA.I.にオススメされた本を読んでみようと思います。
ちなみに私は「打天楽:ワン・ゼロ番外編」でした。
普段なら絶対に手に取りません。笑



ぜひみなさんもコンテンツで遊んでみて新しい自分を見つけてみてください!



【コンテンツを掲載しているWEBサイト】
近畿大学 アカデミックシアター
https://act.kindai.ac.jp/
【コンテンツを開発した会社】
AID-DCC
http://www.aid-dcc.com/

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