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雑学・コラム

2017.11.29

チャリでハルカス行ってきた。

Kindai Picks編集部

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オリジナル記事
学生ライター

近畿大学のシンボルであるレンガ造りのアーチ状の門から見えるのは、阿倍野区にある地上300メートルで日本一高い超高層ビル"あべのハルカス"。目に見えるビルだけを頼りに進み続ければ、地図なしでも目的地に辿り着くことができるのか、体を張って検証してみました。

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みなさん、こんにちは。
近畿大学経営学部会計学科廣田ゼミ3年の原田 環(はらだ かい)です。

最近いろんなメディアやニュースで"近畿大学"という言葉を耳にしていませんか?
世界初のマグロの完全養殖成功を皮切りに、多くのサプライズを仕掛け続けることで、瞬く間に名門大学の仲間入りを果たしました。

”研究で注目を集める関西のすごい大学”というイメージから、大阪の中心に居を構える大学と思われがちな近畿大学ですが、実は工業で栄える街・東大阪にメインキャンパスがあります。

そんな、近畿大学の正面玄関でありシンボルとも言えるのが、レンガ造りのアーチが美しい西門。近畿大学に在学する学生のほとんどが、毎日通る場所です。



もちろん、僕自身も毎日その門をくぐって登校しているのですが、ある日、近畿大学の広報部長・世耕さん(現:総務部長)に肩を叩かれ

あそこからあべのハルカスが見えるんやけど、チャリであれを見ながら辿り着くか確かめてきてくれへん?もちろん地図はナシで!その方がオモロイやろ!?


(アーチ状の門からうっすら見えるあべのハルカス。)


ん……。チャリでハルカス……。
いきなりすぎるし、無茶振りにもほどがある。
しかも地図なしって……。

一瞬のためらいはあったもの、おもしろそうだったので
「行きます!」と二つ返事。

というわけで、九州育ち、土地勘ゼロ、大阪在住3年目の僕が阿倍野区にある日本一高い超高層ビル「あべのハルカス」にチャリで行くことが決定しました!



後から調べてみると、近大からハルカスまでは電車で行くと約57分。意外と遠いかも……。



近くにあるのに手が届かない、地図なし旅のスタート!





出発前に満面の笑みを浮かべてはしゃぐ僕。



近大生お馴染みの近大通り、そして近鉄長瀬駅。


順調と思った矢先、



「あれ、ハルカスどこや……」いきなり壁にぶち当たります。

スタート直後、先ほどまで僕を手招きするかのように微笑んでいたハルカスを見失ってしまいました。ルール上地図が使えないので人に聞くしかありません。



まずは情報収集。一人目はこのおじいちゃん。「気ぃつけて行ってきいや」と優しい励ましと共に、道順とはまったく関係ない話に花が咲いてしまいます。トホホ……。

しばらく話してみたのですが必要な情報が全く得られませんでした。「出鼻を挫かれた……。」と途方に暮れていると、店の前に優しそうなおじいちゃんを発見!気を取り直して、ハルカスまでの道を聞いてみることに。



話しかけてみると、僕が頭に付けていたカメラに興味深々な様子。話半分でカメラ写りをやたらに気にするおじいちゃん。しかし、「僕、近大生なんです」と、伝えると二人のお孫さんが近大に通っているらしく、親近感が湧いたのか笑顔で対応してくれました。

「ここの突き当りまでずっと行った、大通りに着いたらそこを左に曲がったら行けるで!ちなみに、そこを右に曲がるとディープな鶴橋やで!そんでここを…」

ほとんどが、世間話なうえに終始カメラ目線のおじいちゃんのマシンガントークに圧倒され続けましたが、なんとか道順を聞けてほっと一安心…。これがパワーみなぎる大阪人か〜行き方を教えてもらうも不安がよぎりました…。



おじいちゃんは笑顔で「こっちやで」と言っているけれど、ゴールの"あべのハルカス"はまったく見えません。

おじいちゃんの話を思い出しながら細い道をひたすら進むと、大通りに合流。道が広いというだけで、なぜか安心感があります。しばらく大通りを走っていると、ハルカス行きのバスが停まる停留所を発見!これってもしかして……。



バスについて行けばハルカスに行けるやつ?楽勝じゃん!



そんな甘い考えを浮かべ、ほほを緩めたのもつかの間。時刻表をちゃんとみると、しばらくバスが来ないことが判明。

ぬか喜びだったのかと、落胆しながらふと顔を上げると……。



んっ?これは!ハルカスだ!!



しかも、西門から見た”うっすらハルカス”より断然くっきりでデカイ!



バスを追いかけるなんて、ずる賢いことを考えていてはだめだと、気合を入れ直し再スタートを切りました。

しかし、大通りから離れて、細い路地へ入るとゴールの"あべのハルカス"は元気づく僕を嘲笑うかのごとく、すぐに姿を隠してしまいます。



「高いところからなら見つけられるのかな?」と、実に安直な考えで、歩道橋の上で双眼鏡を使って探しましたが、見えるのは数羽の鳥だけ……。
「このままでは、埒があかない!」と、道順の聞き込みを再開することに。地元の人が集まりそうな場所で聞き込みをするのが良さそうと考え自転車でウロウロしていると、御勝山南公園を発見!



御勝山南公園には不思議な出会いが待っていた!





公園内へ入ってみると、何やら人だかりができていました。
人だかりの中心に目を向けるとそこには麻雀卓が鎮座。公園の真ん中に麻雀卓があるという異様な光景に尻込みしましたが、あきらかに地元の人だし、道も知っていそうなので、声をかけてみることに。

僕「すみませーん。ちょっと道を尋ねたくて」

おじいちゃん「どうしたんや?なんかの撮影か?」

僕「えーっと、東大阪からチャリで……」

おばあちゃん「そんなんええから、麻雀やっていき」

気がつけば麻雀卓に着席してしまいました。



聞くところによると、この公園で麻雀を始めて10年目。
スマホの麻雀アプリでオンライン対戦ができるからと、麻雀卓を囲む若者は減ってきていますが、世間話をしながら対面で打つ楽しさには叶わないんだとか。
ここでも、一緒に卓を囲んだ方のお孫さんが近大生ということで、可愛がってもらえました。
さすが学生数3万人越え、近大に通う孫の数も半端ないわ……、と妙に感心。

麻雀もほどほどに、道順をしっかり尋ねて再スタートを切ろうと準備していると、
背後から熱い視線が。



「ニャー」

とりあえず、行き方を聞いてみることに。

僕「ハルカスまでの行き方教えてください!」

猫「にゃ~にゃぁなはは(ひたすらまっすぐ行って付きあたりを左じゃあ)」

僕「遠いですね……」

猫「くぅぅ(分かったら返事は)」

僕「にゃあ(はい!)」

どうやら猫と会話できると思ってしまうほどに疲れが溜まってしまったようです。ちなみにこの時点で、既に1時間半が経過していますが、ハルカスまで後少し?という期待を胸に、改めて再出発。



隠れていた“あべのハルカス”も徐々に正体を現す!





御勝山南公園を出てすぐのときは、このぐらい大きさでしたが、皆さんの指示に従い、チャリを漕ぎ進めると……。



段々とサイズがビッグに!「いよいよラストスパートだ!」と意気込んでいると。



あれ?チャリの調子が……。
長時間のチャリ旅で負担が掛かったのかタイヤの空気が抜けてしまいました……。しかもカメラのバッテリーもギリギリでそろそろ充電が必要なようです。



ラストスパート!ゴールはすぐそこだ!





そして、この坂道から数分後。ついに……!



"あべのハルカス"に到着しましたー!


気になる近大からの所要時間は、なんと!



2時間13分でした!ちなみに地図を見ながらチャリで近大を出発することを前提にすると、神戸に行けてしまうほどに時間が掛かっていたようです……早速、展望台に上って近大を探してみましょう!



頂上の展望台に到着すると、達成感と疲労感からか思わず大の字で寝転んでしまいました。


気を取り直して、近畿大学を展望台から探します。



2時間以上必死にチャリを漕ぎ続けて、疲労困憊。探せども探せども近畿大学が見つからない!


途方にくれていると、「何か、お探しですか?」とハルカスのスタッフの方が声を掛けてくれました。「実は近畿大学から、自転車でハルカスまで来たんです。しかも地図なしで……」などと、企画の説明をしていると、スタッフの方が近くを指差し「近畿大学はあそこにありますよ」と指差してくれました。



あのレンガ造りのアーチ状の門は!






近大発見!!ヤッホー!!



この距離で見えるということは、意外(?)と近いことがわかりました。

途中でお世話になった皆さんを思い出すと思わず目頭が……。あ、汗でした(笑)


チャリでハルカスまで行く様子を編撮影した動画はコチラ↓






帰りは地図アプリを使って最短距離で近大を目指す!



帰り道は地図を使ってオッケーとのことだったので、スマホの地図アプリを頼り最短距離で帰ってみることにしました。


(参考:NAVITIME←ハルカスから近畿大学)

49分……。
そんなばかな!行きは2時間以上掛かったのに!

本当に49分足らずで行けるのか疑心暗鬼になりながらも、
行きとは全く違う道を使い、最短ルートを進んでいくと。あっという間に東大阪の街に到着。



行きの2時間が嘘のように47分で近大まで到着しました。地図アプリがいかに素晴らしいものか痛感しました。



ただし、地図ありで帰ったときには、面白い事件やドラマは全く生まれませんでした。“地図なしで行くのは大変だけど”、いろんな人との出会いは最高でした。特に、道に迷っているときは海外で一人旅しているときを思い出して、楽しかったです。府内なのに。
それもこれも世耕さんの「オモロイやろ!?」の一言があったからこそ!ありがとうございます!

(おわり)


ライタープロフィール
原田 環(はらだ かい)
近畿大学 経営学部 会計学科 3年
1月1日生まれ 上智福岡高校出身 廣田章光ゼミ10期生 生協学生委員会学生理事・英語村学生スタッフ・留学生サポーター・野球サークル 近大BEAST中学・高校で野球部に所属しつつ、剣道有段者という異色のスポーツ歴。他にはいけばなの資格を持つなど見かけによらず和にも精通。おふろに関するキュレーションサイト「おふろ部」でもライター活動を始めました。
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