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「自分は大丈夫」は危険。あなたも熱中症になってしまうかも?

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Kindai Picks編集部

2016.06.16

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オリジナル記事
熱中症
コラム

今年の梅雨は今のところ比較的過ごしやすい日々が続いていますが、熱中症に対しての警戒は必要そうです。
「熱中症?自分は大丈夫!」なんて思っている方も多いのではないでしょうか。
本格的な“熱中症”シーズン到来の前に、近畿大学医学部附属病院のER(救急)の先生にお話をきいてきました。

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【プロフィール】
平出 敦(ひらいで あつし)
近畿大学 医学部 救急医学教室 主任教授
1977年東京大学教養学部を卒業し、その後1981年に大阪大学医学部を卒業。大阪大学医学部附属病院、済生会神奈川病院、関西労災病院、その後英国オックスフォード大学へ留学。帰国後、大阪大学助教授、京都大学教授を経て、2010年より現職。
病院外心停止の患者の救命率の向上について研究。また、救急初療を通し、学生や研修医の教育に携わり、急性期医療ができる医師の育成に貢献。



熱中症、いつからあった?


Q:30年前には聞かなかった熱中症。そもそもいつから、この言葉がメジャーになったのでしょうか。

A:近年、メディア報道を通じ広く知られるようになりました。熱中症は病気ではなく体の状態のことでして、高温多湿の環境下で、体の調節機能がうまく働かず、体調を崩している状態のことを言います。

昔は日射病に気を付けましょうと言われたものですが、その日射病も熱中症の一つです。日射病は、ギラギラ照り付ける太陽のもとで起こるもので、太陽光が熱源となっているものを言います。これに対して熱中症は、太陽光に関係なく高温多湿の環境下で起こる病態全般をさします。ですから屋外でも、家の中でも起こりえます。実際、私の勤務する近畿大学附属病院に来られる患者さんも、自宅で発症した方が大半です。

過去猛暑だった年には、全国で約40万人もの人が熱中症になりました。今年も猛暑になりそうですから、数字が増えることが心配です。





若くてもあなたも熱中症になってしまうかも


Q:熱中症患者としてよく聞くのが、高齢者ですね。「外で作業していたときに…」「室内にいながらにしてエアコンをつけておらず…」等のニュースは毎年のように聞きます。高齢者は、皮膚の温度調節センサーがうまく作動しないから…という人もいますが?

A:実際には、高血圧や糖尿病、心臓病、腎臓病などの持病を抱えている方や、お薬を服用している方も体温調節の乱れの要因になることがあり、熱中症の影響を受けやすくなるのです。したがって、高齢者が増加した現在、高齢者の熱中症が特に注目されています。しかし、本当は、熱中症はあらゆる年齢層に起こります。

Q:では若い人でも危険なのですね?

A:そうです。

高齢者だけでなく、10代、20代は熱中症のリスクの高い年齢層です。クラブ活動などで屋外での身体活動の機会が多い世代でもあり、いつも鍛えているからという過信も熱中を引き起こしやすい一因です。コンパの翌日で体調が不良な時、試験前などで疲労が蓄積している時、食欲がない時のスポーツなどでは、特に注意が必要です。若くても熱中症になってしまうかも、ではなくて若いから、熱中症になってしまうかもなんです。

Q:若い人では、スポーツ中に熱中症が集団で起こるニュースを聞くのですが。

A:熱中症から、アスリートを守るのはリーダーの責任です。

クラブのキャプテンやマネージャーは、部員の健康を守るために、熱中症リスクを客観的な方法で把握しておく必要があります。環境省は毎日、熱中症予防サイトを更新して、“暑さ指数”を公表しています。リスクの高い日にリスクの高い環境でスポーツを行う場合は、時間を考慮する、休息に配慮するなど、対策を講ずる必要があります。



環境省HPより引用
原寸大サイズで確認されたい方は、環境省熱中症予防情報サイトをご覧ください。



熱中症になったら、まずすること!


Q:熱中症の症状が見られた場合は、現場でどういった初期対応が必要なのでしょうか。

A:次の手順を踏んでもらえればと思います。

1 声をかけ、意識がなければ救急車を呼ぶ

2 意識がしっかりしていれば、屋外なら木陰など涼しい場所へ移動させ、屋内ではエアコンのある場所に移動させる

3 うちわなどで扇いだり、濡らしたタオルなどを体にあてる
この時、冷たくする部分は太い血管が流れている部分。首の後ろ、わきの下、足の付け根(そけい部)など。





まだまだ体が暑さに慣れきっていない時期。梅雨のシーズンも到来ですし、湿度も上がってきます。食欲はあがるわけではないこの時期だからこそ、効率的な水分補給が大事ですよね。
スポーツ飲料でもよいのですが、熱中症の予防に最適なのは、電解質の濃度が高く糖質の濃度が低い経口補水液です。市販されているものも色々ありますが、自宅でも手軽に作れます。
水500mlに対し、塩1.5g、砂糖20gの分量で、飲みやすくするため少量のレモン汁を加えてください。
渇いたなと思う時に飲み、飲みすぎにはご注意ください。

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